アルカロイド

お礼変更（しゅはな）

こんばんわ！かしいです。
早いうちに拍手お礼をさしかえます・・・！といっておいて遅くて本当に・・・自分ぼこぼこにしたい・・・・・
本当にたくさんのぱちぱちをいただいて、いつもどうもありがとうございます。遅筆サイトですみません。読んでいただけるだけでありがたいのに本当にうれしいです。
ありがとうございます！

そして遅ればせながらお返事を・・・反転しております。

＞泉さま

ほ、ほんとうに遅くなってしまって申し訳ありません・・・！そして旅行でたぎった内容なので完全身内向けとおもってなかったあの現パロ読んでいただいて、しかもありがたいご感想までいただけて本当にうれしいです！ありがとうございます！
斉天と悟空が他人だったらもう三蔵いらないじゃん・・・というのはわたしも書きながら思いました・・・でも結局三空なんだよっていうところが泉さまにわかっていただけて、いただいたコメントを読みながらひゃああって叫んでしまいました・・・結局わたしはたぶん三蔵ものすごい好きなんだと思います・・・ひねっくれてるけど悟空を好きな・・・・・・・・・ちょ、調子にのって地続きの三空を、書きたいと思ってしまったわたしです(笑)
そして宝物みたいにとてもうれしい言葉をいただけて、10年続けてきてよかったなと改めて幸せにさせていただきました。ありがとうございます。泉さまの心に少しでも触れられる話を書けたらもっと幸せです。また、お付き合いいただけると嬉しいです。
ほんとうにありがとうございました！

ところで主花好きすぎてどうしたらいいん？というターンで今社会人なふたりを書いてるんですが、ガチ高校生にはまるのがたぶん初めてすぎて高校生をどうしたらいいのかまるでわからない・・・・！！！
この間友人とすかいぷしていて本気相談みたくなってしまったのですが、主花のすべて（そしてぺよんのすべて）がぶっこまれている高校時代を高校生ネタパロ以外（くぼときもあるいみそうだよね・・・？）で書いたことのないわたしは戸惑いっぱなしです・・・・ほんとに普通の高校生な主人公と花村が好きなんですけど、普通の高校生ってどうしたらいいんだ・・・・高校時代が遠すぎる上抜群の記憶疾患でおもいでぽろりすぎて戸惑うばかり・・・・・
ぺよんはあの時代限定の青い正義感と若いが故のつっぱしりとエゴの占める高さがすごくすごく好きなんですが、10代後半のかつかつしてるのにふわふわしてるところが書きたくて、でもついてかなくて、もどもどしっぱなしです。生田目の病院あたりのシーンはずっともうぐうってなってるんですけど、そんでそこから派生した単純な暴力主花主妄想にじたばたしてるんですけど、ああもうじたばたするだけじゃなくて形にしたいのにうまくいかない。
ついったでびたばたしてる、コミュマックスのさわやか殴り合いでなく、幽白でいう戦闘野郎的なのでなく、こいつほんとなんなのって苛っとしとる花村とそれを受けて苛々する主人公のさわやかに着地しない暴力にもうずっともだえてるんですけど、それは生田目の病院直後だろうなと思って妄想のなかでびたばたしてる。花村が主人公のことをあれこいつ裏切った？て思うのはあそこかなとおもってるんですけど、ずっと主人公一直線！ていう花村の胡乱な目と態度に苛つく主人公さま。1回の暴力で片付いたら俺たち親友！ていう絆をまっくすにするんだろうなあと思うんですけど、こじらせると発展するのではないか、とにらんでるのに。
花村が主人公にまっくすなのも好きなんですが、主人公のことを少し神聖視しすぎててはじめてあれ、こいつは違うのかな、って思うのがあの瞬間なのかなっておもうとほんとに胸がぎゅってする。ちょっと盲信的に同一視しててほしいなとおもうところもあるんですけど、そこではじめてあ、違うっておもってほしいというか。でもあえて相棒っていう立場を理解してて主人公にゆだねるのを主人公が卑怯っておもってても、結局とめてくれるのを主人公に期待していてもそれはそれでぎゅってするんですけど。
わたしはつくづく主人公さまのことをかっこいいいいすきいいいってはあはあしてるんですけどね、花村が同じだけ主人公のことをかっこいいいいっておもっててもきゅるるんかわいい！ておもうけど一方で10代の自己中心的な冷徹さで主人公のことを値踏みしててもいいな、ていう気持ちもある。こんなときまで呆れるほど冷静だなって失望してもいいけど、一方で止めてもらってほっとしてても好き。
主人公目線で話が進んでいくので、逆に主人公はどういう気持ちなんだろう？てわからなくなるところがあるんですけど、花村は主人公の影になり日向になりしながら話を進めていくあの抜群の立ち回りがすきです。主人公の先手先手を立ち回りながら選択してるなら頭の回転のよさにふるえあがる。
花村のことがすっごく好きなんですけど、主人公以上にわからんということがままあります。でもわからんということが、ある意味10代なのかなあ。自分でも自分のことがよくわからないというか、わかってるつもりで自分の感情の発露に自分でびっくりするというか。
高校生の時にぺよんプレイしたかったなとおもうことが結構あるんですが、大人になるとなんだかその瞬間瞬間がすごくきらきらしているというか、振り返ると触れられない宝物みたいな何か、という記憶があって、そこから離れて距離感を測りかねている主人公と花村も好きだな、という着地に至る。
でもどのタイミングでも、主人公と花村が一緒にいるだけで幸せだなあ。
そんでちえちゃんや雪子や完二やりせちーや直斗や、クマがいて、みんなでうんうん推理したり、年取って頻繁に会えなくても時々集まって、変わったけど変わんないなあってわらってたらすごく幸せ。
みんなまとめてぎゅってしたい、とおもう、幸せな作品に出会えてほんとうにうれしい。

あ、でもアニメはほんと・・・・毎回変質者みたいにはあはあ言ってしまうんでわたしは・・・・大丈夫なのかな・・・・・

2011年10月29日(土)

旅から帰りまして

こんばんわ！かしいです。
前の日記からもう2週間？うそでしょ・・・というくらい時間の感覚がひどくあいまいという・・・・あわわわ。
そそそして拍手ぱちぱちありがとうございます・・・・！！
そのくせ拍手お礼がぺよんじゃなくてすみません・・・・ちょ、ちょっと近いうちに入れ替えます・・・・！
毎日主人公と花村のことを考えていたらとうとうアニメが始まってしまってそわそわする今日この頃です。ＯＰからかっこよかったけど最後の3分間くらいで死にました。番長・・・・もう・・・・・どいけめんすぎて罪すぎる・・・・・！！！！！
とりあえず2年くらいぶっ壊れていたブルーレイの録画機を購入して配線に悪戦苦闘して備えましたが6回くらい見てはあはあはあはあ言ってたわたし・・・はあはあいいすぎてただの変態となり果てました・・・。
ただほんとは録画しながらオンタイムで見るよ！とおもってたんですが、うっかり寝てしまいましてね・・・・ほんと録画機買っててよかったよ・・・・。
次の日朝から死にたくなりながら。会社から帰ってみよう！とるんるんでつたやにいってたら、ぺよん先輩であるまなさんからすごいはあはあ電話がかかってきて即行で帰って視聴してはあはあ・・・・いけめんんんんんん・・・・はあはあはあ・・・・・いけめんんんんんんんんっていうやりとりを電話しながら繰り返して、次の日休みだったからさらに4回くらい見てはあはあ・・・・・いけめんんんんんんんんってやってた。うち防音聞いててよかった。ひいいいいやめてええええそれいじょうはやめてえええええって荒ぶって声張ったからあれ、窓開けてたら通報されとるわ・・・・。
警察に踏み込まれたらあられもない（だだよれの夏の部屋着）でベッドの上で（ひとりで）ごろごろしながら目はテレビからはなさずじ・・・って見てる妙齢の女ってこれは、ごめん！て手を挙げてもゆるしてはもらえまい。でもわたしがそれでつかまったらそれはなるかみくんのせいよ・・・・公然わいせつ罪でしょっぴかれるのはあの方だわ・・・・・
ま！鳴上君はそんなへまはすまい！
気持ち悪いのはわたしだってわかってる。

ところでこの間たぶん10年くらいの付き合いであるところのウルトライズムの智孝さんと晴天落下の真夏さんとだらだらしに山梨に行ってきました。
メインは富士急でエヴァ見る！という旅だったんですけどね。
気が付いたらともさまにぶちおかされてずっと最遊記の話してたっていう・・・・・・・佐助でぶちおかすつもりだったまなが終始あれ？あれ？つってた。
わたしの同人のきっかけはさいゆうなのですが、あとたかすぎさん含めてその頃からのつきあいで、今はみんなばらばらのジャンルにいるのに集まると必ずさいゆうのはなしになる瞬間があるのですが、もうやばかった・・・・・・1日目はずっと絶望をこじらせてて2日目で反動を起こしてずっと幸せな現パロをこじらせるという・・・・・・・振り返るとカヲルくんんんんんんんっていってたのほんと一瞬だった。
箇条書きで旅の思い出まとめとこって思ったけどもうさいゆう以外ほとんど覚えてない。あ、ぺよん番長はマネークリップ使ってるよねっていうのにクリップなくして事務用クリップで札束まとめとる主人公さままじいけめんっていうのは覚えてる（そして引きずっている）風がびゅって吹いて札がばらららってなってるのを、わ、わーつって追いかける花村。みんながあわててひろっとるのをぼーっと見てる主人公さままじいけめん。
小銭はポケットの中にじゃらじゃら突っ込んでるんだよ。シャドウと戦闘中にばらららってなればいい。花村がわ、わーつって戦闘後に拾ってやるんだ・・・・10円玉とかにうっかり足をとられて滑りそうになってもいいな・・・・転ばないけどね身軽だから・・・・おまえあぶねーだろって怒られろ・・・・りせちーがもう先輩ったらひとまずこれ使って？って化粧ポーチ貸してくれたらかわいい・・・・トリーバーチとかのいけいけのやつ・・・・でも雑誌の付録についてる薄いピンクのフリルとかついた安っぽいブランドポーチに小銭を入れてよし、つって番長のポケットに突っ込む花村もかわいいね？よしじゃねえよっていう。
完二はどうしたらいいかわからないけど、財布、買えよ・・・・って思ってる。
ああーかわいい。そのまま忘れて持って帰って次の日売店でブリックパック買う時にポーチを取り出してまわりがざわってする。花村にお前まだ返してなかったのかよーって言われて気づくといい。気に入ったなら先輩にあげる！ていうりせちーかわいいね。あげる！じゃねえよっていう。もう完二以外は誰も財布持てばって思ってない。

わたし、病気だね？

2011年10月11日(火)

あらぶった結果②

先日行った旅行で昔の病気をこじらせまして・・・・・
さいゆうき現パロの悟空＋斉天その２です・・・・・・

注意
・悟空と斉天がそっくりの別人
・斉天おんなのこです
・三蔵と悟空、金蟬と斉天はいっしょにすんでるよ
・いっそ身内向け

・・・・・・・・・無理！という方はまわれ右してくださいね・・・・

びゅう、と少し冷たい風がなぶって首をすくめる。大きなビルと歩道を隔てる植え込みの塀にすわって大通りを眺める斉の顔を、ぷわんと音を立ててトラックのヘッドライトが一瞬照らして離れていく。耳元がわんと鳴って、括った後ろ髪をすっと撫でて左耳につけた。
金蟬と喧嘩した。家を飛び出したのはほんの30分も前のことだが、喧嘩だと思っているのは多分斉だけだ。斉の言い放った言葉に彼は少し目を見開いて、そうして伸ばしてくれた手を振り払って今に至る。
遠い記憶では、もっと若かった彼に怖い顔をされたり、ずっと厳しい言葉をぶつけられたこともある。今よりもう少し物のわかっていなかった頃は、伸ばされた手に縋って泣いたりもしたけれど、斉は年を取ってしまったのでもうその手には乗れない。今ではただ斉の話に返してくれるもっと暴力的な言葉がほしくて時々仕掛けるけれど、年を取るにつれ優しくなる彼は、まだ正解をくれないままだ。
ぼんやりと黄色や赤がひらりひらりと瞬く路面を目で追いながら、彼のきれいな横顔と、まぶしい金色の髪を思い浮かべる。指で触れるとするりとして思いのほか優しい。念入りにトリートメントされた自分の髪をぐるぐると弄びながら、記憶の中からあっけなく取り出す。金蟬のいちいちが、斉の身体にぴったりと寄り添っている。頭を開いたらきっと斉の脳は金色に違いない。ぶわっと排気ガスの音を立てて、トラックが目の前を荒々しく過ぎていく。
「いた」
聞きなれた声に視線をやると、うんざりした顔の悟空がポケットに手を入れて立っていた。斉はそれを一度見て、もう一度通りに目を向ける。帰宅ラッシュを少し過ぎて、車はいつも通り流れている。
「何してんの」
「車見てる」
あっそ、と悟空は興味なさそうな声で返して斉の隣に立った。左側にふっと影が落ちる。
「行くぞ」
「なんでいつも悟空なの」
「知るかよ」
彼は突っ立ったままで、手を引いて立ち上がらせるようなこともしない。ただ本当に面倒臭そうに斉を見下ろしている。
金蟬と喧嘩して逃げる斉を、見つけて連れ帰るのはいつからかずっと悟空だった。もっとずっと昔は、金蟬と悟空の同居人もあちこち回って探してくれたけれど、いつも誰より早く悟空が斉を見つけるので、いつからかあのひとは、家であたたかいお茶をわかしておかえりと言ってくれる役になった。
「たまには金蟬に見つけてもらいたいのに」
ほおづえをついて心から言うと、俺だってそう願うよ、と悟空が心からの声で答える。失礼だな、とわけもなく思うのは、まあ、言わないので許してほしい。
悟空を探したことはまだない。斉が行くより早く、彼の同居人がめんどくせえな、と言いながらそれでも律義に出て行って連れ帰ってくるからだ。行くだけ馬鹿らしい。
寒いんだよ、と言う悟空はパーカーにジーンズのラフな格好で、それは寒かろうと心の中で同意する。でも寒いのは斉も同じだ。ミニスカートの裾から飛び出した膝小僧を、じっと溜まった秋が冷やす。でもだめだ。
「立てない」
「はあ？」
「階段で足ひねった」
右足のかかとをぐっと立てておろすと、ぴりりとした痛みが走る。
「何バカやってんの」
「うるさいよ」
心底呆れた、という声で言われると、自分でもわかっているだけに少し悲しいが、同じだけうんざりする。斉の身体は人よりずっと軽やかに動く。あまりに間抜けだ。
突っ立っていた悟空が一度溜息をつくと、斉の前にきて後ろを向いた。そのまましゃがんで手を裏向ける。
「ほら」
ぱあん、とクラクションの音の合間に悟空が呼んだ。発育途中の彼の背は金蟬の背中よりひとまわりかそれ以上に小さい。
「早くしろよ。おれは帰りたい」
促されて斉はしぶしぶ立ち上がった。そのまま前のめりに倒れると、肩甲骨のほねばった感触が胸の下でする。ほわりと高い体温が伝わる。
悟空は無言で立ち上がると、斉をしょって来た道を戻った。その先を歩道に洩れたヘッドライトの明かりが時々照らす。たん、たん、と安定したリズムで身体が揺れる。
たまには金蟬に見つけてもらいたいのに、ともう一度呟くと、うんざりしたような声が左耳のすぐ下で答える。
「お前あのひとあんま困らせんなよ」
生真面目なその返答にちょっと笑う。彼の同居人に少し似ている斉の金蟬に、悟空はすぐに肩入れしてみせる。ばかだな、金蟬はちょっとくらい困らせたほうが喜ぶのに。
あのひとのこと何にも知らないのね、と当たり前のことを思って斉はさっきより体重を預けた。

2011年10月10日(月)

あらぶった結果①

先日行った旅行で昔の病気をこじらせまして・・・・・
さいゆうき現パロの悟空＋斉天です・・・・・・

注意
・悟空と斉天がそっくりの別人で同じ高校
・斉天おんなのこです
・三蔵と悟空、金蟬と斉天はいっしょにすんでるよ
・いっそ身内向け

わいわいがやがやとばかみたいに音がふっと耳元に戻ってきて、あ、寝てたな俺、と目を何度かしばしばさせる。ホームルームが終わって起立、礼、と声がかかるのに慌てて立ちあがって気持ち頭を下げると、中途半端に眠っていた身体がどんよりと重い。
そのままがたがたといすを引いて立ち去っていくクラスメイトを横目にもう一度着席すると、端々に傷のいったうすっぺらい机がぐんと目の前に迫ってきてそのまま沈む。試験期間で部活は休みだ。もう少しだけ、とうつらうつらしながら結局素直に目をつむると、前のほうにクラスメイトの気配を感じた。中間試験の1日目が終わって中途半端な安堵感がありありと滲む声が、ぼんやり膜をはったような向こうに聞こえる。眠たい。
そういや誰それが誰それとつきあってるらしいよ、まじかよーと、試験に全然関係ないたわいもない噂話が展開されているのに、俺どっちもしらねーと心の中だけで返して、へー、まじかよーという声に同じく心の中だけで同調してみる。うすっぺらいどうでもいい会話だ。何組の誰それがさーとかあいつかわいいよなーとか、修学旅行の延長みたいな話。ぶわぶわと睡眠と正気のちょうど間。悟空は浮いたり沈んだりして漂っている。
限りなく眠りの淵の傍で、あ、それは俺知ってるな、と思った名前がふわっと浮いた。大学生っぽい年上の男と一緒にいるのを見たとか、もっと上の男だったとか、そういうたわいのない話。男と男がイコールじゃない、のと、あいつなんかちょっとやべーよな、とか、そういうたわいのない話。ああいうの俺無理だわーとか、感想までついてきて馬鹿笑いしてるのに、そっかーそうねー俺も無理だね、と心の中で同調する。
もう行くか、と思って立ち上がる時に前の椅子をなんとなしに蹴り飛ばすと、思いのほか大きな音が響いて悟空のほうが驚いた。
「・・・っにすんだよ」
「はは、ごめんごめん」
笑いながら立ち上がる。まだ身体は重い。ぺらぺらに薄い鞄を持って立ちあがって振り返るとクラスメイトはちょっと変な顔で目を反らした。なんだろね。
孫君ばいばい、とドアの近くで話している女子たちのあいさつにばいばいと返して、上履きをぺたぺたさせながら廊下に出る。西日がちょっとまぶしい。目を細めて階段を下りると下駄箱のところに見慣れた後ろ姿があった。
年季の入ったすのこの上で上履きを脱いで靴に履き替える。ふわりと甘い匂いがして、目を上げると、目が合った。金色の目玉は同じ色をしているけれど外から薄く入る夕暮れの光を反射して少しオレンジにも見える。靴を履いて外に出る。図らずも隣に並んだ。
歩幅を気にせず歩いているのに距離はそのまま。西日はばかにまぶしい。三蔵は今日遅くなると言っていたが、一体何時になるんだろう。夕飯はいるのかな。
ぼんやりとまだ眠たい身体を引きずって下校中の生徒に混じって帰宅の途に就きながらアスファルトは薄いオレンジに濡れている。時々光る砂粒のようなのをぼんやりと見ながらだらだらと歩いていると一瞬指が触れて離れた。
斉は昔から体温がばかみたいに低い。悟空は人より少しだけ高いので、冬の寒い夜に三蔵がさりげなさを装って全然さりげなくなく腕に指先をあててくることがよくある。一瞬ひやっとするからやめてほしいがやめてと言ったことはまだない。だからそういうときは温かいコーヒーをいれる。湯気を上げるカップをローテーブルに置くと、彼は緩慢を装ってさっとそちらに温める術を移行するのをちょっとだけがっかりした思いで見ながら。
ふわんと隣で甘いにおい。早く帰ってこないかな、と、悟空すらまだ家についてないままで思った。

2011年10月09日(日)