イシダ植物の「転石」
 多感なお年頃、ついに三十路突入いたしました。
 これから先もローリングストーンしながらトーキンバゥマイジェネレーションだよ。

もくじまえ見る?つぎ見た?


2009年06月12日(金) 前頭葉にクル話。3


1stステージが終わって、相方は「満たされちゃった」といって帰ってしまった。
わかる、ほんとうに、「満たされ」たんだ。
女性が「満たされた」と言う感覚、わかるかな。あの、あんな感覚に、たしかに近い。
私も帰ってもよかった。でも、なんかまだそこに居たかったというか、
まだ浸ったまま動けないというか、こわいけどもっといってみたいというか。


2ndステージは、明るくて聴きやすいサンバな曲から始まった。
1stよりも、ポップ、バラード、無難と言うか分かりやすいというか、
カタチとしては触れたことのありそうな雰囲気の選曲。
でもひとつひとつの音の粒がより鮮やかでくっきりとしていて、
精度も音量もぐんぐん素晴しくなっていく 青天井!

耳が、サックスを追いかける。
唸る。歌う。ゆれる。ささやく。おどる。聴いたことのないほどの音のいろんな表情。

すでに満たされているところにどんどん盛られていく感覚に、
私の脳は、
ついに、思ってもない反応に出たんだ。


オデコが、しゅわしゅわとしている。
オデコのあたりに、じゅわー、じゅわー、というシビれを感じる。
このへんの毛細血管がチリチリしているようなかんじ。
これはなんだろう、と思いながら、
私は思いっきりこの音楽に酔っていた。



すごーーーーい。


ぜんとうよう、だぁ。 と、このときおもったんだ。


前頭葉が、よろこんでいるよぅ。
ものすごい波長が現れているよう、先生、この脳波どう!?
すごいよイシダさん、波が、振切れているよう。
なにかビシビシしたり、パステル色とりどりの曲線も現れたりして、思い思いに描いているよう。
すごいよこれは。ああ、きろくをとっておけばよかった。
とってないの、せんせい?そーなの?ああ、でもいいよぅ、わたしにもわかるよ。
ぜんとうようが、すごくよろこんでいるよう。


 * * * * *


この余韻は次の日も続き、その次の日は形を失いつつただ綺麗な思い出となって、
そのあとも、目を閉じてオデコに手をあてては「ああここにしゅわしゅわがキてたなぁ」と
水面から見た高い空を思い出させるのでした。


この体験を、言いふらしたくて。


2009年06月11日(木) 前頭葉にクル話。2


??高田馬場、カフェコットンクラブ。

高校の同級生くんがドラマーとして出演。
彼のステージは何度も見ている。
大好きなドラムスタイル、誰よりもソロの長いドラマー。あいつもこっちも大爆笑。

一緒に行ったのは、しょっちゅう一緒にお出かけしている女の子。
彼女も何度も彼のプレイを見ている。
初めて連れて行ったときから、同じ反応をしてくれた。キレイなのにヘンな子。

本日の演者は、私にとってドラマー以外はお初。みんなガイジン。
アルトサックス、トランペット、ピアノ、ベース、ドラムの5人組。
バンドリーダーのサックスと、その幼なじみのピアノ、この2人中心で組んだのかな。
このメンバーで国内ツアーをしての、最終日。


この演奏がね!
すごーーい良かったのよぅ。
まず目を引いたのは、ピアノさん。私の相方が「病的でイイね」とささやいたとおり、
ピアノに向かって首をぐっと前に出して、表情はまるで
蟻を観察しているような、なにか考えことをしているような顔で鍵盤を見つめながらたたく。
寡黙なキャラに、
ベースとドラムが存在を主張するようにしっかりと支えてカラんでいく。
そしてフロントの二人がぴたりと揃って乗っかる。交代でソロをする。
1曲目の印象であり、全体像、こんなかんじ。


2曲めで私はその波に、いや空気に、うーん世界に?なんだろ、入って行きました。
例えるなら、

私が右から左へ歩いて行く。
左のほうは一面、濃い霧のような森のような。
私はなにも気づかないまま、歩き進んでそのモヤのなかに入っていく。
その先で見た景色は??。

みたいな!
まあこの部分は、いま思えば、の話だけれども。


この2曲目が、日本語で言うと「立ち泳ぎ」という意味らしいんだけれども。

冒頭はまるで、水の中のボコボコ、コポコポという音。
気がつくと私は水面から顔を出し、肩まで浮いて、
あたりに広がる水平線と抜けるような空を見ていた。
そんな私はガイジンの少年なんだけれども。
(右から左に歩いているトコからね)

ジャズといってもこの曲はスイングではなく、
フリーというほど混沌とするでもなく、音と音の空間があって、
まるでクラシックのムソルグスキーのような、またはバレエ音楽のような、
とても絵画的映像的な曲。いっこの画になっていて、どのパートがどうしてるのかは分からない。

あぁでも分かるのは、サックスの音が、とてもカラフルで、歌っている。


メンバーのカジュアルな装いにナメてかかっていた私は、
もうモヤの向こうがわにいて、次の曲も、その次の曲も、
ずっとその景色たちと、目の前の演奏するひとたちと、両方を見ていた。

ラストに待ってましたのドラムソロが鳴って、
私たちは我に返ったように手を叩いて声を上げて、
友人の広げていく世界に盛大にセレブレイトした。


 ・・・まだつづく。


2009年06月10日(水) 前頭葉にクル話。1

べつに流行りのドラマにひっかけるつもりはないのだけれど、
(と ひとこと添えるあたりが私のヘソマガリを表しているのでしょうけれども)
脳の、前頭葉の話。


以前テレビで実験しているのを見た。
「おっさんギャグ」これを言うひとと言われるひとの
前頭葉の脳波を測って、どれだけ活性化しているかを見てみる実験。

どうなるとおもう?
これが、びっくりするほどに、はっきりと違うんだよ。

おっさんギャグを言うひとの脳波は、びんびんに活性化している。
それに対し言われるひとの脳波は、まるで死んでいる。
もう文字で表すなら、「ツ―――――――――」ぴくりともしない。

ちなみに実験で「言う側」を担当していたのが林家ぺーね。ギャグ連発の脳波びんびん。
それも含め、すごい面白いと思った。
以来、おっさんギャグを言うひとに対し「あなたは私の脳を殺しているのよっ」と言って
がんばれー、起きてー、と自分のオデコを両の指先でトントントントンしてみせたりして。

と ここまでが前置き。


今日の体験は、私が林家ペーになった話。ピンクの服着て・じゃなくって、
もとい、ジャズライブに行ってきた話。


   ・・・つづく。


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