感想メモ

2017年11月18日(土) 植木等とのぼせもん

 実際の話をもとにしたドラマ。

 植木等(山本耕史)は超売れっ子として活躍。あまりの忙しさに倒れてしまう。

 運転手兼付き人として採用された松崎雅臣=のちの小松雅夫(志尊淳)は、がむしゃらに植木に仕えていく。

 植木はクレージーキャッツのメンバーで、クレージーキャッツのメンバーとも懇意になっていく雅臣。

 植木は早く父を亡くした雅臣に「親父と呼べ」と言って、雅臣のことを気遣う。

 そして、雅臣は小松雅夫という芸名をもらって、クレージーキャッツの前座から始め、一人独立することに…。

 私は植木等が全盛の時代にはまだ子供すぎてよくわかっていなかったのだけれど、もう少し年配の方だったら当時を思い出して、より一層楽しめるのかも。

 面白く見たけれど、実際の植木等とは顔と体型がいまいち似ていないので、義母や義父にはそこは不評。でも、声は確かに植木等にそっくりかも。相当研究したんだろうなー。



2017年11月11日(土) ふしぎな図書館  村上春樹・佐々木マキ


村上春樹・佐々木マキ 講談社文庫 2008

STORY:
図書館に調べ物をしに行った男は、老人に閲覧禁止の本なので、地下の部屋で本を読んでいくように言う。しかし、それは男を閉じ込め、脳みそを吸うための仕打ちだった!

感想:
 短いお話で、絵がついていて、絵本のような作りになっている。

 不思議なお話で、続きが気になってすぐに読んでしまった。

 村上春樹の本はほぼ読んだことがない。こんな風な不思議な世界の話を書く人なのだろうか?

 若い頃に相性が悪そうと思ったまま、読まず嫌いをしていたが、最近出た本を貸してもらったので、読めたら近日中に読もうと思う。しかし、分厚いのですぐには読めなさそうだ。



2017年11月08日(水) 青空に飛ぶ  鴻上尚史


鴻上尚史 講談社 2017

STORY:
アメリカの中学校から転校した友人は壮絶ないじめを受けていた。死に場所を求めて札幌のおばの家に行ったとき、元特攻隊で9回特攻して帰ってきた佐々木友次がおばの病院に入院しているということを知り…。

感想:
 いじめのシーンが壮絶すぎて、かなり暗澹たる気分になった。ここまでのことをして、それも前に一人犠牲者が出ているのに、本当に学校は何もせず、クラスの子も何もせず…になってしまうものなのだろうか?

 また、こうしたいじめ方は最近の主流なのだろうか?

 明らかに様子がおかしくなっていく友人のことを父も母もおかしく思わなかったのだろうか?

 自分にも子供がおり、子供がこのような目にあったらどうしたらいいんだ?とついつい思ってしまう。

 友人は「特攻隊ゲーム」というものをいじめでやらされていて、おばの家で実際に特攻隊にいて9回も戻ってきたという佐々木友次がおばの病院に入院しているのを知り、興味を持つ。

 特攻隊と佐々木友次のことが書いてある「陸軍特別特攻隊」という本を古本屋で探し出し、それを読み続ける。読みながらも、死に場所を求めたりもするが、死ぬことはできないでいた。

 そして、実際に入院先の本人を訪ねて、自分の疑問を聞く。

 友次は「人間の生き死には自分で決めるものではなく、寿命が来るまで生きるのが人間なのだ」というようなことを友人に告げる。

 友人は両親がどんな反応をするかと思うと、怖くて自分からはいじめられていることを言い出せない。

 友次の言葉を聞いたりしたのだから、自分で動いたらどうなのかな?とは思った。

 LINEなんかもいじめの証拠になりうるわけだし、もう少し自分でいじめっ子に対してどうにか対応することを考えてほしかったような気もする。

 結局いじめっ子たちがどうなったのかが明かされないまま、友人は新たな旅立ちをすることになったが、そこは唯一引っかかるところではある。

 この間読んだ中山七里「秋山善吉工務店」もそうだったけれど、いじめの描写を読むのがつらい。こういう話はしばらく読みたくないかもしれない。



2017年11月01日(水) コンビニ人間  村田沙耶香


村田沙耶香 文藝春秋

STORY:
子供時代から風変わりで普通ではなかった古倉恵子。コンビニで働くことしかできず、18年間アルバイトとして働いているが…。

感想:
 芥川賞を受賞した作品。いつも芥川賞の作品とは相性が悪くていまいち読もうと思わないのだが、これはストーリーが面白そうだったので、読むことに。

 面白かった…。

 コンビニ店員の多岐にわたる仕事をこなし、コンビニの一部のようになった主人公。

 そんな主人公が変わらざるを得なくなるが、結局変わることなどできようもなく…。

 いや〜、私は思った。コンビニって店員不足だし、すごく大変そうなのにこれだけコンビニを愛し、コンビニの一部のようになっている古倉恵子。

 店長とかとして働いてもらったらどうなのか? ほかの業界なら不適合者になってしまうのかもしれないけれど…。

 コンビニの声が聞こえ、お客様のことを考えて、コンビニのために生きることができる…。

 こんな人を社員や店長にしなくて、誰がなれるんだろう?

 古倉恵子もほかの職に就くことではなく、コンビニの正社員になるとかそういうのは考えないのだろうか?

 そこがちょっと不思議…。


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