感想メモ

2018年02月16日(金) ジゼル  秋吉理香子


秋吉理香子 小学館 2017

STORY:
東京グランド・バレエ団で長年封印されてきた「ジゼル」を解禁することになり、ミルタ役に抜擢された花音。役を巡る嫉妬や争いが起きる中、芸術監督の蝶野はケガをし、プリマの領衣奈はリハーサル中に死亡し…。

感想:
 クラシックバレエの作品「ジゼル」をモチーフにしたミステリー作品。バレエを知っている人でも面白く、知らない人でも面白く読める作品に仕上がっていた。

 かつて「ジゼル」を封印することになっていたある事件。その事件が「ジゼル」を解禁することによって再び意識され始める。

 ミステリーとしても面白いが、バレエの配役を巡る問題や、「ジゼル」の話を絡めた構成などが面白かった。

 ただ最後の謎解き(?)のようなものは、なくてもいいのかな。ま、そこが入ったからこそ、亡霊騒ぎの謎は解明されるわけだけれど…。



2018年02月10日(土) 精霊の守り人〜最終章


 NHKの大河ファンタジーの最終章。上橋菜穂子さんの原作をもとに壮大なスケールで映像化した作品。最終章の今回もものすごい骨太な作品に仕上がっていた。

 前半では、バルサ(綾瀬はるか)が、なぜジグロ(吉川晃司)とともにカンバル王国から逃げなくてはならなかったのかの謎が明らかに。

 また、カンバル王国での山の神との儀式とチャグム(板垣瑞生)がカンバル王国との同盟を結ぶまでが中盤に。

 そして、物語はタルシュ帝国が新ヨゴ国を攻める終盤へ。新ヨゴ国の帝(藤原竜也)は相変わらず神を信じており、他の国の援軍などは受けないという構えで、神への祈りを捧げるのみ。

 戦に駆り出されたタンダ(東出昌大)は足に大けがを負ってしまう。

 砦での壮絶な戦いでは、スケールの大きな映像で魅せてくれた。

 そして、最後は人間どもの愚かな争いをすべてなきものにする、ナユグの春による大洪水。

 トロガイ(高島礼子)は光の鳥を放ち、不思議な力のあるものたちに逃げるように指示を送る。

 人間は自然には逆らえないこともある。けれど、神ではなく、人こそが世界を作っていく。よくも悪くも人次第で国は変わっていく…。

 このようなことを思う最後だった。

 バルサ役の綾瀬はるかは素晴らしかったし、どの人も適役だった。聖導師は前作までの平幹二朗が亡くなってしまい、鹿賀丈史に変わったけれど、違和感はあまりなかった。

 音楽や演出、映像も素晴らしくて、さすがNHKが渾身の力を込めて作っただけあるという感じだった。

 ついに3部作が終わってしまい、これからの楽しみがなくなってしまった。原作を読んでもよいのだが、いっぱいあるし、なかなか手が出ない。



2018年02月04日(日) 千の扉  柴崎友香


柴崎由香 中央公論新社 2017

STORY:
夫の一俊と結婚し、新居に移るはずが、一俊の祖父・勝男が療養のために家を空けることになったため、都営住宅の祖父の家に住むことになった千歳。勝男に高橋さんを探すように頼まれて…。

感想:
 ちょっと思ってたのとは違って、あんまりおもしろくなかったかなー。

 主人公の千歳は、一俊となんとなーく結婚した感じで、二人の間にはあまり愛情みたいなものが感じられない。

 淡々と生活をしていく中で、千歳は勝男に頼まれた相手を探すのだが、これまた真剣とは言い難い感じ。

 この都営住宅は新宿の近くなのか、都心で交通は便利だけれど、何十年も経っているため、今では老人ばかりが住み、若者があまりいない。

 昔の内容が語られたり、現代に戻ったりするので、それもちょっとわかりにくく、乗れなかった原因かな。

 まあ、何よりも、私自身が小説をまとめてじっくり読む時間がなく、細切れで間をあけて読んでしまっているので、わかりにくい話だと、ちょっと対応が難しいせいかもしれない。



2018年02月02日(金) 2017年 今年の10冊

 気づいたら2月になってしまった。いまさらだけれど、去年の10冊を選んでみた。

 とはいえ、相変わらず読書数が激減しており、2017年は全部で41冊。漫画が12冊だったので、本は29冊しか読んでいない!

 そんな中の10冊なので、あまりあてにはならないと思うけれど、あくまでも記録までのつもりで書いてみる。

・ツバキ文具店  小川糸  1月
・我ら荒野の七重奏(セプテット)  加納朋子  3月
・ビューティーキャンプ  林真理子  4月
・蜜蜂と遠雷  恩田陸  4月
・ひかりの魔女  山本甲士  5月
・終わった人  内館牧子  7月
・みかづき  森絵都  8月
・秋山善吉工務店  中山七里  8月
・コンビニ人間  村田沙耶香  11月
・菜の花食堂のささやかな事件簿  12月

 以上10冊。

 「ツバキ文具店」は、ドラマ化もされていたが、独特の世界観が楽しめる本。続編も出たようなので、読もうと思う。

 「われら荒野の七重奏(セプテット)」は、子供が中学の吹奏楽部に入ることになり、部活を支えるPTAとして、母が奮闘せねばならなくなる…という話。将来の参考に。

 「ビューティーキャンプ」は、ミスユニバースを目指す女性たちの話で、興味深く読めた。

 「蜜蜂と遠雷」は、何かと話題になった作品。ピアノのコンクールの賞を目指す若者たちの奮闘を描く。

 「ひかりの魔女」は、おばあちゃんと同居することになったら、このおばあちゃんがスーパーおばあちゃんで、みんなが幸せになっていくというようなお話で、すごくよかった。前向きになりたいときにどうぞ。

 「終わった人」は、定年退職した主人公男性が、一花咲かせようと思ったり、定年後に悪戦苦闘する姿を描く。

 「みかづき」は、塾の変遷を描いた歴史大作。なかなか興味深かった。

 「秋山善吉工務店」は、父の死により、祖父母の家に同居せざるを得なくなった家族が、ピンチに陥り、それを祖父が解決するというような話。

 「コンビニ人間」は、芥川賞を受賞した作品。コンビニの生態が面白かったし、主人公の独特な感じもこの先どうなるのかなとつい読んでしまう感じで面白かった。

 「菜の花食堂のささやかな事件簿」は、料理教室を通じて起こる様々な出来事を料理教室をやっている先生が解決するというような本で、気楽に読めてよかった。

 2018年はもう少し読みたいけれど、全然時間がないし、すでに2月になってしまったが、まだ2冊しか読めていないから、先行き暗いかなぁ…。


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