おひさしぶりでございます。 掲示板でも指摘されてましたけど、ネット小説、まともに読んでません。 や、読んでるには読んでるんだけどね。 あんまり一般受けするもんは読んでいないっつーのが本当の話。 今年の頭からずーっと吸血鬼万歳言ってるものでして、必然的にそうなっちまうっつーか。 ようするに斬ったり撃ったり貼ってみたりするようなのしか読んでません。 流血万歳。死闘万歳。 穏やかじゃありません。 *** 前置きはここまでにするとして。 今回は「荒野で二人・original」の『カーマリー地方教会特務課の事件簿』です。 どちらかと言えば女性に受けると思う。何しろ登場人物は野郎が多い。 というわけで、野郎がいっぱい聖職者もの好きは問答無用で読むべし。 こう書くと中身がないキャラ萌え小説みたいに感じられるかもしれませんな。 しかし、これがなかなかしっかりと設定組まれてます。 やたらゾンビが多発するカーマリー地方にある教会を舞台としたファンタジー小説です。 ここの特務課と呼ばれるゾンビ討伐隊(勝手に命名)に聖騎士ジークフリードが派遣されてくるところから物語は始まります。各地教会で持て余された者達の流刑地と呼ばれるこの地で毎日元気にゾンビ退治〜。便利屋のようなものですな。ゾンビ続発なんて日常茶飯事。天気がいいとゾンビが出てくる(出てこない) ギャグ・シリアス取り混ぜてカーマリー地方教会特務課の日常を描いています。 舞台そのものはオリジナル世界ですが、おそらく中世がモデルです。まあ、いわゆる剣と魔法の世界を想像していただければ良いでしょう。若干昔懐かしのTRPG世界の匂いがする。そんな気がする。 本編外伝合わせてかなりの量あるんですが、一話一話は独立してます。連作短編のようなものか。 このシリーズの背景の一つに宗教戦争があります。 魔女狩りやってて俺様一番な宗派を他の宗派が共同でぶっ潰すという。 世界史でも勉強しますが、宗教戦争と言えばヨーロッパ。しかもキリスト教が幅を利かせていました。それも色々と分かれているわけですが。 つまりソレです。 驚いたことにこの世界では複数の宗派が一つにまとまってみんな仲良くやっています。宗教的にはとても平和です。 どうして多くの宗派が一つの教会に共存しているのか。 宗教戦争が鍵になっているわけです。そしてこの宗教戦争は各キャラクターやストーリーに反映しています。つまりこのシリーズ全体を深いものにしているわけです。なかったら多分つまんないですね。 参考文献が明記されているので、調べてるんだなーというのもわかります。 何もなしに書き出す私なんぞとは全く違うということです。 個人的に好きなのは魔法に関する概念ですね。いや、概念というか使い方。 これが関わってくる第一部第五話が非常に好きなのですよ。ネタバレになるので詳しく言いませんが、呪文はそれでいいのかと。 また、この五話、TRPGくさいです。 難があるとすれば表現がくどくなる節があること。第一部第一話の冒頭なんぞしつこいと思います。独特、というほどではありませんが、癖があります。 決して文章が下手ということではなく、しばらく読んでいけば慣れてきます。 各話はそう長くないのでちょこちょこと読めるはずです。
|