懐かしい風景。
サウスサイドの昇降口。
靴箱に入っていた日記帳。
白とピンクと水色の絵の具。
左の頬に当たる風。
揺れる髪。
運動場の土ぼこり。
夕暮れまで眺めていた棒高跳び。
恋のし始め。
塗装の剥げかけた歩道橋。
目が眩むほどの金色の空。
全て貴方のせい
しっかりと
繋ぎ止めててくれないから
何があっても
守っていてくれないから
私の魂はいつまでも
落ち着くことなく
苦し紛れに彷徨っている
行き場もなく
逃げ場もなく
哀しみを内に秘めたまま
淋しい笑顔を作ったまま
びしょ濡れになって
彷徨っている
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