独り言
i| p| f
2005年03月27日(日) |
退屈をてなずければ、煙草がカラになる事も無い |
僕は深海魚が書いたあの読書感想文よりも退屈している
僕は静かの食卓に老婆が飾った赤い花よりも退屈している
僕は水平線の向こうに広がるであろう未知の大陸を夢見る少年の未来よりも退屈している
僕は水曜日の午後三時二十八分よりも退屈している
僕は訪れる者が居ない映画館の隅にたたずむ埃の女王よりも退屈している
僕は教会の天窓に描かれた神の偶像を縁取る黒い絵具よりも退屈している
僕は身に憶えのない罪を十五年と二月きせられ続けた服役囚の最後のうたたねよりも退屈している
全ての景色はBGMを必要としている
2005年03月21日(月) |
パーフェクト・ワールド |
小羊の産毛を敷き詰めた草原にとても温かい雪が降る
空は青くて構わない
陽の光は僕の体温を映しその中で僕は母親の胎内を描きその中で僕は幸福を永遠にループする事にする
誰も居ないこの世界ではすぐ側にあるものを掴み取る必要は無く遠ざかるものに追い縋る必要も無い
何を求める事もなく何を失う事もなく ただ 時間だけは 刻々と過ぎ行けばいい
そして長針が二周半したら一瞬で幕を降ろして下さい
その頃にはもうきっと僕は息をする事も億劫になってしまっているだろうから
全ての景色はBGMを必要としている
水辺で燃える炎と その先で待つ終わり 手にした刄で 何を切る?
青く煙る朝を やわらに包む光 微かな望みを灯すように 白々しくも
太陽が照らすというのなら この手で亡骸を引きずってでも行こう
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