++ 記憶の中へ
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■ げんき だして 2004年08月28日(土)
今朝、仕事でパソコンに向かっていたときのこと、
海渡が、冷たいミルクの入ったマグカップを
私の目の前に差し出して言いました。

「ママ げんき だして」

そして、いつものちょっとはにかんだような笑顔。


もう、それだけで思いっきり抱きしめたくなります。
冷たいミルクを一口飲んで、マグカップをテーブルに置いて

「ありがとうね」

と海渡の瞳を見て言いました。

海渡はやっぱり、いつものクセで方をすくめながら笑って、
私の膝に乗ってきました。


そのまま仕事する気になれず、パソコンから離れて
少し海渡と遊と遊びました。
海渡が、そばにやってきた猫に向かって言いました。

「ももちゃん おかあさん おしごと」

そして、パソコンの方をチラッと見ました。
海渡は、私がパソコンに向かっている間は仕事だということを
そして、今はちょっとだけ自分と遊んでくれていて、またすぐに
パソコンに向かうことをよくわかっているのでした。

「海ちゃん、おかあさんお仕事だから 待ってるの?」

海渡は黙ってうなづきました。


夏休み、どこへも連れて行ってあげられなかったね。
なのに、文句も言わず、駄々もこねず、
ママのお仕事中、いつもおりこうに一人で遊んでくれたね。
ごめんね。
涼しくなったら、大好きな動物園、行こうね。



■ ゼクシィのお姉さん その2 2004年08月27日(金)
気にしていると、けっこうあのCMよく流れてますね。
最近では、始まると「海渡、やってるよ」と教えてあげてます(笑)
そのたびに、海渡は嬉しそうに見ています。

今日はパパがわざわざ自分が見ていた小型テレビの向きを変えて見せてやっていました。海渡は「ピーチ・・・」と言いながら、とろけるような笑顔で見つめていました。

「なんて嬉しそうな顔なんだ」とパパも呆れ顔(笑) 

もしかして、ただピーチ姫に似ているからというだけじゃなく、海渡はこのお姉さんが好きなのかな????

「海ちゃん、この人、好き?」

と聞いてみたら、嬉しそうに

「うん」

て・・・・なんか、フクザツな心境の母です(笑) 

■ ゼクシィのお姉さん 2004年08月26日(木)
 何日振りの日記だろう・・・・
 夏休みも終わりに近づいてますが、海渡はとっても元気です。日中は私の仕事があるのでほとんどかまってやれず、家庭内無法地帯化してますが、兄や姉と遊んだり、一人遊びして過ごしています(ごめんね、海渡)。


 ところで、海渡のことで面白い発見しました。
 「パパパパ〜ン」のアカペラ結婚行進曲でおなじみのゼクシィのコマーシャル。あれが始まると海渡は何をしていても手を止めて、じっと画面を見るのです。どうもあれに出てくるモデルさんが気になるらしく、じ〜っと見つめています。何回目からかモデルさんが映ったときに

「ぴいち・・・」

と言うようになりました。「ぴいち」?「ピーチ」???
確かに、色的にはピンクのイメージで「ピーチ」色?? しかし、海渡はピーチ色なんて知らないはず・・・・。そのうちに、

「ピーチ・・・?」

とモデルの女の子に向かって問いかけるようになりました。真顔で(汗)

 そこで気づいたのですが、ピーチと言えば、ゲームに出てくるキャラのマリオの相手がピーチ姫。も、もしかして・・・・

「海ちゃん、この人ピーチ姫なの?」

「うん」

 なるほど。確かにピーチ姫に似てなくもない。細いあごに大きな瞳、キュートな笑顔、そしてドレス(CMのはウェディングドレスだけど)。

 海渡はゼクシィのCMが流れてあのモデルさんが出るたびに、ずっ〜と「ピーチ姫だ」と思っていたらしいのです。ゲームのキャラのイメージが実際の人間に重なるというのが面白いというか、何と言うか・・・。

 ちなみに、あのモデルさんは誰だろうと「ゼクシィ CM」で検索してみたら、出るわ出るわ(笑) かなり注目の人になっているようで、たっくさんヒットしました。ブログでもあちこちで話題になってますね〜。彼女のブログもありました。名前もプロフィールも分かったけれど、海渡には内緒にしておきます(笑)

 それにしても、彼女をピーチ姫だと思ったのは海渡だけだろうな(笑)

■ 思いがけない言葉 2004年08月06日(金)
 海渡は、時々、思いもよらない言葉をかけてくれる。
 昨日は、夕食の準備のお手伝いでエッグサラダを混ぜている最中、一口なめて

「なかなか おいしいね」

と言って、大笑いさせてくれた。この「なかなか」という言い回しは、初めて聞いた言葉だった。使うタイミングもバッチリ(笑)


 また今朝、私が居間の壁に貼ってあるカレンダーとにらめっこしていたときのこと。カレンダーには公共料金の請求が来たときにいつ銀行から引き落とされるか書き込んである。今朝、それをみながら残高不足にならないかどうか頭の中で思案していた。

 すると、海渡がそっと隣に立ち、私の腕に軽く触れて言った。

「げんき だして」

 一瞬、わが耳を疑った・・・・
 もう!(爆笑)
 そうだねぇ、銀行の残高を考えていたら元気なくなっちゃうね(苦笑)

 私はよく海渡に「元気?」と聞くことがあるけれど、「元気出して」は言ったことがない。いつ、そんな言い回しを覚えたのだろうか。

 「海ちゃん、ママ、元気もりもりだよ」

 そう言うと、海渡はいつものクセで肩をすくめながらくすっと笑った。


■ 耳掃除 2004年08月05日(木)
 しばらく前から右の耳をやたらと触っていた海渡。
 手のひらでグリグリしたり、指を突っ込んでみたり、私の手を握って耳に持ってきたり・・・

 「痛いの?」

と聞いても知らん顔しているところを見ると、痛みはないらしい。

 どうも退屈したり、手持ち無沙汰になるとやるみたいで、車に乗ってしばらくして飽きてくると耳を触りだす。クセなのかなぁと思っていたけれど、やっぱり気になるので耳鼻科を受診した。

 診てもらったところ、耳垢が溜まっていたのでそれを取ってもらった。
 外耳も中耳も特に異常なく、結局耳垢が溜まってそれが刺激になって、痒かったのでしょうということだった。

 そういえば、この間耳鼻科で耳掃除してもらったのは2月。ちょうど半年たつわけだ。左耳は耳垢がほとんど無かったのが不思議だけれど、でも、それからウソのように海渡は耳を触らなくなった。

 やっぱり、半年ごとの耳掃除は必須ですね。

 
 

■ サマースクール第一回 2004年08月04日(水)
 参加している地元の親のネットワークPeek・a・Boo主催の「サマースクール」に初めて参加してきた。

 保育園の頃は夏休み中も登園していたし、昨年は開催場所が遠方ということで諦めていたけれど、今年は何とか参加することができた。

 海渡と同じダウン症の子供もちらほらいて、やはりつい目が行ってしまう。ダウン症と言っても本当にその子によって個性的だ。乳幼児のころはきょうだいのように(もちろん、幼くても充分に個性的ですが)似ているように思っても、学童期に入るとそれぞれが持っているキャラが際立ち、確立してくるのか、その子らしさがあふれている。

 やんちゃな子、おちゃめな子、恥ずかしがりやの子・・・・

 養護学校、特殊学級、普通学級・・・それぞれ過ごす場所は違っているし、めったに会えないけれど、なぜかダウンちゃんどうしって、言葉がなくても分かり合えるテレパシーがあるようで、すぐに幼馴染のように仲良くなって、くっついて遊んでいる。いろんなしがらみを抱えたおとな(笑)からみると、本当に羨ましいというか・・・・(苦笑)

 サマースクールは趣向を凝らしたプログラムで子供も大人も楽しめる内容で、ボランティアさんも充実しており、楽しかった。

 これで週1回は思いっきり遊びにいけるところが出来て良かった(切実)。


■ ともだち 2004年08月02日(月)
 最近の海渡を見ていると、以前にも増して友達を求めていることがよくわかる。
 本屋さんの絵本コーナーで、見ず知らずの同じ年頃の子供がしゃがみこんで本を見ていると、自分も一冊本を持ってその知らない子のとなりに座り込んで本を開くということがよくある。ぴったりと体がくっつくぐらいにすわるので、たいていの子はびっくりして海渡の顔を見る。そのまま一緒に本を見ている子もいるし、海渡との距離を離す子もいる。海渡はどちらでもおかまいなしだ(笑)

 毎日マンションの公園に行くのは、大好きなブランコに乗りたいからでも、滑り台にのぼりたいからでもない。友達と遊びたいからだ。だから、ベランダから公園を見て、誰も遊んでいないと出て行こうとはしない。

 逆に一人でも誰かいると、「おともだち、いた!」と喜びいさんで出て行く。ところが、公園にいる子供達がどこか別の場所へ移動するとなると、置いていかれるのか、私との約束を守っているのか、所在投げにしょんぼりしていたり、学校へ行く途中の端の上で裸足で川に小石を投げて遊んでいたり、公園の近くの路上の端っこに座り込んでいる海渡をみつけることが多くなった。友達の後を追いかけてきたのだろう。

 そんなときは「お友達はどこかへ行っちゃったの?」と聞いても黙ったまま口を開こうとしない、時には涙を浮かべていることもあって、少し胸が痛むこともある。

 今日は出校日。
 夏休み前、金曜の夜に「明日は学校お休みだよ」と言うと「やったー」とガッツポーズだった海渡に「明日は、学校だよ」と言ったら「わーい、わーい」と大喜びだった。

 「学校に言ったら誰がいるのかな?」と聞いてみた。てっきり先生の名前が出ると思ったら海渡の返事は「おともだち」だった。

 夏休みに入って毎朝8時過ぎに起きていたのに、今朝は6時に起きた。夏休み前、登校前に私がテレビを消すと怒っていたのに、今朝はすんなり立ち上がった。そして「ひとりでいく」と行って、エレベータに向かって走って行った。こっそり集合場所へ行くと、班長さんの「並んで」の声にランドセルも背負わずに立っている。どうしたのかと見に行くと、小さなバッタが入った帽子を二つ折にして大事そうに持っていた。なるほど、これがあったからランドセルが背負えなかったのだ。

 歩きながら「そのバッタ、学校へ持って行って、誰に見せるの?」と私。このときもてっきり「せんせい」と言うと思っていたら、返事は「おともだち」。途中でバッタが逃げてしまって悲しそうな顔で「せっかく・・・」と言いながら、それでも立ち止まらずに歩いていた。泣き出すか怒るか動かなくなると思ったのに、一度も立ち止まらず歩いていた。

 学校で友達に会えるという期待がそうさせるのか、ちょっぴり精神的に成長した海渡を見たような気がした。

 それにしても、親は友達の代わりにはなれない・・・という言葉を近ごろよく思い出してしまう。



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