[ 天河砂粒-Diary? ]

2004年08月31日(火) 【水饅頭観察日記】その8

体が痛い。正確には、体の右半分が痛い。
くぅ。なんで私は昨日、床の上なんかで寝ちゃったんだろうか。
朝、目覚ましが離れたところで鳴っていて。
いつの間に目覚まし、遠くに行っちゃったの? とか思いながら、
のっそり起きあがったら、床の上で。
目覚ましから離れていたのは自分の方だったと気づいて、
「そうだ、水饅頭!」と、独り言叫んで振り返ったら、
出窓で朝陽を浴びながら、幸せそうに揺れている水饅頭と目があった。
や、目というか。黒かったり丸かったりする何かがあるわけじゃないんだけど。
多分、きっと、これは目なんだろうなー、と思える何かが、
薄い青色水饅頭に、ついていたというか、ついてる気がするというか。
とにかく、目があった! と、思う。
でも、口は見あたらなかった。当たり前だけど、手足も無い。
イメージとしてはやっぱり、水饅頭。
もっとわかりやすく言うなら、ぷよ。4つくっつけると消えるアレ。
向こうの景色が、うっすらと透けて見えるところをみると、
あんこは入ってないらしい。……というか、食べ物ではないらしい。
だって、歌ってるから……。
口がないから、ハミングに近い。けど、鼻の穴も見あたらないから、
いったいどういう構造で声を出しているのか、ちょっとわからない。
しばらくぼんやり眺めていたら、なんだか不機嫌そうにふるふる震えるので、
ご機嫌取りに、霧吹きで水をかけてやったら、歌声が復活した。
わかりやすい水饅頭だと思った。
美味しそうというよりは、可愛らしいなぁ。小さいし。
そんなこと思いながら眺めていたら、タイマーで勝手につくテレビから、
「今日の占いカウントダウンハイパー♪」とかいう声が聞こえてきて、
私は慌てて準備をして、家を出た。
干からびたら困るから、お皿に水を張って、水饅頭のそばに置くことは忘れずに。
大急ぎで会社に向かいながら。
そういえば、あの水饅頭、自力で動いたりできるのだろうか。
水の中に入れてくるべきだったのではなかろうか。
とか、色々思ったけど、時間的に戻る余裕は無かった……。
水饅頭より、出勤時間を優先した私は、社会人としてはまともかもしれないけど、
水饅頭ブリーダーとしては失格だと思った。


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浮かれてお礼のコーナー。
えあさんみたいに、楽しいコーナー名をつけようとして挫折)

>待ってました! 水饅頭! でも200円って安いのでしょうか?
お待たせしました。水饅頭! ……すみません(平伏)
うーん。他の苗の値段から考えると、高いですし。
水饅頭1個が200円と考えると、どんな高級水饅頭よ? とも思いますが。
歌うからなぁ……。安いような気がします(笑)
余談ですが。ちょこれもんさんは、名字:ちょこ 名前:れもん さん、だったのですか!?

>凄いです歌う水饅頭、ファンタジーですね!!!私も欲しいです!!!・・・・が売ってなさそうなのでコンビニで買ってきた普通の水饅頭で我慢します。
やだなぁ。ファンタジーだなんて。実話ですよ、実話!
とか、真剣な目で言われたら、困るんだろうなぁ……(笑)
コンビニ水饅頭も、美味しいですよね。あのぷるぷる具合が好きです。
皿に載っけて、わざと揺らしてふるふるさせるのも好きです。
是非、食べる前にふるふるさせてください。よろしくお願いします。

コメントいただける喜びを、ガシガシ噛みしめ中です。ありがとうございます。
エンピツ投票ボタンを押してくださった皆様も、ありがとうございました。
押すことでコメントの変わる投票ボタンなんて、姑息な技を使ってすみません。
たいしたコメントは書いてないので、押さなくても支障はありませんが。
しかし。押していただけると、かなり嬉しいです。やほー。



2004年08月30日(月) 参戦報告・撤去連絡&【水饅頭観察日記】その7

8月が終わりますね。つまり、夏休みも終わるわけですね。
や、社会人の方々に夏休みは関係ないですし。
大学生の方は、まだしばらく夏休みという方もいらっしゃるので。
過ぎゆく8月を、特別に惜しむというのも変な話ですが。
私はこの時期、いつも思う。
「ああ、今年の夏もまた、何もしないままだったなぁ」と。
……生まれてこの方20年※。ちっとも成長しておりません。
※言うまでも無いですが。年齢は、サバ読みまくりです。

そんな今日この頃。
某ライトノベルの短編賞に『尖塔より愛を込めて』改稿版を投稿いたしました。
本当は、口の悪い手乗り妖精の話を書きたかったのですが。
いやはやまったく。どこまでも、成長のない私でございます。

それに伴いまして、負け犬お題作品『尖塔より愛を込めて』を、
サーバー上から撤去いたしました。
改稿したと言っても、87枚だった作品を70枚に減らしただけですので。
致し方ないお話でございます。
来年早々には、再度アップできると思いますので、
(それはつまり、選考落選。ということですが。笑)
読もうと思ってたのに! という、奇特な、かつ、ありがたい方が見えましたら、
誠に申し訳ありませんが、半年ほどお待ち頂きますようお願いいたします。

他には何か、ご連絡……。
あ! そうだ。
下のメールフォームから、メッセージをくださった皆様、
どうもありがとうございます! 励みになっております。
その割りに、反応が悪くて申し訳ありません。
まあ、更新停止中のサイトだしな。と、優しい心で見守っていただけると、
とってもとっても、申し訳ない気分になります。(ダメじゃないか)

さて。では、「続き読みたい人は押して!」とか、投票を催促しておいて、
余裕で半月も放置していた【水饅頭観察日記】をお届けいたします。
……色々と、ごめんなさい。


【水饅頭観察日記】その7

薄緑色の房の中で。それはまるで、孵化する直前の、魚の卵の様に。
水色の影が、ぐるりと回転する様子が、月明かりに透けて見えた。
歌声は、絶え間なく、その房の中から静かに響いてくる。
魅入られたように、息を潜めて見守る私の目の前で、
薄水色の影は何度かぐるぐると揺れるように回り、おとなしくなった。
歌声だけが、部屋の中に溶けるように響いている。
月明かりの下で、やがて、薄緑色の房がゆっくりと開き始める。
5片の萼にそって、切れ目が入り、はらり、はらりと、房が落ちる。
そして、その中から、透けるような薄水色の、小さな水饅頭が、
柔らかな歌声とともに、姿を現した。
月明かりに照らされて、ゆらゆらと光る。
すごい。本当に水饅頭だ。しかも、歌う水饅頭だよ。
待った甲斐があったね。これで200円は、断然安いよ。
どこか抜けた頭でそんな事を考えながら。
私は気が付いたら、出窓の前でぐっすり寝ていた。
朝、目が覚めたら、結局水饅頭はどこにもなくて。
実は夢オチだったりしたら嫌だなぁとか思いながら……。


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2004年08月22日(日) Web出身作家応援同盟第2弾発動

やっとやっと、正式に応援できます(感涙)
詳しくは、Web出身作家応援同盟をご覧ください。

……どーでもいいんですがっ
自分で作っておいて、このバナーの色とかざらざら具合はどうなのよ!?
と、激しくげんなりしておりますので、時間つくって、近いうちに差し替えます(涙)
こそっと変わっていても、優しく笑ってやってください。

追伸。
水饅頭は、元気です。
今はすっかり子煩悩です。
今しばらくお待ちください。



2004年08月15日(日) 【水饅頭観察日記】その6

夕方、実家から戻り、空気の淀んだ部屋の一歩踏み込んだ時、私はふと、訳もなく違和感を覚えた。
しばらく無言で部屋を見渡し、特にこれといって何も変化が無いことを確かめた上で、歩を進め、カーテンを開け、もう一度部屋を見回す。
やはり、部屋は帰省前と変わらず雑然としてはいるが、変化は見られない。
部屋に入った瞬間の違和感は気のせいだったようだと結論づけて、窓を開けて部屋の換気をしながら、私は水饅頭の苗に視線を移した。
さすがに3日開くと水分が不足するらしく、心持ち葉先がしんなりしているようにも見えたが、枯れたりしおれたりすることなく、水饅頭の苗はガラスのポッドから伸びていた。
花が散った後には、どうやら種ができるらしく、直径3センチ程度の子房らしきものが、のびた茎の先端中央に鎮座していた。
玉紫陽花の花芽にも似た、ごくごく薄い黄緑色をした房だ。萼らしきものが5片、まるで台座のようにその房を支えている。
丸くて可愛らしいそれは、見ようによっては水饅頭に見えなくもなかった。
が。これを水饅頭と呼び、この苗を水饅頭の苗と呼ぶには、かなり抵抗がある。
「水饅頭の苗」と銘打って売られていたからには、もうちょっと、「これぞまさしく水饅頭!」と思えるような結果が無ければ、納得できたものではない。
たかが200円とはいえ。これはもう、金額の問題ではないだろう。
私の水色水饅頭よ。早く姿を見せておくれ。などと、一人暮らしの性で苗に語りかけたりなどしながら、水饅頭の苗に水をやり、人間にも水やりせねばね。と、私は夕食の支度を始めた。

変化に気づいたのは、夜、眠りについてしばらくしてからだった。
立秋後から、少しずつ涼しくなってきたとはいえ、名古屋の夜はまだ暑い。
窓を開けて寝られればそれが一番良いのだが、年頃の娘(笑)の一人暮らしである以上、防犯面からも鍵はかけて寝なければ落ち着かない。
出窓くらい開けておいても良い気はするのだけれども。夜中に暴走バイクの爆音がすることもあるので、やはり、開けないことの方が多い。
私はいつも通り窓を閉め切り、地味に蒸し暑い部屋の中で、タオルケットにくるまって根性で眠っていた。
暑いと眠りが浅くなる。起きているのか寝ているのか自分でも判断が付かないような浅い眠りの中、遠くから、小さな鈴の音の様な、軽やかで涼しげな鼻歌が聞こえてきた。
それはとても心地よく、耳に柔らかで、私は柔らかな絹のベールに包まれているような感覚を覚えながら、幸せな寝返りを打ち、ふと、我に返った。
窓は閉め切っている。
うちに、ラジオはない。
テレビも付いていなければ、CDもかけていない。
携帯からは、こんな柔らかなハミングの様な歌声は出ないはずだ。
とすると、今聞こえているこの声は、何だ。
私は急速に意識を回復させると、極力音を出さないように気をつけながら、ベッドの上で体を起こし、耳を澄ました。
涼やかな声音は、出窓の方から響いてくる。
まさか、と思った。いやいや。まさかそれはちょっと。常識的にどうですか。
心の中で一人呟きながら、ゆっくりと出窓に近づき、カーテンの隙間から漏れる月の光に照らされた水饅頭の苗をのぞき込んだ。
月明かりに透けて、薄黄緑色の房の中に、水色の影が見える気がする。
水色の影は、月の光を反射して、まるで水槽の中で水が揺れているかのように、ゆらゆらとその影を揺らしている。
歌声は、その水色の影から聞こえてきていた。
心なしかご機嫌な。小さな小さな歌声。
私は息をするのも忘れて、その小さな球体を眺めていた。

ふふ。つづくのだ。


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2004年08月12日(木) 【水饅頭観察日記】その5

花の命は短きものであるなぁ。(和歌の口語訳風に)
わずか2日で、白くて丸い花びらがポロポロと落ち始め、
昨晩にはすっかり、5枚の花びらが落ちきってしまいました。
これから、どうなるんだろうか。
苗で買ったと言うことは、球根ではなく、種ができるのかな?
や、でも、こういう感じの植物って、大抵は株分けで増えるような……。

ま、まさか、このまま全体も枯れていって、水饅頭の苗生命終了とか、
そういうオチが待っていたりするのでしょうか!?
ちょっとまて! 水饅頭はどうした! 1つの苗から1つの水饅頭って、
確かにそう言ったじゃないか、お店のオヤジ。
本格的に、騙されたことを認めるべきなのだろうか。
いや、しかし……。しかし。200円……。
いやいや、金額ではなくて!!
水饅頭の謎は、謎のままなのか!?

それとも、何でしょうか。
実は多年草で、枯れた後放って置いたら、来年もまた咲いて。
その後、最後に水饅頭になる。とか、そういう事なのでしょうか。
それってどうなの。すっごく微妙……。

すごく納得いかないままではありますが、
私は明日から実家に帰らねばなりません。
花が終わった後なので、そんなに水はたくさんいらないだろうと思いますが、
戻ってきたら干からびていた! ということが無いように、
十分気をつけて帰省しようと思います。

実家から戻ってきたら、水饅頭ができていた。とか、無いかな。
実家から戻ってきたら、水饅頭らしきものが、干からびて転がってた。
とかだったら、すごく嫌だな……。

この期に及んで、まだ、水饅頭ができることを祈ってしまう私は、
夢見がちなのか、お金に卑しいだけなのか、どちらでしょうか。
……判断に苦しむところだ。


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2004年08月09日(月) 【水饅頭観察日記】その4

花が咲いてしまった……。
花芽らしきものができてから4日。
花芽らしきものはどんどん膨らみ、
蕾は小さめの水饅頭くらいの大きさにまで育ったので、
「もしや、花が開くと中に水饅頭が!?」と期待したのだけれども。
予想に反してというか。ある意味予想通りというか。
花芽ができてから1週間後の昨晩、普通に花が咲きました。
丸い大きめの花びらが5枚連なった、苺の花に似た感じの白い花。
夏の夜には、涼しげな葉色と相まってより一層涼しくはあるのだけれど。

……お前、一体全体、どの辺が水饅頭なんだ?


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2004年08月03日(火) 【水饅頭観察日記】その3

成長が早いぞ! ただ今、全長12cm。
茎の太さも、買ってきたときの3倍くらいになりました。
そして、今日は花芽らしきものを発見。
大きく開いた、蓮葉型の二葉の付け根に、ぽちりと小さな膨らみができております。
もしかしたら、葉っぱが増えるだけかもしれないけれども。
なんとなく、今までの芽とは違う気がするので、これはきっと、花芽に違いない!
近いうちに水饅頭の花が咲く! ……のだろうか。謎。
そもそも、水色の水饅頭って、何味なんだろうなぁ。
サイダー? ペプシブルーだったりしたら、ちょっと泣けるよね。


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