くじら浜
 夢使い







長いこの道   2010年03月21日(日)

両手ですくった言葉の滴たちが
指のあいだからしたたり落ちていく
削いだ肉は感情の赤い血になり溢れだした

ながいながいこの道を歩くとき
いつもいちど振り返り
そして歩きだす

赤が涸れたときぼくはいつか言葉をうしなった

逆流する血が突き刺さり
立ちつくすその先に道はなく
そびえる樹を抱いた

枝葉がゆれて
樹がゆれて

こぼれた言葉を拾い

そしてまたこの長い道を歩きだした




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