夏撃波[暗黒武闘戦線・歌劇派]の独白

2009年09月23日(水) 音博

 君は、石川さゆりの『天城越え』を生で聴いたことがあるかい? 何の因果か、俺は石川さゆりの歌声を聴くこととなった。と言っても、彼女の単独コンサートででもなければ、演歌のイベントででもない。紛れもないロック・フェスの場で、何故か石川さゆりのステージを観ることとなった。
 実は昨日、京都・梅小路公園で行われた「京都音楽博覧会」なるロック・フェスティバル(くるり・主催)を観に行ってきた。出演は、ふちがみとふなと、ベン・クェラー、矢野顕子、ボ・ガンボ・スリー(フィーチャリング・ラキタ)、奥田民生、石川さゆり、くるり。
 まずは、石川さゆりの話題から。知名度の点では他の出演者を遙かに凌いでいる(好みは別として、日本に住む人で石川さゆりの名前を知らない人のほうが少ないんじゃないかな)が、恐らく彼女を一番の目当てに「音博」に出掛けた人はきわめて少なかったろう。くるりファン、矢野顕子ファン、奥田民生ファン・・・、それぞれ一定の人数はいて、目当てのアーティストのステージを楽しみに集まってきたのだと思う。目当てのアーティストの出番ではステージ近くで立って聴き、それ以外の時には後方でビニールシートに腰掛けて聴くというような使い分けを、多くの人はしていたのではないだろうか。くどいようだが、石川さゆりを一番の目当てにして来た人は皆無に近いと思う。でもね、恐らくフェスティバルで一番の盛り上がりを見せたのは、石川さゆりが『天城越え』を高らかに歌い上げた瞬間であった。他のアーティストのステージの時には見られない盛り上がりが確かにあった。「こんなところで石川さゆりのステージを観ることができて、ちょっとラッキーかも」、そんな気分を多くの聴衆が抱いたのではないだろうか。俺自身がそんな気持ちだったからね。
 まぁ、それはそれとして、個人的にいちばんよかったと思ったのが、ボ・ガンボ・スリー(フィーチャリング・ラキタ)。1990年前後のバンドブームの頃、どんと(故人)をリーダーとしたロックバンド<ボ・ガンボス>は、アメリカ南部のテイストを感じさせる独得のサウンドで、バンドマンたちの憧れの存在であった。1995年にバンドは解散、2000年にどんとは他界するが、未だにコアなファンは少なくない。ボ・ガンボ・スリーはどんとを除く3人のメンバー、それに今回はどんとの息子であるラキタがギターで参加。演奏されたのは<ボ・ガンボス>の曲。どんとの偉大さは一方で感じながらも、かつての<ボ・ガンボス>とはまた違った味わいを醸すことに成功している彼らに大きな拍手を贈りたいと思った。それと、あらためて聴いてみて、<ボ・ガンボス>の音楽の素晴らしさというか、優しさのようなものを感じたね。
 あと、奥田民生やくるりは、それぞれマイペースながら彼らの独自のサウンドを展開。奥田さんや岸田さん(くるり)の声って、結構好きなんだな。というか、心から音楽を愛しているっていう雰囲気が伝わってくるのもとってもいい感じだね。
 雨の心配もあったけど、何とか一日天気は大きく崩れることなく、野外の秋フェスは盛況の裡に終了したよ。

 で、今日は、三十三間堂を観てから、駅ビルで昼食を済ませて、さぁ帰るぞ、という時に吹奏楽が聞こえてきて・・・。駅ビル内の広場で関西の各大学の吹奏楽部が順番に演奏をしていたので、しばらく階段に腰掛け、聴くことにした。クラシックではなく、ポップスだったが、聴き比べると演奏力の差なども見えたりして、ちょっと勉強になったかな。

 ロック・フェス込みの旅行というのも、これはこれで楽しい経験だったよ。



2009年09月11日(金) メイン・ビーチのならず者

 8月下旬に<ソウル・フラワー・モノノケ・サミット>のライブを観に行ったばかりなのに、今日は<ソウル・フラワー・ユニオン>のライブを大須「E.L.L fits ALL」に観に行っちゃった。
 ギタリストが河村博司から高木克に替わったことで、バンドの色彩も若干変化してきたような、ロック色がやや強くなった気がした。けれど、大まかに言って民謡やルーツミュージックとロックの融合とでもいうべきバンドの性格というか根本は変わっていない。メッセージ性の強さは持ちつつもエンターテイメントに徹したステージングという点も変わっていない。いつ聴いてもソウルフラワーはたまらなくカッコいい。
 これぞ、日本のロック! 日本が世界に誇るべき現代の日本文化であると、私は思っているのだが・・・。
 最新アルバムと最新マキシシングルを買って、メンバーのサインをもらってから家路につく。しばらくは、ライブの余韻に浸っていたい。



2009年09月05日(土) 女子のアナ

 裏庭企画公演『女子のアナ』を、新栄「pHー7地下劇場」に観に行ってきた。出演者はすべて女性だが、灯乃湿の脚本じたいが女性中心のキャスティングを前提としており、独特の世界観を映し出している。「劇団pHー7」とはまた違った感じのアングラ芝居だね。
 昔「劇団pHー7」で共演した女優・真貴誉がいい感じで弾けていたのが印象的だった。


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