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2007年07月16日(月) JY: クラブ選手権 東海大会 ジュビロ磐田戦+ジュビロ沼津戦

ジュニアユース:
07年07月16日 (月) 10:00開始 トヨタスポーツセンター サッカー場
 第22回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 東海大会 準決勝
 対 ヤマハジュビロ磐田 ※30分ハーフ
 天候: 晴れ

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−村上−−石原−−田代−−−−
−−−−−−柴原−−松田−−−−−−
−−−−−−−−遠藤−−−−−−−−

−−−−−−塚田−−柳生−−−−−−
−−−−太田− 鈴木凱 − 南 −−−−
−−−−−−−−森下−−−−−−−−
−−望月−−西尾−−金原− 鈴木辰 −
−−−−−−− 長谷川 −−−−−−−
ヤマハジュビロ磐田

 02分、清水、柴原の右CK。速いボールを蹴り込むとニアのDFがクリア、しきれず後ろに逸らしてしまい、DFの裏で跳んでいた遠藤の頭を直撃。反射して上手い具合に枠内に向かうが、GK長谷川が何とか反応、掻き落とす。だが落とした先は、PA内ニアの片井。体を強引に捻ってファーへ流すと、そこに通れば松田がガラ空きのゴールに押し込むだけ。1−0

ヤマハ磐田     清水エスパルスジュニアユース
4(3) シュート 12(5) ×村上、○遠藤、◎松田、○柴原、○石原、×柴原、×田代、×田代、×柴原、○柴原
               ×柴原、×柴原
2(1) 右クロス 3(0) ×柴原、×深澤、×柴原
0(0) 左クロス 4(1) ×松田、○石原、×片井、×松田
0(0) 右側CK 1(0) ×柴原
0(0) 左側CK 0(0)
2(−)  犯OS  1(−) ・柴原
4(1) ファウル 3(1) ・遠藤、・片井、×田代

[後半]
清水エスパルスジュニアユース (37〜58分)
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−村上−−石原−−田代−−−−
−−−−−−坂口−−影山−−−−−−
−−−−−−−−柴原−−−−−−−−

−−−−−−柳生−−若松−−−−−−
−−−−後安− 鈴木凱 −渡邉−−−−
−−−−−−−−森下−−−−−−−−
−−望月−−西尾−−金原− 鈴木辰 −
−−−−−−− 長谷川 −−−−−−−
ヤマハジュビロ磐田 (47分〜)

 30分、磐田、交代: 南→若松 (太田RH、塚田LH、若松FW)
 31分、清水、MF石原が中盤から20M級のスルーパスを、緩いロビングでPA内左に送る。これに左サイドにいたFW柴原が反応、DFに挟まれながらも飛び出しつつ、先に触れてリフティングでPA内中央に持ち出し。一瞬の加速で得た半身の余裕に、体を素早く回転させ、バウンドするボールを痛烈にゴール左へ蹴り込む。GK長谷川、反応したが反応しただけ。シュートは角度こそ変わるが、腕を弾いてゴールに押し込まれた。2−0
 37分、清水、交代: 松田→影山、遠藤→坂口
 40分、磐田、交代: 太田→渡邉
 41分、磐田、下がって受けたFW若松が狙い澄ました25Mシュートを放つも、GK井出がゴール左下隅から見事に掻き出し、CKに逃げる。鈴木凱の左CK、PA内中央ゴールエリアの外に高いボールを蹴り上げると、下がりながら合わせた西尾のヘッド。威力が落ちたのが幸いし、ループ気味になってGK井出の腕を越え、ゴール右に吸い込まれた。2−1

 47分、磐田、交代: 塚田→後安
 51分、清水、警告: 柴原
 55分、清水、自陣左サイドに流れながら石原がパスをカット、すぐに前の柴原に縦パスを送る。柴原がボールを収める間にFW影山が内側から追い越し、柴原もシンプルにそれを使った。飛び出す影山、だが磐田DFも素早く進路を阻み、柴原の囲みを解いたDFも追いつき、横パスのコースを切る。影山の選択は縦を切ったDFの股を抜いてのパス、影山を追い越したのは柴原、方向転換してPA内。最後のDFを横パスで外すと、逆サイドから追い掛けてきたFW坂口が走り込み、フリーで強烈なシュートを叩き込んだ。3−1
 57分、清水、中盤の石原から右サイドへダイアゴナルに展開。そこに坂口が駆け込み、一つ早いタイミングでPAより前に出ているCBの裏を狙い、アーリークロスを送る。中央の柴原、DFに挟まれた状態で走り込むが、最後の3歩で半身振り切って熾烈なボレー。GKの腕を越え、本日4度目のゴール枠直撃。垂直に落下した後、ゴールからこぼれ出てくるが、副審の判定はゴールイン。4−1
 58分、清水、交代: 村上→原、石原→藤田

ヤマハ磐田     清水エスパルスジュニアユース
4(2) シュート 6(4) ◎柴原、×柴原、×片井、◎坂口、◎柴原、○影山
1(0) 右クロス 4(1) ×坂口、×深澤、◎坂口、×原
1(0) 左クロス 0(0)
0(0) 右側CK 2(0) ×柴原、△柴原
1(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) ・遠藤、・坂口
6(1) ファウル 3(0) ・坂口、・柴原、・影山



ジュニアユース:
07年07月16日 (土) 14:00開始 三好町旭グラウンド
 第22回日本クラブユースサッカー選手権 (U-15) 大会 東海大会 決勝
 対 ACNジュビロ沼津 ※30分ハーフ
 天候: 曇り

[前半]
清水エスパルスジュニアユース
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−村上−−石原−−田代−−−−
−−−−−−柴原−−成田−−−−−−
−−−−−−−−遠藤−−−−−−−−

−−−−− 鈴木涼−鈴木航 −−−−−
−−内田−−−−−−−−−−堀江−−
−−−−−−増田−−小針−−−−−−
−−勝又−−佐野−−湯本−−大澤−−
−−−−−−− 久保田 −−−−−−−
ACNジュビロ沼津

 01分、清水、自陣からRB深澤のクサビをFW遠藤が受ける。CB湯本に背後から足を入れるが粘ってキープ、戻すとMF田代が大きく左サイドへダイアゴナルフィード。FW柴原がスペースでもらい、そのまま縦にドリブルしながら左足でクロスを送った。ファーには起点となった田代。走り込むままにランニングボレーをゴールに叩き込み、1−0

ACN沼津     清水エスパルスジュニアユース
4(2) シュート 8(3) ◎田代、○遠藤、×村上、×成田、×成田、×柴原、×成田、○柴原
4(2) 右クロス 1(1) ○田代
1(0) 左クロス 4(3) ◎柴原、○柴原、○成田、×成田
0(0) 右側CK 0(0)
0(0) 左側CK 2(0) ×柴原、×柴原
2(−)  犯OS  0(−)
6(3) ファウル 4(0) ・石原、・成田、・遠藤、・成田

[後半]
清水エスパルスジュニアユース (35〜55分)
−−−−−−−−井出−−−−−−−−
−−深澤−−中原−− 荻 −−片井−−
−−−−坂口−−石原−−田代−−−−
−−−−−−柴原−−成田−−−−−−
−−−−−−−−松田−−−−−−−−

−−−−内田− 鈴木涼 −堀江−−−−
−−−−−−増田− 鈴木航 −−−−−
−−−−−−−−秋本−−−−−−−−
−−勝又−−佐野−−湯本−−大澤−−
−−−−−−− 久保田 −−−−−−−
ACNジュビロ沼津 (47〜55分)

 35分、清水、交代: 村上→坂口、遠藤→松田
 36分、清水、沼津FW鈴木航のミドルが枠に飛ばず、ゴールキック。GK井出の低いボールが一直線に最前線へ、松田はきっちりトラップして足下に収めると、反転しつつボールを右サイド裏のオープンスペースに送る。快速を飛ばすMF坂口がサイドからゴールに向かって独走、20Mほども走るとフリーのまま、PA右角前からドリブルシュート。荒々しいシュートがGK久保田の腕を越えてゴール左側のバーに着弾、そのまま落下してゴールへと飛び込んだ。2−0
 37分、沼津、交代: 鈴木航→秋本 (秋本CH、増田FW)
 47分、沼津、交代: 小針→鈴木航 (4-1-2-3、上記参照)
 55分、清水、交代: 成田→原
 55分、沼津、交代: 鈴木涼→大家
 59分、清水、交代: 石原→藤田

ACN沼津     清水エスパルスジュニアユース
8(7) シュート 6(4) ○遠藤、○成田、◎坂口、×柴原、×柴原、○原
7(1) 右クロス 1(0) ×柴原
4(1) 左クロス 3(0) ×松田、×松田、×成田
0(0) 右側CK 1(1) ○柴原
0(0) 左側CK 1(0) ×柴原
1(−)  犯OS  0(−)
5(1) ファウル 7(0) ・田代、・成田、・田代、・松田、・田代、・石原、・荻

●個人的MVP 石原 崇兆
●個人的MIP 井出 裕也、片井 寛喜

 準決勝で順当に磐田を倒した清水は、今年だけで3度目、さなるカップ・クラブの部も含めれば4度目の沼津との決勝対決へ臨んだ。そして、今年2度のPK戦負けのリベンジを正規の60分間内で達成、エスパルスはここ14年間でクラセン東海10回目の優勝、そして三連覇を成し遂げた (優勝を逃したのは94年の渡辺孝の代以来、98年 [3位・深澤良]、00年 [3位・大瀧]、01年 [3位・赤星/枝村]、04年 [8強・杉山和/滝戸] のみ)。
 清水のシステムは、今年になってから変わらず4-3-3。しかし、今年春に見たものから微調整が行われていた。春の時点では田代がバイタルエリアに君臨して強固な壁となっていたが、この日の田代は「持ち場」がなく、前線にも積極的に絡む。むしろ最前線の遠藤が基準点で、その遠藤を2列目、更に田代ら3列目の選手が次々と追い越し、攻撃に厚みを加えていた。これは柴原・成田といった攻撃のタレントがユースに合流して抜けることが多く、田代の力が攻撃にも必要になったという経緯もあるのだろう。田代の役割変更に伴い、流動性の高まった3列目には、石原・村上といったフィジカルは劣るが賢く、基礎技術の高い選手がスタメンを奪っていた。

 準決勝の磐田戦は開始早々2分、セットプレーからラッキーな形で先制。その後は疲労蓄積のため、岐阜工戦を45分出場に留めた柴原の独壇場。足下から離れないドリブルと一瞬の速さで次々と相手を更に抜き去り、更に「動ける177cm」田代が絡んで7分柴原、8分・12分の田代と3連続ゴールの枠を直撃する。その後も柴原のドリブルは続き、前半だけで1人でシュート6本。守っても殆どボールを支配し、時折自らの集中力の欠如でシュートを許した他は、危なげなかった。後半も開始早々、マークが薄くなった隙に柴原が追加点。だが、37分に遠藤が下がると前線の起点が曖昧になってしまい、ボールを支配し続けられず、41分に1点返されてしまう。しかし、それも50分ほどまで。残り10分を切って磐田の足が止まると、清水の個人技の高さが遺憾なく発揮され、速攻から2点を追加。危なげなく決勝に駒を進めた。
 続く決勝の沼津戦も電光石火、遠藤を起点に田代・柴原の代表コンビが開始1分でゴールを陥落させる。その後も運動量の多い清水が中盤優位に立つが、個人技主体のスタイルのためか、猛暑で2試合目の疲労のせいか、先制して慎重になったためか、フィニッシュがやや強引で、早撃ち気味。一方、中盤の構成に苦しむ沼津は、ロングボールからのセカンドボールを、CHの増田までが前に出て必死に拾い、なんとか形にしていた。後半になって6分、途中交代の松田の素晴らしいポストプレーから、大きな2点目。が、その後は162cmの松田が前線でキープするには苦しく、彼をサポートする動きも少なく、何よりもなりふり構わず前線の人数を増やした沼津の圧力に押され、守勢に回る。引いた清水はしかし、PA内の攻防によく体を張り、GK井出が確実なキャッチングで攻撃を切って、無失点のまま逃げ切った。

 個人的MVPは、柴原・田代・井出といった「エリート組」と共に、大会優秀選手に選出された石原。162cmと小さく、今までは圧倒的な個人能力を誇る周囲に隠れがちだった石原だが、流動的なシステムに活かされてセンスの良さを発揮。バランスを考えて空いたスペースに動くことで、攻めては味方のパスの選択肢を増やし、守っては危険なスペースを事前に消していた。パスを受けてからの展開力も高い。ただセンスだけではなく、スペースに動き続ける運動量と、パスを受けてから足下でキープできるテクニックも忘れてはならない。昨年の荒井のように、チーム戦術の鍵となりそうだ。
 井出は技術の高いキャッチングを披露。彼は手だけでボールを止めることがなく、常に体重を適切に移動し、体全体をボールに近づけてから両手で確実に掴みにいっている。そしてそれは、突っ込んでくる相手選手に臆することなく、体からボールに向かっていくからできることなのだ。もう一人の個人的MIP、片井は人に対する強さを見せた。体幹が頑健で、姿勢も良いため、ボールと相手の間に自分の体を入れればビクともしない。増田や鈴木凱といった代表選手のドリブルにも、そうした守備で十分以上に対抗していた。空中戦にも強く、常に計算できる選手だ。



2007年07月14日(土) プリンス東海 岐阜工業高校戦

07年07月14日 (土) 13:45開始 岐阜メモリアルセンター 長良川球技メドウ
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2007
 対 県立 岐阜工業高等学校 ※45分ハーフ
 天候: 雨

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:柴田、山崎、小澤、望月恭、曽根、青木、柴原、鍋田亜、池上
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月卓 −滝戸− 鍋田圭 −江守−−
−−−−− 佐野諒 −深澤−−−−−−
− 佐野孝 −−−−−−−−−杉山−−
−−−−−−藤牧−−前田−−−−−−

−−−−−−−−田中−−−−−−−−
−−尾藤−−山本−−久野−−杉山−−
−−−−−−−−益山−−−−−−−−
−−古田−−栗田−−松井−−北野−−
−−−−−−−−吉村−−−−−−−−
県立 岐阜工業高等学校

 36分、岐阜、FW前田のPA内突破を防ぎ、ゴールキックでリスタート。中盤が開いた状態で素早く蹴り出し、ボールは一気に清水陣内右に開いたRH杉山の元へ。杉山は中央に短く繋ぎ、パスを受けたOH久野がドリブルを仕掛けると、ぬかるみに足を取られたか、CB鍋田圭は距離を詰められない。その隙に鍋田圭の裏、PA中央を割る緩いスルーパスを送り、FW田中が飛び出す。が、マークしていたCB滝戸が泥で体勢を崩す。1対1になった田中が左足ダイレクトで綺麗にコントロール、ゴール左へ流し込んだ。0−1
 44分、岐阜、DH益山が左サイドに散らしたパスをLH尾藤が足下で受け、左外から追い越したLB吉田に繋ぐ。吉田の左クロスにファーの田中がスライディングで跳び込むが、GK長島が至近距離でコースを切り、右CKへ。尾藤のキックは清水DFが跳ね返すが弱く、PA中央手前で田中が拾う。ドリブルで仕掛ける田中は縦を切った佐野諒を嫌い、PA内左へ流れるが、カバーに入った鍋田圭が背中から体を入れてボールを奪う。倒れる田中、判定はPK。正当なタックルに見えたが、或いは抜かれた佐野諒のレイトタックルとの判断か? PKは益山が速いシュートをゴール右上に決め、、0−2

岐阜工業      清水エスパルスユース
4(3) シュート 4(0) ×圭吾、×前田、×孝洋、×佐諒
3(0) 右クロス 2(0) ×藤牧、×藤牧
5(1) 左クロス 2(1) ○前田、×杉山
1(0) 右側CK 0(0)
2(1) 左側CK 1(0) ×杉山
0(−)  犯OS  0(−)
8(2) ファウル 7(1) ・深澤、・佐諒、・江守、・深澤、・孝洋、・藤牧、×圭吾

[後半]
清水エスパルスユース
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
− 望月卓 −滝戸− 鍋田圭 −江守−−
−−−−−−−−杉山−−−−−−−−
− 佐野孝 −−−前田−−柴原−−−−
−−−−−−藤牧−−池上−−−−−−

−−−−−−−− 森 −−−−−−−−
−−尾藤−−山本−−久野−−杉山−−
−−−−−−−−益山−−−−−−−−
−−古田−−栗田−−松井−−北野−−
−−−−−−−−吉村−−−−−−−−
県立 岐阜工業高等学校 (75〜87分)

 45分、清水、交代: 深澤→池上、佐野諒→柴原 (4-1-3-2、池上FW、前田OH、柴原LH、杉山DH)
 50分、岐阜、FW池上のファウルで岐阜陣内、60Mほどは距離のある位置からFK。松井がPA内へ大きく蹴り込むが、鍋田圭がヘディングクリア。が、ボールは前に弾けずに頭上にあがってしまい、滝戸が頭で何とかPA外へ掻き出す。そこへ走り寄る久野が、落ちるボールを勢いのままにトーキック気味のダイレクト10Mシュート。横っ飛びのGK長島届かず、鮮やかにゴール右隅に突き刺さる。0−3
 54分、岐阜、杉山のドリブルがLB江守にファウルで止められ、FKとなる。47分にも同様の江守のファウルがあり、その時は尾藤がPA内ニアへ合わせたボールのこぼれ球を拾い、田中がシュートを放っている。キッカーは同じく尾藤、しかし、今度はファーを直接狙う。ニアに飛び出しすぎていたGK長島は完全に想定外、緩いボールがゴール左へと吸い込まれた。0−4
 57分、清水、警告: 佐野孝

 61分、清水、ピッチ中央、最も荒れた位置でキープするOH前田がヒールで縦パスを入れ、池上がボールを右サイドに振る。RH佐野孝が縦に仕掛けるとボールがタッチ際でぬかるみで止まり、もう一度縦に蹴ってスピードでマークを置き去りに。高速の右クロスにFW藤牧が跳び込むが僅かに合わず、しかしPA内ファーにLH柴原。3歩のドリブルでマークを外し、左クロスはGK吉村が飛びつく。が、ボールをPA内に落としてしまい、ニアの池上が蹴り込んだ。1−4
 71分、清水、望月卓が右スローインを投げ込み、中央から相手LBの裏へ流れた前田が受ける、や否や、外を向いた姿勢から腰を痛めそうな捻りを入れてのアーリークロス。PA内ファーへと巻いて落ちるボールに対し、飛び出した柴原が右足アウトフロントでダイレクトボレーを撃つ。正確にGKの左肩下を突き、ボールがゴール右下へと転がり込んだ。2−4
 75分、岐阜、交代: 田中→森
 87分、岐阜、交代: 松井→21

岐阜工業     清水エスパルスユース
8(5) シュート 8(4) ×藤牧、×前田、◎池上、◎柴原、○藤牧、○柴原、×前田、×柴原
2(1) 右クロス 8(1) ×孝洋、×孝洋、◎前田、×孝洋、×孝洋、×卓馬、×孝洋、×卓馬
6(2) 左クロス 6(1) ×柴原、×前田、○江守、×江守、×江守、×柴原
1(1) 右側CK 2(1) ○杉山、×杉山
0(0) 左側CK 1(0) ×柴原
0(−)  犯OS  1(−) ・池上
6(1) ファウル 11(4) ×江守、・池上、×江守、×孝洋、・孝洋、・池上、・藤牧、・池上、・江守、・孝洋
               ×江守


●個人的MVP 前田 陽平
●個人的MIP 柴原 誠
●相手方MIP 益山 司

 プリンスリーグ東海、第1回優勝、第2回準優勝、第3回5位、第4回4位。輝かしい成績を残してきたチームの降格が決まった。15分の前田の1対1が決まっていたら、36分に鍋田圭・滝戸が共にぬかるみに足を取られる不運がなければ、44分の微妙なPKがなかったら、45分の杉山の右CKからの藤牧のヘッドが決まっていれば、89分の杉山の右CKのこぼれ球を拾った柴原のPA外シュートがバーを直撃しなかったら、そもそも、まともなピッチで本来のショートパス主体のサッカーができていれば、タラレバは多く、口惜しさは尽きることがない。それでも、やはり総合的に考えると、降格という結果は妥当なものだったと思えるのである。

 02年夏、クラ戦無失点優勝を置き土産にトップのコーチに昇格した行徳監督は、3年後05年に再びユース監督に復帰すると、その冬にいきなりJユース杯に優勝してみせた。一見、ユースの状況は何ら変わりなく順調にも見えたが、05年当時から行徳監督は、「ボールをしっかり止めて蹴る」技術の衰えに警鐘を鳴らしている。果たしてその1年半後、最悪の形でそれが現実のものになった。
 育成を語るとき、小学生年代ではボール扱いを、中学生年代では技術を、高校生年代では戦術観とフィジカルを鍛えるべきと言われる。脳・神経系は8〜12歳頃 (ゴールデンエイジ) に大きく発達し、完成してしまうため、柔らかく自然なボール扱いは中学生以前に身につけるものだ。だが、それも中学生年代に筋・骨格系の成長期を迎えると、体のバランスが狂うため、自然なボール扱いができなくなる (クラムジー)。だから、中学生年代は徹底的に基礎を反復練習し、大人の体で強く速くボールを扱えるよう、技術として完成させなければならない。逆に大きくなる体、速くなる足にかまけて狂いを放置してしまうと、狂ったままで技術が固まってしまう。

 翻って、今年の3年生は行徳監督が離れていた02-04年に、Jrユースに所属していた学年だ。この時期、行徳監督が求める「ボールをしっかり止めて蹴る」技術の必要性が、ユースからJrユースに伝わらず、なおざりにされていたのではないか。Jrユースでは何とかなるズレも、ユースに上がり周囲のフィジカルや戦術水準が高まれば、許されない範囲になる。せめてJrユースの選手がユースで使われれば、自分で自分に足りない部分に気づくこともあろうが、99年菊地・杉山浩、00年阿部、01年枝村、02年山本真と続いた抜擢例が、03-04年にないことに気づく。05年西澤・前田、06年鍋田亜・長島、07年柴原・成田までそれを待たなければならない。
 全く行徳監督の離れていた2年半、エスパルスのクラブとしての怠慢は痛恨であった。そして問題は、より育成の効果が表れるJrユースで沈殿されていた。今年のユースの降格は、そのツケを支払っているに過ぎない。05年に行徳監督がユースに戻り、伊達氏が育成チームGMに就いて以来、だいぶ改善されてきているとは思うが、今回の降格という事実をしっかり受け止め、更なる改善に努めてもらえるよう期待するばかりだ。


 さて、いきなり悔恨というか、愚痴から始めてしまったが、この決戦にあたって行徳監督はかなり手を加えて臨んだ。4-5-1から4-4-2に戻し、常に前線に2枚残す攻撃重視に。LHは出場停止の成田に代えて、本来CHの杉山を。そのため、攻撃はロングボールを除き、突破力のある右の佐野孝に偏ることになった。また、CBは山崎・小澤から、滝戸・鍋田圭のコンビに。ぬかるんだピッチではスピードとテクニックの1年生コンビより、3年生の経験と人に対する粘りに期待したのだろう。3年生5人、2年生5人、1年生1人。最後の決戦は上級生に賭けた。
 対する岐阜工は、U-18代表益山をチームの重心に置く4-1-4-1。正確なロングキックを持つ益山がサイドに散らし、そこからは岐阜工の伝統、ワントップを追い越す2列目のドリブルで崩そうとする。しかし、この日は泥のピッチ。PA横のスペースを狙うパスが、ぬかるみで止まってラインを割らないというメリットがある一方、なかなか攻撃にスピードが生まれず、引いて守る清水を崩せずにいた。その清水は2列目の押し上げのない攻撃ながら、佐野孝の馬力に任せた突破、そして何より悪いピッチ状況を苦にせず一人でDFを切り裂く前田の存在が、十分に脅威になっていた。

 だが、それも先制を許すまでのこと。シュートを許さず、殆どピンチらしいピンチもなかったにも関わらず、結局は1本のゴールキックから失点を喫してしまった。その後、慌てて攻めに出た清水は、数的同数の状況で結局、1対1の守備の脆さという開幕当初からの課題を克服できていなかった。中央を簡単に割られた1失点以降も、相手のドリブルをファウルで止めた2・4失点目、単純なロングボールを跳ね返せなかった3失点目と失点を重ね、0−4と早々に勝負は決まってしまった。その後、前田や途中投入の柴原を中心に意地を見せて2点を返すも、開き直るのがあまりに遅かった。
 ただ、泥のピッチを言い訳にしたくないのは、悪コンディションで錆び付かないテクニックこそ「本物」だからだ。特に前田のドリブルは奇跡的で、プレーが止まりやすい状況だからこそ彼独特の間合いの外し方、瞬間的な速さが輝き、2、3人に囲まれたぐらいなら軽々と抜いていった。フィジカルの不利に負けず、ここぞの時に変わらぬ正確なキックを披露していた柴原も同じ。それでも勝敗が逆になったのは、平均すれば岐阜工のテクニックが上だったから。高体連の試合で、普段から土の (雨が降れば当然泥の) ピッチでプレーしている経験値の差もあったろうが、益山が守勢から的確なロングキックで攻撃に繋げていたのに対し、清水はDFラインから繋げず、タッチに蹴り出してプレーを切ることが多かった。その差の累計が、この結果に繋がったのだと思う。



2007年07月07日(土) プリンス東海 名古屋グランパスエイト戦

07年07月07日 (土) 18:15開始 藤枝総合運動公園 サッカー場
 JFA プリンスリーグ U-18 東海 2007
 対 名古屋グランパスエイト U-18 ※45分ハーフ
 天候: 曇り

[前半]
清水エスパルスユース
 控え:柴田、岩崎、望月恭、曽根、青木、西澤、前田、柴原、池上
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−滝戸−−小澤−−山崎−−江守−−
−−− 佐野諒 −深澤−−杉山−−−−
− 佐野孝 −−−−−−−−−成田−−
−−−−−−−−藤牧−−−−−−−−

−−−−−−−アルベス−−−−−−−
−−−−磯村−−−−−−太田−−−−
−−矢田−− 岸 −−西山−−三島−−
−−−−西部−−三宅−−津田−−−−
−−−−−−− 鈴木規 −−−−−−−
名古屋グランパスエイト U-18

 08分、名古屋、LH矢田の右クロスをRB滝戸がクリア。岸の左CKはニアでクリアされてもう1回、次はショートで繋いだ岸が左クロスを入れるが、PA内ファーの江守がゴールラインへ逃げた。3連続CKで今度は右から、再び矢田がショートで岸に繋ぐが、杉山が素早く寄せてボールを下げさせる。が、戻りながら受けた矢田が反転、縦に抜けて杉山を置き去りにし、右クロスをファーポスト前、186cmの三宅が高い打点でヘッド。GK長島も弾ききれずにゴール、0−1
 32分、清水、中盤左サイドでCH西山のファウルから、35-40Mほどの長いFKを得る。キッカーは江守。速いボールをPA中央に入れると、すっと立ち止まってジャンプした藤牧がフリー。長沢譲りのヘッドでボールの勢いを殺し、柔らかくコントロールしてゴール右下へ流し込んだ。1−1
 44分、名古屋、警告: 西山

グランパス     清水エスパルスユース
3(3) シュート 4(3) ○深澤、◎藤牧、×佐諒、○藤牧
4(2) 右クロス 2(0) ×孝洋、×孝洋
3(1) 左クロス 4(1) ×江守、×杉山、○成田、×孝洋
2(0) 右側CK 0(0)
3(0) 左側CK 0(0)
0(−)  犯OS  2(−) ・藤牧、・藤牧
6(2) ファウル 8(0) ・深澤、・杉山、・藤牧、・孝洋、・佐諒、・佐諒、・藤牧、・成田

[後半]
清水エスパルスユース (56〜79分)
−−−−−−−−長島−−−−−−−−
−−滝戸−−小澤−−山崎−−江守−−
−−− 佐野諒 −深澤−−前田−−−−
−−柴原−−−−−−−−−−成田−−
−−−−−−−−藤牧−−−−−−−−

−−−−−−−アルベス−−−−−−−
−−−−磯村−−−−−−太田−−−−
−−矢田−− 岸 −−西山−−三島−−
−−−−西部−−三宅−−津田−−−−
−−−−−−− 鈴木規 −−−−−−−
名古屋グランパスエイト U-18 (〜76分)

 54分、名古屋、矢田の右CKはまたもショートコーナー、清水は集中力を欠き、一人目にこそマークがつくが、ワンツーで下げたボールを受けた矢田をフリーにしてしまう。右回りのウェーブの動きでパスをもらい、矢田はそのまま中へカットイン、PA手前で小さくロブを上げる。ニアに走り込んだ西山がバックヘッド気味に合わせると、DFが伸ばした足に当たる不運も重なり、ニアのゴール天井に突き刺さった。1−2
 56分、清水、交代: 杉山→前田、佐野孝→柴原
 68分、名古屋、岸の左CK (67分) はファーに流れ、なおも太田の右クロスからアルベスがヘッドは枠を外すが、清水のゴールキックを奪い返して名古屋の攻撃ターンは続く。素早くサイドチェンジ気味に展開すると、FWアルベスが右サイドへ流れてフリー。清水DF集中力が途切れたか、アルベスがマイナスで折り返すと、更にPA中央でLW磯村がフリー。背を向いた状態から反転、シュートはGK長島が驚異的な反応で弾き落とすが、そこに西山が詰め、1−3

 76分、名古屋、警告: アルベス
 76分、名古屋、交代: アルベス→鈴木崇
 79分、清水、退場: 成田
 81分、名古屋、清水陣内奥からLB江守がバイタルエリアに入れた縦パスがずれ、CH前田が戻りながら足を伸ばすもトラップミス。すかさず西山がそれを奪うと縦へ、立ち塞がるCB山崎を細かいフェイントで半身外し、左足シュートを放つ。綺麗にインに掛かったシュートが横っ飛びGK長島の腕の先を抜け、ゴール右サイドネットに突き刺さった。1−4
 83分、名古屋、交代: 岸→23 ※三島DH、太田RH、磯村RW、23LW

グランパス     清水エスパルスユース
9(6) シュート 3(1) ×藤牧、×杉山、○前田
4(3) 右クロス 4(1) ×滝戸、×小澤、○柴原、×滝戸
4(1) 左クロス 3(1) ○江守、×藤牧、×柴原
4(1) 右側CK 0(0)
1(0) 左側CK 1(0) ×滝戸
0(−)  犯OS  0(−)
11(0) ファウル 7(2) ×杉山、・山崎、・小澤、×江守、・柴原、・佐諒、・小澤


●個人的MVP 小澤 蓮
●個人的MIP 前田 陽平、滝戸 諒
●相手方MIP 西山 洋平

 試合開始前の時点で清水は2勝5敗の8位、降格圏内9位の岐阜工との勝点差は2。その直接対決を次節に控え、勝点差を3以上に開ければ最高だが、決戦に備えてチームの完成度を高めるのも重要だ。システムは4-5-1。藤枝東戦では、バイタルエリアを専門に守る選手 (滝戸) を一人加えた4-1-4-1といった感じだったが、今回は3人のCHに明確な役割分担を与えず、流動的にしていた。フラットに3人を並べるのではなく、攻撃時は後ろに、守備時は前に、誰か1人が残る。累積警告で出場停止の鍋田圭の代わりにCBへ小澤、前節退場の望月卓の代わりにRBへ滝戸が入った。先発は3年生4人、2年生3人、1年生3人、中学生1人。
 試合開始前の時点で3位の名古屋。ここ数年、オランダ的な戦術を採用している名古屋だが、この日も果たして、アヤックスを模した3-4-3を採用していた。LBの中田 (名古屋は普段、4-3-3を採用) とCH安藤が出場停止のため、FW起用の多い岸をCHに下げて磯村を前線に、枚数の増えた中盤の両翼に三島・矢田を抜擢した。トップ昇格も目される花井は行方不明。3年生6人、2年生4人、1年生1人。

 結果から言えば1−4と大差がついたわけだが、試合内容自体は悲観的なものではなかった。長島、小澤、山崎の1年生3人を軸に守備陣の連携が良く、1人抜かれても (GKを含めた) 次がカバーという関係が築かれていた。中盤中央は、かつての浩太・枝村、或いは枝村・真希が2人でしていた仕事を3人でしている感じだが、人が多くなっても交通渋滞を起こすことなく、上下左右に適切な距離感を保ってバイタルエリアの支配権を渡さなかった。ワントップで孤立がちの藤牧には、馬力のある佐野孝・成田が幅広く動き、長い距離を斜めに走ってPA内の人数を増やす工夫をしていた。
 にも関わらず完敗を喫したのは、試合の流れを掴みきれない、抗いきれないナイーブさのせい。相手にシュートを撃たせずに立ち上がりを成功しながら、自分たちのFKの好機を活かせずカウンターを食らうと、3回連続CKという悪い流れのままに先制点を奪われる。その後持ち直し、前半を五分の内容で折り返しながら、後半早々、先制点と同じ形のセットプレーで突き放される。前田・柴原と攻撃的な選手を入れると、それに伴う守備のリスクに耐えきれず、64分のFKからの波状攻撃を防げずに失点する。その後、流れが再び清水に傾くも、34分の成田の退場で自らそれをフイにし、動揺を隠しきれず自陣でのパスミスからファインシュートを許して、ジ・エンド。
 岐阜工と藤枝東はスコアレスドローに終わったため、清水がまだ勝点1上回り、引き分け以上で残留という優位な立場のままで決戦に臨むこととなった。育成組織の試合であり、今までは内容で評価するように心掛けていたが、次の試合だけは違う。例え試合を支配し、サイドから中央から綺麗に崩して決定機を量産しても、相手のセットプレー一発で沈みでもすれば評価はゼロ。今後トップに上がれば、こういう結果だけを求められる環境に身を置くことになるのだ。重々それを承知して、結果を自ら勝ち取ってもらいたい。頑張れ。

 2試合ぶりの先発の小澤は、前回同様安定したプレー。Jrユース時代は汎用性の高い山崎に対し、相手エースにマンマークで潰す職人という感じがあったが、この日不安定だった山崎の背後で絶妙な距離を保ち、山崎を抜いた相手を見透かしたようにカバーに入るプレーが印象的だった。元々スピードのある選手だが、それを活かせる判断力を日増しに身につけている。パス回しも落ち着いており、フォアプレスに慌てずに早いタイミングで、しかし前線の藤牧までピンポイントで合わせるロングフィードを披露していた。
 前田は戦術的な縛りの少なくなった状況で、久々にトリッキーなドリブルを披露。一旦足を止めながら、タイミングを外すフェイントの豊富さと、そのズレを拡大させる加速力は彼だけの武器だ。今のチームは小気味よいテンポでのショートパスが組み立ての中心だが、次節岐阜工戦では前田という「変化」を活かせるかが鍵になりそうだ。滝戸は望月卓の出場停止の事態に、慣れないRBでそつなくプレー。DFラインに入って空中戦に強く、相手のスピードを活かしたプレーにはきっちり中のコースを切って、未然に突破を防いでいた。あと、セットプレーはやはり滝戸が蹴ると期待感が違う。
 グランパスでは西山。特別な才能があるわけではないが、誰よりも良く動き、危険を予知して無理をしないプレーを選択し、あるいは相手のプレーを無理をして潰す。2年前の柴田がそうだったが、こういう選手がチームの中心として機能しているかどうかが、強いチームとそれ以外との差であろう。


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ひかる。 @H.P. [MAIL]

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