冒険記録日誌
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2014年03月22日(土) |
国際子ども図書館に行ってきました! |
先日、妻の唐突な提案で東京のネズミの国へ行ってきました。 小っちゃい子どもがいるので、アトラクションはほとんど乗らずに、ショーやパレード中心に巡回。ネズミグッズに妻が散財していました。あそこは遊園地というより、巨大ショッピングモールですな。
さてさて、最終日には国際子ども図書館にも行ってきました。 国際子ども図書館とは、国立国会図書館の児童館のことでして、絵本などの児童書や子どもに関する研究書などの蔵書は本館ではなくこちらにあるのです ゲームブックも講談社やポプラ社など数社のゲームブックは、ここでしか読めないようになっています。もっとも双葉社のファミコンゲームブックシリーズなど、本館と児童館バラバラに納められているレーベルもあるのは謎です。児童書と一般書の区別なんて曖昧なんでしょうね。 場所は上野動物園のすぐ近くなので移動は便利。本館とは違い、子どものための図書館だけあって、1階では登録カードを見せる必要はなく気軽に利用できます。 実際に行ってみると、1階には絵本だらけの本棚に囲まれた絨毯の部屋があり、子どもたちが思い思いの姿で本を読んでいました。ここで妻と子どもには待っていてもらい、2階の資料室へ一人向かいます。 2階は貴重な児童書や絵本の洋書などが閲覧できるスペースで、本館のように閉架式の図書館となっています。利用には登録カードが必要で、申請方法も本館と同様です。ただし本館とは違い、一度に5冊まで借りることができました。利用者数も本館よりは少なく空いているのか、申請すると数分でカウンターに目当ての本が出てきたし、本館より使い勝手がいいです。
今回借りたのは、もちろんレアゲームブック5冊。レアというよりマイナーゲームブックと言った方が相応しいものばかりで、どれも今まで一度も読まれたことがなかったのでは?と思うほどページをめくる感触が新品同様でした。 どれもパラグラフ数が200弱の作品ばかりでゲームブックとしては中編程度ですが、いろいろ事情があって滞在時間がわずか小一時間しかとれなかったので、ざっと流し読みした程度になったのが残念です。 参考までに借りた本のタイトルと、それぞれの印象を書いておきます。
・ホームズ復活のなぞ(アレンシャープ/国土社) アレンシャープの作品だから、レシュカの伝説(2013年3月17日の冒険記録日誌参照)みたいに15分もあれば読めるだろうと思っていたのですが、普通にボリュームがありました。 内容はシャーロックホームズのパスティーシュ作品の一種で、原作の「最後の事件」でホームズが死んだと思われ「空家の冒険」で復活するまでの、空白の期間に焦点をあてたストーリーのゲームブックとの事だったので興味がありました。 読んでみると、スイスのマイリンゲルに住んでいた少年が残した手記に真実が書かれていたのが発見されたというプロローグでして、ゲーム開始からはこの少年の視点で物語がすすみます。残念ながら時間不足で、まだホームズに会う事すらできず終了。マイリンゲンという地名は、「最後の事件」の舞台だけに「最後の事件」直後の話しかもしれません。
・鬼岩城のなぞ(学習研究社) これは子どもの頃にやり込んだゲームブックなんで懐かしかったです。この日誌が始まったとき、一番最初に感想を書いた(2002年3月13日の冒険記録日誌参照)くらい好きでしたから。 内容は行方不明のお兄さんを探す少年に、なぜかホームズが協力してくれることになり、そこに宝探しの謎と悪の組織までからんでくるというもの。 これもシャーロックホームズのパスティーシュ作品といえなくもないですが、子ども心にも疑問に感じたほど設定が適当すぎ。イラストでは、主人公は日本の現代っ子みたいだし、街の光景が現代に近いし、謎の女(展開によって主人公のお兄さんの恋人だったり、悪い組織のメンバーだったりと正体が変化)はミニスカート履いてるし、時代考証なんて糞くらえって勢いですな。
・魔界城の冒険(小森豪人/秋田書店) 中世ヨーロッパの世界で騎士が魔王を倒してお姫様を救い出すという王道ゲームブック。初期の「火吹き山の魔法使い」のように、工作して使うサイコロシートが切り取って使えるようになってました。 どのパラグラフにも挿絵がついているのですが、絵のタッチが昔の剣豪漫画か忍者漫画風で、中身を読むまで和風世界の話しだと思ってました。知ってしまった後でも、西洋ファンタジーに見えないのが不思議です。 作者の小森豪人氏は「森のくまさん」の著作権料でいろいろあった人と同一人物だろうか?謎です。
・恐怖館の亡霊(ヒラリーミルトン/偕成社) ホラーゲームブックシリーズ第一作目。主人公の宿泊していたホテルが実は、昔から謎の自殺者や行方不明者が数多くある曰くつきのホテルだったという内容。 とにかく挿絵が怖いです。目をひん剥いてこちらを見つめる女の子の亡霊なんて夢に出てきそう。不気味な展開続きですが一貫したストーリーはあまりなさそうで、例えるとリアルに危害を加えてくる遊園地のお化け屋敷を探索するような作品。
・そんなバナナ(辻真先・夢かなえ/くもん出版) 女の子向けラブサスペンスゲームブックシリーズの6作目ですが、昭和の風景とミーハーな軽薄さを併せ持つタイトルが、殺人級に素晴らしいです。 お金を無くして困っている友達のために、お金を稼ぐのが目的という、なんとも友達思いの主人公。金持ちビジネスマンに、「一日だけ自分の娘になりすましてくれ」という依頼を受けますが、殺人事件なども絡んでややこしい事態に。 小学校高学年向けながらサスペンス風味のストーリーといい、ベストエンドを含むマルチエンディング展開といい、同シリーズ同作者の「がははヒカルゲンジ物語」(2005年04月13日の冒険記録日誌参照)がぐだぐだな内容だったのに比べれば、完成度が高そうにみえます。そんなバナナ。
国際子ども図書館にあるのは、当然ながら低年齢向け作品なだけにシンプルなゲームブックが多いです。とはいえ、最後の2つはなかなか面白そうなので、いつか機会があればじっくり読みたいところ。しかしゲームブックバブルの今は、ヤフオクとかに出品があっても高額になってしまいますし、(魔界城と恐怖館は実際にヤフオクで軽く一万円越えしてました)なかなか難しいですね。
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