++ 記憶の中へ
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■ 支援費制度 2005年03月25日(金)
 遅ればせながら、支援費制度を利用することになって、受給者証の申請や、事業所との契約をした。

 障害があっても子どもは親から自立して社会へ出ていかなくてはならない。特にこれからの福祉は「施設から地域へ」と移行しており、社会参加に向けて必要なこと、自分でできることを身につけて地域の中で生活していかなければならない。児童の場合は親亡きあとのことを考え、自分を助けてくれたり、教えてくれる他人とのコミュニケーションに慣れる必要もあり、早くから他人と関わることが大事だ。その自立支援のお手伝いをしてくれるのが支援費制度であり、ヘルパーさんたちである。

 もともと、私は海渡が地域で暮らすことを望んでいたし、目標にしていたのでこんなサービスがあるのなら、どんどん使ってみたいとは思っていた。でも、支援費制度ができた2年前は、制度はあってもサービスを提供する事業所が身近になくて、ハッキリ言って使えない制度だった。
 2年たって、少しずつ事業所も増えてきて、海渡もだんだん親の手から離れて他人と関わりをもちながら自立に向けて準備することも必要だと感じていたところ、ある事業所のお話を聞く機会があって利用してみようという気持ちになった。

 支援費制度のうち、海渡のように障害を持つ児童が使えるのは「デイサービス」「居宅介護サービス」「ショートステイ」の3つ。

 「デイサービス」は主に事業所内での支援で、放課後や休日を利用して、能力に応じた日常生活訓練を集団生活の中で行うこと。障害児向けの学童に近く、遊びの中に将来への自立に向けた活動を取り入れている。

 「ショートステイ」は、親が病気のときなどに短期入所する保護サービスのこと。できればあまり使う機会が無いほうが嬉しい。

 「居宅介護サービス」はホームヘルプサービスとガイドヘルプサービスがあり、子どもの自立に向けて自宅での活動の支援や、外出の付き添いなどの支援をしてくれるサービス。

 今回、利用するのは3つ目の「居宅介護サービス」で、特にガイドヘルプサービスを考えている。ダウン症の子どもを持つ友人たちとグループでそれぞれの子どもにヘルパーさんをつけて外出して、公共交通機関の使い方や余暇活動の充実した過ごし方を覚えたり、夏休みを充実して過ごせるよう計画をたてている。

 まだ、契約したばかり、活動も始まったばかりだけれど、社会への自立に向けての初めの一歩になって欲しい。不安もあるけれど、ワクワクドキドキの気持ちもいっぱい。

■ 2年生終了式 2005年03月24日(木)
 今日で、2年生が終わりました。
 この間2年生になって、新しい先生と出会ったばかりだと思ったら、1年の何と早いこと・・・・。

 通知表にはこの1年間の海渡の成長の証がぎっしりと書き込まれていました。その中で、特に友達とのかかわりや、2年1組での海渡の行動にやる気と自信が現れていることがわかって、親としては本当に嬉しく思います。

 特殊学級にいて、普通学級との関わりがうまくいかなかったりあるいはほとんど無かったら、何のために地域の小学校に入学したのか分からなくなります。幸い海渡の小学校では、普通学級での海渡の存在を大切にしてくれていて、特殊学級で勉強するときはもちろんのこと、普通学級で勉強するときも当たり前のように海渡の居場所があり、みんながそれを自然なことと意識してくれていることを本当に嬉しく思います。

 通知表によると放課になると、自分からボールを持って友達の輪の中にはいっていったり、給食の準備も意欲的に取り組んで友達に教えてあげたりしているそうです。

 また、先日の学級懇談会で、普通学級の先生が

「クラスのお友達は、海ちゃんが自分から人の嫌がることを言ったり、したりしないことを知っていて、それがクラス全体に良い影響になる」

ということをお話してくださったり、ある保護者の方が

「家族でダウン症の子が出ているテレビを見ていたとき、下の子の疑問に娘(海渡の同級生)が「大丈夫、お友達になれるよ」と答えていて、子どもってすごいなぁと思った」

とおっしゃって、一緒に過ごすことの大切さを改めて知ったと同時に、こんな環境を整えてくださった学校や先生方に対して感謝の気持ちでいっぱいです。

 さらに、来年度の新1年生に特殊学級に入る子がいなかった場合は、3年生の教室の場所が今までと違う棟の校舎になることに対応して、特殊学級の教室の移動も考えてくださっているということで、3年生に進級するにあたって一番心配していた「3年1組と特殊学級が距離的に離れてしまう」ことに対する不安も少し解消しました。

 特殊学級の教室を移動できない場合でも、海渡のランドセルなどの置き場所を今までの特殊学級から3年1組のロッカーに置いて、特殊学級には算数と国語だけ教科書を持って移動するということもできるお話を以前聞いているので、教室が移動できればそれが一番嬉しいけれど、ランドセルの置き場所を3年1組に移してもらえるだけでも全然違うと思うのでそれはそれで嬉しいことです。

 ただ、3年生になると多分普通学級の担任の先生が変ると思うので、どの先生になるかが気がかりですが・・・でも、どの先生も海渡のことはよくご存知だし、海渡もどの先生のこともよく分かっているので大丈夫だと思っています。でも、今までの普通学級の先生の異動が無いといいんだけど・・・・

 海渡に「3年生になったら○○先生変るんだよ。3年生はどの先生がいい?」と聞いたら、図工の時に補助に入ってくださる講師の先生の名前や、オーストラリア人の英語の先生の名前が出てきました。

「うーん、担任になってくれると嬉しいけど・・・ちょっと難しいなぁ、他にはどの先生がいい?」

と聞くと海渡の口から出てきた先生は

「こうちょうせんせ」

 校長先生もちょっと無理かなぁ(笑)
 どの先生が担任か、楽しみだね。

 最後に1年、2年と担任してくださった普通学級の先生、2年間ありがとうございました。そして、特殊学級の先生、来年度もどうぞよろしくお願いします。

■ そう言われても・・・ 2005年03月18日(金)
 この日は小学校の卒業式で、海渡はお休み。
 朝から退屈して、散らかす散らかす。
 散らかしっぱなしでそのまま外へ出て行ってしまったので、頭にきて散乱しているおもちゃのガラクタ類、マックのおまけや中途半端なカードやかるた、紙切れ、その他もろもろのすべてを捨ててしまった。

 あ〜スッキリした。

 しばらくして、海渡が戻ってきた。綺麗に片付いた部屋を見て

「あ、おもちゃ、おかたづけ、ありがと、ママ。」

と言った。そして

「ごめんね」

と・・・・・・

何も言えなくなってしまった・・・捨てたとは言えない。たとえ、ガラクタでも。どうしよう・・・・

このまま黙っていよう・・・・・オモチャ箱には代わりにぬいぐるみ詰めてあるし・・・そうしよう。うん。(そういう問題じゃない?)

 



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