段取りができれば仕事半分が片づくことになるのにと思う
暇つぶすためにはこれもいいかもと言い聞かせてる自己欺瞞でも
赤インクみるみるうちに減っていく校正作業好調なれば
ペンを走らせる音さらさらと流れて止まぬ事務室の中
漆黒の都会の空に雷の走るさまなど眺めておりぬ
杉檜カモガヤ稲と続いては目のショボショボは相も変わらず
2002年05月25日(土) |
『Happy Valley』 |
極上の紅茶のような音楽を聴きつつ何もしない贅沢
菖蒲咲く季節になれば思い出す君と歩いたあの杜の道
〆切の間近になればしかたなく仕切りに入る我の哀しさ
ひそやかに光を集め水芭蕉咲き競いたる湿原の中
夜業果て歩む傍ら仄白き額紫陽花が闇を照らせり
あいにくの梅雨の走りの雨が降る気配に耳が重くなり行く
影のよにブルー・モスクの浮かび来るラスター彩の大皿の中
博堂のLPなどを取り出して懐かしんでる学生時代
不意に聴くバンド・ネオンは哀愁を湛えて響く心に響く
後輩の勧めた本の続編を見つけて思う時の流れよ
初夏の朝に流れるメロディーは漣のように寄せては返す
年輪を重ねて唄うヴォーカルの味わい深く『ブルー』色濃く
潮の香がぷんと漂う雨上がり忘れてみたきことも多くて
エプロンは意外と似合うかも知れぬにわか主婦する三十路の私
鮮やかな情景ととも蘇る想い出などをいとおしみたり
ようやくにえぞやまざくら開花して春となり行く街を思いぬ
青葉病かかる間もなく忙しい季節となりて腕まくりする
なつかしのフレンチ・ポップ聴きながらデータベースの加工を急ぐ
細い路地ベールに包みピラカンサ花は静かに咲くことを知る
夏来ると告げるがごとく昼顔の花開きたる街道沿いに
こいのぼり風を孕んで心地よく泳ぐ姿を眺めておりぬ
バラードに包まれながら漠然とこれからのこと考えており
懐かしいメロディーととも蘇る記憶のかけらいとおしみたり
胸の奥秘めてる想い誰にでもあるものなのね昔も今も
沖縄の海でも眺めぼんやりと過ごしてみたい心地続きぬ
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