Leonna's Anahori Journal
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目黒川沿い。もう少し咲くと、桜のトンネルになる。
会社の近くで。もうすぐ満開。
雨上がりの夕方の庭へ出て、柘植の木の下に落ちている紙くずをひろおうと腰をかがめた、その刹那。 柘植の根元に植えたヒヤシンスの芳香に撃たれた。雨に洗われたひんやりとした空気と、強い、混じりっ気なしの花の匂い。
ギリシャ神話のヒヤキントス(ヒヤシンス)は絶世の美青年だったことになっているが、彼の最大の魅力は顔かたちではなかったのではなかろうか。きっと、そこはかとなく身体の周りに漂い出でるものがあったのだろう。 痺れるような、理性を消散させるような、何かが。
しばし柘植の木の根元に顔をつっこんだまま、鼻だけうごめかす。 -- 夜。
ゴミを出そうと玄関を出たところで、少し先の地面に何かいることに気がつく。そばへ行ってみたら、カエルくんだった。いくら温暖化が進む昨今とはいえ、少しばかり時期尚早ではないかい。あわててデジカメをとりに、家へ駆け戻る。
↓大きさは女性の握りこぶしくらい。こわくて、これ以上近づけず。
↓うしろ姿。ご飯(虫)を待ち伏せ中。
代休をとったのである。ヒジョーにうれしい! 午後、この日のために取っておいた古い食パンを持って、池のある公園へ散歩に行く。
池にはいつもいる水鳥のほかにカモメが来ていた。カモメは上下に、自在に高さを変えながら、池の上に大きな円を描いて飛ぶ。私の前をかすめて通るのはパンをもらえると知っているからで、タイミングを合わせて抛ってやると空中で上手にキャッチする。目にも止まらぬ早業、というかんじ。
さんざんカモメと遊んだあとで池を覆いつくすように浮かんでいる鴨やカイツブリたちの顔をみたら、カモメの、あまりにも優美な飛行とかっこいい餌のもらいっぷりに驚いて、目をまん丸くしているように見えた。 (目はいつも通り、元々丸いのだが) -- 公園の桜は、まだ全然咲いていなかった。 が、池のほとりの遊歩道沿いに1本だけソメイヨシノにしては色が濃く、でも花の形はソメイヨシノにそっくりな桜が咲いていた。しばらく立ち止まって眺めてから歩き出したら、後ろからサッと知らないおじさんが現れて「大島桜ですよ」と言った。
おじさんは、「大島桜は一番に咲くんです。」と言い、それから並んで植わっている木を指して「全部で4本あるでしょう。全部、大島桜。前は5本あったんだけど、1本は枯れちゃったの」と矢継ぎ早に説明した。 そうして、説明し終わると私を追い越してすたすたと歩き去った。
なるほど、大島桜か。しかしあのおじさんは、誰にでも大島桜の説明をする「オオシマザクラのおじさん」なのだろうか。それとも公園内の樹木すべてに詳しく、季節ごとに咲く色々な花の説明をするのを楽しみにしている「ご近所の植物博士」なのだろうか。
あまりに突然のことで「はあ、そうですか。ははあ、ナルホド」などと相槌を打つだけで精一杯だったが、大島桜の花と名前だけはしっかりと覚えてしまった。
今月12日から今日までの10日間、馬鹿みたいに働いた。 連日朝は遅くても九時から、夜も九時、十時まで、会議、研修、ミーティングのオーガナイズ(といえば聞こえはいいが、雑用を含む何もかも)に忙殺された。特に19、20日の二日間は外に会場を借りて70人位の人が集まった。朝は6時起きだったが、緊張感で、寝過ごすことすらできず。
日本人はよく働くひとが多いから、そういう人たちから見たらこんなのは当たり前で、大したことじゃあないのかもしれない。でも私にしてみれば、まるで私らしくもない!という感じ。 -- とにかく今日の午後3時でいったん怒濤の日々は終わり、気分転換に日比谷へ映画を観に出かけた。「パリ ジュテーム」という、オムニバス映画。 パリを舞台に18人の監督が各々5分間の持ち時間で短編を撮るという、パリへ行きたしと思えどもお金も暇もない、私のためにあるような映画。
出演者が結構豪華で、ざっと覚えている限りでもスティーブ・ブシェミ、マリアンヌ・フェイスフル、ジェラール・ドパルデュー、ファニー・アルダン、ジーナ・ローランズ、ジュリエット・ビノシュ、ウィレム・デフォー、ナタリー・ポートマン、イライジャ・ウッド、と、名優、売れっ子、目白押し。
ただし私が好きだった短編は地味で、有名な人はひとりも出てこない。 ひとつは「16区から遠く離れて」という、移民系の若いベビーシッターの静かな静かな物語。 もうひとつは「エッフェル塔」というシルヴァン・ショメ(長編アニメ『ベルヴィル・ランデヴー』の監督)の作品。これは実写版アニメみたいな可愛らしい短編で、私は腹を抱えて笑ってしまった。
結局、どんなに有名な役者でも、パリという町と四つに組んだら負けるのだ。主役は“パリ”で、こいつは手ごわい。でも、はなから競争する気のない「無名」の演技者には、パリは快くその懐を開いてみせてくれたのだった。 -- ここ二週間ほどの間の、購入本。 「おとなの小論文教室」 山田ズーニー(河出書房新社) 「真夏の航海」 T・カポーティ(ランダムハウス講談社) 「かわいい女・犬を連れた奥さん」 チェーホフ(新潮文庫) 「ふつうがえらい」 佐野洋子(新潮文庫)
「おとなの小論文教室」は、ほぼ日の連載コラムでおなじみのズーニー先生の本。日常生活における表現とコミュニケーションに関する本です。時と場合によっては、ひどく沁みるのでございます。
「真夏の航海」はカポーティ“幻の処女作”だそうで。しかし、この作品は彼の死後かなりたってから発見されたもので、もしかしたら作者本人は公にしたくなかった(出来映えという点で)かもしれない小説。訳は安西水丸さん。
あとの二冊は、新潮文庫です(説明になってなーい)。 このところまた、新潮文庫カバー隅のマーク(Yonda? CLUBの応募券)がたまり始めている。こんどもらうとしたら、文豪リストウォッチなんかどうかな?と思う。
だけど。川端、太宰、漱石の中から誰を選ぶのかで悩む。というよりも、選べないよ、どれもあんまり欲しくなーい。 どうして龍之介のがないんだろうな。彼のがあったら、即決で応募するんだけれど。
夜、帰宅すると、TVを点ける。 簡単な食事を作って、TVを観ながら食べる。
月曜日はドラマ『東京タワー』の日。そのあとNHKのフランス語講座。木曜日は「食わず嫌い対決」を観てから、続けて倉本聰の『拝啓、父上様』を観る。 何曜日だか覚えていないけれども、『ヒミツの花園』や、篠原涼子のハケンのなんとかも、点けたときにやっていれば観る(こともある)。
子供の頃からのテレビっ子がそのまま大きくなって、大人になってからだってずいぶんたつのに、あんまり(というより、ほとんど)変わってないんだなあ。
しかし、だんだん連ドラだけでは退屈するようになってきた。それにいま観ているドラマも、あとしばらくで軒並み最終回を迎える。 んー、んー、んー。どうしよっかなぁ。やっぱり、入っちゃおうかなぁ… -- で、結局契約しましたのですよ、スカパーのサッカーセットを。 サッカーセットも時勢によって淘汰され、古いものはどんどん姿を消していく。今回契約した欧州サッカーセットはチャンピオンズリーグが視聴できるようになっていた(以前は別料金)。
基本的にセリエとプレミさえみられればそれでOKなのだけれど、CLが観られるのであればそれにこしたことはない。いまの時期だとリーグ戦はもう終盤に近づいているし、逆にCLはこれからが佳境だもんね。 -- さて。そんなこんなで、ひっさびさに観たミランちゃんですが・・・
CLではセルティックに辛勝して、なんとか先へ駒を進めました。(かたやインテルは、バレンシアに惜敗)
ところが。国内に戻ってインテルとミラノダービー戦ったら、また負けましてん、ミラン。今季ダービー、ふたつとも負け…。 まあ、今季のミラノのヨレッぷりは聞いてはおりましたけれども。(かたやインテルは、連勝街道まっしぐら)
そのうえミランには、すっごい助っ人が途中加入!その名もブラジル大五郎、 って、いったいどういう買い物をしてるんですかッ!いったいナンボ払ったんですかッ!
しばらく離れていたせいもあるけれど、なーんかぱっとしない、不安定な状態でピッチを眺めております。
むー
本日の“これだけは”: それでも、カカは妖精だったわ!(CL一回戦2nd leg)
気がつくと芽を出していて、ちょっと目をはなした隙に、こんなことになってました。
ミニ水仙と、ムスカリ。
どうして、こんな曇天の日に都庁の展望室へなんか上ったのか。見よ、この憂鬱な眺め。まるですでに滅亡したあとの帝都、人のいない廃墟のようだ。
むかし、ノートルダム大聖堂のてっぺんから、石のキマイラと共に眺めたパリの町並みとはずいぶん違うな。 -- 曇天を見飽きた後は、神楽坂で焼肉。 わが行動に一貫性、まるでなし。
本日のテーマは「やっぱり焼肉はロースだろう!」。 で、結論はやっぱり、焼肉はロースだ!間違いない!、と。
神楽坂の町中には、おりしも放映中のドラマ『前略父上様』の大きなポスターが何枚も貼られておりました。
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