笑う角に光りあれ...オレステス・デストラーデ

 

 

Next Generation - 2020年09月28日(月)

秋晴れ、汗ばむ一日。
有給取得で北へ古本探索。

BGMはFleet Foxes、Bob Mouldの新譜。
今年60になる爺が放つ胸熱のギターリフ、メロディ。

雪が谷大塚で田中慎弥1冊。
自由が丘で深沢七郎2冊。
九品仏、尾山台は不発、田園調布は店前道路の舗装工事で近づけず。

新丸子三ちゃん食堂で、生ビール、レモンサワー、ねぎぬた、舞茸天ぷら、ハムエッグ。
ここ最近一杯目からビールを飲まずとも満足できる身体になっていたが、この暑さでは我慢ならない。
コロナの影響か満席ではなかったものの、相変わらずの盛況ぶり。
ここに来ると、改めてこの街に住んでいてよかったなと思う。

歳が歳なので、家を買うべきか、借家暮らしを続けるべきか、大いに悩む。
ましてや、今日のようなお屋敷街巡りをすると、殊更気になる。
世間一般の平均値から比べれば何不自由ない収入を得ているのは確かだが、それでもって何か幸せを感じているかと言えば、まったくそんなことはない。
40間近の自分の楽しみが古本屋巡りぐらいしか思い浮かばないことが、それを如実に物語っている。

昨晩の次女のお食い初めの儀で用いた鯛の塩焼きを転じて鯛雑炊としたものの、何の鯛の風味も感じられず。


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Taillwhip - 2020年09月22日(火)

4連休最終日。
コロナ渦における細やかな家族サービスを行った翌日、我が欲を満たすべく街に繰り出す。

2020年の自分にとって最大のトピックと言えば読書に目覚めたことであろう。
西村賢太で始まった熱は、車谷長吉との出会いで沸騰し、その後も北條民雄や永井龍男など、忘れることの出来ない出会いが続いている。

そして、直近では村田喜代子の『蕨野行』がさらに心を震え上がらせた。
いわゆる姥捨ての風俗に端を発した作品ではあるが、ただ悲しいとか、寂しいかとか、そんな次元ではなく、魂を揺さぶられ続けた素晴らしい作品であった。
こんな作品が人知れず存在していることに心底驚く。
気付けば、今年はこのような魂が揺さぶられる作品に出会い続け、自分の中の原野が切り拓かれていく想いでいっぱいである。

かのような、今の私の欲求を満たしてくれるのが古本屋であり、それらが集積、かつ、しばらく訪れていない横浜に出かけることにした。

手始めは関内、少し歩いて桜木町。
ぴおシティには昼前から飲める立ち飲み屋が集積し、荒んだ空気感も合わせて最高。
その後、平沼まで歩き、最後は横浜駅周辺へ。
結局5、6冊の本を買い求めた。
最後は駅前路上の立ち食い蕎麦屋で天ぷら蕎麦。

きっとそれ以外の興味をそそられるものもあるはずだが、桜木町で摂取した酎ハイの酔い気で、寄り道もせずそれだけで帰宅する。




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白痴群 - 2020年09月10日(木)

先週抜いた虫歯まみれの親知らず痕に、あらゆる食べ滓が挟まる。
米粒、麺の切れ端、納豆粒。
鈍い痛みと、異物が挟まる不快感に苛まされ、ただただ苦痛である。

私の口腔内にはあと21本の虫歯が治療を待っている。
苦痛だ。

治療を受けると飲食を楽しむことができない。
それがどれほど苦痛か初めて知った。



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Human Tetris - 2020年09月06日(日)

夏が終わる。
朝晩妙に涼しい風を浴びると、それを殊更に感じる。

何も成し遂げないまま、猛烈に時間が過ぎていく。
コロナによる自粛の風潮を後ろ盾に、何もしない自分を肯定している。

同じような週末を繰り返すことが増えてきた。
土曜は昼まで掃除をし、午後から買い出し。
日曜は朝から子供たちを公園に連れていき、午後から買い出し。

京都末期、ルーティンのような毎日を過ごすのにうんざりして、あの街を出ていくことを選んだ。
もちろん、それだけが離れた理由ではないけれど、この生活から抜け出したかったこと、抜けたしたいと言う意欲があったこと、は事実に他ならない。

あれから数年経って、同じような心持ちになってきていることに、少しの恐れを感じる。
しかし、抜け出したいと言う意欲はどうだろうか。
抜け出してもまた新たな蟻地獄が待っていることを知った今、膨大なエネルギーを注いで何を得られるのか。

虫歯まみれの親知らずを抜いた歯茎が疼く。


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