「隙 間」

2007年10月29日(月) 願いと、ゆらゆらと

 ペットボトルのお茶「辻莉」を自販機で買う。
 たまにおまけでついてくるマスコットフィギュアがあり、自販機前の警備室に詰めている警備のおじさんも、まさに、たまに、しか当たったのを見たことがないらしい。

 先週、三本買ったら、ふたつ当たった。

 五種類あるそれぞれに「願い」があるのだけれど、わたしの最初の「願い」は、

 よい出会いがありますように……

 だった。

 二回目は、

 体が健康でありますように……

 だった。

 どちらもたしかに、わたしに必要なもので、いいえて妙なもので、鼻の奥がこそばったい感じがした。

 昨夜といい今夜といい、月が澄んでいる。

 不忍池に映し、揺れる水面でゆらゆらと揺れ、いつまでも形になることない月を、眺める。

 いつまでもいつまでも、ゆらゆらと形にならない。
 いつまでもいつまでも、ゆらゆらと揺れている。
 わたしがいなくなってもなお、ゆらゆらとしているに違いない……。



2007年10月28日(日) 篠原美也子一夜

 本日、思いっきり、強烈な、パンチと喝を渋谷でもらってきました。

 篠原美也子ワンマンライブ
「compass rose」

 なんかもう、篠原さんの曲が自分の人生の波とマッチし過ぎてて、アルバム発売とライブの年二回、自分を省みさせられることになるのだけれど……。

 新曲をふたつ、披露してくれて、さらに来年はプレミアがついて十万円弱(!)となってしまっている「SPIRAL」を二曲追加して再発売することと、さらにインディーズ曲の中からのベスト盤を発売する、とのお知らせが……。

 生まれた子どもが中学生になってしまうほどの長い付き合いですもの、篠原さんあってこその我が人生……笑

 三時間立ちっぱなしなんて、なんのその。

 ライブ後に、陽朔さん夫婦と久しぶりの再会!
 実際に会うのは、何年振り、だった。
 あ、当時のおふたりがめでたくご夫婦となっているわけで、なんともはや羨ましく、篠原さんのライブにこうやってふたりで来られる素敵な相手を見つけられるように、だんなさんの御利益(?)をわけてもらいたい気持ちになりました……笑

 さて、ここからはとことん、篠原さんのことばを借りて……。

 ひとりのつもりで、どこまでゆけるだろう。
 逆らって、戸惑って、つまづいて、立ち上がって、敗れ去って、また立ち上がって。
 敗れ去って、といえるほど闘っているのだろうか……。
様にならないファイティングポーズを構えて、笑われたって目一杯かっこつけて、立とう。
 自分よりほんのちょっとだけ高い上を目指す。
 時は誰の味方でもなく、ただただ当たり前のように過ぎてゆき、それぞれの足でそれぞれの海を目指してへ流れてゆく。

 わかっていたはずだ。

 簡単じゃないことくらい。

「わたし」ではなく「わたしたち」だと、背負うものの大きさ、大切さ、強さ、をできる限りのものを確かめながら、いくつもの春を迎えて、いくつもの名も無い週末を過ごしてゆこう。

 胸の奥深くに描いた岸辺に、手を伸ばしながら……。



2007年10月27日(土) 「洪水はわが魂に及び」とネタ

 大江健三郎著「洪水はわが魂に及び」(上)(下)

 バタバタとしていたこともあり、あしかけ三週間かかりました。
 夢中になるでもなく、飽きがくるでもなく、読み始めれば読み進めさせられる、そんな作品でした。

 作品の内容から、浅間山荘事件や東大安田講堂事件を連想させる。
やはり、以前にわたしが観た映画作品「光の柱(だったと思う)」を思わせた。
 何年も前の記憶なのでタイトルはあやしいけれど……。

 日本赤軍の若者たち(?)が、意志や結束を確かめるためにいわゆる「自己批判」という名の制裁を受け、それはたとえば、自ら渾身の力で顔面を殴打し、己の意志の弱さを反省し罰を自ら与える、というものであったりする。
骨は砕け、鮮血に染まり、なお雪嵐吹き荒れる戸外の樹木に縛り付けられ、手当ても食糧も与えられずに、やがて当然、凍死失血死を迎えることになる。

映画「光の雨」では、立松和平氏の同名小説を劇中劇として取り込み、その模様を描いている。

そのイメージが強すぎて、違う作品であるにも関わらず、どうしてもそこに目がいってしまう。

主人公は知恵遅れの幼子と、自ら世間から隔離した生活をしていたが、「自由航海団」を名乗る若者たちのグループと共に行動することになり、そして最期のときを迎えることになる。

「自由航海団」というグループが特別に崇高な主義思想を持っているわけではなく、状況が否応なしに形作ってゆく、というところが興味深い。

さて、ネタ書きを忘れないのはもちろん(汗)、次に読む作品にもようやく手を伸ばせる。

……中途半端にいるよりも、ばたばたのおかげでネタのほうの、なんというか、立ち位置というかスタンスというか骨格というか、道標みたいなものがはっきりしてきた。
……ように感じる(笑)

年末までに、それを形にしなくては……。



2007年10月22日(月) 斜め読みで

 ぐいんを、ほぼ斜め読みに近い状態で読んでしまった。

 ……よくないことです。

 なにせ、あしかけ十年読み続けていると、勝手がわかった気になって読み進めてしまう。

 仮名送りやら言葉遣いやら、見るべきものがあるというのに。

 以前からわたしが指摘されている「……(三点リーダー)」の多用やら、会話文の語尾に「?」を使わずに、疑問なのか質問なのかを区別させることができなかったり、といったことに対する素晴らしき参考書ともなるものであるのに。

 上記の文ですら、支離滅裂な言い回しだったりする(汗)

 漢字を使うべき単語なのか、漢字使いは誤りなのか。

 些細な(これも正しいのだろうか)ことでつまずいてしまう。

 そんなことは、あとで考えよう(笑)



2007年10月21日(日) 「ボンボン」と「パンズ・ラビリンス」

 まずは、

「ボンボン」

 をギンレイにて。
 リストラで長年勤めたガススタンドをクビになり、娘夫婦の家に居候している。
 ふとした出会いで、立派な猟犬種のボンボンを譲り受け、本人があまりよくわからないうちに周囲の愛犬家にのせられるままにトレーナーがつき、地方のドッグショーだが受賞を果たす。
 早速、種付けの依頼が舞い込み、ドッグオーナーとしての生活が始まるかと思いきや……。
 ボンボンには性欲がなく失敗に終わってしまう。
 道を失いかけた矢先、ボンボンまでもが逃げ出してしまった。

 役立たず、思うようにいかない、という似た境遇をボンボンに感じ、放ってはおけずに探しにゆく。
 レンガ工場の資材置き場で見つけたボンボンは、野良犬のメスと真っ最中だった。
 思わず愛しさあふれる苦笑いを浮かべ、旅が再びはじまってゆく……。

 なんかもう、全編がほのぼのとした物語。
 純朴でお人好しな男はつねに微笑みを忘れない。
 悲しいことやつらいこと、そして見下されたときでも。

 そして……。

 定価で一本、観てきました(笑)
 ギンレイは会員だからタダだけれど、有楽町に出張りました。

「パンズ・ラビリンス」

 ええと……。
 スマステの月イチゴローのコーナーで稲垣吾郎さんが絶賛してました。

 うーん……。

 主人公が女の子、ファンタジー世界と残酷な現実世界、という共通点(?)のせいか、「ローズ・イン・タイドランド」が思い浮かび、それに負けている印象をもってしまった。

 ふたつ並べてどちらを薦めるか、と聞かれたら、間違いなくわたしは「ローズ・イン〜」を選ぶだろう。

 比べちゃいけないかもしれない。舞台も設定もちがうもの同士なのだから。

 メルセデス(なんてスゴい名前)役の女性が、外国人タレントのフィフィさんにしか見えなかったのは、わたしだけ?笑



2007年10月20日(土) 朝まで、パワースポット?

 朝まで生テレビを眺めながら布団にもぐり、角界のあれやこれやの議論……時津風部屋や朝青龍問題について……を聞いているうちに、眺めるのではなく、見ずにはいられなくなり、論点の違う所を口角泡を飛ばしている角界関係者への哀れさを含む苛立ちを抱えたまま、気がついたらアニメ「あたしんち」のママが無理に試着したスキニーパンツが脱げずにもがいてました。

 ナイス、テレ朝っ!笑

 パネラーの北斗晶さんの、しごく当たり前な「かわいがり」に対する疑問……土俵の上では「かわいがり」、外では「リンチ」まがいのことが日常にあるんですか? ……に対して、

「それを乗り越えないと上には上がれないんだよ」

 と回答した関係者に、唖然とした記憶が残っている。
 文科省の松浪さん(大学の体育で、当時隣のクラスが授業を受けていた)も、コメントに困りつつ、相撲協会の独特な特質さ、他者からの改善策をまず否定し、現状を守ること伝統を守ることこそがすべてであり、受け入れようという姿勢をほとんど見せようとしない姿に、どう議論したのかが気になる。

 さて、今日明日は……

「根津・千駄木下町まつり」

 です。
 うちから一本出た不忍通りは、福引きに並ぶ大行列。
 そして行き交う人力車。
 無料で乗車できるらしいです。

 うちのお隣さんが、音羽屋さんのガレージのひとつらしいので、屋号を見てみたら違うところのでした。
 ふだんはJR日暮里駅から谷中銀座方面に緩やかな坂を上った先で、音羽屋さんの人力車が待っててくれています。
 お越しの際に、人力車で下町散策などいかがでしょうか……?

 根津神社の境内を、フリマや焼きそば、お好み焼き、芋煮、すいとん……などの誘惑に負けずに通り抜けました。
 町内会が中心のまつりなので、子どもたちにやさしいお値段とボリューム。

 子どもたちの賑わいを背に、そのまま湯島天神へ。
 途中、「らーめん大喜」の行列……V6の番組で紹介されてた……を横目に、すたこらと境内を通り抜ける。
 と、境内の王貞治本塁打世界記録の碑に、ちょいと手を合わせておく。
 その日が、年は違えど我が誕生日なので、なにか御利益があることを期待しつつ……笑

 参道を裏手から真っ直ぐに抜けると、お目当ての店が。

「手打古式蕎麦」

 で、古式もり、をいただきました。
 蕎麦皮ごと挽いた蕎麦は、黒い麺でこしがあり、味噌煮込みうどんくらいの(?)強さで、大根おろしのつゆにお好みで生醤油を足して食べます。
 大根おろしのからさで、くうぅ、とくる心地よい刺激とのど越しがなかなか。

 さあ、ここまできたら、向かうは、神田大明神こと神田神社へ。
 江戸総鎮守の神社。
 力石(ちからいし)をなでながら、角界とは関係ないけれど、ちょいと黙礼を(笑)

 お茶の水へ抜けて、太田姫稲荷神社……ささやかなお社だけれど、江戸築城で有名な太田道灌の娘が天然痘にかかり、祈願して祓った一口稲荷を江戸城の鬼門除けとして移し奉った神社で、菅原道真公、徳川家康公が合祀されてます……に立ち寄って神保町へ。
 高校時代からこの神社は前を通っていたのに、由緒を知ったのは、ナルコで休職して神保町に舞い戻った(汗)そのとき。

 おいらのナルコも祓ってください……。

 といいつつ、お賽銭をケチったのがよくなかったのかもしれない(汗)

 ……ふと気づく。

 わたしはいつも、鬼門にあたるほうより入っていることを。

 さらに……

 江戸の鬼門封じである神田神社や上野寛永寺近辺から、皇居の東に沿って抜け、裏鬼門である日枝神社近辺に毎日通っている。

 うち……天台じゃあないんですけど。

 興味のあるかたは、江戸と風水の関係についていろいろありますので、そちらをご参照ください。

 巷で今だひそかなるブームの「パワースポットめぐり」。

 神社は基本的にそれにあたるらしい。

 ちなみに……

 都内でもっとも強力とされているパワースポットは、

「皇居」

 だそうです。
 



2007年10月14日(日) 母校

 我が母校、明治高校が来年から移転してしまいます。
 だからというわけでもなく、いつもの通り神保町へ……笑
 移転先が、なんと……

 調布!

 しかも、

 共学!

 羨ましひ……
 いや、もし受験当時、お茶の水になかったら、まず視界にも入ってなかったろうから、まあよいでしょう(笑)

 てか、調布だなんて、似合わねぇ。
 温室ぼっちゃんが大学のすぐそばだからこその虚勢をはってる、みたいな感じだったのに、という私個人の勝手なイメージだけれど、どうなんだろう。

 来月頭に、ここでは最期になる「紫紺祭」がある。

 来校した他校の女の子たちに、必死になって声をかけようとする涙ぐましい後輩達の最後の姿でも冷やかしにゆこうかしらん……?笑

 調布なら、硬式野球部のグラウンドも近くなるし、大先輩の星野仙一さんが日本代表監督を務めてくれていることだし、早実とまではいかないけれど、頑張ってもらいたい……。

 調布まで毎日通って練習するのが嫌で、一夜で軟式に乗り換えたヘタレに言われたくないかもしれないけれど(笑)

 なんだかやっと、スタンスを取り戻しつつある感じ。

 こうしようとか、ああしようとか、そんなの関係ない。

 だってこうなるのだもの。

 と、かたちになった後、考えればいい。
 アップを年末、年明けにスライドして選び直そう。
 どうにも毛色が違いそうだし。

 神保町三省堂のけやきがバッサリ刈られていて、立ち上る紫煙は遮られることなく、高くなりつつある空へ吸い込まれてゆく……。



2007年10月13日(土) ガムテープ文字と「サン・ジャックへの道」

 ネットの一部で有名らしい。

 JR日暮里駅の改札周辺にある「案内文字」

 このすべてが、「ガムテープ」のみで書かれて(?)いる。

 駅構内工事のための鋼板塀で乗り換えなどがわかりにくくなり、警備のひとが親切心で始めたそう。
 文字の丸みはカッターで角を落とし、下書きも無しでやっているとのことだった。

 JRを滅多に使わないのであまり注視することもなかったけれど、たしかにこれは見事だ。

 もちろん工事が終われば撤去されてしまうので、期間限定、である。

 さて、久しぶりのJRに乗ってドクのとこへ。

「そういえば、今なに読んでるの。海と毒薬じゃないだろうね?」

 あれはちらと立ち読みしてみて、なんだかなぁ、と思ったのでやめました。もうひとつのほう、読んでみてます。

「あっちかぁ。ノーベル賞とったドリスなんとかさんているじゃない。あのひとの作品も女性差別やらの社会派作品で日本語訳もいくつかされてるみたいだよ」

 ははあ、外国人作家さんの作品は、どうにも文化や宗教や社会背景が違うのをイマイチ理解しきれないのでピンとこないのですが。

 深夜のドキュメンタリー番組をたまにビデオに録画してチェックしているけれど、海外の作品はやはり、勝手が、というか視点が、微妙に違う。
 団体より個人を尊重することありき、であったり。

 海外では、

 個人が大きな団体や組織といかに戦って「勝つ」か。

 日本のほうは、

 個人が大きな団体や組織にいかに「立ち向かって」いるか。

 といった色合いのものが多いように思う。

 たとえ途中であれ、そのときの「結果」を伝えるものと、「経過」を伝えるもの。

 わたしは今、後者ばかりである。

 やはりわたしは、矛盾のさなかにいる……。

 そして、

「サン・ジャックへの道」

 をギンレイにて。
 母親の遺産を受け取るには、姉弟三人そろって徒歩で巡礼しなければならない。
 長男は会社社長で自称病弱、妻がアルコール依存症で自殺願望にとりつかれていて心配でたまらない。妹は高校教師で夫は失業中、教会がはるか昔教え込ませた片寄った思想を嫌悪している。弟はずっと無職でアルコール依存症、離婚して離れて暮らす娘にまで、面会の待ち合わせ場所の店で酒代を借りる始末。
 巡礼グループのメンバー九人の、それぞれの思い。

 彼らに宿を提供する教会のひとつで、アラブ系の血をひいているメンバーを指差し、彼らは泊めることができない、と眉ひとつ動かさず、動じることなく、正しいことを口にしている自信に満ち溢れた神父が登場する。

 それが、宗教、である。

 もちろんメンバーは怒り、教会をあとにして別の宿に泊まる。
 巡礼は、願いを祈るためのものではなく、願いを叶えるための過程にしかすぎなくなっていた。
 母親を喜ばせたいために、文盲の少年が文字を読めるようになりたいと参加し、三姉弟の妹から道中教えてもらい、読めるようになってゆく。
 目的地に辿り着く直前、その母親が亡くなってしまうが、彼は到着後に知らされる。
 文字が読めるようになった喜びを伝えるために、彼は母親への詩を書いていた……。

 巡礼、行こうかしらん……。

 四国お遍路さん、とかではなくて、ね(汗)

 てか、二夜連続で、メインキャストが刺されたり撃たれたりするそのシーンに出会ってしまった。

 なぜ……?汗

 映画「踊る大走査線」のことです。

 帰ってきてテレビをつけて、たまたまチャンネルを変えただけだというのに。

「生きて帰ってきて、蹴ってやる」

 ……すみれさんに言われてみたい(笑)



2007年10月08日(月) 自戒……

 東京ドーム。
 嵐のコンサート「コトバノチカラ」で女の子たちがごった返す中を、すり抜ける。
 巨人軍各選手の今シーズンの抱負が書かれたパネルがそこかしこに貼られている。

「しっかりバントをきめるbyジェレミー・パウエル」

 外国人選手がそれかいっ!

 などとツッコミを入れたりしながら。

 隣のラクーアでなにやら、

「……っちゅう〜!」

 と鳴き声が聞こえ、覗いてみると、ポケモンキャラクターショーがやっていた。

 ピカチュウ以外なにもわからなかった……汗
 まあ、きゃいきゃいと頬を赤くして弾んでいるお子ちゃまたちを眺めていると、あったかくなる。
 雨上がりの床タイルに足を滑らせて、

「ペッ、タタンッ!」

 と転んだチビちゃんに、お母さんが慌てて駆け寄る。

「だからいったでしょ、もう」

 泣き出すかと思いきや、ピカチュウのステージめがけて、キャキャとまた駆け出す。

「危ないから駆けないのっ」

 チビちゃんの手を拭こうとハンドタオルをひらひらさせて追いかけてゆく。

「loop of smile」

 頑張ろう……笑

 週末にポテチひと袋、さらに、オリジン弁当(普通盛)に唐揚げをつけて食べてしまった。

 久しぶりのこってりに、多少、血気回復を期待しつつ、やはり晩ご飯は蕎麦食、という習慣に馴染みを感じたりする……汗

 マスを埋めようとしかできていないことに打ちひしがれ、愛想を尽かし、袋小路の壁を見上げる。

 道標なぞ、あるはずが、ない。

 ない道なのだから。

 壁に触れ、耳を当ててみよう。
 ひやり、とした頬の感触に目を醒ます。

 壁を作るのは、ほかの誰でもない。
 自分自身だ。

 どこかの誰かの言葉。

 壁がありゃあ、よじ登っても、壊しても、ないとこまでぐるっと回っても、いいんじゃん。

 自慰、自戒のかたまりばかり……笑

 逆光にかき消されないように、しなくては。



2007年10月07日(日) 「ボルベール〈帰郷〉」

「ボルベール〈帰郷〉」

 をギンレイにて。
 情熱の国スペイン、女の強さ、悲しみと苦しみと切なさとどうしようもない運命の物語。

 主演のペネロペ・クルスが、むっちゃ、魅力的だった……惚

 なんて男運が滅茶苦茶悪いのだろう。それに翻弄され、なんて切ない運命を背負ってしまったのだろう。

 ペネロペ様の艶っぽさで霞んでしまいがちだけれど、母と娘と、共通してしまっている悲しい運命を見落としてはいけない。

 男性諸氏はご注意を……笑



2007年10月02日(火) がっつ……

 がっつり食べたい……。

 そう思ったとき、とんかつを思い浮かべてしまうのは、わたしだけでしょうか。

 肉(焼き肉を称して)、肉、と、ことあるごとにさんざんわめいてるくせに、矛盾を感じます。

 噂に聞くばかりの、「キムかつ」のミルフィーユのようなカツを、食ってみたいです。

 肉が足りない。

 意欲と食を関連させてしまいます。

「血気」

 は、肉をとっていないと湧いてこない気がします。



 巨人軍リーグ優勝ばんざいっ……。

 さほど熱心ではないけれど、三つ子の魂百まで、な巨人ファンです。

 野球は巨人、司会は巨泉。
 うっしっしっ……。

 て、何歳やねん自分(笑)



2007年10月01日(月) おと

 不忍池の蓮葉を渡る風が、涼し……寒いくらいです。

 住人のおっちゃんたちも、段ボールを重ね着してます。

 鴨やアヒルが、ぐわぐわ鳴いてます。
 胃袋が、ぐぅきゅるるる、と鳴きました。

 近くのベンチで張り付きあってじっとしてるカップルに聞こえてしまったカモ、しれません。

 ぐわぐわ。

 鳴いてごまかそうと思ったけれど、鴨かアヒルか決めかねたので、やめておきました。

 路地を抜けて、よそ様の晩御飯の香りを楽しみつつ帰ろうと思いました。
 揚げ物、コロッケかしらん。
 味噌、味噌汁じゃない、味噌煮、サバの味噌煮かしらん。
 うおっぷ。湯気を含んだ石けんの香りが突然に。げほっ。

「やぁーだっ」
「やじゃないでしょっ」

 やはだめですよ、うん。なにがかは知らないけれど。

 鼻腔は堪能しましたが、胃袋はやはりカラカラと音が鳴りそうです。
 植木の影で、猫がゴロゴロと、のどらしきところを鳴らしてました。
 負けじとお腹をぐるぐると鳴らそうとしたけれど、できませんでした。

 人間はやっぱり猫のようにはできないのです。

 人間なわたしは、トボトボと歩いて帰りました。


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