千羽鶴
DiaryINDEXpastwill


2003年08月25日(月) 宝物

「大事なモンはいくつもないさ
 後にも先にも
 一つだけ一つだけ」

それに気づけるのはまだ先でいい
自分が大切だって事は大事だけど
宝物を探す航海を
旅をして
初めて自分自身知れる事だと
沢山無くして
初めて気づく事だろうから
俺は貪欲に宝物を追いかけるんだ

「涙の海を泳げたら」

血塗れでも大丈夫
抱きしめてくれる人は
きっといる

俺は血の海を目指そう
赤い
紅い海で
宝物を探して

拭いきれない紅があったとしても
紅い海に飲み込まれても
航海をやめないでいたい

残酷な紅い海は
どんな宝石より綺麗なのかもしれない


2003年08月14日(木) 可笑しなパレード

星降る夜に
オカシナ生き物達の大行進
星を食べようと
大きく大きく口を開けて
ひき千切れる程に手を伸ばして
伸びる限り首を伸ばして

星降る夜は
彼等の戦い
我先にと口を開いて
余りに
余りに口を開きすぎて
顎が裂けて
余りに
余りに手を伸ばしすぎて
腕は千切れて
余りに
余りに首を伸ばし過ぎて
頭が胴から離れてしまったことにも気付かずに

空に溶けて無に還る

とびきり大きな
流れ星が流れた頃
満月さえも飲み込んで
真ん丸に太ったその生き物は
六万年に一度しか現れない紅い星を
ぱくりと一気に飲み干して
するとすると
目玉はただれて星になり
お腹は膨れて破裂して
中から真ん丸満月が
そして口から紅い星
その生き物は
雷のような叫び声をあげて
空へと溶けていきました

私は煙草を吸いながら
空を見上げてそれを観ていた
明日の朝には誰も知らない
私と彼等の
一夜限りの物語


2003年08月13日(水) 旧暦

何故だか
幼い頃の事が
頭に湧き出て
涙が出る

幼いわたしに死を教えて
死を残して逝ったひいばあちゃん
今暗いホテルで
複テがらずに居られるのは
きっと
俺を見守ってくれてると
信じてるから

危篤の夜
残ると言った僕は
駄目と言われて
タクシーの中で
何度も振り返りながら

次の日
ひいばあちゃんは逝ってしまった
何故残らせてくれなかったのかと親を責め
意地でも残らなかった自分を責めた
親はきっと複テい思いを
死というモノの恐ろしさを
避けさせたのだろう

自宅に帰ってきたひいばあちゃん
綺麗な口紅
白い肌
冷たい顔
安らかな顔
暖めたら起きるんじゃないかって思うくらい
綺麗だった
ずっと顔を見ながら
冷たい頬に触れてた
わざとらしい
やめろ
そうにいちゃんに言われたけど
暖め続けてた
なんでだろ
今では良く分からない
あの時感じてた気持
誰かが死んだ日はいつも青空で
どこまでも昇っていけそうな
そんな日だった


mocco

My追加