夢見る汗牛充棟
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【ゴルの巨鳥戦士】(創元推理文庫)難航。
『肥沃な1エーカーの土地のために鋼鉄の剣で相手を倒すことを望む二人の 兵士は、それぞれの村、またはその境界内に彼の村を含む都市の【礎石】の ために死を賭して戦う』 Aという土地の為に争うBとCは礎石の獲得の為にデスマッチせよ。 …ということ?なんか相戦うのとは違うみたいだけど、それなら 〜それぞれの村、またはその境界内に彼の村を含む都市の【礎石】の ために死を賭して戦う〜 が、謎。 一つの土地の帰属する村は一つなんだから、何故「それぞれの村」と いうんだろう?
【礎石】ちう概念もまだ理解してません。 【土地の権利書】のようなもんだろうか。
お恥ずかしいですが、限りなく条文ちっくな表現にへこたれ気味。 がんばれ、自分。 ここを、堪えれば爆発的に面白くなるのかもしれないと思いつつ。
けど、けど…発作的に文庫一冊をコンビニで購入してしまいました。 こりゃ、りっぱな逃避です。
『ヤクザ大辞典』(双葉文庫)
ひたすら愉快に思うのは、様々な人々のコメントなんだけど。 新聞・雑誌類もそうですが、コメントちゅうのは、誰が発言したかが わからん限り、尤もらしくてもどこか、いかがわしい香りがします。
これは、「落合信彦さんっなんてすごい人なんだ。CIAやモサド や各地あまたの秘密情報部員達と知り合いなんだぁ」と思っていて 笑われた、幼かった時分の自分への自戒でもあります。
ヤクザの解説本のようです。コメントの後には、カッコ付けで発言者に ついてあたりさわりなく、まことに奥ゆかしく書いてあったりします。
曰く 【事情通】 【業界関係者】 【組関係者】 【消息通】 【●●の極道関係者】 【●●組ウォッチャー】 【●●系組長】 【稼業関係者】 【関係者】 【事情通の長老】 【消息筋】 …等々。
曖昧模糊。漠然。よくわからないのも、あったり。 もちろん記述者にはわかるのだろうが、わたしにはわからないわけで。 【大辞典】と銘打つ以上は、【凡例】を付して欲しいところ。
【関係者】
「街角で視線が合って怒鳴られた小林英明(21歳)」は【関係者】 にあたるだろうか? 「組事務所の暖房の修理に行った電気屋の秋山久志(26歳)」は どうだろう?
【消息通・消息筋・事情通】
【消息通】は【特に政界・外交関係の情勢に詳しい人】を指すそうな。 (三省堂国語辞典) 【消息通】=【消息筋】=【事情通】だと思われるが、敢えて 区別して記載している意図はなんだろう?
【●●組ウォッチャー】
訳せば【●●組を見てる人】だから、要は当該事務所の張り込みを継続 してるマル暴の刑事さんのことだろうか? もしかしたら、ストーカーがいるのだろうか?世界は広いからいろんな 嗜好があるのかもしれない。
【業界関係者・稼業関係者・組関係者・●●の組関係者】
これらは限りなく似ているようにと思うけど。
結局、こういう風に言葉を使い分けるのは、具体性を持たせようと 思ってのことなのかなぁ、とは思うけれど、かえって謎が深まって いるだろう、と思った今日でした。
かといって、具体的に表現しようと思ったら、それだけで 一冊本が書けるかもしれないし。
あ、でも【仁義のきりかた】というのは興味深かった。 かつては、悠長でまったりした礼儀作法の世界だったんですね。
そろそろ日付が変わります。そしたら大晦日なんですね。
本日はひたすら拭き掃除な日々でした。大掃除。
数ある連休の中で、正月休みが一番くたびれます。 掃除だぁ、来客接待だぁ、なんだぁ、かんだぁ、でろくすっぽだらだらできないし。
ちゅうか、窓ガラスは拭くものなのに、なんで拭く事を前提にして 家を作ってくれないんだろうか。がっでむ。 窓枠に立って窓拭きをするのは、ひたすら怖くて苦手。 植木鉢たちが、窓ガラス際に居座っているので強制執行で立ち退いて もらいました。幾鉢かは、どうやらサボテンの一種だったらしく、手に ばしばし棘をいただきました。私のぞんざいな扱いにご立腹だったのね。
つ〜か。全国CMかどうかは存じませんが。 清水市ではやっております。
消費者金融でおぜぜ借りて 子犬購入するような
蓄えの無い 所帯持ちは
予防接種代・餌代・医者代等々に事欠くことになると
思われますので やめとけ!!!
…あの安直さが、嫌い、はやく消えて欲しいと願ってます。
つーか、船が欲しいだ!?イカダ組んで大海原に漕ぎいでろ!!
ひたすら、踊られていたほうがマシってもんです。あれは
「ほ〜ら あんたも金借りて、くうるくるとトコシエに踊んなさい 俺様の手の上で」
…という意味だと思えばまだわかるもんな。
2002年12月15日(日) |
だらだらとした読書日記 |
温泉行きたいんですが、この時期は、おあしがございません。 ああ、切ないねぇ。
こういうときにふっと手元の菜切包丁ひっつかみ人は 最寄の景品交換所やコンビニに走るんでありましょうか。 ですが、強盗はよほど上手くやんないと元がとれませんから 国税で飯を食わせてもらいたいほど切羽詰まった時の切り札に いたしたいと常々思っております。
RRRRRR。(電話の音) 「はい、わしです」 「ひさしぶりー。おれです」 「ああ、おれかよ、ご無沙汰〜。何よ??」 「おれさー、ふっと思ったわけ。遺伝子情報を書き込むための器の容量 ってさ、人間つくるだけでもういっぱいなんじゃないかなー。」 「は??」 「わし、学部何だった?」 「…あほーがくぶ・あほーりつがっか」 「ふっ…ごめん。わしにゃわかんねぇ話だわ」
がっちゃん。つーつー。
シツレーなおれだなも。三ヶ月ぶりの電話でありんした。 わたくし、受話器を持ったまま呆然とするしかありいせん。
気を取り直して、そこらにある本を手に取る。 ついでに純生も手に取る。…って、爛れてますね。真昼間から。
『私は作中の人物である』清水義範(講談社) 『以ッ非イ教室』清水義範(講談社) 『江勢物語』清水義範(角川)
『私は作中の人物である』は、やられた〜と思ったなぁ。 と申しますか、清水義範さんの本は、「やられた〜」とか「ぎゃふん」 と思うために読んでいる気がします。 初めて読んだのは、『江勢物語』なんだが、そのなかの一編 『スノーカントリー』腹抱えて、笑ったの笑わないのって。 今じゃパブロフの犬状態でして、本を開いただけで、笑います。
『妄想銀行』星新一 (新潮)
ショートショート。中学生くらいの時に結構わくわくしながら 読んでいたような。ちょっと未来の世界で、可笑しかったり、 悲しかったり、恐ろしかったりする。好きでした。
昔、どこでもドアの如く憧れてたのが『味ラジオ』。 歯に仕込んだ小型の受信機で味覚の放送を一日中受信し続ける、 というもの。 今日久しぶりに読んだけど、登場する人々は被支配民って感じで、 どこか滑稽で、哀れでありました。
『ゴルの巨鳥戦士』〜反地球シリーズ1〜ジョン・ノーマン(創元推理)
SF…なのかなぁ。ヒロイック・ファンタジーのような気がするけど。 まだ、読み始めたところ。反地球って何だろう??
とりあえず、アメリカ住まいのイギリス人が23ページで太陽系の中に 存在するらしい『ゴル』という惑星に立ってます。 きっとこれから、すっごい活躍して英雄になるんじゃないだろうか。 好き嫌いはおいといて、これからどうなるのか、楽しみ。
そういえば、最近近所の本屋で「教養文庫」見ないんですけど ちゃんと存在するんでしょうか?気になります。
2002年12月14日(土) |
ビーグル号でベーグルを食べるゾ〜…の巻 |
『宇宙船ビーグル号』 A・E・ヴァン・ヴォクト (ハヤカワ)
ぜぇはぁ。
やっと読了です。なんか、わしのつるつるした脳みそには、難しかった。
超音波銃とか純粋な分子エネルギーとかトレーサー光線とか 硬放射線とか原子砲とか…はははは。先生もう笑っていいですか?
SFでございます。紹介によれば、「宇宙SFの真髄!」です。
舞台は限りない銀河系外の宇宙のどっか。 探査のために地球を旅だった宇宙船ビーグル号とそこに乗り込んだ 1000名ほどの男達。内訳は様々な分野の学者たちと軍人だす。
彼らが進む行く手には、腹を減らした野良宇宙人が哀れっぽく
「みゃーみゃー」と啼いております。
「わぁ、みてみてー、宇宙生物だよ〜v」
とっ捕まえては船内に持ち込んだが為に起こる 惨劇!惨劇!!惨劇!!! 退屈な宇宙船生活に刺激を求めてのことかもしれないけど。彼らは
「知らない生物を拾っちゃいけません!返してらっしゃい!!」
とお母さんに叱られたことがないのかもしれません。
「はふー、やつは程度の低い初期農民期に属する生き物だからねぇ」 (肩をすくめる)みたいな〜
科学者さまがたの何様〜な態度に、宇宙人を応援する拳にも思わず 力がこもるというもんです。
頑張れクァール!!頑張れイクストル!!!
だってなぁ、わざわざ拾ったんだからちゃんと餌やんなきゃさ(笑)
しかし、宇宙船ビーグル号が抱える敵は宇宙の敵意にみちた未知の生物たち ばかりではなかったのです!!
最終にして最大の敵は。その名も、エリオット・グローヴナー。
乗組員の一人で、【情報総合学】という謎な学問の識者です。
【情報総合学】ってのは、ようは学者から、得意分野を取り除いたもん なんじゃないかと理解したんだが、精神的な刷り込みや、意識への 干渉を行うことで、莫大な分野に渡る学問を自らのものとしている …ように思われるんだけど。
こいつは、『強化人間』とどの辺が異なってるのでしょうか。 天よ、地よ心あらば教えて欲しい。
そして、宇宙船ビーグル号の残り999人の科学者や軍人達は古臭い オールドタイプつうことに相成ります。いや死者多数だから、実質もう 少し少ないはずだけど…。
青年グローヴナー氏はそいつを導くベく奮闘し、最後にはビーグル号 を完全にその支配下に置いたのでした。めでたしめでたし。…完
…多分こういう話だと理解いたしましたけど。 既読の方々の、「全然ちがうじゃねーかよ!!」という突っ込みは あえてこの胸で受け止めましょう。 でも、解説も付けてくれるとすっごく嬉しい。…ぐはぁ。
この船には男しか乗ってません。何で?公序良俗の観点から?? 本文によれば、「このオール男性の遠征隊では、セックスの問題は、 ある薬品を主食に混ぜることで科学的に解決されていた。」そうです。 どう解決しているのか、興味深いところです。
勃たないようになってるのか、性欲が湧かないようになってるのか…。 その方法では「肉体的欲求は満足するが、情緒的欲求は解決しない」との事。
肉体的にしか満足しないような薬品使うくらいなら、右手または左手 もしくは他人を使えば足りるんじゃないかい!? と思ったわしを頼むから許してやってください。
それらの使用法につきましては、あたしゃ知りません。悪しからず。
よく事務所に遊びに来るおぢさまの愛犬、シーズー(♂)は 来るたびにわしの右足を前足でがっちり抱え込んで 息を荒げながらひたすら腰を振るとです…。
おぢさまは、向かいでお茶すすりながらうちの社長と何事をか、 語らっておりやす。 茶いれるときも、脚にしがみつくシーズー様をずるずる引きずって おりましたよ、わたしゃ…。犬って力強いな…。 つーか、なんか硬いもんバシバシ当たってますが、こりゃ何ですか?
本日もようこそおいでやした(反語) おぢさまのシーズー様だし、と思うので放置だけど、ようやく帰って くださったら、わしのお気に入りの革靴がすんげー大量に濡れております。 靴下も、そこはかとなくひんやりしてますが、触ってみる勇気がありません。
なんじゃー!!こりゃーー!!
挿れる前から達するな!!つーか、零すな一適たりとも!!!
…無理か?わしの要求がキビシーのか!?
ちょっと「うがーー!!」な、午後です。外はどんより曇りです。
人間と生まれたからにゃ、犬よりは人間に興奮していただきたい。 是非とも!!人として!!
…がっくし。おぢさまのシーズー様は、困った奴です。 犬自体は嫌いじゃないんだけど(猫のが好きだけど) くう。ほとほと、困った奴だ…。
ナニはさておき、これを激しく主張したかった。
読書日記はまた後で。
『夢の果て』北原文野(ハヤカワ文庫)3巻
〜きびしい時代こそ、やさしさを…… こみあげるものを抑えられない、感動の完結編〜
小説ではありません。コミックス。
はふ〜、上旬発売だから、12月の6日くらいから書店に 日参しておりました。今日やっと見つけたもんね。
見つけた瞬間は幸せでしたが、現在はだうー、と泣いた後 ですのでちょと鈍色気分です。
何と申しましょうか、果てしなくかなしい。
のに何で微笑むのですか、あなたたちは!
もうあっしは涙するしかござんせんのです。
ここはひとつ、ハヤカワさんには【完結編】とかいわずに、 ぜひとも続編も出していただきたいなぁ、と切望する次第。 へへっ。懐かしいから読みたいのん。 いや!日々に疲れてこころが乾きがちな今こそ切実に欲しております!!
と、いうわけで、これからです、これから!!
スロウはヤンの内に永遠に侵されない光を見る。 その光を追うように生きちゃったなぁ、と。 本人は欠片も思わなかったかもしれないが、スロウも光ですねぇ。 トゥリオや瀬音はスロウの中に多分光を見たよね。 うきゅ。水のように巡ります。優しい星が手から手へって感じなのです。
今日は読書日記ではないみたい。 あれ?…昨日も読書じゃなかったかもしんない。
現在読んでるのは『宇宙船ビーグル号』(ハヤカワ文庫)だす。 まだ読み終わっておりませんので語れません。 あえて言うなら。かっこいいなぁ、クァールってことか。 グェンワイヤーみたいな生き物に弱いのよね。どうにも。 (ばい『氷風物語』)
謎の生き物を良くわからんうちに、お船にお招きしちゃう狂靭な神経が わかりませぬ。まだ最初の方なのでこれからどうなるか楽しみです。 頑張れ、クァール!!喰らえる所まで喰らってみよう。 だって食は大事ですね。
というわけで、刃の走者。
…なんのこっちゃ?? 『ブレードランナー』でありんす。ビデオ見たのでした。
『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』は未読です。
『アンドロイドはミスティブルーの夢を見るか?』は読みました。 …関係ねぇやね。
無関係ついでに激しく主張させていただきますと、昔も今もすげえ 好きなんでございます。川原泉さん。
話を戻します。 わしは、やっぱり追っかけられて逃げ惑う話は怖いのです。駄目なのです。 老人や少年や少女やお嬢さんが追っかけられていたら、痛すぎて見ていられないし。
野郎が逃げ惑っていたら、嫌過ぎて見ていられないし。…ぐはぁ。 痛そうな場面で、時々顔そむけましたが、面白いな、と思いました。
2XXX年。
某国の最高裁判所前は根絶不可能な人種で埋め尽くされている。
うようようようよ。
おしあいへしあい。
うごうごうご。
ぞろぞろぞろりん。
…何だかおわかりだろうか?マスコミ族である。 一人いれば十人いることでとにかく有名な彼等が、裁判所前で獲物を 待ち構えているのだ。
一人が腕時計をちらりと見た。 「そろそろだな。」
ごっくん。つばを飲む音。
その場に集まった全員の注目を集める扉がスッと開いた。
待ち人ついに来たれり。諸人こぞりて迎え奉れってなもんだ。
スーツ姿の男が前後して建物から出てくる。 二人目は長い垂れ幕を掲げている。
なんせ、この習慣は不滅です。
【全面勝訴!!!】
文字を認識したマスコミ族は、反射的に写真を撮りながら当該人物に 殺到する。
「おおおおおおおおおおおおっ!!」
「おめでとうございます!!」 「ありがとう。」
「長い戦いでしたが、勝利をおさめた今のお気持ちは!!」 「感無量だね。」
「一言お願いします!!出田さん!!」
人垣に阻まれて、彼等は先に進めなくなった。 何本も突きつけられるマイク。
出田は眼鏡をちょっと直すと、マイクに向かって口を開いた。
「われわれは、ついに新たな一歩を踏み出した。考えてもみたまえ。完全な 知能と頑強な肉体を有するレプリカント。彼等はもはや一個の意識ある生命 だ。彼等がなぜ知的生命体としての権利を与えられないのか!?生殖機能が ないからか!?はっ。ばかげた話だ。現在は土地問題、食糧問題、遺伝子学 的見地からも完全に我々の生殖は統制されているではないか。現在の我々に 与えられているのは、生殖管理省に精子・卵子を提供し、それが実際に使用 されることを神に祈る自由だけではないかね。オートメーションの工場から 生まれてくるレプリカントたちとどこが違うのか。」
「レプリカントの寿命問題はまだ解決していませんが、それについては?」
「それについては解決にはまだ時間がかかるだろう。だが、別個の種族だと 思えば、種族ごとの寿命だと思えばいい。それよりも、確固たる個としての 意識をもったレプリカントたちに対等の権利を認めて共存する道を探すこと が重要だ。」
一呼吸置いて言葉を続ける。
「現状では、目潰し重工が製作したテキサス六型以降のものをレプリカント という知的生命体と認定し、限定的ではあるが一定の人権を認めてゆく方向 で法を改定してゆくことになるだろう。」
「とりあえず、この喜びを誰に伝えたいですか!?」
出田は少し顔を綻ばせる。
「私の妻になる女性に。」
「おお、出田博士、ご結婚なさるのですか。それはめでたい。」
「ああ。彼女はテキサス八型でね。晴れて私たちは結婚できる、というわけだ。」
「おお。それは…。素晴らしいですね。」
ほほぅ。ため息があちこちで漏れる。 マスコミ各氏の祝辞に出田は明るい笑顔で応えた。
「そりゃあ、すばらしいさ!!」
それから片目を瞑って、声を低くして続けた。
「これで我々はいつでも若い生まれたての妻や恋人を持つことができるんだよ。 これこそ、我々の夢ではないかね? オリンピック周期で取り替え得る、最高 の伴侶だ。…どうだい?」
シーーーーーーン。
「おっと…こいつはオフレコだよ?」
出田はそう言うと迎えの車に乗り込んだ。
…なんちゅうかね。
とりとめなく、はてしなく、際限なく、くだらぬことを考えちまった わしを許したまえ。 いろんな人よ。…頼むから。
カエは健康のためのウォーキングというものを実践している。 朝と夕方の二回だったが、一週間で朝一回に変更になった。 それでも、もう十週間くらいは続いている。 カエにしては素晴らしい好記録だ。
いつもは友人と一緒に歩いているのだが、今日のカエは一人だった。 昨夜その友人の木崎イツカからは、明日はパスね、のメールが届いていた。 残業と飲みで帰宅が遅くなったらしい。
女一人で早朝散歩など少し怖いし休もうかとも思ったが、今日休んだら もう続かないに違いない。 それで、カエはいつも通り起き出して、お決まりのコースを歩いていった。
いつもならその時間はおしゃべりに費やす。 付き合っている恋人のこと、友人のこと、職場の嫌なおばさんのこと。 さわやかな空気を吸いながら、何故か話題はさわやかでないことばかりだ。
朝の空気の中に体内に溜め込んだ毒を吐き出しすっきりしているという ことだろう。 空気は汚れるかもしれないが、健康にはかえられない。
今日は話し相手がいないので歩きながら周囲の景色を眺める。 斜光に彩られた景色は、あらためて見れば、見慣れたものでも妙に 新鮮に感じられる。 こういうのも、悪くないじゃない。カエは一人、満足していた。
一人の老人がいつも通り道の端に置かれたベンチに腰下ろしていた。 スケッチブックに熱心に何かを描きとっているのもいつもと同じだ。
彼は、いつも同じ場所でそうやって絵を描いている。
カエたちがウォーキングを始めるずっと前から、そうなのだろう。
「老後の楽しみというやつかもしれないよ。ああいうのって、なんか いいね」
イツカはそんな風に老人を評し、カエもそうだなと思ったものだった。
老人は描くことに集中しきっていて、カエたちが傍を通っても、まったく 感知しない。
早朝は何故か【行き会う他人同士が爽やかにあいさつを交し合う】という 奇妙な連帯感が支配する時間だが、老人にはまったくその気はないよう だった。
一体、何の絵を描いているんだろう。 通るたびに知りたくて仕方がなかったのだ。
今朝は、小さな疑問の答えを知るには、格好の機会のような気がした。 そこで、カエは老人の側に歩み寄るとスケッチブックをそっと覗いてみた。 老人は、公園の風景や移ろいをその紙面に写しとっているのだと思っていた。 通りすがりにふっと覗き込んで、思わずカエは立ち止まる。 考えていたような絵はなかった。
木の幹と女の姿が描かれていた。正確には、描きかけだ。
見渡せども、ここにはそんなものは見えない。 もちろん記憶の限り、女の人だっていたことはない。
この老人は一体何をみてこの絵を描いているんだろう、不思議に思った時。
「好奇心は満たされたかな?」老人が口を開いた。
カエは顔を赤らめた。老人は、穏やかな灰色の目でカエを見ていた。
「ごめんなさい。」
言い訳しても仕方ないのに、焦って言葉を続けてしまう。
「あ、あの。毎日、どういう絵を描いていらっしゃるんだろう、と思って いたから、見てしまいました。失礼…」
老人は手を振ってカエの言葉を遮った。
「わしは構わんよ。」
言いながら老人はスケッチブックをカエに向かって差し出す。 見てもいい、という事だろう。躊躇したが、カエはそれを受け取った。 最初から見る。
丁寧に描き込まれた樹の幹。切り倒された、寂しげな幹。 何の樹なのか、葉が一枚もなく、残っているのは根元だけなのでカエには まるでわからない。 それにもたれる女は和服を着ているらしい。 ほどけた長い髪が地にうねっている。白い顔に髪の毛がかかる。顔。貌。 女には、顔が、ない。
次の一枚。樹の幹。女の顔なき顔。次の一枚…。
全てが切り倒された樹の幹。
全てが、同じ女の姿を描いていた。
和服を着て、長い黒髪をなびかせ、ふらりと立ち尽くしている。
或いは、切られた樹の幹にしなだれかかっている。
そして、全て、顔がない。
女と樹の幹は同じ関心をもって、描かれている。
これだけ密に書き込まれているのに、顔だけが空白なのが、 異様な感じだった。
最後まで一渡り眺めて、カエはスケッチブックを閉じた。 裏表紙にはペンで九拾八と書いてあった。
「九十八冊目、なんですか?この数字。」
「そう。」
老人は胸ポケットから煙草を取り出すと火をつけた。 半眼になり旨そうに深々と吸う。 吐き出す。様になるなぁ、とカエは少しその姿に見とれる。
「ずっとこの絵を描いてるよ。」 老人はカエが聞きたかった事を言った。
「ずっと?」 「うん。仕事をやめてからずっと描いている。」 「でも…」 「ああ。顔ね…。」
老人は透明な表情で、指に挟んだ煙草から昇ってゆく煙を見ていた。
「男は昔、画家の卵だった。まだうんと若い時分だ。まだどこもかしこ も貧しくて、そんな時代じゃあなかったから、絵を描いてるなんて言ったら 軟弱者と罵られたもんだった。両親が家だけは残してくれていたが、とても 食ってはいけない。その女は、なんでもして、生活力のない男をを食わせて くれた。…昔の話だ。」
カエが凝視していると、老人は口元だけ歪めて笑ったようだった。
「そうそう。顔を描かない、という事についてだった。あんたが不思議に 思っているのは。…」
「女は、苦労が祟って身体を壊してじき死んだ。男と幼い子供が残された。 男は食わせてくれる女がいなくなると、絵筆を捨ててしまった。…家の庭 には、女が好きだった樹があったんだが、その樹もその時切り倒した。 いろいろあったが、やがて定職につき男は生活に追われていった。長い年月。 どうにか勤めも終わった。さて、絵でも描こうかと思った。男は、再び絵を 描こうと思った。初めの儀式として、男は女を描こうと決めた。思い出の女を。 最初と決めた一枚がとんだことで…。描きたい女の眼差しが描けん。 あれは、どういう表情をしていたのだったか。庭に生えていた筈の樹も 何か、忘れてしまったらしい。描くうちにどうにかなるかと思ったが。」
老人は、言葉を切った。話は終わりだった。
短くなった煙草を揉み消して、灰皿に捨てると、彼は再びスケッチブックを 開き、新しい白紙に鉛筆を走らせはじめた。
カエは集中を途切らせないようにそっとその場を離れた。 少し泣きたいような気がした。
志半ばで絵筆を折ったこと。樹を切り倒したこと。
老人が絵を完成させることは、決してないようにカエは思う。
顔のない女。
彼女は限りなく優しく、限りなく哀しい眼差しで、老人を見つめ続けて いるのだろう。
春の中でも夏の日にも秋にも、冬にも。景色がいかに変わろうとも、 こころの景色は変わらないまま。 老人は視線を感じながら、未完成の、顔のない女を描き続ける。
なんだか、胸が、ちくりとした。
2002年12月08日(日) |
とりとめない日記付けたり本の帯 |
『不安な童話』 恩田陸 新潮文庫 〜私を襲う、記憶が襲う―。〜
「もやもやした気持ち悪さ」というのか、 「何かが引っかかってるような不安定感」というのか。 そういう味を求めて、恩田さんの本は買ってしまいます。 なんか、女の匂い、鏡に映る像、心の蓋。 わずかなずれに気が付いて、やな気持ちになるような。 恩田さんが、女ばっかり書いてるわけじゃないですが、 何故かそうなのです。私はね。
どうでもいいけど、この本「解説」がとりあえず嫌い。
〜小説には、とどのつまり、面白い小説とつまらない小説しかないのだから。 そして、『不安な童話』は、間違いなく、前者である。〜
本気で言っているならば、幸せじゃのう、とは思うぞ。
んが
「面白い」・「面白くない」は、激しく個人の主観に依るところが大きく、 絶対的なものじゃないわけで。どうもこういう括り方なさるやりようは、 胡散臭くて、いやんな感じです。 こういう事仰る方に、当該作品が「面白くなかった」と言おうものなら 「あらん。お馬鹿さんにはちょっと難しかったかしらん。ふふ〜ん」 と鼻先で笑われてしまうのか。どきどき。
関係ないけど
「●●を××と捉える人間には▲▲は読んで欲しくない。」 (或いは好きになって欲しくない)
上の発言も聞くたびに「何様じゃねん、おんどれは」と 尻の穴から手ぇ突っ込んで奥歯をがたがた言わせたくなるんだ。 すまん、狭量で。
そんなのは、「個人の勝手じゃよ」
これは極論すると『創竜伝』で芸術的な陶芸品を、『わしが買ったんだか ら、痰壷にしようがわしの勝手じゃね〜かよう。文句あんのかよう!!』 とかほざいて、竜堂家の次男坊に折檻されていたおやぢがいたように記憶 しているが、あたしゃそいつと同じことを言ってるわけなんだな(汗) うわ、悪人だよ。悪人。
極論にすると、おやぢにヤキ入れた竜堂続さんが正しいような気がしてしまいますが どうにも、「●●を■■と感じる事のできる人だけ▲▲して下さい」っつう 差別化・資格を求めるというか、そういう選民意識って反吐でますって。 作者から言われるのも嫌だし、読者(評論者)から言われるのも嫌だね。
「教養のない人間は本読むな。芸術見るな。」 とは、言わないのね、そいつら。
ことに作品に関する感想とかそういう主観の部分でそういう差別意識を 持った発言されるといやんな気分なのね。
●●を■■と感じられない人間が、▲▲しても、よかろう?
ただ、 「あ〜、あの壷?痰壷にしてるよ。」 とそれを聞いて気分を悪くする人間の前で口にしない事は、 他者への気遣いにあたいすることでありまして、全くの別問題であると わしとしては思うんだが。
衢では、「楽園の魔女達」の新刊が発売されているようですが、 とんとお見かけしません。何処にいらっしゃるのですか?ハニー。
休日なので、のんびり午後風呂やりました。優雅じゃね。 日本酒400ccくらいと柚子を4個切ったものを湯船に投入し、 読みやすい文庫を三冊ほど持って。 肌がすべすべになるは、柚子の香りは安らぐわ、素敵です。 本がしんなりするのは玉に瑕。
全く関係ありませんが、地元、三保半島の領主さんは美穂神社の神主さん だったそうで。神社所轄の地だったんですねぇ。 神主さんというのは急進的だったのかどうだか知りませんが、幕末の頃 動乱のおり、幕府方の兵たちが傷ついて三保に流れ着いたのを当時の 三保神社の主は、いちいち止めを刺して歩いたのだと聞きました。 静岡は、徳川のお膝元という意識が強いだろうになんちゅう惨いことを したもんだなぁ、と思ったな。 でも、三保の神主さんの一族もその怨み故に、後に館を襲撃されて無残に 殺害されたらしい。本当なら、怖い話だなぁ…。
幕末ついでに幕末関連の本の読みメモが出土したので、まとめる。
1『新選組始末記』子母澤寛 中公文庫 〜聞き書き交えての記述、という「スタンス」で書かれている新選組の物語。 物語として面白い。とりあえず、ここから入るかな、というご本。〜
2.『新選組遺聞』子母澤寛 中公文庫 〜古老の語りを集めて一冊にまとめた雰囲気の本。新選組も生きて動いた 人間なのね、という匂いを嗅ぐのにいい感じ〜
3.『新選組物語』子母澤寛 中公文庫 〜新選組テーマの短編集。沖田さん黒猫斬り発祥の地〜
4.『新選組 100話』鈴木享 中公文庫 〜隊士や周辺の人々を取り上げ、読みやすくまとめたこの一冊って感じ。〜
5.『警視庁草子』上下 山田風太郎 河出文庫 〜明治6年ごろ。旧幕の奉行と生まれたての警察組織が、次々と発生する事件を めぐり、面子をかけて推理合戦を繰り広げる。…は置いといて、藤田五郎という お名前の巡査が登場するもんで…。出来心で…。〜
6.『日本剣豪譚〜維新編〜』戸部新十郎 光文社時代小説文庫 〜幕末に活躍した剣客たちのお話。有名どころばかりだが、かっこいい。 伊庭八郎は当然いる。〜
7.『明治剣客伝』戸部新十郎 光文社時代文庫 〜両刀を取り上げられてからの剣客たちのお話。函館で亡くなった伊庭八郎の 弟、惣太郎が取り上げられている。新選組生き残りからは、永倉新八と斉藤一。 斉藤さん、詳しく好意的に書かれていて嬉しい〜
8.『幕末最後の剣客』上下 志津三郎 光文社時代文庫 〜幕末、幕府方について戦い戦死した遊撃隊の伊庭八郎さんの小説。 見所は、作中に表れる学術論文を読んでいる如き徹底した他説批判…かな。 伊庭八ちゃん労咳説とかね。やっぱ、思い入れのなせる業か。 個人的には小説は気持ちよく騙してくれれば良いもので「あれは間違い!」 「それも間違ってる!!」とか言い立てなくてもええじゃん。と思った。 お話の中身で勝負すればいいじゃん。こだわりといえばいいのかなぁ。 あ、ここにちょっぴり出てくる新選組の土方さんが可愛かった。〜
9.『遊撃隊始末』中村彰彦 文春文庫 〜中村彰彦さんは、幕末・会津藩関連の作品を多く出していらっしゃいます。 上記の『幕末最後の剣客』は伊庭八郎もの。メインテーマは人でしょう。 こちらは、幕末という時代を描くために遊撃隊を取り上げたというかんじで 両作品とも伊庭さん登場しますが、双方のスタンスは激しく違うです。〜
10.『幕末遊撃隊』池波正太郎 集英社文庫 〜これは、【伊庭八郎もの】です。”労咳もちで血を吐く若い美剣士の彗星のごとく 潔く壮絶な生涯”というやつですな。江戸っ子にこだわる池波さんの美学ほとばしる 流麗な文章に酔いしれましょう。さすがは、池波さんもの。美味いもの食ってます。 前出『幕末最後の剣客』が指しているのは、これなのかな?? 池波さんは新選組ものも結構多いです。新選組ものは、永倉新八、好きなのね〜 という眼差しで見つめております。が、斉藤さんが全く出てこないのは遺憾です。〜
11.『新選組探索方』南原幹雄 福武書店 〜新選組もの。 名探偵、沖田総司が新選組隊内で起きる事件を鮮やかに解決してゆくという短編連作。 探偵助手は、島田魁。 「隊士が不審な死に方をすると必ず俺が疑われる」とうんざりしたように言う 斉藤一が出てきてちょっといい。(…でも、実際は…もごもご。)〜
12.『タイトル不詳』著者不詳 出版社不詳 〜沖田総司一人称(僕)もの。試衛館時代から黒猫斬ろうとするまでの話。 一人称ものは、その人への思い入れが大切ですな。 斉藤さんが世渡り上手のおべっか君に書かれていてちと悲しかったです。 (これは、わしの思い入れってやつですが)沖田さんの純粋さを際立たせる ための対比として描かれているようで、ちょっとやだ。 ちなみに古本屋で購入したので現在流通しているのかは謎。 購入のポイントはタイトル。笑いのツボにはまりました。タイトルを見て 内容を想像してみると、大体当たっているような話が展開してゆく。〜
…ここだけ、タイトルの記載が抜けている。どの本を読んでそう感じたのか 激しくわからない。部屋を漁ってみようかな。 異界の穴に飲み込まれていなければどこかに在るだろう。
本を溜め込んでしまう癖のある方よ、「本が返事してくれたらいいなぁ」 と思ったことないですか?
「ちょっと、まてい、そこの人」 朝の遊歩道を歩いていて丁寧に、呼び止められたあたしは立ち止まり 胡散臭そうにそいつを見た。
男だった。 よれよれのロングコートを着た灰色の男が両手をポケットに突っ込んで 立っていた。 ちっ、ナンパじゃねえぜ。見て楽しげなお兄さんでもない。 こういう格好で、コートの前をきっちりと合わせている男のする事といえば一つだ。
ぐぁばあ!!
と激しい動作で前を開ければそこでお粗末な息子がしょぼくれている。 しかも無愛想な眼鏡の女につくづく見られてそいつはますます縮むこと請け合いだ。
お互いに不幸になるばかり。 立ち止まったことをあたしはつくづく悔やんだ。だが、後の祭りだ。
「なんじゃ。われ。ご用件は?」 仕方なく、あたしは言った。内心では少しびびっているのは内緒だ。
「ふはははははは。」
男は地の底から湧き出るような声で笑った。
「貴様は今、俺が露出狂の変質者だと思っているな。この俺が着込んだ 地味なコートの下には、優雅でしなやかな剥き出しの筋肉が息づいている と思っているだろう?」
「いや!、優雅でしなやかとまでは!!」
だって、この男ダビデじゃないし。
だが、男はあたしの言葉など聞いちゃいなかった。 ふふう…と、どっかの外国人のようなオーバーアクションで肩をすくめやがる。
「だが、それは偏見というものだぞ。ロングコートを着た男が早朝の歩道に 突っ立っておれば「変態」か!?いやいや。これはいささか物の見方が 短絡的に過ぎないか!?」
「ぐうぅっ。」
思わず、歯軋りするあたし。そう言われればそうかもしれない。
常日頃、先入観をもつこと、偏見を持つことを自らに戒めていたあたしが。 この男は単に道を尋ねたかっただけかもしれぬというのに。 ばかばか、わしのばか。
「くっ」
あたしは男の言葉に深く反省し、謝罪すべく口を開いた。
「確かに先入観にとらわれておったわ。陳謝するぞ、てめえ」
「うむ」
わかればいいのだ、と男は頷いた。おんどれはあたしのお師匠ですか!? 己のマナコが開けたような朝であった。(ナマコではないぞね)
ぐぁばあ!!
やおら、男がコートの前を跳ね上げた。
生まれたまんまの肌身。男の嗜みなのか、息子の先っぽだけ、薄手のゴムのお洋服を着ていた。
白々とした時間が流れる。
「よいか。」
………師匠は口を開いた。
「こうなってから初めてこいつは変質者だ、と断じるのだ!」
「いいてえことは以上か!?とんちき」
あたしは迷わず、女の嗜みとして装着済みのメリケンサックで男の顔に3000000回程の拳を叩き込んだ。
2002年12月04日(水) |
祈りよ。山本弘に届いているか |
『風よ。龍に届いているか』 ベニー松山著 創土社刊
●上巻 〜逃れられぬ破壊を前に冒険者は決断する〜
●下巻 〜絶望を乗り越え生きるために男たちは対峙する。〜
ちうわけで、とても懐かしい本があったので、 ついふらふら〜と購入。
前に出版された時に買った本は蒸発しました。 『隣り合わせの灰と青春』も蒸発しちゃったので もっぺんでないかなぁ。待ってますv
こいつは「ウィザードリー」というゲームの世界が基盤なファンタジー小説。 わしは、ゲームボーイとスーファミとPCエンジンの「PON」さん しかやっていないのですが。好きでした。 だが、PONさんは嫌い。今でも嫌い!! 何故なら、わしが苦労に苦労を重ね手塩をかけて育て上げたパーティは、 力試しのために初めて笑うヤカンを殺りに行った時ぺぺぺぺ、と返り討ち にあったから。 装備の充実した新米一人に、地道に努力した並みの装備のパーティは 負けちまうんだな。つくづく人生の悲哀というものを感じたし。
キャラ作って、名前付けて、パーティ組んで、冒険に出る。 油断すると死に、油断しなくても死に、マップを書きゃ一マスずれる。 ドンくさい上にキャラクターに愛着あるタイプのわしは、やりながら けっこう泣きそうだっただす。あう…あの興奮よ戻って来い。
はう。話が反れました。
久しぶり〜、に読みましたが。 やっぱ、キャラクターが魅力的で、ええのう、と思うなぁ。
うにゅ。かっこよすぎる気もするけど。 ちょっとはじゅかちい気分にもなるけど。 英雄とは、はじゅかちいほど格好よいものなんでしょう。
わしは冒険者でないうえに女なので、強敵を乗り越える為に 命のやりとりを求めるという心理は理解できないけれど。 かっこいい、とも思わんけれども。 男達が、女の心を掴んでおいて、勝手に昇天して思い出の男に ならなかったのは、かっこいいと思うな。
この場合のお約束として「強敵」と書いて「とも」と読むのね。
ソードワールドの小説を読み返しつつ整理していたらば 『サーラの冒険』の第一巻が行方不明。 〜ヒーローになりたい〜…だったかな。ぐはぁ。 わしんちの本棚には異界に続く穴でも開いているのか?
そして、早く『サーラの冒険』5巻を出してくださいよう!! 山本弘さん。続きが読みたいんだよぅ。思い出しちゃった。 呪いってなんなんだよう?
はふう。あれから、何年たったのだ??(遠い目)
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