本日の感想文。

2006年09月18日(月) 読書中……

槙皇旋律さんの『喰愛主義者』途中まで。
十夜さんの『革命記』途中まで。
いずれも連載中なので、続きを読むのはあとになるかも?……って、完結したものを読めばいいだろ?(^0^;
はなふじマディ子さんの『驕れる神々の群れ』途中まで。
桜川 夏さんの『白き大地に夢は咲きて』DLのみ。まだ読んでいない。
いまさんの『Stone Kingdom 〜石人の物語〜』DLのみ。ゆめのさんがたしかおすすめと書いてあったのを思い出し、縦バナーから飛びました。
…ところで↑これ、読書中というかい?(^0^;

***

近々、感想日記をブログに移そうかな? という気持ちになっています。
今までは、読書録のような感じで書いていたのですけれど、少し欲が出てきましてね。
まだ、どのような方針でいくか決めていないのですが、ネットで面白かった作品を紹介していくような形にしていこうかな? と思っています。
といっても、この辛口が甘くなるわけでもなく、批評やら書評のレベルに達するわけでもなく、思ったままの、感じたままの感想でしかないのですがね。
まぁ、方針が決まったら……ってことで、もしかしたらこのままかもしれません。



2006年09月07日(木) 映画『ユナイテッド93』

むむ……。これは。
噂通りにすごい映画でした。
エンドロールを最後まで見ても、立てませんでしたよ。
ちょっと取り乱していて……。

こういった映画の手法を『ドキュドラマ』というそうですが、目から鱗の衝撃です。
実際は、ちょっと字幕が厳しくて、吹き替え版で見たほうがいいな……と思ったり、ハンディカメラの揺れる映像が気持ち悪かったり……で、ケチのつけどころもあります。
が、最後は涙が出てしまいました。
もちろん、ラストは想像でしかなく、実際はどのようなことがあったのかは、わかりません。
でも、おそらく自分もあの場所にいたら、こうだろうってのがあって、苦しくなってきて、もう落ちて全員死ぬことはわかっているのですが、手に汗を握っていました。
派手な演出も、涙を誘うような感動シーンもありません。
登場人物たちの顔と名前は、ほとんど一致しません。
普通の映画の手法とは全く違うアプローチで、リアルです。
飛行機がツインタワーにぶつかる映像は、そのままCNNですし、衝撃的で派手な映像を見たいなら、当時のニュースや解説番組を見たほうがいいです。
当然、想像ですから、創作が入ります。
でも、できるだけ飾らずにリアルに作ろうとする姿勢、そして本当にすごいことは飾らないほうが伝わるってことを、本当に実感しました。

申し訳ないのですが、最近日本で見るドキュメンタリー&ニュースの特集などで、ここまで演出が入らないものを見ない気がします。
現実の話でも、ニュースを見る人が感動するように、いい所取りだったり、脚色したり……。
公式サイトのコメントに『全くの作り物が、本当に起きた出来事を能弁に語る奇跡』(週刊現代編集長)とありますが、まさにその通りだな、と思いました。
そして、この映画はけして早すぎない、というか、人々の記憶が曖昧になり、故人に対して美化されたり、歴史上の解釈がくわえられる前に、映画化されてよかったよ思います。
時間が経てば経つほど、こういったものは真実から遠のいてしまうからです。

ハイ・ジャックされたすべての飛行機に、同じようなドラマがあったと思います。
「身代金で解決されますよ」と言った乗客がいました。おそらく、地上との交信で他の飛行機が次々と重要施設に激突した……と知らなければ、彼らは行動を起こさず、テロリストと政府の交渉を見守ろうとしたことでしょう。
だから、他のアメリカン航空11便、ユナイテッド航空77便、175便の人々も、やはりヒーローなのです。
情報を共有した乗客・乗員は、一致団結して、テロリストの自爆テロを防ごうとする。
それは、唯一生きるための手段でもあり、死を覚悟した、最後の戦いでもあったと思います。

正直、この事件を知らない人(いないよな、まだ……)は、何じゃ? な映画かも知れません。
でも、間違いなく今年一番……の映画かな? って気がしております。


以下、ネタばれ。



えっとですね。
本当にあまりわざとらしい作りがないんですよ。
でも、やはり、こういうところがコツなんだなーと思わせる場面があります。
まず、テロリストたちの描き方ですね。
悪人なんですが、悪人ではなく、自分たちの使命を神に誓って遂行し、成し遂げようとする人間として描かれています。もっとも想像しかない人物だと思うんですが、その分、余計に際立って描かれます。
飛び立つのが遅れてハラハラするところ、若い者は早く実行に移したがり、リーダーは慎重を期すところ、目標物の写真をコックピットに貼るところ、仲間の成功を知り、喜ぶところなど。
そして、乗客の一人一人は、深く掘り下げることがありません。
日常の会話から、きっとこんな人なんだろうな……と思わせるだけです。感動秘話のひとつもないのです。
おそらく実際はあると思うんですよ、ほじくれば。
でも、普通に乗り合わせて知り得るだけの知識に留めています。これが、逆にリアリティを生み出しています。つまり、私たちの日常と全く変わらないのに、乗り合わせたというだけで、テロリストと戦うことになる。
そしてラストです。
テロリストと戦う場面は、本当に緊迫していますが、やや創作的でもあります。
映画のエンタメ面も伺える場面です。が……結局、どうにかコックピットを奪い返したのですが、時遅し……で墜落します。
その最後の映像が、くるくる回る田園風景、そして緑の美しい芝生。
突然の暗転。エンドです。
字幕で黒地に白の解説が流れ、そのままエンドロール。
この衝撃を和らげる余韻も、悲しみもありません。
見ているほうは、実際に飛行機に乗っていて、共に戦い、そして、共に墜落した……。
だからその先、飛行機の爆発も炎も見ないし、泣き叫ぶ遺族も見ないのです。
そんな中に放り投げられてしまって……。
だから、私は衝撃が強すぎて、泣きはらしてしまい、立ち上がれませんでした。

最後は、本当に乗客の一人となってしまう。
それが、この映画のすごいところでしょうね。


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