冒険記録日誌
DiaryINDEX|past|will
| 2016年10月31日(月) |
カイの冒険 正解発表 |
昨日の日記で書いた隠しキャラの正体です。
正解は ベラボーマン でした。
検索してみると、描写もぴったりのキャラの画像がヒットしますね。 教えてくださったドロシー!様、チャーリー様、ありがとうございました。
| 2016年10月30日(日) |
カイの冒険(健部伸明・山下武師/創元推理文庫) |
原作は「ドルアーガの塔」の続編、物語としてはドルアーガの塔の前の話しとして、有名なゲームです。 私は実際に遊んだ事はなく、ゲームセンターCXで取り上げられていたのを見たくらいですね。 ジャンプのみのどちらかと言えばシュールなパズルアクションゲームが原作だけに、そのままゲームブックに移植はするわけにはいかなかったようで、ゲームブック版は大まかな世界観を生かした以外は、ほぼオリジナルのものとなっています。もっとも、創元推理文庫のナムコゲームブックは全てそうなのですが。 原作との共通点と言えば、主人公がギルの恋人のカイで、ドルアーガの塔を登っていくという設定くらい。原作のゲーム要素と関連している部分は、登場敵キャラの多くは原作に登場するモンスターであること、カイの能力値としてジャンプという他のゲームブックにあまりないポイントが存在すること、ドルアーガの塔2階でスライムに体当たりして相手を倒すという相打ち戦法が登場することくらいでしょうか。 あと、創元推理文庫のゲームブックとしては珍しく、本文中にまともな挿絵がなぜか一つもありません。カイが主人公のゲームブックだけに、むしろ普通のゲームブックより、イラスト化すべきところなんですが、なぜなんだろう。
さて、ゲームルールとバランス面のことですが、これには少し難があります。 最初に能力値として8点を、器用度、ジャンプ力、奇跡の力の3つに好きなように割り振るのですが、器用度、ジャンプ力は判定に使用するのに対し、奇跡の力のみ判定用ではなく、イシターの力を借りることができる残り使用回数となっています。 実はこの奇跡の力があまり使えません。まったく役に立たないわけではないのですが、先日20数年ぶりくらいに再プレイした時は、一度も奇跡の力を使うことなくクリアできてしまいました。主人公は巫女という設定にふさわしい能力と思うだけに、死にステータスと化しているのは勿体ない話しです。 また本作では、サイコロは使わず、神々の絵が描かれた6枚のカードを切り取って使います。(トランプの1〜6でも代用可能) カードは全て引き終えるまで、シャッフルしなおさないので、残りのカードを見て、そろそろ悪い事がおこりそうだとか、本当に未来を少し予知できる仕掛けとなっています。これは面白い工夫ですが、実際のプレイでは「残りが良いカードだから、ここは強気の選択をしよう」という風に、残りカードを参考に選択肢を選べるような余地がほとんどなく、こちらもあまり機能していません。 私は発売当時のプレイでは、本当にカードを切り取って遊びましたが、今は勿体なくてできませんし、そもそもカードを広げるのも面倒。というわけで、再プレイではアミダクジを作って代用して遊びました。
次に、ゲームブックの「カイの冒険」で登るドルアーガの塔は、ギルの登ったドルアーガの塔とは完全に別物で、1つの大部屋だけで成立する小さな階層があるかと思えば、広大な砂漠となっている階もあり、いろんな次元が交差している不思議空間となっています。 いろんなミニ世界を旅していくシュチエーションは、小説ならグインサーガ外伝の「鬼面の塔」を思い出しましたし、ゲームブックでも「ウェイレスの大魔術師」とか「展覧会の絵」など沢山ありますが、カイの冒険もそのタイプです。 詰将棋のようなパズルを強いられる階だったり、塔の住民である怪物たちと交渉や戦闘をするミニアドベンチャー的な階があります。印象的なのは泉の階で、この階のクリア条件はただ泉に飛び込むだけなので、全フロアでも最短で通過が可能です。この階では泉の扱い方次第で、カイが神の気分を味わうことも可能ですがゲーム攻略的には何の意味もなく、ただお遊び要素の為だけに多くのパラグラフを使っているのですね。 1階1階の冒険は短めです。パズル要素のある階では失敗した展開もパラグラフを多く裂いて書いていますが、解法がわかっているとあっさり通過できてしまいます。3階など、むしろ多少失敗した方が緊張感のある展開を楽しめる、という作りの階もあります。パズルの難易度は低めで、自分には丁度いい感じでした。 パズルで失敗したり、戦闘で負けてもすぐには死なないし、死んでもドルアーガのいる最上階を除けば、女神イシターの姉であり死の世界を治める女神エレシュキガルによって、ペナルティと引き換えに復活させてもらえる親切設計です。あまり失敗を繰り返したり、大きな判断ミスをすればゲームオーバーにはなりますが、普通にプレイしていれば一回でクリアできる可能性は高いでしょう。ちなみに私の再プレイでも一発クリアできましたが、後半部分で女神エレシュキガルのお世話に2回ほどなりました。
ストーリー的には原作の「ドルーガの塔」シリーズ(バビロニアンキャッスルサーガ)の世界を支えるイシターを始めとする神々が、作者独特の解釈により深くかかわってくる展開でして、この少し幻想的な世界観が合うならとても楽しめると思います。 途中で仲間になる謎の盲目戦士の存在のおかげで、ストーリーを引き締めることに成功していますし、ラストのドルアーガとの決戦は結構盛り上がます。 ただ、エンディングは原作通り、悪魔ドルアーガの力によりカイは石にされるというバットエンドで、カイが見事ドルアーガを倒すという、IFの展開は存在しません。(別の神を倒して、カイが神に成り代わるってエンドはありますが。) それでもカイの活躍により次元を断ち切られ、天界まで征服するというドルアーガの野望は絶たれたという終わり方は、原作よりは意義がある結末です。 エピローグではギルがイシターにより、不思議時空と化していたドルアーガの塔もただの建造物に戻ったことを告げられます。そしてギルがカイを救出にいく本編が始まるという風に物語はつながるわけです。
このゲームブックは、読者が何を期待してプレイするかで、評価が変わる作品だと思います。当時、鈴木直人のドルアーガの塔シリーズのようなものを期待して、ガッカリしたファンもいたようですが、そのあたりは創土社から久しぶりに鈴木直人氏の新作が出たけど、期待したのはこれじゃない的意見も散見された「チョコレートナイト」に近い現象かもしれません。 ネットでの評価はさほど高くない作品ですが、私はかなり好きな方で、創元推理文庫のゲームブックで再評価してもらいたい3大作品の一つですね。(残り2つはベルセブルの竜と眠れる竜ラヴァンス) これを前哨戦として、時間がとれれば、そろそろ鈴木直人氏のドルアーガの塔に再挑戦しようかな。
おまけ
パラグラフ333に明らかに世界観の違う変なキャラがいます。 隠しキャラ的に登場した、別のナムコゲームのキャラだろうとは思ったのですが、自分にはわからず、これが謎でした。 結局ミクシィで聞いて教えてもらいましたが、みなさんは何のキャラかわかりますか?
(登場シーン抜粋) しばらく見ていると、そこへ奇妙な生き物が現われた。姿そのものは人間なのだが、腕や足、さらには首までが伸び縮みし、それで敵を倒しているのである。奇妙な衣服に身を包み、赤いマフラーと四角い眼鏡、それに兜についた奇妙な突起物が印象的だった。しかもその戦闘力は強く、一撃で何人ものスーマール兵を倒していく。やがて、スーマールの兵士が絶滅すると、その奇妙な生き物は高らかに笑って去っていった……。
なお、このパラグラフに到着する方法も実はまだわかっていません。こいつを呼び出す手順を知っている人がいたら教えてください。
| 2016年10月29日(土) |
SAGAカードって知っているかな? |
古参のゲームブックファンは、FFシリーズだったり、双葉のファミコンゲームブックだったり、二見のブレナン作品だったり、自分にとっての中心となるゲームブックレーベルがあるのではないでしょうか。 私の場合、ゲームブックの基本というと、創元推理文庫のスーパーアドベンチャーシリーズです。 残念ながら、このシリーズはルールの重い大作が多くて、現在ではなかなか腰を据えて遊ぶ時間が取れません。環境が整えば、遊んで冒険記録日誌のネタにもっと書きたいと思います。ドルアーガ3部作なんて「魔界の滅亡」が未プレイですし。もっとも、まだ未プレイの鈴木直人作品があるという事は、鈴木ファンとして凄い楽しみを残しているわけで、まんざら悪い話しではない気もしますがね。
さて、スーパーアドベンチャーゲームブックでは、一時期、本にSAGAカードというおまけが、ついていたのを知っていますか? 一冊につき4枚のモンスターのイラストと解説文、体力・技量点などが印刷されたやつでして、切り取って遊ぶものです。 ネットではほぼ話題に取り上げられたことはないようですが、あれを遊んだ思い出がある人はいるでしょうか。 特に具体的な対戦用の遊び方のルールはなく、自分で解釈して自由に遊ぶものだったと思います。 当時は、正月などに親戚が集まった時、いとこ相手にカードゲームとして遊んでいましたね。 基本はトランプゲームの「戦争」と同じルールですが、数字の優劣を競うんじゃなくて、ちゃんと出たカードでゲームブックのような戦闘をサイコロを使ってやってました。
ちなみにSAGAカードが、ゲームブックのおまけになっていたのは、6作とシリーズ全体でもほんの一時期だったのですが、出版社で通販でも販売していました。1セット注文すると、4パターン×2枚ずつの計8枚のシートがおくられてきて、切り取ってカードにする仕様でした。 通販のカードはミノタウロスとか一般的なモンスターが中心ですが、中にはフレイヤー(ソーサリーに登場したタコ料理人)みたいな奴もまざっています。 当時、2セット購入して、1セットを切り離してゲーム用に、もう1セットは今もそのまま持っていますよ。 誰も興味がないでしょうが、参考にどんな種類のカードがあったかここに書いてみましょう。
〔通販のカード〕 ミノタウロス 体力12 技量8 魔力─ ダメージ3
ゾンビ 体力7 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
ゴーレム 体力15 技量7 魔力─ ダメージ3
トロール 体力13 技量8 魔力─ ダメージ3
バジリスク 体力9 技量8 魔力─ ダメ−ジ2
フレイヤー 体力6 技量5 魔力─ ダメージ1
サイクロプス 体力10 技量8 魔力3 ダメージ3
ドラゴン 体力20 技量10 魔力5 ダメージ4
ユニコーン 体力8 技量5 魔力3 ダメ−ジ1
ボブコブリン 体力10 技量7 魔力─ ダメージ2
スライム 体力10 技量6 魔力(3) ダメージ1
バンパイア 体力8 技量7 魔力4 ダメ−ジ3
トカゲ男 体力14 技量6 魔力─ ダメージ2
グール 体力7 技量6 魔力─ ダメージ1
ミイラ男 体力8 技量6 魔力─ ダメ−ジ2
オオカミ男 体力9 技量7 魔力─ ダメージ2
ガーゴイル 体力8 技量8 魔力2 ダメージ1
コブリン 体力7 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
スケルトン 体力5 技量7 魔力─ ダメージ1
〔ドラゴンバスターのカード〕 ドラゴン 体力20 技量10 魔力5 ダメージ4
スライム 体力10 技量6 魔力(3) ダメージ1 ※まれに(6分の1の確率で)魔力ある個体あり
ゾンビ 体力7 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
スケルトン 体力5 技量7 魔力─ ダメージ1
〔スーパーブラックオニキスのカード〕 グール 体力7 技量6 魔力─ ダメージ1
コブリン 体力7 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
トロール 体力13 技量8 魔力─ ダメージ3
ボブコブリン 体力10 技量7 魔力─ ダメージ2
〔迷宮のドラゴンのカード〕 フライドリル 体力7 技量6 魔力─ ダメージ1
タッタ 体力6 技量5 魔力─ ダメ−ジ1
トリガー 体力10 技量7 魔力─ ダメージ2
タロス 体力13 技量7 魔力─ ダメージ3
〔紅蓮の騎士のカード〕 ガルダー 体力10 技量7 魔力─ ダメージ2
ゴリ 体力7 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
グロスデビル 体力8 技量6 魔力─ ダメージ1
白ロウの剣士 体力12 技量7 魔力─ ダメージ2
〔ベルゼブルの竜のカード〕 はげたか魔鳥 体力8 技量6 魔力2 ダメージ1
半人半竜 体力12 技量8 魔力─ ダメ−ジ3
エノガー 体力9 技量6 魔力─ ダメージ2
ケルベロス 体力10 技量7 魔力─ ダメージ3
〔眠れる竜ラヴァンズのカード〕 リザードマン 体力10 技量9 魔力─ ダメージ3
ヒルピープル 体力6 技量6 魔力─ ダメ−ジ1
ピンヘッド 体力7 技量6 魔力─ ダメージ1
狼人間 体力8 技量7 魔力2 ダメージ2
ドラゴンが強すぎですね。さすがモンスター界の最強ポジションですが、対戦ゲームとしてはバランスブレイカーです。 遊んでいた時は、一部のモンスターは、ゲームブック版と同じ能力を採用してたりして遊んでいました。(例えば白ロウの剣士は、2回連続で攻撃に成功しないとダメージを与えられないが、火炎系の攻撃をするモンスターには弱く、2倍のダメージを受けるとか。)
それからこれは後からですが、アドベンチャラーズインでは、SAGAカードを使った、ソロプレイも可能な「洞窟のドラゴン」なるゲームルールが紹介されていて、そっちも遊んだかな。 ちょっと紹介すると、内容は最奥にある財宝を目指して、一本道の洞窟をひたすら進むという設定で、マップのないすごろく的な内容です。 まずは洞窟の長さはプレイヤーが好きな数字として設定します。長さ=最奥の財宝になっている金貨の数ということになっており、冒険の難易度みたいなものです。 サイコロ2個+10で体力ポイント、サイコロ1個+6で技量ポイント、魔力ポイントは魔法ルールがないなら0で、キャラクターを作ります。 所持品は、剣とザックくらい。食料は洞窟の長さが30までは1食分、以後15長くなる度にさらに1食分ずつ増やします。 ゲームを開始するとサイコロを2個ふって、イベントを発生させること繰り返す。
2〜6 目数だけ洞窟の奥へ先へ進む。(数字を増やして、洞窟の長さに到達したらゲームクリア!) 7・8 モンスターに遭遇する。カードを引いて戦闘へ。 9〜11 安全そうな場所。食料があれば1食減らして体力ポイント3増やすことができる。 12 罠にひっかかり、体力ポイントを2減らす。
戦闘はFFシリーズに似たようなもので、主人公側が一度に与えられるダメージは2ポイントです。 慣れてきたら、自分でルールを拡張してもよく、例えば11が出た時は、武器や魔法の品、体力回復薬などを発見するとか、ソーサリーの魔法システムなどを採用するのもありと書いています。※ 当時でもシンプルと思ったゲーム性ですが、進行役と冒険者役に分かれて二人で遊ぶと、TRPGの入門的に遊べました。 このようにSAGAカードは、シンプルゆえに工夫次第でいろんな使い方のできる汎用性の高いカードだったと思います。
たまにはこんな昔ばなしもいいんじゃないでしょうか。 えっ、ゲームブック自体が昔ばなし?いえいえ、ゲームブックは現役ですよ?
※ ちなみに山口プリン的には、SAGAカードで魔法システムを採用するなら、「王子の対決」という二人用ゲームブックの魔法使いが使っていた�狎錣い遼睨 疋襦璽襪鮑陵僂垢襪里�お勧めです。さすがに今から遊ぶ人はいないでしょうが。
| 2016年10月23日(日) |
タイムトラベル大戦争 過去の国からSOS(池田美佐・前川陽子/双葉文庫) |
双葉ゲームブックといえば、オリジナル作品でもルパン三世やペパーミント、セクシーシリーズを除けば、少年魔術師インディみたいにゲーム世界というイメージの作品が多いです。 この作品は、そんな双葉の青色背表紙の一冊ですが、いつもの双葉のノリとは違って、ゲームよりも小説がメインっぽい感じでした。後書きを読む限り、前川陽子さんがメインが書かれて、池田美佐さんが手伝って書かれた作品のようです。 プロローグは中学2年生の男の子が、公園で息絶えている一人の男を発見し、彼が装備していた謎の装置でタイムスリップしてしまうところから始まります。 ゲームがはじまり、到着した先はなんと戦国時代!桶狭間の戦いの直前という状況でした。 いやぁ、日本でタイムスリップに巻き込まれると、戦国時代に到着する可能性は高いですね。そして織田信長様に遭遇する可能性もこれまた高すぎ。 恐竜時代にタイムスリップすれば、ティラノサウルスに追いかけられる可能性くらい高いのではないでしょうか。
気を失っていた主人公は、謎の美少女に介抱され状況を説明されます。死んでいた男は、実は未来から来たタイムパトロール隊員だったのです。 なんでも未来では、人間そっくりのロボット達が波乱を起こしており、ロボットたちは過去にタイムスリップして、著名人達を抹殺して歴史を変えようとしているのだそうです。これまたターミネーター的な王道展開ですな。 少女は一緒に同行できないそうで、銃などの装備とともにすぐに一人になった主人公。なぜか自分が戦国武将たちをロボット達の暗殺から守る役割を押し付けられてしまいました。 ゲームルールはシンプルな方で、フラグチェックと戦闘に使うバトルポイント表、能力は体力値のみの管理となっています。当然、まずい選択肢を選ぶと体力が下がってしまいます。 ひとまず遊んでみましたが、ある場面で織田信長を助けたとすると、すぐに次の別の合戦の場面にタイムスリップして、豊臣秀吉など別の武将の救出に向かうといった繰り返しでストーリーが浅い印象がしました。 後半からはタイムパトロール隊員の本拠地である未来にタイムスリップしてロボット軍隊との対決という、本当のSF展開になるのですが、ここからはあまり分岐はなくなって完全な一本道です。展開はそれなりに熱いのですが、ここまでくる前の戦国時代で、体力を消耗したり、アイテムを取り逃したり、逆に余計なアイテムを持っていると、ふるい落とされてゲームオーバーになるだけという、こっちはゲーム的な方でイマイチかも。 私的には地味な作品でしたが、遊びやすくはあったので、戦国武将達と主人公の交流とかをもっと深めたストーリーにしていれば、ジュヴナイル系SFゲームブックとして楽しめたかもしれないです。ちょっと残念かな。
| 2016年10月22日(土) |
キング・ソロモンの秘宝(若桜木虔/ピラミッド文庫) |
インディジョーンズ系と言うか、エンタメ冒険小説の王道をつっぱしるストーリーのゲームブックです。 冒険家の主人公が仲間達とともにアフリカの秘境に旅立ち、厳しい自然の中でサバイバルをしたり、邪悪な巫女や王に率いられた原住民らとやりあったり、ヒロインや宝の地図が登場するなど、ベタな要素が満載で実にわかりやすいです。 若桜木さんによる後書きによると、本作には原作があり、創元推理文庫から「ソロモン王の洞窟」というタイトルで出版され、ゲームブックの出版と同じ年に映画も日本公開されたそうです。私は知らなかったのですが、知る人ぞ知る的な傑作のようですね。 つまりゲームブック版は映画化の人気に、タイアップして出版されたわけです。タイトルこそ映画と同名ですが、内容は小説版をベースにしているようで、後書きでは小説とゲームブック版の設定の違いを解説しています。
さて、そんなストーリー面の話しは、どうでもいいです。問題は本作が若桜木虔さんのゲームブックだということです。 過去、私がみた若桜木虔作品のほとんどは、やたら迷路が多く、時には迷路全体が無限ループという事も珍しくないという凶悪な罠となっています。(2016年2月14日や2016年3月19日の冒険記録日誌を参照) 本作も本の帯に「魔王ツワールを倒し、ソロモンの秘宝を手にできるか!正解の171手に挑戦しよう!」と、若桜木虔作品お馴染みの最短クリアを推奨する文句が出ていました。 そんなわけでプレイ前の期待値は高くなかったのですが、ルールは特にない単純な分岐小説というのもいつも通りなので、原作つきならストーリーも安心できるし、とりあえず遊べるかなと挑戦することにしました。 それがまさか、さらに悪い方に予想が裏切られるとは。若桜木虔先生の作品は一筋縄ではいかないぜ。
まずゲームを始めてみると、ヘンリー・カーティス卿とジョン・グッド大佐なる2人の人物に主人公が会うところから始まります。 ちなみに主人公の名前はアラン・クォーターメンですが、原作のことを紹介しているサイトによると主人公は55歳だそうです。結構なベテラン冒険家ですね。 ヘンリー卿は冒険家で弟が消息不明になっていると言い、捜索に行く手助けをしてほしいと依頼してきます。 ここで依頼を断るか、受けるか、考えさせてくれ、の3択が発生。選んだ先では「この文章の番号を記憶して、あるいはメモして、2へ進め。」という文章が登場して、次の行き先でヘンリー卿が主人公の雇用条件を提示されるシーンがあって、そこでは「前の文章番号に25を足した番号の文へ進め」と指示されました。 わかりにくいですが、3択を選んでどの返事をしても、そのあと雇用条件を説明する同じパラグラフへ移動しますが、そこからまた3択の内容によって行き先が変わるという事です。 いきなり面倒なパラグラフジャンプで少々戸惑いましたが、パラグラフ数か原稿量の節約でもしたかったのでしょうか。 さらに話しを進め、ウンボパと名乗る、訳ありそうだが屈強な現地人を雇うと、冒険の旅が始まります。 まだ序盤なんですが、先ほどの「この文章の番号を記憶して、あるいはメモして、○○へ進め。」「前の文章番号に○○を足した番号の文へ進め」と言った指示がここまでに何度もありました。イチイチ計算を求められるのは面倒くさいな。 長丁場となる砂漠の旅が始まると、飲料水が尽きそうとの事で水を探し回るシーンになります。 このあたりで砂漠を右に行くか、左に行くか?と尋ねられる選択肢が多発。これは迷路なのかな? なんとか沼を発見した一行は、泥水を啜って事なきを得ます。すると今度は食料が乏しいと、また食料探しに右に行くか、左に行くか?の迷路が発生。 冒険のプロなのに、準備が乏しい主人公だなぁ。一応、原作にも水を探し求めるエピソードはあるらしいですが。 彷徨っている間も先ほどのパラグラフジャンプは、頻繁に求められるので、ゲームを進めるのが面倒なことこの上なし。 なんとか山脈の麓までたどり着いて、洞窟で野営した一行は、洞窟の奥にソロモン王の坑道らしきものを発見。ここで本格的な迷路に突入しました。普段なら迷路は苦手ですが、頻繁なパラグラフジャンプがここで登場しなくなったので、やっと普通に遊べる感じになってきました。 鉱山は入り組んでいて、距離感も方角も描写がはっきりしないのでマッピングは不可能っぽいです。無理に書いても地図ではなく、フローチャートみたいになるでしょう。とりあえず滅多やたらと進みましたが、一向に出口が見えません。 パラグラフジャンプ地獄を抜けたと思ったら、無限ループ地獄にはまっていたのでした。
完
とにかく計算が必要なパラグラフジャンプが多すぎ! 2・3パラグラフ進行するたびに例の文章が出て、常に計算を求められるのですが、本当に面倒くさい! 中には選択肢もない一本道でも登場するのですが、これ、本当に必要なの? 物語が盛り上がっていても、読者は全然集中できません。通信環境が悪いせいで、頻繁に再生が一時中断するネット動画を見ているかのようなストレスでした。 おまけにうっかり指示を忘れ、番号を覚えずに次のパラグラフに進もうものなら、「前の文章番号に100を足した数字へ」とか言われて詰まってしまいます。 ゲームを中断するにも、適当にしおりを挟んでいると、やはり進めなくなります。 最近、忙しくてゲームブックも5・10分の合間合間に遊んでいる状況だったので、慌てて中断するときなど、こういった失敗をしでかして、やたら再開地点探しに時間を取られてしまいました。ゲームブックの楽しみ方の一つである拾い読みも全然できません。 これほどストレスの溜まる読者虐めなゲームブックも滅多にないですが、凄いのはこれが手抜きではなくて、逆に手間をかけないと作れない作品であることです。驚いたことにこれだけパラグラフジャンンプが多いのに、遊んだ限りではバグはないんですよ。 原作があるだけあってストーリーは別に悪くないので、無限ループとパラグラフジャンプがなければ、普通の分岐小説として、そこそこ楽しめる作品になっただろうに。作るのも大変な仕掛けを施し、それが読者には負担がかかるだけというのも珍しい。 作者の考えがまったく読めないので、後書きにこの仕掛けを思いついた理由についてコメントを書いてほしかったところです。 誰得?なシステムを実現したという点で、おそらく唯一無二のゲームブックではないでしょうか。
なお最も一番盛り上がるのは、ラスボス的なツワール王と主人公の一騎打ちのシーンと思いますが、これはパンチで顔面を殴るか、頭突きをかませるか、両手で首を絞めるか?と言った、2・3択が続く戦闘となっています。これがまた、殴り合ったり槍を奪い合ったり落馬させたりの展開が延々と続く無限ループっぽいので、たちが悪いです。果たして勝敗がつく手順が存在するのだろうか?気になる人は本書を差し上げますので連絡ください。私のかわりにクリア報告をお願いします。
| 2016年10月17日(月) |
ソーサリーの魔法レッスン その30 |
ファミコンネタ最後も任天堂ゲーム。ドクターマリオから出題です。 本当はドラクエとかハドソンのゲームからも出題もしたかったけど、ミニファミコンに収録されてなかったのよね。ファイナルファンタジーシリーズは遊んだ事ないし。 ドクターマリオはもしかするとゲームボーイ版の方が有名かもしれませんが、ファミコン終盤の名作には間違いないでしょう。厳密にはもっと後に、星のカービィも出ていたけど、そちらも残念ながら遊んでません。 残念ながらゲームブック版は存在しませんが(あったらそれはそれで無茶ぶり企画だと思うが)、双葉の「スーパーマリオワールド」に、ドクターマリオからの手紙という形でゲスト出演しています。
(例題)ドクターソーサリー
君はウィルス研究に日々邁進するドクター。 今日もウィルスに感染した患者を診察して、その体に忍び込んだウィルスどもを退治すべく試行錯誤をしていた。 しかし、今日は手ごわいぞ。体いっぱいにウィルスが詰まっているじゃないか。危険度レベル20ってところだ。 おちつけ自分。薬のカプセルを手順よく投入すれば、ウィルスは消滅するのはわかっている。慌てて間違えなければいいのだ。 しかし、カプセルは次々に投入されていく。ちょっと待ってくれ、ペースが速いぞ! 上手にウィルスを消滅させていかないと、患者の命が危ない。こうなったら今回は魔法を使うしかないぞ。 次の中から適切な呪文を一つ選べ。魔法に必要な道具は全部持っている。
NIP LAW MUG FAR DOC
選んだら下を読んで結果をみること。
(NIP) 体力点を1減らす。黄色い粉を吸って呪文を唱えると、思考速度が3倍に早くなった。 やったぞ。落下するカプセルがスローモーションのように見える。君は落ち着いてカプセルを手順よく並べ、ウィルスを次々に消滅させていった。 治療は成功だ。
(LAW) 体力点を4減らす。呪文を唱えると、君はウィルスどもに患者の体から出ていくよう命令した。 残念ながら、ウィルスどもは本能のまま動くのみで、命令を聞き分ける知能などない。治療は失敗だ。
(MUG) 体力点を5減らす。こんな呪文は存在しない。 体力を消耗して、君は患者より先に倒れてしまった。
(FAR) 体力点を1減らす。水晶球を取り出して呪文をとなえると、施術に失敗した未来が映し出された。 時間のないときに、唱えるような呪文ではなかったようだ。
(DOC) 体力点を1減らす。薬草を煎じた汁を患者の体にかけながら、呪文を唱えると、ウィルス達はひっくりかえって全て消滅してしまった。 ゲーム的にはちょっと反則な気もするが、成功だ。患者を救ったぞ!
| 2016年10月16日(日) |
ソーサリーの魔法レッスン その29 |
ファミコンネタ2回目はゼルダの伝説から出題。 実はゼルダの伝説のゲームブックってとても多いですよ。リンクの冒険や、スーパーファミコン版の原作まで含めると、双葉と勁文社から複数作が出ているだけでなく、JICC出版局や小学館も出していますからね。 ゲームブック出演最多キャラクターは、もしかするとリンクかもしれません。(中にはリンクが主人公と見せかけて、エンディングで正体は別人だったという衝撃的な作品もありましたけど。) もっとも、原作の方は64版の「時のオカリナ」しか遊んだ事がないのですが。ミニファミコンが入手できたらファミコン版も遊んでみようかな。
(例題)ソーサリーの伝説
失敗した。爆弾は使いきっちゃってた。 僕は頭をかきかき、目の前の壁を見つめた。このダンションのあたりの様子と僕のカンからすると、この壁の先に通路が続いているみたいだ。壁を破壊しなくちゃ先に進めない。 土壁みたいだから爆弾があれば崩れそうなんだけどな。狭いながらも頑丈そうなダンションで、爆発の衝撃で崩れ落ちることはなさそうだし。 うーん。こうなったら呪文に頼るしかないのかも。 次の中からこの状況で適切な呪文を一つ選んでね。それから魔法に必要な道具は全部持っているよ。
ZIP YOB PEP FOG ZAP
選んだら下を読んで結果をみること。
(ZIP) 体力点を1減らす。緑色の金属の指輪をはめた手を振りながら、呪文を唱えると、パッっとあたりの様子が変わった。さっきと似たような部屋だけど、ちょっと大きさが違う。 やった。どうやら壁の向こう側に移動したようだぞ。
(YOB) 体力点を1減らす。ジャイアントの歯を投げて、僕が呪文を唱えると、たちまち怪力のジャイアントが登場した。 ……のはいいんだけど、出現したと思ったら、天井に頭をぶつけてのびてしまったよ!ここじゃ、呼び出すには狭すぎたみたい。
(PEP) 体力点を1減らす。火酒を飲んで(こんなところで飲んでも、怒る大人はいないしね)呪文を唱えると、たちまち僕は怪力になった! でも、おもいっきり壁を叩いても、壁は全然壊れなかった。 うーん。壁に回転斬りした時も全然手ごたえなかったし、そんなものなのかも。あきらめて爆弾を買いに町まで戻らなくちゃ。
(FOG) 体力点を2減らす。呪文を唱えると、急にあたりが真っ黒になっちゃった。 あわわ、しまった、何も見えないよう。 急いでカンテラを使うか光の出る呪文を唱えないと。敵が襲ってきたら大変だ!
(ZAP) 体力点を4減らす。僕の指から稲妻が飛び出すと、壁はコナゴナに砕け散った!壁の向こうには予想通り、次の部屋がある。 やっぱり、この呪文は凄いや。ちょっと疲れちゃったけど大成功だ。
| 2016年10月15日(土) |
ソーサリーの魔法レッスン その28 |
昔のファミコンゲームが30本分つまった、ミニファミコンが発売されるというニュースに興味深々の山口プリンです。 でも懐かしいわけじゃないんですよ。ファミコンは今でも甥っ子や姪っ子が遊びに来た時や、子どもとたまに引っ張り出して遊んでいる現役ハードなんです。ちなみに今日は中古ショップで、ミニファミコンに収録されていないクルクルランドとデビルワールドを買いました。どこかにフラッピーやドンキーコングJrも売ってないかなぁ。 我が家の人気ソフトは、マリオブラザーズ、ナッツアンドミルク、スパルタンX、ピンボール、シティコネクション、自分だけで遊ぶ時は、ソロモンの鍵とドラゴンクエスト2ってところです。 さてそんな前フリの後に、今回は久しぶりにソーサリーの魔法レッスンのコーナーです。 今回はミニファミコン発売を勝手に記念して、ファミコンをテーマに出題してみます。
(例題)スーパーマリオソーサリー
クッパ城に潜入したマリオは、溶岩の池にかかるつり橋の上で、ついに宿敵クッパと対峙した! 「グヮッハッハッハッ!マリオめ。ピーチ姫はわたさんぞ」 クッパは豪快に笑うと、炎を吐きながら、放物線を描く様に大量のハンマーを投げつけてきた。 技術点7、体力点14、運点7のノーマルマリオではまともに戦えない。あなた(マリオ)は必死で攻撃をかわしながら、クッパの弱点を探す。 クッパの背後にあるつり橋の対岸に目をやる。そこには斧が設置してある。 クッパをすり抜けてつり橋を渡り切れば、あの斧でつり橋を壊して、クッパを溶岩の池に落とせそうだ! しかし、クッパの攻撃は熾烈だ。ここは呪文に頼る方がいいだろう。 次の中からこの状況で適切な呪文を一つ選べ。魔法に必要な道具は全て持っているものとする。
HOT BIG ZEN NIP HUF
選んだら下を読んで結果をみること。
(HOT) 体力点を4減らす。あなたは手から魔法の火球を生み出すとクッパへ飛ばした。 見事に命中!クッパは苦痛に吠えている。効いているようだ。 しかし、まだクッパは倒れない。もう一度、もう一度と火の球を飛ばすうちに体力がつきて、あなたの方が先に倒れてしまった。 火球は5回は当てないとクッパは倒れないのをあなたは知らなかったのか。体力20点分の余裕がない限り、この作戦は自滅なのだ。
(BIG) 体力点を2減らす。あなたは呪文を唱えると、あなたの体は3倍の大きさに巨大化した。キノコを採ったときより大きい。 しかし、この大きさではクッパをすり抜けて、つり橋を渡るのは不可能だ。 覚悟を決めて突進するあたなは大きな的だ。炎やハンマーが次々に直撃してしまう。
(ZEN) 体力点を1減らす。宝石をはめ込んだ首飾りをかけて呪文をとなえると、あなたは空へ浮き上がった。 そのまま天井すれすれを飛び上がって前進する。 「マリオ!この卑怯者!降りて勝負しろ!」 投げたハンマーも届かない高さを見上げてクッパが怒鳴るが、あなたは平然とクッパを飛び越えて対岸に到着した。 つり橋を叩き壊してクッパを溶岩の池に沈めると、あなたはゆうゆうとピーチ姫の待つ奥へと向かった。
(NIP) 体力点を1減らす。呪文を唱え、黄色い粉を吸い込むと、あなたはクッパがスキをみせるタイミングを待った。 「こないなら吾輩から行くぞ!」 クッパがそう吠えると、ジャンプする。 今だ!あなたは一瞬宙に浮いたクッパの下を、Bダッシュよりも早いスピードで潜り抜け、斧を手に取るとつり橋を叩き壊す。 クッパは悲鳴をあげて溶岩の池に落ちていく。 しつこい奴のことだから、またいつかは復活するだろうが、今はあなたの勝利だ。さあ、ピーチ姫が待っているぞ!
(HUF) 体力点を2減らす。呪文を唱えて疾風の角笛を吹くと、強烈な突風がクッパに襲い掛かった。クッパが吹き飛ばされればつり橋から真っ逆さまだ! 不安定なつり橋がユラユラ揺れるが、なんとクッパはビクともしなかった。 「バカめ!そんなヘナチョコ魔法で吾輩を倒せると思ったか」 クッパの炎がついにあなたを捕らえてしまう。 この魔法で吹き飛ばせるのは人間程度くらい。重量級のクッパには通用しなかったようだ。
| 2016年10月09日(日) |
ねこまんまの鬼退治 ポチは桃の夢を見る(高野富士雄/双葉文庫) |
また妻が入院したので、子どもの保育の都合で実家住まいです。ネット環境もないので当面の間、更新頻度は落ちると思います。 さて、私が所有している大量のゲームブックは、お気に入りの作品を自宅に置き、残りは実家に置いてあります。つまり今は二軍のゲームブックに囲まれている状態です。 なかなか時間は取れませんが、この機会にそんな作品の中からいくつか遊んでみることにします。
本作は高野富士雄さんのいろんなゲームブックに登場する、ねこまんま族のポチを主人公にしたという、ねこまんまシリーズ第二弾の作品。 この主人公のポチは、食い意地の張ったデブ猫でして、飯食ってゴロゴロしていれば満足という、とにかくやる気ないキャラです。山口プリンは苦手だなぁ、こいつ。 ちなみにねこまんまシリーズ第一弾は「ねこまんまの大逆転 無責任一代ねこ物語」で、こちらはポチというより、ポチの世話役のタイトという少年の方が実質的な主人公でした。 昔、途中まで遊んだことはあるのですが、空気を読まずに面倒くさがって寝ころんだり、勝手に食い物につられて動こうとするポチを、苦労人のタイトがなだめたりすかしたりの展開ばかりで、イラッときてやめた事があります。
さて、本作の方ですが、世界観は第一弾とはまったく別の設定です。第一弾がお城やお姫様が登場する西洋のおとぎ話風だったのに対し、第二弾は日本むかし話風となっています。 まずはプロローグでポチはベタに桃から生まれてきます。大飯くらいのポチに痺れを切らしたお婆さんが、ポチを宝さがしの旅に追い出すところからゲームスタート。今回は正真正銘ポチが主人公です。 桃太郎よろしく、旅の道中では仲間が加わってきますが、温厚なお地蔵さん、シャイなゴリラ、調子のよいキツネ、いつも怒っている鬼族の娘と登場する仲間は4人。犬、猿、雉とは全然関係ありませんでした。 お地蔵さんは普段はちょこちょこ動いているだけですが、怒らせると巨大な大魔神に変身して敵味方問わずに襲い掛かるという存在自体がギャグみたいな奴。いつも修行修行と平常心を保とうとしますが、ポチのいい加減な行動に反応してしょっちゅう大魔神に変身してます。 ゴリラは仲間内で一番おとなしいですが、剣を始めバズーカや手りゅう弾まで各種武器を使いこなす寡黙な傭兵みたいな存在。 キツネはパーティのムードを明るくする存在。いつもは毒舌まじりで陽気に話すだけで全然役に立ってない気がするけど最終盤に一瞬だけ重要な活躍をしてくれます。ドラゴンボールでベジータの尻尾を切ったヤジロベーみたいだ。 鬼族の娘は、父を今の鬼族の頭領に殺されたという、仲間で唯一シリアスな過去を抱えています。すぐに行動が脱線するポチ達を懸命に導いてストーリーを進行させつつ、つっこみの鬼と化しています。ギャク漫画の世界に一人だけいる常識人みたいなものですな。 ゲームルールはシンプルですが、本作は互いのHPを減らしあうタイプの戦闘を採用しています。本作は戦闘に勝っても負けてもすぐに同じ展開になることが多いので、一発勝負で勝敗が決まる方法にした方が良かったんじゃないだろうか。 実際のプレイでは、物語メインのゲームブックだし、まあいいかと、戦闘は全て勝ったことにして遊んでいました。 一本道展開で、ゲーム的にも楽勝と思っていたら、最後の最後でまさかの必要アイテム不足でゲームオーバー。中盤からの再プレイで取りこぼしたアイテムを拾ってクリアしましたが、うーん、油断したのだろうか。 でも、思っていたより面白かったかな。 前作はねこまんま族以外は常識人ばかりで、ポチの独壇場で周囲がふりまわされるだけでしたが、こちらは仲間達もポチに対抗できる曲者揃いなのが良かったです。怒れる大魔神にポチの方が慌てふためいたりする場面もあったりしてね。 ゲームとしてはイマイチだし、ストーリーもナンセンスだけど、この雰囲気が気に入れば楽しく遊べる作品だと思います。 最後にバグ情報を一つ。 終盤手前でバグが一箇所あります。幸い私が読んだ本には、前の所有者が鉛筆書きで行き先を修正していたので、安心して遊んでいたら無限ループ状態になりました。 修正内容も間違ってるやんけ!と見知らぬ前所有者につっこみを入れてから、結局パラグラフ総当たりで調べました。以下が正解です。
パラグラフ番号248 × 356へ ○ 350へ
| 2016年10月08日(土) |
ゼルダの伝説 神々のトライフォース(富沢義彦/双葉文庫) |
双葉でゼルダの伝説のゲームブックと言うと、この日記を読むような方なら樋口明雄さんの書かれた分(2005年6月03日の冒険記録日誌参照、以下樋口ゼルダとでも書きます)を思い浮かべると思うのですが、あれば名作です。 ファミコン版をベースとしつつも思いっきり内容がアレンジされていた作品ですが、ゼルダ姫とリンクの2人が呪いにより、互いに傍にいるに関わらず、すれ違って会えないというオリジナル設定は、今ヒット中のアニメ映画「君の名は」に匹敵する切なさですよ。
しかし、今回紹介するのはそんな樋口ゼルダではなく、スーパーファミコン版のゼルダの伝説を原作とした作品です。 1991年と市場からゲームブック自体がほぼ消滅した時期に出ており、あの大量の双葉ゲームブックの中でも、終盤中の終盤、ほぼラストに出された作品なので、例え双葉ゲームブックのファンであったとしても、遊んだことはおろか存在すら知らなかった人も多いのではないでしょうか。 本作の特徴は残念なことにバグの多さ。中盤あたりから容赦なく、選択肢の行き先が一致しない現象が多発します。バグのあるゲームブックは時々見かけますが、出版社を問わずに、ここまでバグが多いのは初めてです。テストプレイをしていなかったのは間違いないでしょう。 ゲームブックも店じまいムードで双葉編集部もやる気がなくなっていたのかなぁ。巻末の編集部からのコメントには、他の双葉ゲームブックと同じく「今後もゲームを素材にしたゲームブックを次々に発表するからおたより待ってます」的な事を書いているのですがね。 同作者で同時期に出されたルパン三世のゲームブック(2008年0月14日の冒険記録日誌参照)がとても好きだったので、プレイ前は結構期待していただけに残念。 とりあえず、現在判明しているバグというか正誤表を書き出してみます。まだありそうな雰囲気ではありますが。
パラグラフ117 マジカルミラーを使う × 275へ ○ 410へ パラグラフ208 選択肢なし × 138へ ○ 正解不明 パラグラフ222 選択肢なし × 206へ ○ 正解不明 パラグラフ223 選択肢なし × 169へ ○ 40へ パラグラフ306 東へ × 233へ ○ 正解不明 パラグラフ384 選択肢なし × 47へ ○ 447へ パラグラフ340 南へ × 340へ ○ 正解不明 パラグラフ390 マスターソードを使う × 463へ ○ 175へ ペガサスの靴を使う × 390へ ○ 463へ パラグラフ470 そんなものはない × 38へ ○ 378へ
私は本作でバク探しでも難易度に違いがあることを始めて実感しました。 レベル1……47の正解が447、245の正解が254というような、間違いと正解のパラグラフ番号に、ある程度関連があるもの。推測で正解を発見できると気持ち良い。 レベル2……間違いと正解のパラグラフ番号に関連はないので、全パラグラフを総当たりで探す。戦闘中のシーンなどアクションの最中なら、文脈がつながるパラグラフを探しやすい。 レベル3……次の部屋に移動するなど切りの良い場面で行き先がバグ。どんな展開につながっているのか予想できないので、総当たりで調べても正解がわかりにくい。全体のフローチャートを解析して調べないとなかなか発見できない。
特にたちの悪いのが、パラグラフ208のレベル3バグで、展開がちょっと不自然だなと思いつつも、最初はバグと思わずに先を進めていたので、いくつかのダンションをすっ飛ばしてゲームを進めてしまいました。 おかげで後半は、ハンマーやフットショットがないよ。ちぇ、取り逃したか。えっ、ファイヤーロッド?アイスロッド?何それ?な状態で大苦戦しているうちにゲームオーバー。 どうもこのバクを修正しない限り、まともなクリアができないようです。またバグ探しをする気力が沸いたら再挑戦してみます。
と、このようにいつの間にか虫探しゲームと化してしまった本作ですが、バグの存在以外の感想も少し書いてみましょう。 ストーリーは原作が有名ゲームですから、説明の必要もないでしょうが、リンク少年が魔王ガノンを倒す王道もの。樋口ゼルダと違って、割と原作遵守な感じに進んでいきます。 システムは割とシンプルで、ハート数、アイテム、アルファベットのフラグチェックの3つのルールしか必要ありません。 ハートは基本的に原作ゲームと同じく0になったら死亡するものですが、ダメージを受けるだけでなく、魔法を使っても、買い物をしても消耗してしまいます。 ヒットポイントだけでなく、マジックポイントやルピー(所持金)の役割も兼ねているのは、読者の負担を軽くする工夫と思います。買い物で命を削る羽目になるのは、普通の店でも悪魔と取引しているみたいだけど。 なお、本作はマルチエンディングで、トライフォースの力によりゲーム中の犠牲者まで蘇ってみんな幸福になるAエンド、世界は救われたが代わりにゼルダ姫は亡くなってしまう後味の悪いBエンド、世界が救われゼルダ姫も元気だが死んだ人や木になってしまった人はそのままのCエンドの3種類があります。一番のハッピーエンドはAでしょうが、少ししんみりするシーンもあるCエンドが物語としてベストエンドな気がするな。 個人的には原作をなぞるだけでなく、鈴木直人ゲームブック並みに凝ったダンションで原作ゼルダのパズル的な楽しさを再現するとか、樋口ゼルダのような設定で魅せるとかの、特徴がある方が好きなのですが、バグさえなければテンポ良く進むし、バグさえなければゲームバランスも良く手堅く作られた印象は受けます。 双葉ゲームブックの中でもかなり出来の良い部類でしょう。バグさえなければね。 ああ、勿体ない!
| 2016年10月02日(日) |
進撃の巨人 ゲームブック 女型巨人を捕獲せよ!(藤浪智之/講談社) |
ウォール・ローゼ死守命令850に続く、進撃の巨人ゲームブックの第二弾です。続きが出せるということは、前作の売り上げが好調だったのでしょうね。 本作も原作のストーリーを踏襲した内容で、前作の次のエピソード、つまり原作でいう謎の女巨人の捕獲を目指すシーン(アニメでいう14話〜25話)を取り扱っています。 今回は世界観や登場人物も大体理解できたので、ネタバレを避けるため、アニメの14話以降はゲームブックを遊んだ後で見ました。 原作を見てからだと、有利な選択肢がわかってしまうのが、ゲームブック版の欠点ですからね。特に今回は原作でエレンが自分の選択ミスを悔いるシーンがあるのに、それをみてからだとあっさり回避できてしまうので、なおさらです。 おかけで後でアニメ版を見て、ハンジが女と知って驚いたというオチがつきました。
主人公は変わらず104期訓練兵のメンバーの名もなき一人の立場です。前作からの引き継ぎ要素はなく、前作で生き残った登場人物も史実通りの状態になっています。 ゲームシステムは特徴的な死亡フラグシステムを始め、基本的に前作と同じですが、女型巨人が人を殺害するたびに上昇する殺戮度というポイントが新たに加わっています。 前作同様、ストーリーの分岐を楽しむのに主眼が置いてあるようで、今回もクリアをするだけなら難しくはないです。私も一回目でクリアできました。 ただ今回は、本文に説明がないのに、イラストに「○○へススメ」という隠しメッセージを発見して、ヒントを入手できるパターンが多いので、良い展開を目指すならイラスト注目が必須です。 あと、序盤の調査兵団の壁外調査で、どの配置につくかで救い出せないキャラも決まってしまいますが、ここはヒントがないので運任せ。事前にどこから巨人が襲ってくるかわからないし、意志に関係なく配属で運命が決まるのは、実際の戦争もそうでしょうけど。 原作では悲壮なエピソードだった、リヴァイ兵士長にペトラのお父さんが娘の死も知らずに明るく話しているシーンが、ペトラが生存できるとペトラがお父さんに怒りだす微笑ましいシーンに変わるのが好きですね。
ちなみに今回もマルチエンディングで、話せる状態の敵を捕獲するという原作以上のスペシャルエンドがありました。さらに突然人類を裏切り、女巨人の肩に乗って逃亡と言うナナメ上の選択肢とエンドまであり。もしもの展開が楽しめるゲームブックならではですな。 私の1回目のプレイ結果は、あとで見たアニメ版と同じ結末でした。死亡者はアニメ版より少なかったもののアルミンを死なせちゃいました。でもそのおかげで、最後に主人公が主役級の活躍をすることができたので満足。(笑) だって終盤はミカサやアルミンが原作通りに活躍すると、ゲームブックの主人公はいてもいなくても同じって感じだったんだもん。
しかし女巨人だけでなく、水晶みたいな結晶の中に閉じこもった少女なんてのもあるし、藤浪智之さんよりも山本弘さんが喜びそうなネタだなぁ。
| 2016年10月01日(土) |
進撃の巨人 ゲームブック ウォール・ローゼ死守命令850(藤浪智之/講談社) |
先日クリアしましたが藤浪智之さんのゲームブックでは、一番好きかもしれない。 とにかく死亡フラグのシステムがインパクト絶大です。
原作はちょっと前に社会的ブームになっていた人気漫画(アニメ)なので、名前くらいは知っている人が大半ではないでしょうか。 昨年末に本作が発売された時に、さっそく遊ぶつもりでしたが、そのときは原作は名前くらいしか知らなかった私にとっては敷居が高かった。 ゲームブック版にも基本的な世界観の説明はあるのですが、特殊な世界観を飲み込めず、ゲームスタート時点から登場人物も多くて、状況がうまく把握できずに挫折したのです。 幸いテレビ配信の契約で進撃の巨人のアニメは自由に見れる環境だったのですが、山口プリンは人がボロボロ死ぬ話は苦手なのですよ。そこを押して今回はゲームブックの為にアニメを見てみました。 感想は身もフタもなく言うと、巨人と言うインパクトを別にすれば、基本はゾンビ映画って印象でした。それにいろんな要素をつけているという感じ。 人気があるだけあって、見始めると話しが一段落する13話まで一気に見てしまうくらいには面白かったです。あと、萌え狙いの作品ではないのですが、女の子は美少女揃いですね。 (原作を知らない人は適当に検索して内容を調べてくださいな。有名な作品でヘタな説明をしたくないです。なお、コミックの方は読んでいないので、この日記で原作というのはアニメ版のことと思ってください。)
さて、そんなこんなでやっと仕切りなおして、遊ぶことのできたゲームブック版ですが、内容を理解して遊ぶと、これが予想以上に面白かったです。 まずゲームブック版の概要を説明すると、ストーリーは番外編的なオリジナルではなく、原作をなぞっています。原作を知っている人向けに言うと、104期訓練兵の卒団後からトロスト区攻防戦の決着がつくところ、アニメでいうと5話から13話までです。 原作を知らない人にネタバレを避けてごく簡単に説明すれば、無数の巨人が攻めてくる中、奪われた地区の奪還を目指して兵士達が戦うという粗筋です。 主人公は原作のエレンではなく、エレンと同じ104期訓練兵のメンバーの一人という設定。原作に登場する登場人物の誰かというわけでもなく、言ってみればモブキャラみたいな存在です。ゲーム中の展開を見る限り、104期訓練兵の成績で上位10名には入れないけど、補欠枠で憲兵団は狙える順位らしく、腕前はそこそこのようです。 原作と同じストーリーというのは、原作既読組には先の展開がわかってしまうという、仕方のない欠点を抱えているのですが、一兵士の立場という違った視点で物語を経験するという新鮮さが、この問題を緩和できています。 おおまかな展開は原作そのままに進んでいるものの、主な登場人物たちの生死は主人公の行動次第で結構違ってきます。 選択肢次第では原作のあのキャラがやっていたことを代わりにやってみる、なんてことも可能です。でも主人公気分でエレンと同じことをすると、あっさり巨人に飲み込まれてゲームオーバーになりました。エレンみたいな死に急ぎ野郎が生きていられるのは、やはり主人公特権のおかげだったか。
本作のルールはシンプルで能力値やアイテムの管理は不要、フラグチェックと多少の情報メモを記録するだけです。サイコロのようなランダム要素はありません。あと、一部登場人物とは親密度の点数があるけど、これはほぼクリア後のエンディング分岐にしか影響しません。 それで、このフラグチェックの方法が秀逸。登場人物たちの顔イラストつきで紹介ページがあるのですが、その人物が死ぬとそこに×をつけるのです。まさに文字通りの死亡フラグ。 フラグ処理の役目だけでなく、マルコが生き残ったり、アルミンみたいな重要人物が死んでしまうなど、原作と違う結末でゲームを終えた時なんか、自分だけのストーリーを作れた気になるという、ゲーム性とストーリー性を兼ね備えた1粒で2度美味しいシステムですよ。原作の世界観にもピッタリだし、素晴らしいの一言。
なお、本文イラストは3人の方が書かれているようで、原作の漫画の一部をそのまま写したもの、パズル要素のあるもの、ゲームブックオリジナルのシーンを描いたものの3パターンあります。 ゲームブックオリジナルのイラストで印象的なのは、ハンナとフランツの結婚式のシーン。これはハンナとフランツの両名が生存している状態で、クリアできたときのみ進めるエンディングというもの。もしもの展開を代表するような良エピソードなのですが、これが一番到達が難しかった!ハンナはともかく、フランツが序盤で死んでしまうのに、救出可能ルートが見つけ出せなかったです。 まあ、戦争前にいちゃいちゃラブラブしているバカップルなんて、最初から死亡フラグが立っているようなものですが。アニメ見た時もそう思ってましたし。
クリアそのものはさほど難しくなく、1プレイにそんなに時間はかかりません。ひととおりの展開を見るまで繰り返して楽しめるので、コストパフォーマンスも良。 なによりこの世界の登場人物の一人として参加できるのは、ゲームブックを知らない原作ファンでもたまらないでしょう。 原作に興味がある人なら、間違いなくオススメの作品です。
|