鶴は千年、生活下手

2010年01月29日(金) 人付き合い

あまり友達付き合いの多くないわたしにとって、定期的に訪れる
人たちとの何気ない会話が重要だったりする。

なかでも一番うれしかったのが、もぐちゃんが生まれてから最初
に来てくれた生協の宅配のおじさんだった。
出産後、義兄が見舞いに来てくれておめでとうと言ってくれたが、
退院するタイミングが悪く、助産師さん達のいない時間に病棟を
出てきたものだから、退院おめでとうございますの声かけも無く
帰宅した。なんだかとても寂しいと思っていた。
生協の宅配のおじさんは、妊婦の時から気軽に話しかけてくれて、
自分も孫が生まれたばかりでと話してくれていた。
産後、初めての配達でおめでとうと言ってももらった。
これだっ! この言葉が欲しかったんだ! と思った。
身内以外の人からの初めてのおめでとうだった。

今日もダスキンのおばさん(といってもわたしとそんなに変わら
ないと思う)と少し立ち話をして思った。
もっと他人と接触を持たないといけないだろうか?
一人に慣れ過ぎているだろうか?

知り合いと友人とは違う。
例えば子どもの関係で話をするお母さん達はいる。
他にもいろいろ付き合いで話をする人達はいる。
年に1、2回だがカラオケに行く知り合いもいる。
が、どこかに一緒に出かけて行く友人というのがいないなと思う。
たとえば買い物に行こうよと誘える友人。
一緒に映画に行こうと誘える友人。
どちらも一緒に行くのは夫とだし、行きたいのも夫とだ。
一人だけずっと前に日記にも登場したことのある、きわみちゃん
という友人が、唯一一緒に出かけたい友人なのだが、共に所帯を
持つ身で仕事をしながら介護をしているきわみちゃんを簡単には
誘えない。

ある日の読売新聞の「人生案内』という相談のコーナーで、60
代の女性の友人付き合いの悩みに対して、「一番の親友はご主人
と思って暮らしていけばよろしい。」というような返答がしてあ
って、ああ、うちはこれだなと思った。
わたしにとっても夫にとっても、お互いが一番の親友なのかもし
れない。

ああ、早くもぐちゃんが一人でいられるようになって、夫と二人
で映画を見に行きたい。三人でなく二人で。
いつまでも夫離れができない嫁である。

 君だけを見ていればいい毎日をこの青空が否定している(市屋千鶴)



2010年01月17日(日) 子どもの行き先

明けましておめでとうございます。
ぼちぼちの更新ではありますが、今年もよろしくお願いします。
(ああ、昨年の最初の日記も同じ書き出しだったなあ・・・・)

十二月の中旬、ノロに感染した。
もぐちゃんとわたしだけである。
夫は、同じ環境にいて、母子の世話を素手で行っていたにもかか
わらず、全く感染しなかった。おかげで大助かり。
あれで、夫まで感染していたらと思うとゾッとする。

その直後、教育委員会から連絡が入った。
四月から小学生になるもぐちゃんのため、昨年の夏から就学相談
を受けていて、就学先を決める連絡だった。
もぐちゃんは、特別支援級に行くことになった。
たいして大きな障害と言うほどでもないが、普通級の人数の中で
は聞き取りながら学んでいくことが難しいと思われた。
自分で学習して行く力はあるのだが、大勢の中ではじっとして聞
いていられないし、彼の耳には先生の指示が届かないと思われる。
少人数で指示を受けながら、他人との関わり方を中心に学習して
行くことの方が大事だと思えた。
日常生活では、全くと言っていいほど支障はなく、ただ何かして
いるときに呼んでもなかなか返事をしてもらえなかったり、外で
何か面白そうなものを見つけるとそこに引っかかってしまうので、
その都度声かけが必要だったりするくらいである。
1対1で何かしている時は面白い子だねぇで済むことが、学校と
いう集団の中での生活となるとそうはいかないということだ。

特別支援級に行くからといって、何も悲観してたりはしない。
息子が普通の子と少し違うということは、いろんな場面でありが
たいなと思うことがあり、親にとってもいい経験になっているん
だなと実感している。

例えば、11月の下旬に歯医者に連れて行った。
小児歯科と看板が出ており、じっとしていられない子ですがと説
明したうえで受診したにもかかわらず、バキュームが我慢できな
いからとお手上げだと言われた。
障害者の歯科治療を行っている市の歯科医師会の事務局に電話し
て聞いてくださいと電話番号のメモを渡された。
家に帰ってから30分くらい、もぐちゃんにも少し八つ当たりし、
どうしてものの5分が我慢できないのかと問い質してみたりした。
とりあえず、渡されたメモの番号に電話して、自宅の近所で診て
もらえる歯科医はいないかと問い合わせた。
調べてから電話しますと言われ電話を切ったが、近くに診てくれ
る歯科医がいなければ、電車とバスを乗り継いで行かねばならず、
さらにわたしの透析の曜日しかやってないという。
頭の中でもやもやが広がっていて、これ以上八つ当たりするわけ
にも行かないからと、近くのコンビニまで一人で買い物に出た。
買い物をして帰ってくるまでのほんの10分ほどの時間が重要。
歩いているうちに、「なんて事は無い、一回で済む治療なのだか
ら、いざとなったら透析の曜日を替えてもらって連れて行けばい
いだけのことだ。」と気持ちが切り替わった。

翌朝電話があって、近くの歯科医が障害者の治療に来ている先生
だから、診てもらえるかどうか聞いてみてくださいと教えられた。
さっそく、銀行に行った帰りに直接聞きに行ったら「診てみます
から来てみてください。」と快く返事をしてもらった。
夕方、もぐちゃんを連れて行くと、1分もかからずに治療が終わ
り、バキュームも使わずに済んだ。
そのかわり、毎月、検診に来るように言われ、「大丈夫ですよ、
うちで診て行きましょう。」とにこやかに言ってもらえた。
こんなに近くで行きつけの歯科医ができたことがありがたく、前
日からのもやもやを考えると、涙が出そうだった。

普段は何も困らないが、診察を受けるとかそういう場面ではいろ
いろと困ることも多い。
眼科医も無理。機械類が多すぎてそっちに目が行ってしまうから、
検査にならないそうな。(苦笑)

何はともあれ、小学校っていろいろと忙しそうだ。
昨年の誕生日で50歳になったわたし。
もぐちゃんは一人っ子なので、50歳でPTAにデビューするこ
とになり、ジェネレーションギャップが心配な50歳の春。


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市屋千鶴 [MAIL]