新知庵亭日乗
荷風翁に倣い日々の想いを正直に・・・

2005年04月02日(土) チリカラ音楽こー座5歌舞伎太鼓

「ビートたけしの!こんなはずでは!!」で東海道四谷怪談で打たれる お化けの太鼓「ひゅ〜〜ドロドロ」打ち合わせでタケシさんに「これは江戸時代の流行語大賞ですね」と言っていたら本番テレビのプロップに出てた。


 では今はやらなくなった一番太鼓
上の写真で長撥で打ってますね、これは黒御簾から歌舞伎役者の動きを見て打つので皮に対して左手の甲から撥を操ってます、これは日本だけでしかない打ち方です。
 昔は木戸をあけるのでまず長撥で太鼓の胴の部分をカラカラ〜〜と打ちます。

 そしてドドンドンドンドントコーイ・ドンドンドントコーイと繰り返します、そしてドロドロと連打してドドン!

 そしてお客さんが到着されますねー
そしたら【着到】という太鼓を打ちますチャクトウ?そう今でもJazzの人達は逆さ様に言いますね「いいナオンだ」
 これは既に江戸時代から粋な男の使う言葉だったのです。

で大太鼓で全て情景音をだします、
水音、川の流れ、風音、海の波音、雷、にわか雨、雪音、そして流行語大賞のヒュー〜〜ドロドロ

「あの人テンテコマイしてる」
これは天テコ舞いと書いて歌舞伎用語なのです。
 ヒー天!ドロ〜〜
これは今では言わなくなりましたが狐が登場する時のテーマ音楽だったのです、江戸から昭和初期まで狐のことをヒー天さんと言ってました。

 で歌舞伎役者が見栄を切る時、付け板がバタンバタンと鳴ってますね、あれをバッタリと言います。

 あー忘れてました、拍子木がチョン!と鳴りますね、あれを「木を入れる」と言ってます。
 昔は開演一時間前のブザーなんてありませんでした、で舞台後見さんは例えば主役がいるチョン!地方もいるチョン!と二時間前あたりから木の音で知らせます、もし誰かが着てなかったら最後の決めのチョンチョン!が鳴らないのです。

で目出度く幕が引かれ終演しました(よかったね)
すると大太鼓は
ドロドロ〜〜そしてデテッケデテッケと打ちます・・・ほんとだよ。


これをフランスのパリ音楽院で説明しました、その中で雪音だけが理解されませんでした、雪が深深と降る・・は日本固有の文化なのですね、ある仮定理論で日本の脳と西洋人のそれとでは雑音として処理する脳の場所が違うという研究もあります。
 
 そして太鼓は古木が刳り抜かれ、動物の皮が張られます、それ自体大変な作業工程で出来上がるのです、鼓童や鬼太鼓座を聞いて見に染みて感動するのは唯ひたすら打ち込む姿と地鳴りする音に何か太古の音が自然界の波動と供に私達の琴線を共鳴させるからではないでしょうか、
 今僕は太鼓の奏法に古武術を応用 しているのは人間の動きも江戸時代以前に戻ろうとしているのです。





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