2007年10月31日(水) ■

伯爵日記・伯爵とビーム５人衆・２

「くらえ伯爵！　えぐいビーム！」 　色々とツッコミどころの多い台詞の後、まつげ辺りからまばゆい光を放たれた。 「うあっわ」 　なんとか避けることができた。昔からドッジボールなども結構最後まで残ることができたりした。そういう微妙な運動能力には定評のある伯爵である。 　いきなりビームを放ってきたのは誰かと撃ってきた方向を確認すると女子中学生だった。 　一応、近くの中学校の制服着てる女の子だから、女子中学生なのじゃないだろうか。 「ち、避けやがった」 　そんな台詞、僕は聞きたくなかった。 「ちょ、タンマタンマ」 「何だ！」 　そこで「問答無用、死ねー！」とか言われなくてよかった。 「あの、なんで僕にビーム」 「えぐいビームだ！」 　ああ、そうかい。なんだよその効果が最悪なのだろうけれど実際どういうことになるのか予想しにくいビームは！ 「その、えぐいビームとか浴びせようとするんですか？」 　年下っぽい子にも敬語なのは僕の癖であり、びびってるからとかではありません、多分。 「うるさい、お前がぼくの弟をいじめた透明人間Ｘ伯爵だろ！」 　畜生、どこからツッコミいれたらいいんだよ」 「あの、まず僕は透明人間Ｘ伯爵じゃなくてカンテラ伯爵です」 「嘘をつくな。弟が言ってたぞ。弟を寝冷えビーム撃てなくしたのは肩幅が大きくて坊主頭の牛乳瓶の底みたいな眼鏡した、作務衣の男だってなー！」 「いや、この広い地球、そんな人間いっぱいいるでしょう」 「でも、この南国市にはお前しかいないぞ！　だから死ねー！」 「えー！　何、『えぐいビーム』って当たると死ねるビームですか？！」 「当たったものがえぐい形になるまで破壊するビームだ！」 「なんでそんな夢も希望もないビームまつげから出すの！　いやまずこの状況がおかしい！」 「うるさい！　弟だけでなく僕のビームまで馬鹿にするな！」 　なんだよこれもう。 「待って！　お姉ちゃん。その人じゃないよ」 　声のする方を見ると、先日僕にビームを販売しようとした、あの少年だった。 「お姉ちゃん、その人は普通に接してくれた、ただの地球人だよ」 　 　こんちくしょう、またそれ系の話かよ。

2007年10月21日(日) ■

伯爵日記・カンテラ伯爵とビーム５人衆・１

首から「ビーム出せます」の看板をぶら下げた少年が、街角にいた。 　なんだありゃ？　と思ってたらその少年と目があってしまった。 　駆け寄ってくる少年。うう、変なのに捕まった、と思ってやりすごそうとしたら先制攻撃。 「お兄さん、ビームいかがですか？」 　うーん、どうツッコミを入れたものか。 「ビームって、何ビーム？」 「寝冷えビームです」 「何かのゲームで見たなあ、やっぱり命中すると寝冷えですか」 「はい、本気で学校休みたい時、会社のライバルを蹴落としたい時にどうぞ、１ビーム５００円です」 　随分と嬉しそうに言う少年だった。 　困ったなあ、特にビームしたい相手がいないし……。 「ビームどうですか？！」 「うーん、困ったなあ。今は特にビームの出番はないかな」 「わかりました。では僕が必要になった時にはいつでも呼んでください」 　そう言って少年は走っていった。 　で、また目が合った人に寝冷えビームを売り込んでいた。 　買う人いるのかな。 　もしかしたら昨今の風邪引きさんの中には、彼から寝冷えビームを食らった人もいるのかもしれない……。

2007年10月12日(金) ■

伯爵日記・今日は寒いなあ。

最近は研究室ばっかりで季節を感じなかった。 　でも帰り道に星座を見て、秋が来ていることを知った。 　農場を夜、ぼんやりと歩く。 　風が寒くなった。 　寒い風。 　もう夏ではないことを知った。 　でも冬の寒さだよなあ、これ。 　パソコンの排熱があったかくてあったかくて……。

2007年10月06日(土) ■

伯爵日記・カンテラ伯爵の未帰還

そう言えば、最近日記を書いていないことを思い出す。 　正直、書き記さなくちゃいけないようなことって最近なくて。 　もしかしたらあるのかもしれないけれど、あんまり覚えておきたくないことなのかもしれない。 　なんてかっこつけてみた今日この頃。 　最近一人暮らしなのにカレーをよく作る。 　いやあ、作るの簡単だし、量を作れるから朝あわてなくてもいいもので。 　さて、今日は寝るか。 　……そう言えば、合宿のことレポートした方がいいのかな。