週末、ルンバはアスファルトで転んで、腕にすり傷をつくった。いまはもう治りかけているが、かさぶたがあるので気になるらしい。
夜、夫からかかってきた電話に出たルンバ、 「ルンバくんね、オニにガオーッってやられたの。いたかったの」 と話しだした。どうやらルンバのなかでは、このキズは鬼にやられたことになっているらしい。 そしておもむろに受話器をキズにあて、 「パパ、みてみて! ルンバくん、いたかったの」。
受話器をあてれば、相手に見えると思っているらしいのだった。 子どもの発想って、つくづく面白いなあ。
このごろルンバがお気に入りの遊び。一人指遊びである。
いつも何やらゴチャゴチャとひとりごとを言い続けているルンバ、最近よく聞いてみると、寸劇仕立てである上に、保育園のお友達が登場しているのだ。
自分の指を1本ずつ差し、 「これはRくん、これはYくん、これはKくん、これはIくん、これはSちゃん、これはルンバくん」 とそれぞれの指に役を振り分ける。 そうして何やら皆に話をさせながら遊んでいるのである。
ご飯の時にも、指はお友達に変身する。 パンを食べながら例のごとく指に配役をし、 「Rくん、たべて」「おいし~」「はんぶんこ!」 などと言いながらモグモグ食べているのだ。
子どもの考えることってかわいい。何もオモチャを使わなくても、上手に遊ぶものだなあと感心しきりの私なのだった。
ルンバを見ていると、夏が間近にせまっていることを痛感させられる。なぜなら彼は、夏を先取りするからだ。その寝相と虫刺されで。
まず、寝相。 気温の上昇とともに、寝ている時のルンバの移動範囲が少しずつ広がっていく。冬の間はおとなしく布団にくるまって寝ていたのに、少しずつ布団から飛び出すようになり、ゴロゴロゴロゴロ寝室中を転がり始める。そうして私と夫は感じるのだ。ああ、もうすぐ夏だなと。
そして虫刺され。 ルンバはとにかく虫に刺されやすいんである。そして、すぐに腫れる。夏の間の彼の肌は、本当に悲惨な状況だ。どうやって虫刺されを回避するかは、毎夏の悩みの種である。 しばらくは平穏な暮らしをしていたが、今年もルンバが蚊に刺され始めた。まだ5月だというのに。さあ、今年も、蚊とのあくなきバトルの始まりだ。頭が痛いものである。
祖父母と一緒に、親戚宅に泊まりにいった。ルンバのはとこに当たる年長さんの男の子もやってきたのだけれど、この男の子、ものすごい電車好き。親戚宅では子どもたちのために、プラレールをたくさん出して待っていてくれた。
わが家にはプラレールはない。初めてそんなに大量のプラレールを目にしたルンバは、大興奮。夢中になって遊びだした。ごはんにも見向きもしない。ちょっと食べるとすぐプラレール。はとこのお兄ちゃんにわがままばかり言って、線路を作ってもらったり、自分の好きなように電車を走らせてもらったり。お兄ちゃんも思い通りにならなくて、さぞイライラしただろうに、根気よくルンバの相手をしてくれた。
そうやって昼食をろくに食べなかったルンバ、夕食は食べるだろうと思いきや、こちらもろくに食べようとせず、すぐにプラレールのところに戻ってしまった。このままでは夜も寝ない勢いだ。それでは困るので、おじいちゃんとお風呂に入った後にはプラレールの部屋を真っ暗にし、 「もうこの部屋にはおばけが出るから、明日にならなきゃ遊べないよ」 と言い聞かせると、なんとかルンバの暴走は止まったのだった。
で、その夜。 あまりに興奮しすぎたせいか、少し部屋が暑かったためか、珍しくルンバが夜泣きをした。 水を1杯一気飲みすると落ち着いて眠ったのだが、しばらくしてルンバがまた寝ぼけて叫びだした。曰く、 「いやなの、ルンバくん、どはん(ごはん)たべないの! しんかんせんであそぶの!!」
…なんてハッキリした寝言なんでしょう。
よっぽどプラレールが楽しかったに違いない。でも、あんなに夢中になって毎日そればかりやられると、狭いわが家は大変なことになるので、わが家ではプラレールは買うまい…と密かに心に決めた母なのであった。電車遊びは保育園で楽しんでおくれ、ルンバ。
保育園から帰宅すると、新しい絵本があるのを見つけたルンバ。すかさず「これ、よんで」と持ってきたので、 「ごはんを食べ終わったら読んであげるね」 と指切りをし、約束してみた。
するとルンバ、おとなしく夕食。しっかりと食べ終えると、 「ごしゃま!(ごちそうさま)」 「いっぱいになっちゃった(おなかが)」 と言って自分のイスからおりる。
そして私の膝に乗ってきて、新しい絵本を手に「よんで」と催促し始めたのだった。
私との約束の内容をきちんと理解し、覚えていたらしい。大きな成長を見た気がして、少しびっくりしてしまった。約束通り絵本を読んであげると、とても嬉しそうにしていたルンバなのだった。
2003年05月22日(木) |
オムツはいつ外れるか?(19) |
ルンバとお風呂に入っていた時のこと。湯舟につかっていたルンバが、突然、 「あっ、おしっこ、でる!」 と悲痛な表情で叫んだ。
あわてて湯舟から出してやると、自分でドアを開け、 「もうすぐ かえってくるから、ちょっとまっててね~」 と言いながら、トイレに走っていった。
そしてトイレから 「でたよ~!」 の声。すっきりした表情で、 「ただいまー」 とお風呂に帰ってきたルンバ。
きっと以前だったらそのまましてしまっていただろうに、ちゃんと尿意を申告してトイレに向かうとは、ずいぶんと成長したものだ。相変わらず亀の歩みのトイレトレだが、ルンバペースでゆっくりと進行中なのである。
2003年05月21日(水) |
絵に描いたような2歳児 |
昨日の朝、保育園に行く途中、 「おさんぽ、いきたいの」 とつぶやいていたルンバ。 雨が降るのは夕方からとの予報だったので、 「じゃあ、先生にお散歩行きたいってお願いしてごらん。きっと連れて行ってくれるよ」 と言い聞かせていた。
ところが。私が保育園を出る時にはご機嫌で、姿が見えなくなるまで両手を振り、ぴょんぴょん飛び跳ねながら、「バイバーイ」と盛大なお見送りをしてくれていたというのに、その後、「お散歩に行こう」と誘われると「いかない!」と言って拒み続けたらしい。 結局、「いかない」と言い続けたルンバとKくんだけは園に残り、園庭で遊んでいたのだとか。
連絡帳でそれを知って、驚いてしまった。しかもルンバ、いざ皆が散歩に行ってしまったことに気づくと、 「あーーー! おさんぽ、いくのー!」 と猛烈に怒り出したというのだ。しかし時すでに遅し。もう追いかけてはいけないことを知り、ものすごく怒ったらしいが、怒るだけ怒るとすっきりして、Kくんと一緒にニコニコ遊び始めたとのこと。
さて、今朝。久々にカラッと晴れて、お散歩日和となった。登園すると担任の先生が、 「ルンバくん、おはよう! 今日こそはお散歩に行こうね」。 なのにルンバは、 「ぶろっく、するの」 と一向に外に出ようとしない。 あちゃーと思いつつ、先生に 「昨日はお散歩に行かなかったそうで、すみません」 と言うと、 「いえ、いいんですよ。昨日学習したから、今日はきっと行きますよ」 とニッコリ答えてくれる。申し訳なさそうにしている私の様子を見て、先生はさらに続けた。
「お母さん、最初からそんな聞き分けのよい、お行儀のよい子でなくてもいいんですよ。少しずつ学んでいけばいいんですから」 「ルンバくんは、絵に描いたような、保育士の教科書で“2歳とはこんな子ども”と出てくるそのままの子だねって、よく話すんです。でも、最初はこちらの話を全然聞いていなかったのが、今はジッと顔を見ながら一生懸命聞いているし、少しずつ学びながら、どんどん成長していますよ。きっと3歳になるころには、“あのルンバくんが、こんなにお兄ちゃんになった”って言われるくらいに変わっていますよ」
……なんだかすごく安心してしまった。 親としては先生や周囲の人たちに迷惑をかけることを気にするあまり、子どもに対して最初から「大人にとっての良い子」であることを求めがちだけれど、「最初からそんな風である必要はない」と言われて、スーッと肩の力が抜けた。子どもなりの発育の過程を大事にしながら、少しずつ社会性を身につけさせてあげればいい。そんな風に先生に接してもらえて、ルンバも私も幸せだなと思う。 私もルンバには大らかな心で接してあげたい、とつくづく思った朝でした。
今日は雨。保育園まで少々遠いわが家、雨が降るとベビーカーでの登降園となる。
ルンバ現在2歳7カ月。もう相当大きいので、ベビーカーに乗れるギリギリの年齢だとは思うが、妊婦である自分の負担も考えると、途中で抱っこをせがまれることがわかっていながらベビーカーなしで保育園に向かう気には、まだなれない。
さて、お迎えの時間になると、雨は止んでいた。が、今日はベビーカーを園に置かせてもらっていたので、帰りも乗っていかなければならない。いつもはおとなしく乗っているルンバだが、雨が止んでいたことで、気分が変わったらしい。全道のりの3分の1ほど行ったところで、 「ルンバくん、じぶんで あるくの」 と言い出した。
どうにも気が治まらなさそうだったので、ベビーカーから下ろしてやると、嬉しそうに歩き始めた。時には走り出したりしながら、ズンズン歩く。いつもなら、すぐに甘えて「だっこ!」となるのに、そんな気配はみじんもない。
狭い道を通る時などは乗せたかったのだけれど、頑として歩くと言って聞かず、ついに家まで歩き通してしまった。これには本当に驚いた。道のりにして、1キロ強くらいだろうか。大人の足で15~20分かかる距離だ。こんなに続けてサクサクと歩く姿を見るのは、初めてのことだ。今日は1日雨だったから、動きたくて仕方なかったのだろうか。
しかし、本日の降園所要時間は40~50分。仮にルンバが家から園まで全部を歩いたとしても、この分だとやはり1時間はかかるだろう。ちょうどいい交通機関もないので、困ったものだ。
たくさん歩いたルンバはお腹が空いていたようで、夕食はご飯のお代わりをするほどだった。お疲れさま、ルンバ。
今日は夕方、2歳クラスに進級して初めての保護者会があった。ルンバの園は年2回、5月と2月に、クラスごとに保護者会が開催されるのである。
平日の午後4時15分からなので、会社勤めしている人は時間のやりくりが大変なのだろう。必ずしも全員出席というわけではない。私が15分ギリギリにあわてて会場の教室に駆け込むと、なんと一番乗りで驚いてしまった。
さて、保護者会といっても、今回は先生たちの配慮もあって、堅苦しい感じではなく、比較的ざっくばらんなものだった。まずは「2歳の特徴」をざっと説明。さらには、普段の子どもたちの様子を、先生たちが寸劇を上演して見せてくれた。
この寸劇、なかなかの熱演で、「そうそう、うちの子、まさにそんな感じ!」と観客であるお母さんたちの笑いを誘っていた。たとえば、なんでも「じぶんで!」やろうとして結局できず、かんしゃくを起こして、「やって!」と助けを求め、ようやくできて満足そうにしている姿。たとえば、自分が作った積み木を置いておいて、ほかの玩具で遊んでいたら、誰も使っていないからとほかの子どもがその積み木を崩してしまい、「○○ちゃんのなのに!」と怒りだす子どもの姿。つい笑って見てしまいながらも、内心では、そうそう、それに困っているのよねえと頭を悩ませているような題材ばかりだった。
特にわが家ではルンバの「じぶんでやるの!」に振り回されているところで、なるべくやらせてあげなきゃいけないのは頭ではわかっているんだけれど、時間のない朝などは焦ってしまい、葛藤があったのだが、保護者会で先生が言ったこんな言葉が胸に響いた。
「2歳というのは、なんでも自分でやりたがるけれど、うまくできなくて、一つひとつのことをやるのにとっても時間がかかる。すごくムダが多い年齢なんですが、でも、そのムダは大切なムダなんです」
「大切なムダ」。本当にその通りだ。つい大人が手出ししたくなってしまうけれど、それじゃいつまで経っても自分でできるようにならない。このごろはルンバも環境の変化にようやく慣れて、保育園に行く時の機嫌も良くなり、それに伴って寝起きも再び良くなってきたけれど、まだまだ支度に時間がかかる。なるべくゆとりを持って接してあげるためにも、朝は早起きをするようにしてあげないといけないなあ。
そんな感じでフリートーク中心の約1時間半。先生たちの望む活発な論議にはならなかったかも知れないけれど、私にとっては有効な時間だった。
ついこの間まで、ルンバは「くまさん」を「ぷかしゃん」としか言えなかった。何度「くまさんだよ」と言っても、返ってくるのは「ぷかしゃん」。それが突然、「くまさん」とキレイに発音できるようになった。
おお! と驚いていると、 「くませんせい、いっぱい」 と謎なことを言う。「くませんせい」とは、保育園の担任の一人だ。もちろん、そう呼ばれている先生は園には一人しかいない。なぜいっぱい? 疑問に思っていたら、昨日保育園に行ってみて理由がわかった。
お迎えに行くと、昨年から持ち上がりで担任をしてくれている先生がやってきて、私に話しかけて来たのである。 「私、去年からルンバくんにお供させていただいているんですけど、なぜだかルンバくん、先生のこと全部“くませんせい”と呼ぶようになってしまって…。私も“くませんせい”って呼ばれちゃうんですよ~」
そう、この先生は「くま先生」ではない。
なぜだかルンバ、先生は全員「くま先生」だと思ってしまったらしいのだ。おいおい、先生は全員名前が違うんだよ。お友だちだって皆、名前が違うだろう。
今日は先生たちが一生懸命、自分の名前をアピールしたようで、少しずつ、「3人いる担任の先生は皆、名前が違う」ということがわかってはきた様子だが、まだ混乱しているらしい。お友だち一人ひとりの名前は覚えているのだから、恐らくそう時間はかからないと思うが…。先生、あともう少し、がまんしてやってください。
2003年05月13日(火) |
身体測定/ルンバ語録 |
身体測定がありました。ルンバ2歳7カ月。 身長:90.0cm/体重:13.9kg 身長がついに90cmの大台に!体重も最高記録を更新だ。
最近のルンバはものすごい勢いで言葉を覚えており、記録をつけるどころではない。新しい言い回しもどんどん覚えて、会話が成り立つようになってきている。子どもの成長って本当にすごい。
そんな状態だが、いくつかお気に入りのルンバ語があるので記録。
はかまんぼ:「はだかんぼ」。自分で服を脱いだ後、うれしそうに言う。 ちゅもちー:「気持ちいい」。お風呂上がりに身体を自分で拭きながら、「ママ、ちゅもちーかったね」と言う。
このごろは発音もずいぶんしっかりしてきて、たとえば「いただきます」なんてちゃんと言えるようになったのだが、上記のような幼児語もまだまだ健在。このたどたどしさが、なんとも言えずカワイイのである。
2003年05月10日(土) |
裏天王山/オムツはいつ外れるか?(18) |
こりもせず、またまた行って来ましたサッカー観戦。今回のカードは東京ヴェルディ1969対清水エスパルス。会場は味スタこと味の素スタジアム。現時点での最下位vs下から2位の対決という、裏天王山である。
さて、今回ルンバのお楽しみを兼ねて、往路では路面電車を利用してみた。予想通り大喜びのルンバ、電車を降りる時に 「うんてんしゅさん、ありがとう!」 と元気良く叫んだので、びっくりしてしまった。そんな風に言うなんて、教えたこともないのに。
その路面電車に乗る際、ホームのベンチにルンバのバッグを忘れてくるというポカを(私が)やらかしつつ、夫がすぐに引き返して取りに行って事なきを得(ごめんなさい)、試合開始ギリギリに会場にたどり着いた我々一家。さすが裏天王山、清水にとってはアウェーの試合とはいえ、ゴール裏は結構席が埋まっていた。
エムボマ(東京ヴェルディのFW/カメルーン代表)は本調子ではないとはいえ、やはり怖い存在だった。試合内容も決して良くはなかったけれど、なんとか勝利! 生観戦で勝利を見ることができたのは、一体いつ以来だろうか。うう、泣ける~。
そんな嬉しい試合の最中、ルンバも快挙を成し遂げた。ハーフタイムにトイレに行こうと誘うと、素直についてきた彼。オムツを脱がせてみたら、まったく濡れていない。最後にオムツを替えてから、かれこれ5時間近く経っているはず。その間、まったくおしっこをしていないということだ!
驚いていると、ルンバは洋式便器に近寄り、 「ルンバくん、チーするの」 と言いながら、大量のおしっこをした。5時間ぶりだもの、そりゃそうだ。
さらに驚いたのは、立ってしたことだった。踏み台がなくても洋式便器にかろうじて届く程度の身長になったルンバは、最近気が向くと家でもたまに立ったままするというワザを披露していたのだが、外出先でも何食わぬ顔でそのワザをくり出すとは。母は驚くやら、感動するやら。
どうやら、「外ではおしっこをしない」という習慣が、なんとなく身についてきているらしい。そう熱心にトイレトレをしていなくても、子どもはどんどん成長していくんだなあと感心しきりの私なのだった。
保育園から帰宅し、自転車置き場に行くと、同じマンションの奥さんがいた。中学生のお子さんがいる人で、40代くらいだろうか。
「こんばんは」 と挨拶をしていると、ルンバが 「おねえさん?」 と私に聞いてきた。このおべっか使いめと、本人にその自覚がないながら思っていると、返事がない様子を見て今度はルンバ、 「おばあさん?」 と聞いてきた。
そ、そんな両極端な二者択一をさせないでくれ!
結局、奥さんが笑いながら 「うーん、お姉さんじゃないから、おばあさんに近いかも」 なんて言ってくれたのだけれど、私は恥ずかしいやらバツが悪いやら…。
ルンバの辞書にはまだ「おばさん」という言葉がないんである。女の人は「おねえさん」か「おばあさん」であり、その区別もよくわかっていないのだ。それにしても、その場で私に確認するのは、やめてほしいものである。
今朝も保育園の門のところで 「しぇんしぇー、やなの」 と言い出したルンバ。また泣かれるかと危惧しつつ、抱っこしながら園庭に足を踏み入れた。
園庭には1歳クラス時の担任の先生がいた。先生が 「ルンバくん、おはよう!」 と声をかけると、ルンバは私の胸に顔を埋めて隠れてしまった。その様子を見た先生、 「あれれ? ルンバくん、お顔が見えないぞ~」 とルンバの頬をつつく。ついニヤッとしながら顔を上げてしまうルンバ。そしてもう一人、今の担任の先生の姿を園庭に見つけ、 「あっ、しぇんしぇー!」。 「ルンバくーん、おはよう~!」 と言われてにっこり。 どうやら機嫌が直ったようだ。
教室に行くと、クラスメートのKくんがトイレから出てきたところだった。靴を脱がせながら、ルンバに 「Kくんに、おはようって言っておいで」 と言うと、ルンバが 「おはよ~!」 と言いながらニコニコとKくんと先生のところに駆け寄っていくではないか!
1歳クラスの時には毎日元気よく「おはよ~!」と言いながら教室に駆け込んでいたルンバだけれど、進級してからというもの、朝は不機嫌が続いていたので、ろくに挨拶もしなくなっていた。こんなにこやかな朝は久しぶりだ。うれしい。
着替えや連絡帳を所定の位置にセッティングし、外に行きたがっているルンバを、 「だんご虫を探しに行く人は、トイレに行ってからにしようか」 と誘ってみた。今日は出かける前にトイレに行こうとしなかったので、そろそろ出るはずなのだ。 最初は「ヤ!」と言っていたルンバだけれど、急に気が変わり、 「ルンバくん、トイレいくの」 と言い出した。この機を逃してなるものか!と慌ててトイレに連れて行く。ルンバは自分からズボンとパンツを脱いで、ちゃんとトイレに行けた!
朝の保育園でこんなに素直なルンバを見るのは、本当に久しぶりだ。感動だ。
トイレから出てくると、3人目の担任の先生がやってきた。ルンバは先生を指差して、 「あっ、こっちもしぇんしぇー!」 と言いながらトコトコ歩み寄り、むぎゅーと抱きついた。
その様子を見て、またもやホッ。このごろよく 「しぇんしぇー やだ」 とか言うので、新しい先生になかなか慣れないのか、もしや本当に先生が嫌なのかな…とちょっと心配になっていたのだった。なんだ、イヤイヤ言ってはいるものの、ちゃーんと甘えているんじゃないか。どうやら本当に先生が嫌だということはなさそうだ。
その後ルンバは帽子と靴を自分で取り出し、Kくんと一緒に外に飛び出していって、だんご虫探し。私が出かける時にはすでに夢中になっていて、「いってきます」と声をかけても軽く「バイバイ」と流されてしまったのだった。
ルンバ、ようやく調子を取り戻してきたか?! この調子でがんばれ!
2歳児の特徴の一つに、なんでも自分でやりたがる、というのがある。やりたがるけど上手くできなくてかんしゃくを起こす、そんなやっかいなお年頃。それが2歳児なのだそうだ。
さて、ルンバ。以前から少しずつそんな傾向が見えてきてはいたが、ここに来て「自分でやる!」の主張がいっそう激しくなってきた。
時間のなくて焦っていた今朝、着替えを手伝ったら大激怒。大泣きしながら家を出発、その後ずーっと「ルンバくん、じぶんでやるの!」と泣き続け、保育園の手前でゴミ収集車を見つけて、「しゅーしゅーしゃ!」とようやく機嫌直してくれた。その怒りようたるや、ものすごいものだった。
「ルンバくんの場合、無理に手伝うと、よけいに長引くような…」 とは、その話を聞いた保育士さんのお言葉。まったくもってその通り。自分でやらせても上手くはできないので時間がかかるのだが、手伝うと怒って抵抗するので、結局倍は時間がかかるのだ。時間がないとこちらもイライラしてしまうから、なるべく余裕を持って支度をさせるためにも、もう少し早起きしないとダメだなあ。
* * * * *
今日は保育園で子どもの日の集いがあったのだそう。お菓子がチラホラ見えていたために、ルンバはやる気満々だったのだとか。
食後、着替えをするのが嫌で、「ヤダ!」と拒否していたらしいが、先生がほかの子たちの名前を呼んでお昼寝場所のホールに行こうとすると、 「ルンバくんもおなまえ…」。 「お着替えしてからだよね」 と言われると、すんなり着替え、終わると教室に座って、 「ルンバくんも、おなまえ…」 と呼んでもらえるのを待っていたのだそうだ。 皆が呼ばれると、自分も呼んでほしいルンバなのである。
さて、またまた行って来ましたサッカー観戦。今回は埼玉スタジアムにて浦和レッズ対清水エスパルスの試合。
ゴールデンウィークかつレッズ戦という、チケットが売れる要素が2つガッチリ重なっていたというのにうかうかしていたら、自由席が売り切れてしまったので、今回は指定席で観戦することに。
実は私、指定席は初めて。いつも安い席で見ているので、上層階までエスカレーターで楽々昇れるという指定席までの道のりに感動を覚えつつ、席にたどり着いた。
指定席の中では一番アウェー寄りの席とはいえ、周囲はレッズサポが多い。そんなわけで一応持参していたメガホンをバッグにしまったまま、まったりと観戦しようかと思っていたら、エスパルスの応援が始まったのを聞いたルンバが、メガホンを出せと騒ぎだした。 「ルンバくんも、オレオレするの!」 そう言う息子にメガホンを渡してやると、 「ママも!」 と怒られてしまった。わが家で一番応援熱心なのは、ルンバかも知れない。
この日、埼玉スタジアムにはMr.ピッチという、芝を模した何ともシュールなキャラクターの着ぐるみが現れた。まるで食器洗いのスポンジみたいなキャラクターなのだが、ルンバのツボには、はまったらしい。 「パッチュ! パッチュ!(ピッチと言っているつもり)」 と大喜びしていた。
さて、肝心要の試合のほうは…。またもや語りたくない結果になってしまった。そんなことがわかっていたのかどうなのか、翌日保育園で先生に 「ルンバくん、昨日サッカー見に行ったの?」 と聞かれると、ルンバは眉間にしわをよせながら、ものすごく悲しそうに、 「ざんねんだったの、ざんねんだったの。きっく! ごーる! ってされちゃったの」 と言っていたのだとか。 その後しばらく、「エスパルス」の言葉に条件反射のように 「ざんねんだったの!」 と答えるようになってしまった彼なのであった。
わが家のチャンネル権は、これまで夫が持っていることが多かった。彼はとにかくザッピングする人で、一つのチャンネルを落ち着いて見せてくれない。私はクルクル変えられるのが嫌いなので、その様子を見ていつもイライラしてしまう。
ところが最近、夫のチャンネル権を奪う人物が現れた。言うまでもなく、ルンバである。
ルンバの前で勝手にチャンネルを変えようものなら、烈火のごとく怒るのだ。それも、教育テレビなどの幼児番組やアニメに限ったことではない。彼は、その時自分の目に留まった画面を勝手に切り替えられることを、とにかく嫌がるのである。
例えば、幼児番組が終わり、太極拳とか俳句とか囲碁とか、おおよそルンバが興味を持たなそうな番組が始まったとする。これは見ないだろう(私も見ない)とチャンネルを切り替えると、もうダメだ。 「だめ! ルンバくん、みてたの!」 と言って、元のチャンネルに戻すまで許してくれない。なんでだ。
そんなわけで、ルンバと一緒にいる時にはガッチリとチャンネル権を握られてしまう今日このごろ。ザッピングは嫌いな私だけれど、要所要所ではチャンネルを変えたいものなのに。夫にせよルンバにせよ、私にチャンネル権をくれることは少ない。なんでこんなに立場が弱いのでしょうか、私は。
GW後半1日目(と言っても前半などない!という感じだったが)は、お台場に遊びに行った。食いしん坊夫婦のお目当てはリトル香港。ところがルンバ、一歩でも建物の中に入ると怒る、怒る。今日はとってもいい天気、どうやら外を満喫したい気分になってしまったようなのだ。
しばらく外にいればおさまるだろうかと、少し散歩をしたけれど、ルンバの気は一向におさまらない。どうしても建物の中には入りたくないみたいだ。そうは言ってもお腹ペコペコの食いしん坊夫婦。仕方がないので台場一丁目商店街でラーメンやカレーライスをテイクアウトして、外のデッキでようやく食事。かなり空腹だったので、それはそれで美味しかったけれど、リトル香港で食事できなくて残念無念。
こうなったら、とことん外で遊ばせてやろうじゃないかと、お台場海浜公園へ。夏日だったので、大勢の子どもたちが波打ち際でバシャバシャと水遊びをしていた。そんな光景を見て、ルンバが黙っていられるわけがない。
「うみ、見る?」 と私たちを誘い、トコトコと海に向かって歩き出す。そして当然、海に入りたいとアピール。 着替えを持って来ていなかったので、オムツ一丁になったルンバ、夫と一緒に嬉しそうに海に入っていった。
寄せては引く波とたわむれながら、ルンバはとっても楽しそうだ。キャーキャー言いながら盛り上がり、手で水面を打ち、駆け回って水しぶきをあげる。そのうちオムツの高分子吸収体がその能力を存分に発揮してしまい、とてつもなく重くなったのに気がつくと、 「おむつ、やなの」 と言って脱いでしまった。やれやれ、フルチンである。この野生児め。
身軽になったルンバ、調子に乗ってさらに海の中を駆け回っていたら、ふとした拍子に転んでしまい、顔が海の中にザブンと潜った。そばにいた夫がすぐに抱き起こしたので、特になんともなかったのだけれど、とにかく驚いたらしい(そりゃそうだ)。
「ママー、ルンバくん、バシャンってなっちゃったの。ぶっくりしちゃったの」 と慌てて報告しにやってきた。
もう十分に遊んだのでそこで切り上げて、体を洗い、服を着せたのだが、海の中で転んだ出来事がよほど衝撃的だったらしい。その後も何度も 「ルンバくん、バシャンってなっちゃったの。ぶっくりしちゃったの」 のセリフをくり返し、数日後まで、家で再現芝居を見せてくれたのだった。
お風呂で湯舟につかる時、たまに数を数えてあげていた。ルンバは何となくそれを覚えたらしい。あちこちに上げられている鯉のぼりを見て、数を数え始めた。
「にー、さーん、ごー、ろーく、なーな、はーち、きゅー、じゅー…」 大体合っているけれど、1と4がない。
「いーち、にー、さん、よん、だよ」 と間違いを指摘すると、怒るルンバ。
「ちがう!」 と言いつつ、またもや 「にー、さーん、ごー…」。
間違いに気づくのは、いつの日になることやら。
ちなみにルンバは鯉のぼりをうまく発音できず、「とーぼり」と呼んでいるのであった。
サッカーU―22代表がミャンマーと対戦した五輪アジア2次予選のテレビ放映を見ていたら、ルンバが自分のサッカーボールを出してきて、 「キック! キック!」 と言いながらボールを蹴り始めた。どうやら自分も一緒になって試合をしているつもりらしい。
サッカーの試合には応援がつきものだということを、度重なるサッカー生観戦で刷り込まれているルンバ。自分がやっている時に応援がないのは我慢ならないのか、私に応援を催促し始めた。
「えしゅぱるしゅ、ばんがれ(がんばれ)って言って!」
彼にとってサッカー=エスパルスなのだ。完璧なまでの刷り込み、親の思惑通りである。この試合は代表戦であって、エスパルスの試合ではないなどという理屈は、彼にはまだ通用しない。
結局、試合とともにルンバがサッカーボールを蹴っている間中、なぜだか私は 「エスパルスがんばれ~」 とルンバを応援することを強要されたのだった。
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