きよこの日記

2002年05月31日(金) 恋ばな同盟

「恋愛相談をすると、友達との距離がぐっとせばまるんだよね」
と、私が言ったら、
あの人は
「そんなのは、気のせいだよ」
って言ってたっけ。
「だって、彼氏ができたとたんに、そんな友情なんてそっちのけにされちゃうから」

そうかな?

遠距離片想いの時は、土曜の夜は「恋ばな委員会」と称して、私の部屋で、お酒を片手に飲み明かしたものでした。

恋ばな同盟を組んでいるのは、同僚の先生2人だったんだけど、それぞれ、遠距離恋愛中で、お互いの悩みを打ち明けたり、意見を聞いたり…・。
私に関しては、あの人に次に会うときの計画をたてたり、
気をひくための作戦を練ったり…。
「倒れるなら前のめりで!」が、合い言葉の、超ポジティブなパーティー。

あの人には半年に一度ぐらいしか、会えなかったけど、恋ばな同盟の女友達がいてくれたから、すごく心強かったなあ。

今、あの人の近くにやって来て、すごく嬉しいし、念願かなったんだけど、
でも、その分、悩むことも多くなった。
望みが大きくなって、欲深になって、あの人に多くを求めてしまう私。
あの人にとって、自分って何なのか、形にこだわってしまう私。

一人ブルーな気分で落ち込む時は、恋ばな委員会が開けないことがすごくさびしい。

「花嫁修業の自主練習よ」
なんて言って、手料理を作って、二人を呼んで飲み明かせば、悲しい現実だって、前向きに受け入れられそうな気がするだろうにね。



2002年05月30日(木) 「UFO」MR.CHILDREN

桜井さんの詩は、ぼんやりとした現実をすごくシャープにスマートに切り取るから、思わず拍手!ってことがよくある。

とくに、恋愛の一風景を描かせたら、右に出るもの無しだ。
ニューアルバム「It’s a wonderful world」を聞いていて、思わず
「ああー!これは私とあの人のことではないのか!?」
と思った曲がありました。

〜 腫れ物触るような核心を避ける話題

バランス取るのはやめて 愛を吐き出したら
つぐんでた昨日より胸のつかえはなくなるけど どうかな

僕を信じきっているあの人を嫌いになれもしないから
よけいわかんなくなるんだよ
なぜ二人 今になって惹きあってしまうんだろう〜

うん。
いくぶんか、私に都合よく描かれているけど、でも、こんな感じの煮え切らない私たちだよ。



2002年05月29日(水) ねほりはほり聞かれたい

あの人にサヨナラといったのに、相変わらず私の日記の中身は、あの人のことばかり。
自分で、「電話しないで」って頼んだのに、着信履歴を見るときには
「かかってきてるかも…」
って、思ってしまう、未練がましい私。
仕方ないよね。

できることなら、サヨナラなんていいたくなかったし、
ずっとずっと近くにいたかったんだもん。

でも、わかっちゃったんだよね。
あの人にその気がないこと。

あの人は私のこと、何にも聞かない。

どんな関係でも、その人に興味があったら、
「何?」「どうして?」「?、?、?」
って、たくさんクエスチョンが出てくるものだけど、
あの人は私について、ほとんど何も聞いてこなかったなあ…。

新しい学校のことも、これからのことも。
あんまり興味がなかったみたい。
私のほうから話しだして、聞いてもらうばかり。

私はあの人に、たくさんのクエスチョンを抱えていたけど
あんまりたくさん聞きたがって、うるさがられるのが恐かった。
あんまりはてなを投げかけないようにしてた。

そんな二人の話題はあたりさわりのないことばかり。
いつも、あたりさわりのない二人。



2002年05月28日(火) 恋はタイミング!

「恋愛はタイミング!」ってよく言うけど、タイミングをものにできる人と、できない人がいると思う。
私はもちろん、後者で、いままでどれだけのチャンスを逃してきたんだろう…と、考えると、歯がゆいばかりです。

たとえば、私のどのへんがだめかって言うと、気になっている男の人と二人っきりになった時。
「わあー、二人っきりだ。
どうしよう。一緒にいてつまらない女だって思われたら」
って、最新のどじネタとかを、披露して、必死で笑わせちゃう。

みつめあおうものなら、恥ずかしさに耐え切れなくなっちゃって、おしゃべりスイッチをON!

あの人との6年間の間にだって、限りなく、チャンスはあったはずなのに、私はずーっと、ずーっと、
「気のあう女友達」
を演じ続けちゃってた。

今日、目からウロコの発見をした。
それは、三島由紀夫「午後の曳航」の一節

「何か話して」
と房子が言った。
竜二はそう言われたときには、何も言わずに、女の唇に触れればいいことを
知っていた。

ほほーう。
そんな簡単なことだったのかー。
参りました。
まったく、三島由紀夫っていう人は、人間の心のどこまで見透かしているんだろう…。
惚れます。
三島由紀夫ほどの人に愛されたら、女として、本望だろうなあ。



2002年05月27日(月) ケーススタディー「彼の心に他の女性がいたら」

たまに恋愛小説を、むしょーに読みたくなる。
そして、それは例外なく、自分が恋愛につまづいているとき。

だって、せめてバーチャルにハッピーな気分に浸りたいんだもん。
恋愛小説はハッピーエンドじゃなきゃね!

でも近頃は、やけに三角関係ものに縁がある。
あんまりハッピーな気分にはなれないけど、
自分と似た恋愛に自分を重ねるのです。

「こんな風に、ずっと会えなくても心の一番奥で想われたいわあ」

と、思わせられるのは、辻仁成『冷静と情熱の間―blu―』
そして、彼は現在の彼女よりも、10年前別れた女性を選ぶのだー。

「私とあの人と彼女の三角関係の、中年版みたい。
でも、私がずっと物分かりよく耐えつづけたら、こうなるんだろうなあ」

と、切なくなっちゃったのが、瀬戸内晴美『夏の終り』

妻のいる家と、愛人の家を規則正しく行き来する男。
もう一人の女の影を知りながらも8年間、お互いに無視しあう二人の女。

愛情が平等に注がれていれば、「妻」とか「愛人」とか、形って、どうでもよくなるのかなあ?

でも、私の場合、私と彼女の間には、そんな平等さは、かけらもなくって、
あの人は私を「友達」と言って、彼女とは雲泥の差であることを、知らしめるのです。

「気持ちをつなぎとめたくって、いじましい努力、しちゃうのよねえ」

と、ひじょーに共感したのが、江国香織『落下する夕方』映画版で見ました。
数年前の映画化だけど、超豪華キャストで、一見の価値あり。

渡部篤郎と原田知世は付き合って4年。
でも、突然渡部篤郎は、管野美穂に一目ぼれしちゃうの。
別れるんだけど、微妙に友達関係は続いてるもんだから、原田知世は期待して待ってるの。渡部篤郎が振り向いてくれるのを。

友達に、「フェロモンが足りないのよ!」って、アドバイスされて、
「セックスする?」
なんて、脈絡なく言いだしたりして、ほんと、私は我がことのように、顔から火が出そうだったよ。



2002年05月26日(日) 「じゃあ、元気でね。」「…さみしいね」

いつも、「友達」っていう前提で、核心に触れるのを避けてきたから、
きりだすまでに放送事故になりそうなほどの沈黙…。

「あいたい」
やっと出た言葉。
やっと言えた言葉。
あの人のそばにやっと来たのに、NOと言われるのが恐くて
ずっと言えなかった言葉。
最後に、やっと言えた。

「………………………………………無理」
予想通りの答え。
でも、すごくすごくうれしかった。
即答されると思ってたから。

社会人一年目、日付が変わる直前の電話。
次の朝も早いのに、ちゃんと、可能性、考えてくれた。

それだけで十分だったよ。

「友達って、やめよう。
もう、会うのも、電話するのもやめよう。」
私の突然の提案。
うまく伝わったかわからないけど、思うこと、さらけだした。
後先なんかなくって、必要にせまられた、私の決断。

このままあの人への気持ちをごまかして「友達」のふりをし続けたら、
私、きっとパンクしちゃう。

猜疑心、嫉妬、独占欲、自己嫌悪、やつあたり、孤独、偽善

私の心の中に渦巻く、汚い気持ちから、自分を守りたかった。

沈黙……・・沈黙……・

「まあ、きよこがそれでいいんなら…」
いつも泰然としていて、私を小手先であしらうあなただから、そう言ってすぐに受話器を置かれちゃうんじゃないかって、恐れていた。

「…そんなあほなこと突然言い出すなんて、何考えてんの!?
っていう腹立たしさが半分と、
そこまで、追いつめちゃったのか、っていう気持ちが半分」

冷静な分析をありがとう・・・。


私にとって、あの人はRPGのラスボス。
倒すことはできなかったけど、ちょっとはダメージ与えられたかな…。



2002年05月25日(土) 夢であえたら

思ひつつ 寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば 覚めざらましを
小野小町
あの人に言わせると、私は「夢見がちな人」なんだそうだ。
そのメルヘンチックで、世間知らずな響きに「そんなことないもん!」と、私はとたんにふくれっつらになったものだった。

確かによく夢を見る。
あの人に会うのは、夢の中のほうが圧倒的に多い。
夢の中ぐらい、ラブラブで、アチアチな二人でもいいはずなのに…、
やっぱり私の片想い。

この前の夢でも、あの人のことを一人考えて物思いに沈んでいた。
そしたら、いつのまにか隣に窪塚陽介君が座っていて(!)
あの、すべてをわかったような、不思議な微笑みをたたえて私の顔を見ていた。

「あ、窪塚君」
私はとくに驚きもせず、肩に頭をもたせかた。
なんだか、私のあの人への思いをなぐさめてくれたような不思議な安心感があって…。

あれ以来、一方的に窪塚君は恋ばな友達。

でも、「夢見がちな人」という響きにひそむ、あの人の無邪気さというか、きままさに気づくと、私は切ない。

「夢見がち」にさせているのはあなたなんだよ?

あの人はいつもはっきりしていて、私にも「つきあえない」ってちゃんと言う。
友達のラインをこえるようなことは絶対しない。
だけど私は、あなたのふとしたやさしさや、ぬくもりに期待しちゃうんだよ。
期待しながら絶望してる。

「彼女じゃなくてもあの人のそばで笑っていられるならば…」
「このままじゃ、いつまでたっても私の一人相撲。
あいまいな関係を終わらせたい」

二つの気持ちの間で、ずっとずっとゆれていたけど、私は決めたんだ。
好きだからこそ、決心した。
私にとって、あの人は「友達」じゃない。
「友達」って言って、自分の気持ちにうそついてごまかしていちゃいけない。
もう、友達ではいられない。



2002年05月24日(金) 教育とぅでい

今日は某国立大学教育学部附属中学校で研究授業を参観した一日でした。
いやー。すごいのすごくないのって、アナタ。

ファンタジック!
夢のような世界!
うっとりしちゃいました。

教育テレビの番組のような授業が目の前で繰り広げられていました。
なんというか、生徒も、「プロ」の生徒みたい。
でも、いわゆる「いい子ちゃん」、じゃないんだよー。
ただ、教師の言いなり、どんな無茶な指導にも従順に従う、「いい子ちゃん」じゃなくて、ちゃんと、批判の目を持って、

「これをやることに意味があるのか」
「つまらない」
という自分の思い、考えを積極的に表現し、伝え、さらに人はどう考えているのか聞き、協調できる生徒たちがたくさんいた。

感動のあまり涙しそうになっちゃったのが、音楽集会。
音楽集会って言うから、
「今まで練習してきた成果をお披露目してくれるのね」
って思ってたら、いい意味で裏切られた。

練習委員長っていう、生徒の一人が400人の生徒の前に立って始めるの。

「第21回の集会では、○○さんの意見から大きく流れが変わって、活発な意見が戦われましたが、時間が足りずに話し合いの途中になってしまいました。
最後に意見を言ってくれた××さん、前に行ってくれた意見をもう一度言ってってください。」

400人のフロアから次々に挙手があがって、練習委員長は、並みの教師以上の鮮やかさで、それらの意見をまとめていくの。
話し合いが進むにつれて明らかに全体の意識も高まってきて、そして、最後に聞かせてくれた全校生徒によるオーケストラ+混声9部合唱!!!
本当に、すばらすぃーー…。

やっぱり、教育研究の最前線だなあって実感。
今、しきりに言われている「生きる力」「自ら学び、自ら考える」って言う教育目標を見据えて着実に研究は進められ、実践が行われつつあるんだなあって思いました。
いい刺激を受けました!

子供たちの可能性って、本当に無限大だー。
生かすも、殺すも、教師の力量次第なんだね!

「附属はもう、そういう子達が集められて、仕込まれてるから、普通の現場とは違うよ」
っていうのも、もっともだけどさ。
でも、私は、やっぱり、今日の参観ですごく感動して、刺激を受けたんだよね。
実現するのは、限りなく難しいだろうけど、でも、ね!
一つの理想の形を、実際にこの目で見ることができて、また、夢がふくらんだのだ。



2002年05月23日(木) 手にくわ 額に汗 畑の楽しみ

1時間目は教室を飛び出して、学級菜園の畑づくりでした。
今日はさんさんと太陽が輝くとてもさわやかなお天気。
手に手にくわをもち、まずはお休みしていた畑の土を起こします。

「げー、このくわガクガクしてる、くさびうたなきゃ」
「先生、軽く感じるくわのかつぎ方って知ってるー?」

おおー。なんだなんだ、みんな、畑のプロみたいだなー。
みるみるうちに畑の土が起こされていきます。

「先生、もう畝立てていい?」

さくさく小気味よく、くわが振り下ろされてその度に、面白いように土の形が整えられていきます。

よーし、私だって、おじいちゃんたちの手伝いでくわ振るってたんだから、負けてらんない。

「先生、畝、まがってるよ。もうちょっと右だよー」
ありゃりゃ。しっぱい。

一心にくわを振るって、1時間あまりで畝たてまで完成でした。
汗だくになって、土まみれになって子供たちと農作業するのは、超楽しい!
左手にできたまめは、名誉の勲章だい!
本当にシ・ア・ワ・セ。

学校でとてもうれしいことがあった時、いつも決まって
「あの人に話したい!」
っていう気持ちになります。

今日のことも、すごくすごく話したいって思うけど、でも、もうそれもできなくなってしまいました。



2002年05月22日(水) 再会

とんと御無沙汰でございまして、なんだか照れくさいですね。
そして、何から話していいのやら。

”‘02 きよこ激動の春”
でございました。

なんだかんだのすったもんだで私は今、念願かなってあの人のいる街へやってきました。
そして、非常勤ですが、先生も再開しました。
全校生徒42人の小さな小さな山の学校です。
まるで自分が「二十四の瞳」の主人公になったみたいな錯覚に陥ってしまうほど、純朴でかわいらしい中学生たちに囲まれて幸せな時間を過ごしています。

新しい暮らしのこと、これまでのいきさつ、また、ちょっとづつですが、書いていきます。

よかったら読んでやってくださいね。


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