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2003年05月23日(金) |
ピアノの先生にとって勉強とは…? |
前々からとても不思議に思っていた事があります。 それは、ピアノの先生にとっての勉強についての事です。
ピアノの先生とお話する機会がある時や、ネット上での大勢のピアノの先生のやり取りを拝見する度に思うのですが、ピアノの先生って、音楽の話を殆どなさらないような気がするのです。 具体的にどういう事か…というと…。 勉強熱心なピアノの先生は、教材の話は良くされます。 指導法の話もよくなさいます。 また、生徒さんの話や、特定の曲(何かの課題曲などが多い気がします)について、詳細を話したりはなさいます。 でも、これ、音楽の話のようで、音楽の話ではないのですよね…。 素晴らしい音楽を聴いて感動した…とか、その音楽の素晴らしさの源は何か…とか、どういう音楽を素晴らしいと感じるか…というのとは、少し違う事ですから。
…で、どうも、音楽の世界の中でも、ピアノの先生だけが、ズレているみたいなのです。 だけど、多くのピアノの先生は、同業者以外の方と音楽の話をする機会もないようで(ネット上では、求めればいくらでもあると思いますけど)、気付かないどころか、どんどんその傾向が強まってしまうような気がします。 今、ピアノの先生よりも音楽に詳しく熱心なアマチュアの方も大勢いらっしゃいます。 また、プロの演奏家も、子供たちの教育には、絶大な関心を持っていらっしゃいます。(私が今まで親しくお話したことがある、複数のプロの演奏家の方たちは、皆さん、子供を教えることの意味や価値を、非常に大きく考えていらっしゃいました) でも、ピアノの先生の側から、そういう方たちへの働きかけ…というのは、非常に限られています。
これは、個々の問題…と切り捨てておけない面があります。
一つは、教え方には熱心でも音楽には熱心でない先生に習った生徒さんが、音楽を愛する気持ちを持つことができるだろうか…という問題。 もう一つは、コンクールなど評価の場でのズレの問題です。 特に後者は、評価されてプロになったその後…の問題にもつながるので、重大です。 しかし、この問題は、プロやプロを支える人たちや、プロの演奏を聴くのが仕事の評論家の方たちが、皆同じように感じている事実であるにも関わらず、当事者であるピアノ指導者は、その事に気付いていないのが現状です。 これは、指導者のレベルの問題ではなく、音楽とどのように関わっているか…の問題だと思います。
どんなに沢山の知識があっても、音楽を感じるセンスがなかったら、意味がありません。 そして、そういうセンスを持たないピアノ指導者にピアノを習った子供たちが音楽を愛せるようになるのか…。 とても深刻な問題であり、私たちピアノ指導者自身が考えていかなくてはならない問題です。
音楽について、どんな勉強をなさってますか?
2003年05月14日(水) |
困難を乗り越える力… |
文部省の学力調査によると、子供たちの学力は、落ち込んでいるそうです。 (http://www.asahi.com/edu/news/TKY200305120164.html) 記事によると、思考力の低下とか、基礎力の低下とか書かれていますが、大人が、子供に、困難な事をさせようとしなくなった…というのも、一因としてあるのではないか…という気もします。
ピアノでも、まだ、ごく初歩の基礎的な事も身についていないのに、 「専門家になる訳ではないので、楽しめれば良いのです。」 とおっしゃる方が、親御さんやあるいは指導者の中にもいらっしゃいますが、そういう大人の姿勢…というのが、子供に影響しないわけがないように思います。
また、人間と言うのは、同じ事に対しても、それが当然の事…という空気の中で行うのと、それが大変な事…という空気の中で行うので、感じ方が大きく変わったりします。 ですから、ピアノのように、地道な基礎練習の繰り返しが不可欠なものの場合、それを、当たり前…と思ってやっている場合と、大変な事…と思ってやっている場合で、感じ方も、身につく能力も、大きく変わってくるように思います。 だとしたら、子供に優しいつもりで、「楽しめれば」と言う事が、実際には、子供に、感じなくてもよいストレスを感じさせる原因になっている可能性もあるのではないでしょうか。
問題は、学力の低下とか、ピアノの上達とか以前の、子供に対する、大人の生きる姿勢の示し方なのかも知れない…なんていう気がしました。
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