けだるさに身をゆだねつつ ひたすらに雨通り過ぐ刻を待つ日は
一夜ゆえ美しさ増す音舞台 新たな音の出逢い求めて
秋刀魚焼く香り漂う路地裏の赤提灯が恋しくなる頃
草の花可憐に咲いて秋の陽の穏やかなるをいとおしむ午後
隠れ家でぼんやりしたいこの頃は 仕事の山は少しも減らず
みゆき恋う秋風吹けば街角でふいに聞こえる懐かしい声
夏の日の名残集めて曼珠沙華 朱く燃え立つ都会の路地裏
伝え得ぬ想いもあれば淡々と心を癒す歌が流れる
秋雨が紅葉連れて南下する観楓船も就航すれば
北国はすでに冬へと急ぎたる山もほんのり雪化粧して
静けさに熱気を孕む嵐前 青松虫の輪唱続く
沈黙を守れば高い秋の波 心の中にも砕けて散って
2001年09月17日(月) |
ふたりのビック・ショー |
響きあう歌声の中新しき歌の扉の開く音聞く
2001年09月16日(日) |
あのころ、歌は美しかった |
永遠の平和を願い歌い継ぐ『長崎の鐘』胸に染み込む
笙の音が誘う先は高い空 仕事の憂さも溶けて消えてく
慎重に言葉を選ぶかの人のまなざし深く思いも深く
2001年09月13日(木) |
『川の流れのように』 |
せせらぎが流れるごとく清らかにヴァイオリン鳴る喧騒の中
向日葵の明るい花のそのままに微笑む顔は美しすぎて
人生の半分過ぎて今もなお歌い継がれるあの唄を和す
雲流れ流れて雨を連れて来る嵐の近さ潮の香で知る
蝉の声静まり返るその中を通り雨行く激しく強く
高原を吹き渡る風運ぶよにコスモス揺れて 心も揺れて
カンナ咲く夏の終わりを燃やすよに高く花の穂伸ばし伸ばして
想い出はおしろいばなの色のよに紅白絞り取り混ぜてあり
月影の淡い光を集めてはほのかに染まる待宵草よ
戯れる猫のその手を逃げるよに激しく揺れる猫じゃらしかな
2001年09月03日(月) |
『ブリジット・ジョーンズの日記』 |
秋雨にガラスが光る帆のようにきららきらきらきらめく夜は
ひとすじの雲が夜空に流れては 摩天楼に今日も星なく
影を引きおわらが消える明け方に 重なる影は夢か現か
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