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2014年10月31日(金) ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えたマスタークラスを通して私が伝えたいこと(5)

『アトリエ』

イザベルさんのアドヴァイスを受けた翌年、もっとその考え方に触れたいと思い二つの講座に参加しました。
そのうちの一つが『音楽家のためのアトリエ』というエクササイズ。

日頃、あまりエクササイズなどをするほうではないので、そして実はその時、手首を骨折していたので、できないような内容だったらどうしよう…とドキドキしていたのですが、始まってみるとそれは、20代の頃に何年か通っていたヨガと殆ど同じ内容でした。
足の先から少しずつ、様々な動きによって身体をほぐしていく…そんな感じです。

安心はしたものの、どこが音楽家のためなのかしら…と思っていたら一番最後になって、エクササイズしていた所に椅子を持ってくるように…という指示。
そして、楽器ごとに起こりがちな非合理的な身体の使い方について解説していきました。

知っていたヨガの動きの先のそれほど遠くない所に、こんなに論理的でしかも身体的なものがあったとは!
私にとってこの経験は驚きと感動に満ちたものでした。

「ジャン=マルク(ルイサダ先生のこと)も、このエクササイズをやっているのよ」

というイザベルさんの言葉に、ますます彼女の考えへの興味が湧き、ルイサダ先生の奏法を彼女が解説したのを聴きたいと強く思いました。



(続く)


『lesson de ラ・パレット スペシャルマスタークラス
ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えて』
聴講募集中です
http://home.att.ne.jp/moon/lesson_note/JMLmasterclass2014.htm


2014年10月27日(月) ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えたマスタークラスを通して私が伝えたいこと(4)

『音楽家のための運動療法士 イザベル・カンピオン女史との出会い』

2011年の秋、はじめは何となく、そしてだんだんと明らかに、右中指の第1関節が腫れて痛み出しました。
痛くてエンピツやフォークやお箸を使う事も、マグカップを持つこともできず、日常生活に支障が出た状態が1か月以上も続きました。
それは、へバーデン結節という女性の4人に1人がなると言われている病気でした。

幸い、投薬治療をしてくれる病院を見つけて恒常的な痛みと腫れは取れましたが、ピアノを少し長く弾くと痛みがぶり返し、思うように弾けなくなりました。

ルイサダ先生の来日の度に一緒にいらしていて面識のあったイザベル・カンピオンさんその事を話すと、彼女は親身になって、私のフォームをチェックしてくださり、長くピアノを弾くには何をするべきか教えてくださったのです。

フォームを改善するのは楽ではありませんでしたが、まだまだピアノが弾けると思えるのは幸せでした。

そして、大好きなピアノを長く弾くためには、自分の身体の扱い方をもっと勉強しなくてはならないと実感しました。

(続く)


『lesson de ラ・パレット スペシャルマスタークラス
ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えて』
聴講募集中です
http://home.att.ne.jp/moon/lesson_note/JMLmasterclass2014.htm


2014年10月22日(水) ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えたマスタークラスを通して私が伝えたいこと(3)

『2011年3月』

2011年3月11日の事は、多くの方々にとってショッキングなことでした。
2008年に北川正先生が釜石市でリサイタルをされた際に訪れた私にとって、美しい思い出のある釜石市内が無残に破壊された様子が写されたのには、大きな衝撃でした。

釜石には、北川先生が定期的にいらしていて、釜石の子ども達にレッスンされていたのです。
そのため、lesson de ラ・パレットには、度々釜石からの生徒さんがいらしてくださっていて、特別なつながりを感じていましたので、そのお子さんたち、釜石を訪れた時にお目にかかったピアノの先生方がご無事かどうか、恐ろしい映像を見ながらとても気がかりでした。

翌月になってすぐに、ルイサダ先生のFBに、『Tous en scène pour le Japon(全てのステージを日本へ)』というコンサートの情報が出てきました。
ルイサダ先生ご自身の働きかけで、一日に5つのステージ、100人余りのジャンルを超えたアーチストがシャンゼリゼ劇場でチャリティコンサートを行い、その収益を全て、日本の被災者のために送る…という企画でした。

コンサートの日は4月30日。
短い期間で準備されて、コンサートだけではなく、製菓で留学している日本人学生がクッキーを売ったり、盛大なものだったようです。
ルイサダ先生の日本への想いの強さを感じて、ありがたく、嬉しく思いました。

(続く)


『lesson de ラ・パレット スペシャルマスタークラス
ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えて』
聴講募集中です
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2014年10月21日(火) ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えたマスタークラスを通して私が伝えたいこと(2)

『ルイサダ・マスタークラス』

lesson de ラ・パレットを始めて4年経った2006年には、ラ・パレットにルイサダ先生をお招きして、マスタークラスを行うことができました。

生徒さんは、lesson de ラ・パレットで度々弾いてくれていた二人の生徒さんで、ルイサダ先生も熱心に教えてくださり、聴講の皆さんも喜んでくださって、ラ・パレットは華やかな雰囲気に包まれました。
ですが、音楽的な発展…という所まではいかなかったような気もしました。

きっと、毎年ルイサダ先生をお招きするような事ができればまた違ったのかもしれませんが、招聘元の方針的にも、ラ・パレットの会計的にも、それは難しい事でした。

そうして月日は経ち、2006年のルイサダ先生のマスタークラスを聴講された方がたから、「また機会があればルイサダ先生のレッスンを伺いたいです」という要望をいいただきながら、それはなかなか実現できずにいました。

そして、「どうやったらもっとルイサダ先生のおっしゃることが伝わりやすくなるのか」を考え続けていました。

そんな中、2011年3月11日が訪れました。


(続く)


『lesson de ラ・パレット スペシャルマスタークラス
ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えて』
聴講募集中です
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2014年10月19日(日) ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えたマスタークラスを通して私が伝えたいこと(1)

『lesson de ラ・パレット』

私が初めてルイサダ先生のレッスンに触れたのは1996年のことでした。
その後も、殆ど来日の度に名古屋で行われていたマスタークラスに、駆け付けたものでした。

そして、レッスンに触れる度に感じたのは、“音楽を極限まで追求する姿勢の厳しさ”です。

ルイサダ先生のレッスンに初めて触れたのは、私自身が生徒として…でしたが、今から考えると信じられないくらい下手だった私に対して、ルイサダ先生は、決して手を抜く事なく熱心にレッスンしてくださいました。
1フレーズ、1つの和音、一つの音、そしてそれらを音にするために必要な動き、そのどれにも妥協せず要求されたのは私の人生で初めてで、それはとても大変なことだったのですが、同時に、そうしなければ得られない音楽の世界があるのだということを実感しました。

また、取り組んでいる楽曲のどこをどう弾くか…以前に、一回のレッスンでは学びきれない、けれども演奏の根幹を成す大切なことがあるのだという事にも気づきました。
そして、それらを学ぶために何をすればよいか考え続けていた結果、北川正先生に巡り合い、lesson de ラ・パレットを始めることになったわけです。



(続く)


『lesson de ラ・パレット スペシャルマスタークラス
ジャン=マルク・ルイサダ氏とイザベル・カンピオン女史を迎えて』
聴講募集中です
http://home.att.ne.jp/moon/lesson_note/JMLmasterclass2014.htm


2014年10月05日(日) 10月5日のlesson de ラ・パレット

この日は、台風18号が接近中で関東地方も激しい雨の一日だったのですが、にもかかわらず大勢の方にご参加いただきました。
また、11月9日のジャン=マルク・ルイサダ先生のマスタークラスで弾いてくださることが決まっている平尾柚衣さんが最後に弾いてくださり、北川先生が第一線で活躍されている頃、どのように楽曲にアプローチしていたか…などの話も伺う事ができたのはとても嬉しいことでした。
プログラムは下記の通りです。

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11:00~
 チェルニー30番 20、21
 J.S.バッハ:インベンション 15
       シンフォニア 11
 ハイドン:ソナタ ニ長調 Hob.XVI-1 第1楽章

12:00~
 ショパン:エチュード Op.25-2・Op.25-6・Op.25-11

13:00~
 J.S.バッハ:平均律第1巻第10番 ホ短調 BWV855
 ショパン:エチュード第10番 変イ長調 op.10-10
 ショパン:スケルツォ第1番 ロ短調 op.20

 休憩 14:00~14:40

14:40~
 J.S.バッハ:平均律Ⅱ巻より 第1番 
 ショパン:幻想曲作品49
 ショパン:エチュード 作品10ー5『黒鍵』

16:10~
 バッハ/ブゾーニ:シャコンヌ
 ラヴェル:「夜のガズパール」より オンディーヌ
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この日のレッスンで北川先生が繰り返しおっしゃっていたのは、
「ピアノの勉強は一筋縄ではいかない。
 決まったものを一生やるのではなく、それぞれの段階がある」
という事でした。

これは、今まで公開レッスンで弾いてくださった生徒さんたちの成長ぶりを見ていてもとても納得できることでしたが、同時に、指導者の見識が必要なことでもあり、そうやすやすとできる事ではないとも思いました。
そして、勉強している生徒さんの立場で考えると、それぞれの段階でやるべきことに真摯に取り組むのは我慢強さが必要で、今の時代それはとても難しい事のように思います。
保護者のフォローもとても重要で、何もかもが揃った時に、持っている才能が花開くのかもしれません。

また、
「生徒が弾きたい音楽が出て来た時に、絶対にそれを止めてはダメ」
「試験やコンクールの時、それを審査する大人に気に入られようとすると最低の音楽になる。
 自分が美しいと信じる音楽をやることが一番大切」
と、音楽との向き合い方についての示唆がありました。

目先の課題に追われるとこういった事は忘れてしまいがちですが、決して忘れてはいけないことなのですね。


さらに、
「演奏というのは、決して弾く人が演奏をつくるのではなく、聴衆が演奏をする人を育てる。
 聴衆がどうであるかがとても大切。
 競争と批判だけでは演奏家をつぶしてしまう」
と、日本の現状についての苦言も。。。
残念ながら、これも納得してしまうもので、ラ・パレットの場では決してそのようなことのないようにしていきたいと強く思いました。


ほかに、あるべきタッチとは…や、音楽において何が大切か…というお話など、為になるお話が沢山ありました。

次回は、12月7日。
お申込みをお待ちしています。


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