上半期振り返りつつあれこれと考え込んで夜は更け行く
明け方の静まり返る街の色幽かに秋の訪れを知る
今日もまた仕事に挑む週末となれば栄養ドリンクを飲む
修羅場果て仕事の山のその上にぽかりと浮かぶ月を思う夜
山場越え懸案残る職場では重い空気が漂っており
渡せずにいた餞別を眺めてはため息をつく最終日の夜
青空に金木犀が香る午後慌しさを少し忘れる
秋の夜のだんだん長くなりゆけば仕事の山も高くなりゆく
今宵また月諦めて仕事する心を叩く音の激しさ
雲間より幽かに覗く月の影心の迷い映して冥く
少しだけ足りない想い抱いてる我を照らすは十三夜月
指を折り部下と別れる日を数え折り合いつけることむずかしく
山登る術を知らないボクといてストレス溜めることも多くて
休暇取る部下と喧嘩の相方にほとほと疲れ言葉をなくす
秋雨を眺める時間欲しいなと思いながらも仕事は続く
虫の声いつしか高くなることに気づいて秋の訪れを知る
本当に仕事ばかりの毎日に自問自答を繰り返している
軽快なサンバのリズム耳にしつデータベースの直しは続く
衝撃の映像続き寝付かれぬ夜の闇など見つめておりぬ
ひとまわり成長遂げた部下の背を感慨深く眺めておりぬ
山のよな仕事の山に挑むとき疾風怒濤で時は流れぬ
菊の酒不惑も近くなりぬれば交わしてみたいあの頃のよに
稲妻に心の中を照らされて修正急ぐ夜の静寂
憶えずにいれば忘却することも必要ないと気づいたりして
机上ではなんとでもなる空論を立てても何になるかと思う
まだできぬ資料を眺めため息をつく相方を置き去りにして
微温湯につかることにも飽きた頃秋が近づき忙しくなる
風の盆来年こそと思いつつ書庫に降り立ち確認急ぐ
じりじりと気温が上がる書庫の中汗にまみれて確認急ぐ
柔らかな声が流れて夜の闇溶かす心地が続いておりぬ
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