年老いた 喉風邪で全身を折り曲げる
無為 蕩尽 放棄がいつの間にやらこの肉体から離れてしまったのだから
年老いた
有意に満たされてきている
金を稼ぐ仕事、家族の手助け、手紙にはきちんと返信、会談、懇談、交流、目的ある勉強と研究
布団に入り目を閉じると、今日の有意さが私の心を幸せにする
明日の行動を想像しているといつの間にやら明日になっている
想像を行為に転換し、明日を有効とするために肉体をすり減らしては満たされていく
この有意のサイクルに終わりはなく、有意は私でなくてはならない訳では決してない
私でなくてはならないものに私は絡め捕られ老いて死まで連行される
清明の伊吹が新緑へ輝きを与えている
輝きをぎゅーっと集めたような、かすかな耳鳴りだけが私の老いを覚らせてくれる
輝き放つ新緑をわずかに瞳に映った時だけ、私は私であるかのように
しかしどうして、敗戦後のマスコミはこれほどに歪むのか
あなたが小父さんにさんになり、あの子が小母さんになり、歪むのと同じように
それにしても50年以上も変わらぬ歪みとは、人間よりも長い長い歪みですね
寿命、さぞや人間よりも長いのでしょうか