■ 耳鼻科終了 & 困った言葉 |
2004年02月28日(土) |
昨日(27日)に、耳鼻科の治療が終わった。 残っていた左耳の掃除も無事に大きいのが取り出せて、今度は半年後でいいよとのこと。これでもう薬を飲ませる必要もなくなり、ホッとした。何せ、毎朝あの調子なので、薬を飲ませるのも一苦労なのだ。
今日(土曜日)は、午前中久しぶりにショッピングセンターへ行った。子供のひろばで、3歳くらいの女の子相手に遊びだした海渡。女の子に話しかけられると(女の子は海渡にあれこれ指図している)いつものように訳の分からない言葉でふざけだした。すると、その女の子はちょっとびっくりしたような顔をして、海渡をじっと見つめている。その後ろでその子のお母さんらしき人も同じ顔して海渡を見つめている。 何ていうか「なに、この子?」という不思議なものでも見るような顔。
海渡もすぐやめればいいのに、笑いながらいつまでもふざけて訳のわからないことを言っているので、親子はフリーズしたまま海渡を見つめていた。まあ、こういう子を見たことのない人は、こういう反応なんだろうな・・・・と。多分、親の私がすぐそばにいることに気づいてなかったんだろう。
こんなふうに、発音があやふやで訳のわからないことを言う海渡だが、時々びっくりするくらいはっきりした言葉を発してくれることもある。で、そういうときはたいてい使ってほしくない言葉だったりするんだけど。
今日、テレビゲームをしていた海渡、いきなり画面に向かって叫んだ。
「ばかもん!」
主人と私、同時に海渡を振り返った。「今、何て言った?」「ばかもんって言ったぞ」「言ったよね」「言った」話していると、またまた
「ばかもん!」
海渡が叫んだ。「どこでそんな言葉覚えたの」「誰が言ってるの」「アニメのキャラか?」「担任の○○先生(女性)?」「まさか」
いまだに謎・・・・・
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一年生になって10ヶ月が終わろうとしている。 小学校生活にもすっかり慣れ、楽しい1年生ライフを送っている。 なのに、毎朝、玄関を出るまでの大変さが日増しにアップしているのはなぜ?
まず、起きない。 何をしても起きない。パジャマを無理やり脱がしても丸くなって寝ている。居間へ引きずってテレビの前まで連れて来くるとやっとボーっと座る。ちなみに毎晩、9時から10時までには寝ている。
普段は早食いなのになぜか滅茶苦茶に時間のかかる朝食を食べさせ、上着を着せ、ランドセルを背負わせても、そこからなかなか動かない。自分から「ひとりで」と言いながら歩いて行った頃もあったのに、最近は、なだめても励ましても、怒っても怒鳴っても、お尻を叩いても、知らん顔。どうしても立たないときは、重くて抱き上げられないので抱えて玄関まで引きずっていく。靴をはかせると、ようやく立ち上がる。
ところが、不思議なことに一度玄関から出てしまうと、何事もなかったかのように集合場所へ行き、時にはご機嫌に歌なんか歌いながら歩いているのだ。
学校へ行くということに新鮮味?を感じなくなっているのか、ただ単純に眠いだけなのかは分からない。集合場所へ着いてから学校へ歩いていくまでの様子は、元気で機嫌が良いので学校へ行きたくないとも思えない。学校での様子も、連絡帳を見る限りでは楽しそうだ。
やっぱり、甘えか、ただ朝に弱いということかなぁ。
先日のおもちゃ図書館でもほかのダウン症の子のお母さんに聞くと、さっさと起きて自分で身支度というのはなかなかできないと言っていたし、4年生になってようやく楽になったというお母さんもいたので、あと2年か3年の辛抱ということだろうか??
まあ、とにもかくにも玄関から出てしまえばあとはOKなので、まだマシだろうか。ふぅ。
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海渡が見るテレビアニメは全て兄と姉の影響。 だから「テニスの王子様」も「NARUTO」も「ポケモン」も「あたしンチ」も「コロッケ」も「ワンピース」も「サザエさん」も「こち亀」も見ている。
海渡しか見ないのは「ドラえもん」「ハム太郎」「ミルモでぽん」くらいだ(笑) アニメ以外でこの3人が楽しみにしているのが「トリビアの泉」だ。アニメはまあわかるとして、海渡が見て面白いんだろうか????
予告トリビアが始まると、海渡は「へぇへぇ、やるよぉ」と例のボタンを押す真似をしながら兄と姉を呼びに行く。そして、3人仲良くテレビの前に座り、一斉に「へぇ、へぇ」とボタンを押すしぐさをやり出す(笑)
多分・・・というか絶対、全然わかってないんだろうけれど、面白いんでしょうねぇ〜。まあ、私も好きでいっしょになって見てはいるんだけど(笑)
話は変って、今朝の話。 いつものように通学路を海渡たちと歩いていたら、突然道の脇からベージュ色したものが飛び出してきた。ネコだと思って見るとしっぽがない。しかも、ぴょんぴょん跳ねだした。ウサギだ。それも、耳の垂れたウサギ。 あっけにとられる子供たちの前をぴょんぴょんと跳ねながら、畑の中へ入って行った。いくら田舎でもウサギはいないでしょう。しかも洋物。
そのとき、昨夜、海渡がベランダから月を見ながら、「うさぎ、ぺったんぺったん」と言っていたのを思い出した。海渡は月ではウサギがお餅つきをしていると信じている。今朝のウサギを見て、もしかしたら海渡も夕べの月を思い出したかもね・・・・・。
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■ 油断すると・・・ |
2004年02月25日(水) |
ちょっと前の連絡帳に、海渡が学校へ登校してから、教室へ行かずにランドセルのまま運動場で遊んでいると書いてあったことがある。雪が降った朝などはもう大喜びでいつまでも遊んでいるらしい。 そのときに注意して、しばらくは良かったのだが、最近、また教室へ行かずにランドセルのまま遊んでいるらしい。
「海ちゃん、朝学校に着いたら、 ちゃんと教室へ行かないとだめでしょう?」
連絡帳を読んでそう言うと、海渡は驚いた表情で私を見た。 「なんでしってるの?」と言いたそうな顔だ。 自分の学校での行動が、連絡帳に書いてあるということを分かってないのか、それとも、報告されるほど悪いことはしていないと思っているとか?
もう一度言うと、海渡はちょっとムッとしたような、しらばっくれるような顔をして知らん顔している。身に覚えはあるらしい。まったく、油断するとすぐ逆戻りだ。
「わかった? 返事は?」 「は〜い」
返事はいつもいい。
今朝の登校の付き添いはお父さん。様子を聞いてみるとちゃんと校門を入って教室のほうへ歩いて行ったということだった。教室の前に中庭があるけど、まさかそこで遊んでないだろうなぁ・・・・
今日の連絡帳には何も書いてなかったので多分大丈夫だと思うけど、当分、朝は要チェックかな・・・・。
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またまた、女の子からお手紙をもらってきた海渡。 連絡袋の中から出して見せてくれました。「誰から?」と聞くと
「※○★ちゃん」
うーん、わからん(笑) 開けてみると全部ひらがなで書いてあったので、海渡に「読んでごらん」と渡してみました。
「か・・・い・・・と・・・く・・・??・・・????・・・※・・・◎・・・????」
あーー、じれったい! と言うことで、読んであげました(笑)
他愛もない内容なんですが、嬉しいことや、笑えることや・・・親子で大喜び・・・というか、喜んでいるのは親だけで、海渡は一回読んでもらったらそれで満足して「ゲーム」と言う・・・。
夜にお返事書きました。海渡のひらがなははっきり言って読めません。 「何て書いてあるの?」と聞いて、下のほうに通訳して書いておきました。裏にはその女の子の顔を描いていました。
「明日、これを※○★ちゃんに渡してね」 「うん!」
どんな顔して、どんな風に渡すのかな? 海渡も、早くひらがなが書けるようになるといいのにね。
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■ どうぶつ なにが すき? |
2004年02月23日(月) |
上手に言葉を言えない海渡は、単語とジェスチャーでコミュニケーションをとっている。たまに文章らしきものをしゃべっているときもあるけれど、だいたいは意味不明だ。そんな海渡の言葉を一番たくさん聞くことができるのがお風呂に入っているときと、夜布団の中に入ったとき。
リラックスするからか、二人っきりという安心感からか、普段は分かりにくい海渡の言葉が、不思議とはっきりと聞こえる。そして、普段なかなか言葉で気持ちを表すことのできない海渡の心の中を垣間見ることができる。
昨夜、布団の中に入っていつものようにくっついていたら、
「ママ? どうぶつ なにが すき?」
と海渡が言った。 ハンディのある子を育てている母にとっては、これは驚きと同時にものすごく嬉しい瞬間。それこそ、普通の子育ての何倍もの喜びを感じる瞬間。大げさでなく、本当に嬉しい。
「動物?うーんとね、ネコかな、海ちゃんは?」と言うと
「海ちゃんはねぇ・・・」
と次々と海渡が知っている限りのいろんな動物の名前が出てきた。
「いっぱい好きなんだねぇ」
「うん、い〜っぱい、い〜ぱい」
そんなことをおしゃべりしながら、いつの間にか眠ってしまった。 多分、いろんな動物の夢を見ているんじゃないかな・・・・・
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昨日、児童相談所で精神年齢が3歳4ヶ月だと聞いて、ああ、そんなものだろうなぁとだいたい感じていたとおり。3人目のこどもということもあり、だいたい様子を見ていれば、今どれくらいの発達段階かは見当がつく。でも、一番上の子が発達のものすごく遅い子だったし、次の子は発達のものすごく早い子だったので、上二人の3歳の頃を思い返すと全然参考にはならないんだけれど(笑)
当たり前だけど、子供の数だけ育ち方があるし、子供の数だけ違う子育てがある。上ふたりにそれぞれの成長のしかたがあったように、海渡には海渡の成長のしかたがある。
ただ、子供は螺旋階段を上るように成長していくので、同じところにいつまでもとどまっているように思えても、実はちゃんと確実に少しずつ上へ上へ登っている。それはどの子も同じ。あれができない、これができないと悩んでいても、ある日気づくとちゃんとできるようになっているし、言えるようになっているし、分かるようになっている。要は、どれだけそのときまで待てるかということ。上の子も、次の子も、そして海渡も。
海渡のような子は、ただ待っているだけではなく、細かなフォローが必要で、それが大変といえば大変なんだけど、その分「やれた、できた」ときは喜びも何倍にもなり、大変なようで実は逆にものすごくやりがいのある子育てと言える・・・かもしれない。
とはいっても、それなりにいろいろな不安もあるわけで、健常の子供と同様の子育て上の悩みはあるんだけどね。 さっき気づいたんだけど、昨年の今頃就学通知書が届いたんだった。 無事に1年生としてやっていけるのか、ちゃんと嫌がらずに学校へ通えるのか、先生に可愛がられるだろうか、他の子供達は海渡をどう思うだろうか・・・不安だらけだった1年前。
あの頃に比べたら、海渡はものすごく成長している。確実に成長している。子供の成長についていけず、足踏みしているのは私かもしれない。 親って、子供を育てているようで、実は子供に育てられているんでしょうね。最近、よくそう思う。
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■ 児童相談所と耳鼻科 |
2004年02月19日(木) |
今日は療育手帳の更新のために児童相談所へ、その帰りに耳鼻科へ行ってきた。手帳の更新は3年ぶりで、以前は4歳のとき。そのときは2歳台の課題ができなかったけれど、今回はそれらはクリアできていた(3年たっているんだから当然といえば当然なんだけど)、今回の判定では精神年齢は3歳4ヶ月程度で前回と同じくB判定(中度)だった。3歳4ヶ月、実年齢の約半分か・・・・。
驚いたのは、言葉の発音が明瞭ですねと言われたこと。 発音の悪さに日々頭を悩ませているというのに、意外な言葉をいただいてちょっとびっくり。どうやら、一般のダウン症の子供に比べると発音は良いほうらしい。ダウン症にしては発音が良いと言っても、健常の子供と比べると・・・だから複雑な心境(笑)
耳鼻科では経過は良好で、鼻水の量もぐっと減っていた。 ついでに小学校で聴覚検査ができなかったことを相談してみた。この耳鼻科で赤ちゃんの頃に受けたABRでは小さな音でも反応があったので、それから聴覚が悪くなることはないらしく、言葉も出ているし、普通に生活していて聞こえに不安がなければ問題ないということで一安心。ただ、耳掃除のために3、4か月ごとに通院したほうがよく、家での耳掃除はしてはいけない・・・というか、ダウン症児は耳の穴が小さいのでやりようがないんだけど。
ちなみに海渡の耳はきれいで立派な鼓膜だそうで、中耳炎にそんなになりやすいとは思えないらしい。あまり中耳炎の心配はしなくていいみたい。とりあえず、耳掃除のために3、4ヶ月ごとに通うことにした。そういえば、眼科にも行かないといけないだったなぁ・・・・。考え出すと、あちこち本当は検査しないといけないんだろうなと思いつつ、元気だからまあいいかとさぼりっぱなしだった。でも、眼科と歯科には行かないと。
ところで、ゆうべ、お父さんが大きなくしゃみをしたら「うるさいなぁ!」(こういう言葉ははっきりと言える)と言った海渡。つい先日注意したばかりなのに今度は堂々と人に向かって言ったので「うるさいって人に言ってはダメと言ったでしょう?」と叱ったら、またも泣きそうになってしまった。 この間も叱られて泣いたんだよね。内容ではなく叱られたということに反応しているのかな・・・と思っていたら、寝るまえにまたお父さんが大きなくしゃみをしたとき、今度は両手で両耳をふさいでいた・・・まあ、うるさいなぁ!と言うよりはマシかもしれないけど・・・ねぇ。
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我が家では子供達に決まった手伝いをさせている。 長女はお風呂の掃除&お湯はり、長男は和室の布団敷き。長女はともかく長男は、自分が寝る布団ではないので(両親と海渡の分)どうもしぶしぶという感じがありあり(笑)。でも、朝のゴミだし(週2回)と布団敷き(毎日)とどちらがいいかと聞いたら、ゴミだしは嫌だと言い、結局布団敷きに自分で決めたのだから仕方がない。
ところが、最近この布団敷きを海渡がやりだした。とは言っても力がないので結局私が手伝うことになるんだけど、「海ちゃん、ちからもち〜」とかなんとか言いながら、よいしょよいしょと布団を敷く(正確にはぐちゃぐちゃにしてくれる)。
もうひとつやってくれるのは、洗濯物をたたむこと。 夕方になると、私のところへ来て両手でたたむジェスチャーをしながら
「たたむ」
と言う。私がベランダから洗濯物を取り込んで海渡に渡す。海渡は部屋の中に放る。全部入れると、海渡は「海ちゃん、やる」と言って、たたんでくれる。日によってきれいにたたんであるときもあれば、ぐちゃぐちゃなときもある。すこしぐらいぐちゃぐちゃにたたんであっても、「海ちゃん、ありがとう」と言ってそのまましまっている。あまりにひどいときは「おかあさん、なおしていい?」と言ってたたみなおしたりする。
長女がお風呂を洗う様子をじっと見ていることが多いので、やり方はもう知っているはずだ。そのうち「海ちゃん、やる」と言い出すだろう。お風呂掃除は洗剤も使うし、お湯も使うので当分は無理だけど、そのうちやってくれるようになるかなぁ。
こうやって、家の中のことに興味を持って少しずつやれるようになっていけば、将来グループホームなどで暮らすときに困らないかなと10年先を考えて、なるべく手伝ってもらうことにしている。
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■ 海渡語翻訳機カイリンガルが欲しい |
2004年02月17日(火) |
今朝、朝食後に薬を飲み、上着を着せている間に咳き込んだかと思ったらどんどんひどくなって、しまいには吐き出してしまった。吐くのがおさまらないので、迷ったけれど学校を休ませることにした。
吐くだけ吐いたら、ケロリとして遊んでいた。10時頃にもう一度飲ませた薬もすぐに咳き込んで吐いてしまった。どうも薬の飲み方が悪くて咳き込んでしまうみたいだ。もともと飲み込むのが下手なうえに、多めの粉薬なので多分喉でむせるんだろう。 夕食後の薬は、スプーンで少しずつ飲ませてみた。4さじめはさすがに口をあけなくなってしまった。でも、やはりその後は咳き込みもなく、吐かなかった。もっと早く気づいてあげればよかった。鼻水もうそのように治まってきた。
話はかわるけれど、海渡の言葉は相変わらず不明瞭。バウリンガルとかニャウリンガルじゃないけれど、海渡語の翻訳機が欲しいほど何を言っているのかわかりづらい。たとえば
「とととろーら」は「コントローラ」のこと。 「すぽこん」は「パソコン」のこと。 「あちゃもん」は「ポケモン」のこと。 「しろもの」は「忘れ物」のこと。 「んんんみ」は「ぬいぐるみ」のこと。 「いいえんせ」は「いちねんせい」のこと。
これら訳の分からない単語を早口で続けてしゃべるのだから、はたで聞いていると外国語をしゃべっているように聞こえる。時々、意味の通じることを言っているときは、怪しい中国語のように聞こえる。本人は、みんなと同じようにちゃんと日本語をしゃべっているつもりなんだろうなぁ。
でも、何度聞いても分からない。何度も聞き返すと怒り出す。
海渡「あちゃもん」 私 「え?」 海渡「あちゃもん!」 私 「ああ、ポケモンのこと?」 海渡「そう、あちゃもん」 私 「はいはい、あちゃもんね」 海渡「ちがう! あちゃもん!」
というわけの分からない会話をしている。親の私でもわからないのだから、学校で先生たちはもっと分からないんだろうな。
しかし、どういうわけか悪い言葉ははっきり言えるので困ったもんだ。 「マジかよ」とはっきり言ったときは耳を疑ってしまった(笑) 昨日は、テレビにむかって「うるさいなぁ!」と言ったので、たとえテレビに向かってであっても、そういう言葉は言っちゃいけない、そんなことを人に言ったらみんな海渡のことを嫌いになるよと注意したら、泣き出してしまった。どこまでわかってくれたのかわからないけれど、海渡のような子は時と場所と相手をわきまえて言葉を使い分けるということができないので、使っていけない言葉は相手が誰でも(テレビでも)言ってはダメと教えないといけないのだ。
なぜ悪い言葉、乱暴な言葉はすぐ覚えて、しかもはっきりとした発音ができるのが不思議だ。なんでだろう?(これもすぐ覚えた)
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■ 耳鼻科通院&外での海渡 |
2004年02月16日(月) |
2月の初めに鼻水が出だして、ずっと続いている。 熱も咳もないので、インフルエンザウィルス蔓延かもしれない病院へは行かず、市販の風邪薬を飲ませていた。が、ひどくなってきたので耳鼻科を受診した。
超お久しぶりの耳鼻科はやっぱり満員で、待合室は子どもや大人でいっぱいだった。海渡はだいたいこういう病院の待合室ではおとなしく無口になる。大きな声を出してはいけないと思うらしく、なぜか言ってもいないのにひそひそ声になる。よけいなこともしないし、じっと座っている。気持ち悪いくらいの優等生海渡になる。 この耳鼻科にはゲーム系の絵本やコミックがたくさん置いてあり、海渡は一冊持ってきて見ては戻しに行き、また一冊持ってきて喜んで見ていた。
「元にあったところにきちんと戻してね」
と言ったら、何を思ったのか本棚から出ていた絵本やコミックまで綺麗に並べだし、終わると「見て」と得意そうな顔をしている。家では絵本は出しっぱなし、小学校でも廊下の絵本を出しっぱなしにして泣くほど注意されているのに、何でこういうところでいきなりできるんだろう。ソトヅラが言いと言うより見栄っ張りというか?
さらに中の待合室で小さな女の子と隣同士になり、その子が気になるらしくもじもじしているその様子は見ていてほほえましいというか笑えるというか・・・。
診察の結果は、鼻風邪のひどいものらしく、副鼻腔炎になりかけていたそうだ。耳の中を診察するときに掃除してもらったら、右耳からはものすごく大きな耳垢が出てきて我が目を疑ってしまった。左は海渡がくすぐったがって動くのでできずじまい。胸の診察で2段腹を何度もつままれて笑いをこらえていた海渡。その様子が可愛かったのか先生が頭を撫でてくれた。帰ってからも
「おなか ぐにぐに くっぐった〜い」 (訳 先生がお腹をつまんでくすぐったかった)
と何度も言う。優しい先生でよかったねぇ。ダウン症にも詳しい先生なので親としては気が楽。その後、薬局で処方箋を出すと粉薬を2つ出されて
「こちらの薬は苦いです。我慢して飲んでください。まあ7歳なら飲めるでしょう?」
体は7歳なんですけどねぇ、苦いものを飲むかなぁと、家でためしに舐めてみたらいつもの小児科の薬より甘かった(笑)量が多いけど、2袋混ぜて一気に口に入れ、
「えらい!すごい!さすが1年生!はい、ごっくん!」
と飲ませる。3日間この手でいけるかなぁ。
今日は学校は休むことにしてあったので、午後からはのんびりと遊んでいた。家では絵本を散らかし、鼻をかんだティッシュをぽいぽい、ゲームすると言ってはまた散らかし、しかもなんやかやとうるさい。やっぱり内と外では違うんだなぁと実感した。
おとなしくお行儀の良い、しおらしい海渡はよそ行きの海渡なのね。
今度の受診は木曜日。この日は児童相談所で療育手帳の更新のための判定も受けることになっている。忙しくなりそう。
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■ 遊びのルール その3 |
2004年02月14日(土) |
午後一番、友達が二人やって来た。 「カービィのエアライド」をセットしながら、友達の一人が言った。
「○○んちで×××をコピーして来たんだ」
「何それ?」と私。「マシンが強くなる」とか何とか言ったけれどその意味がよく分からなかった。ゲームが始まって、何気なく見ていると友達二人のカービィが今まで見たことの無いごついマシンに乗っている。そのうちの一人が「今だ!」「行くぞ」とか何とか言っている。明らかに二人で組になって何かをしようとしている。嫌な予感がして、海渡の画面を見ると、照準をあわせるようなマークが出てカービィにピッタリ合った瞬間、マシンが粉々になり海渡のカービィが転がった。
何のことはない、二人で強いマシンに乗り、二人いっしょになって海渡のカービィを狙い、壊した(子どもたちはこれを殺すと言う)のである。言い換えれば二対一の弱い者イジメだ。
海渡が健常の子どもなら、私は何も言わずに見ていた・・・いや見てもいないかもしれない。でも、海渡はただカービィに乗ってマシンを走らせたり、せいぜい偶然拾った何かを放り投げるくらいしか出来ない、他の子どもたちにしてみれば全然相手にならないレベルだ。ほかっておいても海渡はリタイアするかビリになる。それをわざわざ二人で攻撃したのだ。しかも強くなって。
海渡はもちろん、この状況の意味がわかっていない。 マシンが壊れてカービィが転げ落ちたとたん「あれ〜?」と言いながら新しいマシンを探し回っている。二人がいっしょになって自分を攻撃したことなど全く気がついていない。でも、私はすぐにわかってしまった。
「二人で強いマシンに乗って、いっしょになって弱い一人を攻撃するのはおかしいんじゃないの?」
ひとりが「しまった」と言うようなとばつの悪そうな顔をして振り返った。もうひとりはあわてて「僕は海ちゃんを守るよ」と急に言い出した。
たかが子どものゲーム。子どもの遊びに口を出すのは大人気ないとは分かっている。でも、言わずにはいられなかった。
ゲームの世界は何でもアリだ。子どもたちは相手のマシンを壊すことを「殺す」と言い、「死ね死ね死ね」と連呼する。そして、邪魔な相手がいると他の子と相談していっしょになって攻撃して「殺す」。
リアルな遊び、たとえば鬼ごっこやかくれんぼなら、恐らく二人で組になって海渡をやっつけるという状況は起きないんじゃないかと思う。それがゲームの世界だと簡単に「弱いものイジメ」ができて、しかも罪悪感がない。
実際に弱いものイジメをしているのはゲームの中のキャラだけれど、それをコントロールしているのは、7歳か8歳のまぎれもない生身の子どもたちだ。それを考えたら妙に嫌な気分になってきた。現実にはできない「弱いものイジメ」も、ゲームの中だと簡単にやれてしまうのだろうか。簡単に殺したり、リセットして生き返らせたりするように。
たかが子どもの遊びだけれど、それでも、バーチャルなゲームにもリアルな遊びにも、それなりの「ルール」「やってはいけないこと」があるんじゃないだろうか。それとも、そう考えることそのものが甘いのだろうか。考えすぎなんだろうか。海渡がたまたま知的なハンディを持っているから、神経質になってしまっているだけだろうか。
海渡が相手にならないほど弱いからハンディをつけてほしいとか、ちょっと手加減してやってほしいとか、そんなことは思わないんだけどね・・・・なんか嫌だったんだよね・・・・
ゲームをさせなきゃいいのか、でもそういう問題かなとも思いつつ後味の悪い気持ちをひきずっている。
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■ 遊びのルール その2 |
2004年02月13日(金) |
この間の祝日の水曜日。 友達3人が遊びに来てくれた。4人でゲームをしていたが、彼らのやりたいゲーム(カービィのエアライド)を海渡がどうしても「やる」と言わず、3人ともいっせいに帰ってしまうという結末になってしまった。
みんながそろって玄関から出て行って、やっと状況を理解した海渡。みんながいなくなって追いかけてはみたものの後の祭り。玄関先で涙をためて立ち尽くしている。それでも、そのときはまだ「今度はみんなとやろうね」と言っても、無言だった。 けれどその後散歩に出たときにもう一度「今度はみんなとエアライドやろうね」と話したら「うん」と素直な返事をした。
昨日は学校から帰ると、「○○君来るって、○○君くるって、エアライド」と言っていたが、5時間授業の日はまず誰も来ない。「海ちゃん、お友達と遊びたいの?」と聞くと「うん」。「お友達好き?」と聞くと「うん」と言う。
今日、学校から帰ってしばらくしてお友達から電話がかかってきた。海渡に変わると
「もしもし、あ・・・らか・・・とです(自分の名前を言っている)。おか・・・さんが、えあらいど、・・・って」
どうも、おかあさんが今度はお友達とエアライドしようねと言ったというようなことをわざわざ言っているらしい(笑)
「うん、うん、じゃね」
そう言って電話を切った。友達が来て、しばらくは他のゲームをしていたけれど、友達が「エアライドやろうか」と言うと「うん」と即答で返事をした。よほど、この間のことがショックだったらしい(笑)
わがままばかり言っていると、みんな遊んでくれなくなるということが身を持ってわかったらしい。良いお勉強でした(笑)
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「どろんこどろんこ」という絵本がある。 10年前長男に買ってあげて、その後長女にも読んであげて、今は海渡が好きな絵本だ。
主人公のくまくんが砂場で穴を掘ったり、山を作って座ったりする短い絵本。ここのところ、寝る前によく読んでやっていた。
ある日、小学校へ迎えに行ったときのこと、養護の先生から
「最近砂場が好きなようで、朝などなかなか教室にこないんですよ。遊んでいるというか、ただ砂場に座っているような感じなんですけど・・・」
というお話を聞いて、すぐにこの絵本のことが頭に浮かんだ。
「海ちゃんも砂場好き?」 「うん、好き!」
と言う会話もしたっけ。多分、この絵本のまねをして砂場で山を作ってそのうえに座っているんだと思った。
ああああ、ため息・・・・(笑)
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■ 遊びのルール その1 |
2004年02月10日(火) |
海渡は7歳の男の子。 今時の7歳の男の子同様テレビゲームが大好き。
テレビゲームに出てくる文字はほとんどがカタカナなので海渡には読めない。ルールなどの難しいことは理解できない。ひたすら?ボタンを押すだけだ。
ゲームの一番最初の設定場面で、海渡は適当にボタンを押してしまうので、いつも友達から怒られている。
だから、ゲームを始めるときはまず
「海ちゃん、何も押しちゃダメ」
という言葉から始まる。
次に、キャラ設定で海渡はなぜか、他の子と同じキャラを選んでしまうので、また非難ごうごうである。同じキャラだった子はそりゃもう怒るか泣き出しそうということになる。なぜ、同じキャラはダメなのか私には分からないんだけど、一緒はダメというルールは特にないらしい。でもやっぱり一緒は嫌らしい・・・。
ゲームの最中、突然「ポーズ(一時停止)」ボタンを押してしまうので、また怒られる。ゲームの途中でどこかへ行ってしまうので、また怒られる。もちろん、私も注意する。そんなことの繰り返し(笑)それでも、飽きずに(懲りずに?)みんなとゲームをしている。
不思議と女の子はゲームをしていて、海渡が何かまずいことをしても怒るということはない。同じキャラだろうが、おかしなボタンを押してしまおうが怒るということはない。それが男同士となるとゲームに対する真剣さから全く違う。勝負にかける情熱が全然違うのだ。
男の子のほうが勝負ごとに熱中しやすいということなのか、女の子は海渡の能力をわかっていてある程度のことは大目にみてくれていて、ある意味男の子のほうが海渡を対等に見ているという証拠なのか。
それにしても、画面がおかしくなったときなどに、海渡がやってなくても「海ちゃん!」と言われてしまうこともあるので、海渡もいいかげん学習して覚えないといけないと思うのだけれど、一向にみんなの言うことを素直に聞く気はないらしい。時々、わかってやっているのか?と思うときもあるほどだ。
ゲームとはいえ男同士は実力勝負ということもあり、ハンディのある海渡には厳しい社会だ。でも、ハンディがあるからと優遇されたり、特別扱いされるのも海渡にとってはどうだろう。海渡には理解しにくいかもしれないけれど、守るべきルールは守らないといけない。でも、まったくみんな同じようにはできないこともある。そのへんのところがとっても難しい。
たかがゲーム、されどゲーム。 海渡がもう少し理解できるようになるまで気長に待つしかないのかな。 そばで聞いている母は少し辛いけど・・・・
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海渡の口癖に「よかったねぇ」というのがあります。 お風呂に入って
「あたたか〜い、よかったねぇ」
ご飯を食べて
「おいし〜、よかったねぇ」
どうやらシアワセな気分のあとに「よかったねぇ」が続くようです。 その言い方がまたほんっと〜に、しみじみと言うのでこちらもつられて「よかったねぇ」と同じ言葉が出てきます。
お風呂が暖かいだけで、ご飯が美味しかっただけで、「よかったねぇ」と本当に嬉しそうに言う海渡。ちょっと心がささくれ立っているとき、イライラしているときに、海渡からこの言葉をきくと何か大事なことを思い出すような気がします。
海渡から「よかったねぇ」が消えないように、私もガンバロウ!
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今日は学校開放日・・・と言っても始めての試みでピンとこないのですが、要するに一日中いつでも参観OKという日です。1時間目の縦割りのなかま活動の合唱、給食試食会、通常の授業(どの授業を参観してもいい)、もちろん放課の様子を見ても掃除の様子を見てもいいという日です。
できることなら海渡の後をこっそりついて歩き、普段の様子を見たかった私ですが、さすがに断念。でも、ほとんど一日中参観させていただきました。縦割り活動の合唱は、6年生のお兄ちゃんのさりげないフォローが印象的でした。さすがにこの1年間海渡を見ていただけあって、フォローの仕方も自然で海渡も素直に従っていました。
2時間目は英語。外国の先生のもと、ゲーム感覚で身近な英語を覚えていきます。海渡も慣れたゲームをとまどうことなくみんなと同じように参加していました。とても楽しそう。迷っていると誰かが「海ちゃん」と呼んでくれます。
3時間目は音楽。鍵盤ハーモニカは弾けないけれど、タンバリンでの合奏はリズムに合わせて上手にできました。歌のときはオリジナルのダンスをしてお母さん方にほめられていました。
4時間目はコンピュータ。キーボードのソフトを使ってしりとりをするのですが、後半はスタンプでお絵描きに熱中・・・。
長い放課のとき、1組の隣の特学の教室に女の子が一人入ってきて、海渡と向き合ってすわり、算数セットを出して海渡に数の数え方を教えてくれました。この女の子はこうして時々やってきては、海渡に勉強を教えてくれるそうです。それがとても自然で、変に押し付けがましくなく、穏やかに教えてくれるのです。強引なのを一番嫌がる海渡ですが、このときは海渡も嬉しそうな表情でした。
5時間目は体育。みんなに一生懸命ついて走っています。 想像以上にクラスに溶け込み、1年1組のひとりとして頑張っていました。クラスも驚くほどまとまっていて、みんな先生の指示にきちんと従っていて、1年でこんなに成長するんだなぁと感心。
朝起きてなかなか動けず、玄関出るまでぐずぐず言っていても、外へ出れば嬉しそうに学校へ歩いていく海渡の気持ちが分かるような気がしました。海渡にとって学校は自分の居場所がきちんとあり、遊んでくれる友達、勉強を教えてくれる友達、手助けをしてくれる友達がいます。海渡を知らない先生は一人もいないし、どの先生も気にかけてくれて職員室へも顔パスで入って、事務の先生にも可愛がられているようです。
参観しているお母さん方も「うちの子がよく海ちゃんの話をしてくれます」と言ってくださり、嬉しい限りです。海渡からは学校での様子は全く伺い知れませんが、こうして他の方を通じて海渡の様子を聞けると本当にホッとするし、意外な発見もあります。最近、お友達の名前がたくさん出てくる訳も分かりました。恐らく、6年間一緒のお友達40人、この先もずっとずっと海渡をよろしくね。
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■ 「かいちゃんへ」 |
2004年02月02日(月) |
海渡が女の子からお手紙をもらってきました。 可愛い封筒に入ったくまの絵のついた便箋には
「かいちゃんへ いつもあそんでくれて ありがとう。 これからも いっぱい あそぼうね」
と書いてありました。
海渡はニコニコと嬉しそうに聞いていました。 ぜんぶこちらが言わなければいけないような言葉・・・。こちらがお礼を言いたいほどです。
海ちゃん、がんばってお返事書こうね。
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