灰の色エンピツ - 2003年08月31日(日) 砂浜を見つけて 海を見つけた そこには 青い晴れ渡った空も 青く透き通った水も 赤く照りつける 太陽も 色とりどりに賑わう 夏の喧騒も 何も無く 灰色にくすんだ空と 同じ色に染まった海 そして同じ色の砂浜 秋を運んでくる風 ただそれだけが 広がっていた 数年ぶりに砂に立ち 海を眺め続ける いつまでも同じ 潮の香りを匂う 永遠に続いてゆく 波の音を聞く いつしか体を香が包み 波の音と共に姿が消えた ... 清盛は解っていた - 2003年08月29日(金) 誰もが自分の部下 誰もが自分の奴隷 少しでも刃向えば 首を切り捨ててゆく そうしながらも 誰もが自分を信頼し 笑いかけると思う 2人の男がいた 1人は高校の後輩 1人は自分の力で 強引に部下にした男 多くの誰もの中で この2人だけは 特に絶対だと信じる 哀しいことだ 愚かなことだ 誰もが自分のために 仕方なく従う振りをする 裏で馬鹿にし 表で仮面の笑顔 特にこの2人の男は そうしていた 「盛者必衰の理あり」 巧いことを云ったもんだ 奢れ、仰け反り 自慢し、権力を振りかざす そうしながら 足元が崩れるを知らず 私は1人の男 あの豚がいつか 自ら足元から崩れ落ち 哀れな泣き声をあげ 見えなくなるまで そしてその後も 1人の男は変らずに 生き続ける 上下の関係を求めれば 必ず盛者と衰者が生まれる 同じ眼を持ち続ければ 必ず対等な者だけ訪れる ... 涙を流すピエロ - 2003年08月26日(火) 背筋をピンと伸ばし 胸を大きく張り 眼を大きく見開き 真っ直ぐに 力強く歩いてゆく 恥ずかしがることは無い 怯むことなんて無い そうするだけで 何かが出来そうになる 全てが見渡せるように 何かを見つけられるように 自分は自分でしかない 進め 進め そうすれば後には 確かな軌跡が生まれる 目の前に広がる世界が 全て自分のものになる 大きな声を出せ 笑いたいときは 涙を流すほど笑え 泣きたいときは 涙が涸れるほど泣け 喜びのときは 幸せに心を酔わせろ 哀しいときには 誰かを心から求めろ 笑えなければ 誰かを幸せには出来ない 喜びも悲しみも 苦しみも 怒りでさえ誰かと 繋がってゆける そうすれば隣りには 大切な人が生まれる 見渡す限りの人たちが 全て自分の岐路になる ... ライオンよりもカンガルー - 2003年08月24日(日) 「ゆとり教育」 それは子供たちに 時間を預けること 好きなことをしろ やりたいことをしろ、と 子供には 夢も希望もある でもそれはすぐに 出来るものではない 子供には ゲームや遊びがある でもそれだけでは 何も学ぶことは出来ない 自分が子供の頃 時間は管理出来なかった 暇があれば 遊び続けてしまった 子供に必要なゆとりは 時間ではなく心だ ある教師は言った 「読み書き計算は必要だ」 そう思う 義務教育は生きるために 日本人として必要な知識 それは社会人として それは常識として それは礼儀として それは人として 必要な最低限のモノ それを学ばず知らず ただ時間だけを与える 子供に対してそれは 夢を摘むことになるだろう 子供には大人には無い 夢や希望を持ち 何でもすることが出来る 大きな可能性がある 何も知らない地で 放置されても死ぬしかない それは選択肢でも 自由でもゆとりでも無い 子供を叱っても殴っても 傍にいる存在になること 子供の心の中で ゆとりとなるような存在 親でも教師でも そんな存在でいて欲しい ... 優柔不断な介錯人 - 2003年08月23日(土) このモヤモヤよ 消えてくれ 理由も原因も 解決法も分っている ただそれが怖くて 固まってしまう たった一言 でもそれを云えば これはバランスを 崩したように 一気に崩壊してゆく 一本の糸を切ったことで 全てのモノが流れ落ちる それを知っている だから出来ないんだ そうしてまた 風化してゆくこと 自分の知らない場所で 薄れてゆくことを 汚く望んでいる そう思う自分が 吐気がする程嫌いで そうしか出来ない自分が 情けなく馬鹿にしている もし全てが夢だったら ここから逃げることで もしそうなれば それを嘆く自分もいるだろう ここに 毎日を一喜一憂しながら 足掻くしかない自分がいる ... 【 宿命 】〜book 32〜 - 2003年08月22日(金) 初めはちょっと面白い 推理小説かと思っていた 設定もストーリーも どこかと似ていて 目新しいことなんて 何も無く進むページ でも最後の言葉を 記憶したとき 本を持つ手が振るえ 涙が溢れそうになった 「宿命」という意味 全てがそこに繋がった そして彼らだけの 特別に絡む心 心を打たれるだけではなく 2人に嫉妬すら覚えた 誰にも入ることも 見ることも許されない絆 2人さえも気付かなかった たった2人だけの絆に ... 泣き叫ぶ子供たち - 2003年08月20日(水) 当直中の電話応対 大概の患者さんは受け入れる でも絶対受けない 患者さんもいる 中学生よりも 年齢が低い子供たち うちの病院には 小児科は存在しない だから絶対に 受け入れることは無い よくそれを聞いて 「酷くないか?」 「医者なんだから診ろ!」 そんな言葉を云われる 電話で言われた事もある 医療は進歩しすぎた 時間は掛っても 治療できない病など無い そして人の身体は 複雑に精巧に出来すぎた どんなに学んでも 全てを知ることなど 出来なくなってしまった 脳神経外科 心臓外科 外科 循環器科 呼吸器科 婦人科 口腔外科 整形外科 消化器科 内科 精神科 耳鼻咽喉科 眼科 内分泌科 形成外科 放射線科 リハビリ科 検査科 そして 小児科 挙げたらキリが無い程 人の身体・心は分類させる それを一人の医師に 頼ることは不可能だろう そしてここで子供を 無理に診ることは 優しさでも何でもない 誰だってそうだろう 自分の知らない仕事は 必ず間違いを起こす だからこその判断なんだ 小児科は確かに少ない でもその責任は医師には無い もし毎日子供の身体の 心配をするならば することは愚痴でも 苦情でもないだろう どうすれば安心して 子供を預けられるか どうすれば信頼した病院が 存在できるかを 考えること 医者も医療従事者も 病院も 病に対して万全では 無いのだから ... 盗賊の嘘 - 2003年08月19日(火) 嘘付きは泥棒らしい 嘘を付く度に 盗んでいくから 相手が自分に持った 信頼や好意 少しずつかもしれないし 一度に全てかもしれない 優しさの嘘 そんな嘘もある それは相手を思いあった 2人だけの特別な嘘 そんな嘘を付けるのは 一生に何人もいない なら嘘を付く度に 私の部屋には 沢山の信頼や誰かの好意 大切な想い出が増えてゆく 二度と2人では 共有できない思いが ... やって後悔、後の後悔 - 2003年08月18日(月) 何度も何度も 繰り返し覚えてゆく 脳血管を調べる アンギオという検査 どうしても失敗する そしてパニックになる それでも繰り返し そして覚えてゆく 自分の失敗が命を左右する恐怖 小さなミスが 患者の負担になる恐怖 自分の力が無いことへの恐怖 震えながらもまた繰り返し そして覚えてゆく 何度も挫折しながら 恐怖に怯えながら それでもやって後悔したい 恐怖から目を背け 終わった後から後悔する そんなせずに感じる 「後悔」はしたくない 何かに手を出し 何かを感じること 何かを探して 何かを見つけること やらなければ 次の何かは生まれない 永遠に終わることの無い 「何か」「後悔」 それを見つけ感じること 今はそれが出来ればいい ... 門 - 2003年08月17日(日) 昔とは違うから 嫌いだと云われた 昔は自分よりも 相手を中心にしていた 今は自分が 一番大切だと思える だかららしい でも今が本当の自分 そう断言できる 昔も自分だが 今は成長した姿なんだ 今思えることは 自分を大切にすること 自分を大好きであること そう出来ない奴は 嫌いなんだ 形だけの優しさや 気配りをしてゆくこと 確かに昔はそうしていた それが自分だと思っていた そうしなければ 自分は存在できなかった 「優しいね」の言葉 誰かに頼られること それが全てだった それを捨てることが 怖かった 今はそんな言葉も 行為も無駄だと感じる 建前でしか接せず 偽りの言葉を掛けること 私は私が一番好きだし 自分を大切にしている そしてだから相手にも 本気でぶつかっていける がんばっていれば 応援したくなるし 挫けそうなときは 心から力になりたいと 一方的に「自分」を決め ただ嫌いという 馬鹿らしくて付き合えない 相手を知るために 何をした? どんなことをした? 自分の中に動かない 不変のモノが欲しいのか 虚無なモノを 真実に見立てながら もう閉じるだろう 鍵を幾重にも掛け 永遠に封じられる ... 今しなければ、いつ? - 2003年08月15日(金) 北中種馬団本部っていう HPを造ったんだ まだ探してもあんまり 見つからないかもしれんが やっと色んなことを 進められるようになった 仕事にしろ、種馬にしろ 遊びにしろ、何でもね だからここで一つ 有言実行しよう 今年が終了するまでに カロとある免許を取る 「水上オートバイ」 来年、北中種馬団は ジェットスキーイヤー! せっかくたくさんの 時間と可能性があるのに それを使わないなんて こんなに勿体無いことは無い 北中種馬団はそれを 少しだけ後押ししてくれる そんな団 それは誰に取っても・・・・ ... 技術屋さん - 2003年08月12日(火) 放射線技師として 4ヶ月働いている 技師って何? そう思うことが 時々ある 技師の仕事は 完結しない 診断の材料を作る 治療の補助を行う 患者という人と 最初も最後も交われず ただ通り過ぎるように 関っていく仕事 医師に対して 感謝の涙を流す人がいる 看護士に対して 本気で自分を ぶつける人がいる 技師には? ドライブスルーのように 相手の顔も言葉も 知らずに流れていく 優しさも丁寧さも 霞んでしまっていく 大切とは分りつつも 寂しさを感じていく いつしか 必要か? 意味は? 疑心暗鬼に嵌っていく 僅かな 「ありがとう」の言葉 それだけが自分と 技師を繋いでいる ... 北中種馬旅団発足 - 2003年08月08日(金) カロと旅に出た 旅といっても 唯の一泊だけれど 行き先は鬼怒川温泉郷 目的などあったろうか 温泉に入りたかった 仕事を忘れたかった 旅館に泊まりたかった HPのネタのため どれも合ってるようで どれも違う気がする 鬼怒川という土地 訪れた温泉宿 迎えてくれた人たち 出会った人たち 不思議なものだ この年のこの日 私が此処を訪れたこと これは誰も知らないし 誰も分からなかった それでも出逢い 話すことが出来た 偶然でも運命でも そんなものでは無いが 旅とは そんな何気ない雰囲気を ゆっくりと味わえることが 一番の楽しさなのでは 無いだろうか ... 36500分の1の自分 - 2003年08月07日(木) ある占いのページで 自分の生年月日占いがあった それによれば私は 的確な判断力を持ち 優秀な指導力を持ち 動物たちに優しく 愛を持って接し 相手を責めず 人を怨まず しかし 心の奥に残虐性を持ち 他を心から寄せ付けない そんな人間が あの年のあの日に生まれる そんな話らしい だが性格や心理など 所詮人と比較した結果 私は私としか生きられず それは今も明日も同じ でも もし機会があるのならば 同じように生まれた 彼らと一度 酒を酌み交わしたいものだ ... 曜星 - 2003年08月06日(水) なぜ今日は水曜日 そんな名前なのだろう 月曜は月 火曜は火星 水曜は水星 木曜は木星 金曜は金星 土曜は土星 日曜は太陽 「曜」とは本来 光り輝くと云うこと 今日は水星が 一番輝くのだろうか 水星とは最も小さく 太陽に近い星 今日は雲の中にだけ 水星は輝いている 地上にしか存在出来ない 私たちには どんなに 雲を掻き分けようと 背伸びをしようと 見ることは出来ない ... 風の申し子 - 2003年08月04日(月) 砂漠で人は どうして生きている 草も水も無いのに 砂漠で人は どうして生きている 空気を作る 碧も緑も無いのに 砂漠で人は 何を求め生きている 生き物たちが 動くたびに風が生まれる その風が碧の風を 運んできてくれる 乾き切った風を 潤いに満ちた風に変え そうやって人は 砂漠で生きてゆける 呼吸をする度に 一歩ずつ歩く度に 生きるための風を 生んでいる ... 夏に必ずすること - 2003年08月03日(日) 昨日暑くてさ エアコン付けたんだよ 余りに気持ちよくて そのまま寝たんだよ 朝起きたらさ 案の定風邪でした 発熱、咳、鼻水、痰 と普通の風邪引き症状 運の良いことに今日は 当直日で33時間労働 死んだよ 日勤が終わった時点で 頭はフラフラ咳は止まらん 布団で寝てれば 救急患者の電話の嵐 「頭痛いんです」 「手足が痛いんです」 俺もだよ 多分俺のほうが酷いよ そんなんで夜来るなよ 明日まで我慢しろよ 救急患者の処置が 終わりました 今午前4時です 寝れねーよ ごめんよおれの身体よ さようなら病院 さようなら患者さん もう寝ます 電話してこないで おやすみなさい たった2時間でいいからさ ... 脱皮 - 2003年08月01日(金) 新しい免許を取ること 新しい場所へ訪れること 新しい人と出会うこと 何でもいいんだと思う 何かを見つけ 触れられれば 脱皮をするように 自分が生まれてくる 前よりも少しだけ 強い力と優しい心を 脱皮できない昆虫は 一時を生き死んでいく 身体を腐らせ 心を何処かに落として 人は死ぬことも 無いだろう 代わりに過去に縋り 想い出に今を忘れて ...
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寂しがりやな豚ちゃんたちの旅跡 |