暗行記...不夜

 

 

『 戦火の中へ 』 - 2011年03月30日(水)

世界のどこかでまた

戦火が上がっている


争っても争っても答えは出ない


なぜ?

どうして?


そんな言葉は掻き消される



欲望のために殺しあう人間は

いつまでも欲望を止められない


昨日までの友や家族ですら

明日には殺すための敵となる



たった一人の人間になるまで

殺し続けるだろう私たちは


結局何が欲しくて

最後に何を手にするために


友や家族を失って

血に染まり得た何かに



戦火は何をもたらしてくれるのだろう





『戦火の中へ』
     No.995


...

『 最後の忠臣蔵 』 - 2011年03月27日(日)

男はただただ忠義に生きた

主人の意思を真っ直ぐに貫き

そして使命を果たし死を迎える


自分を最後まで押し殺し

侍であることを選んだ


主人が生きていたならば幸せだろうことに

自分の幸せを重ね


自分自身の汚名や恥辱など

侍として心と共に切り捨てた


すべては忠義のために


それでも心の温かさに惹かれ

彼の優しさに多くが癒された



人は答えが決まったとき

誰よりも強く前へ進めるのかも知れない

その答えが例え死という

悲しい答えであっても


むしろ死であったからこそ

意思を保てたのだろうか




『最後の忠臣蔵』
      No.994


...

『 デンデラ 』 - 2011年03月20日(日)

人とは何のために生きるのだ?

老い病に倒れようとも

死を拒絶し生きようとする


耐え続け思い続け

その先には何がある?


解らないから死ねないのか?


理解し恐怖から逃げているのか?



答えは死を迎えた時に解るのだろうか?





『デンデラ』
    No.993


...

東日本大震災2 - 2011年03月19日(土)

震災から8日目

被害状況は日に日に悪化している

この日までで死者・行方不明併せ2万人を越えている



さらに福島第一原発が追い討ちを掛けている



首相と東電のちぐはぐな対応が

状況をさらに悪化させている




ただその中の報道で疑問に感じることが2つある


一つは福島県の知事や各自治体首長の声




全ては国や東電が悪い!の一点張り

確かに誰の目に見ても悪い所しか見当たらない



ただ原発を誰もが軽く見ていたのはあるんじゃないだろうか?


知事たちは県民を守り

さらに経済力を発展させる義務がある


経済を優先させるあまり

原発に触れずにいすぎたんじゃないだろうか?


恩恵だけに尻尾をふり

事故の対応やマニュアル

県民の防災や保障のあり方

その全てを国や東電に投げすぎたのではないだろうか?



県民の代表である知事たちは

リスクを把握し放射能への知識を学び

県民に説明し続けていたのだろうか?



原発が安全だと過信し

いざ、もしもを

頭に入れていなかったのではないだろうか?




原発を誘致するのはメリットとリスクがあると

誰が県民に説明したのだろう?

私は放射線技師だからある程度理解できる

だが県民は放射能についてなど

知る術すら解らないだろう




知事たちは被害者ではない

加害者ではないのか?



国が!国が!東電が!東電が!ではなく

あなたたちには県民を守る責任があるだろう

その責任を全うしていた首長が

一体何人いたのだろうか?




涙を流し責任を押しつける前に

こうならないように監視や事故対策を

原発を誘致した段階からすべきだったのではないのだろうか


...

東日本大震災 - 2011年03月14日(月)

3日前の午後突然揺れた


揺れたというより振り回されたようだ


それが来た時

病院の二階の倉庫に1人でいた


初めはいつもの地震のように感じ

仕事を続けていたのだが


次第に揺れは大きくなり

扉が大きく開いたり閉まったりを繰り返し

窓はいまにも吹き飛びそうだった



人間1人だと冷静になるのは難しい

ただただ立ち尽くし死を予感した


収まってからもどうしたらいいのか

何をすべきなのかを出すのに時間がかかった



そこからは患者のことや

医療機器のこと

設備や家族のことと走り回った



停電が続き余震が続き

病院待機を解かれたのは夜中の12時だった


その時も停電は続き

家に帰って初めてこの地震の大きさ

そして被害の重大さを思い知った



テレビに映し出されたのは

宮城の気仙沼が火の海になっている光景


どの番組もこの地震を持て余していた

規模も被害も想定外だったことに



そして私は小さな自分を

何も出来ていない自分を情けないと思った


家族が無事なだけで

喜んでしまった自分を少し悔いた


...



 

 

 

 

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