ここ数日は瀋陽にある日本領事館でのことについて書いてあるサイトの人が多いですね。実はこのことについてはムースもちょっと気になっています。昨日書いた方がまだよかったのかもしれないけど、ムースは「キミとボク」のことを書きたかったから、昨日はこの事件については何にも触れませんでした。 昼間はずーっとラジオをかけていてあまりTVを見ないのでビデオの映像を見る機会が中々なかったのですが、やっと昨日の明け方、ムースにしたら一昨日の晩かな?にTVのニュースで問題のビデオを見ました。映画の中では大使館に駆け込むってシーンがよくあるけれど、実際の画像っていうのはやっぱり生々しいね。その映像を見たときに、思わず、あぁーこれかぁーっていってしまったけど。 ムースが昔、カナダのハリファックスというところへ遊びにいった時、何もやることがなかったので映画を見に行ったの。「北京のふたり」というリチャード・ギアの映画。字幕なしで見てるから内容を完全に理解したわけじゃないけど、映像を見てれば大体何が起こってるかわかるから。あの映画の中でリチャード・ギアが大使館に逃げ込むシーンがあるんだけど、当然公安(中国の警察)は入って来れないよね。だって国際法で大使館や領事館の敷地内は治外法権が認められてるから。ムースの家にあるビデオに「セイント」っていうバル・キルマーとエリザベス・シューの映画があるの。その映画の中でもエリザベス・シューがモスクワのアメリカ大使館に逃げ込むシーンがあるの。もちろんアメリカ市民の彼女は保護される対象だから大使館の中に入れてもらえるの。で、彼女のことを追っていたマフィアは当然中には入れない。映画の中で彼女が「私はアメリカ市民よぉー」って叫びながら大使館の入り口に駆け寄っていくと、彼女のために一瞬だけ門が開いて無事彼女は大使館の敷地の中へ。追手はあと1歩という所まで彼女に近づいたんだけど、捕まえることが出来ず。追手の目の前で無情にも門が閉まり、そのマフィアは悔しそうに中にいる彼女を見るの。そして門を警備するアメリカの兵士がそのマフィアに向かって「下がれ!」っていって彼に門から離れるようにいうんだ。 これは映画の中での出来事だけど、ムースの中では現実もこうなるだろうって思ってたの。瀋陽の日本総領事館がどのような感じ何だかはよくわかんないけど、門も高く、周りも高い塀で囲まれてることだと思う。だから容易にそこの中に入るってことは出来ないよね。海外旅行へは何度もいったことのあるムースだけど、日本の大使館や領事館のお世話になることは滅多にないので、大使館を見たこともないし、どこにあるのかすら知らない。唯一知っているのはロンドンにある日本大使館だけど、あそこは誰でも簡単に入れたような気がする。パスポートも見せず、入館するのに身分証明書を見せた覚えもないなぁ。でもね、ムースの知っている大使館の中には大使館の人とインターホンで話してから入れてもらうところも結構あると思う。 ムースは散歩するのが好きだし、東京にある在日の外国大使館を見て回ったことあるんだけど、中に簡単に入れる大使館ってムースのいった中ではカナダ、スペイン、ニュージーランド、パキスタン、タイ、インドくらいかな?外から見ててここへは誰でも入れるだろうなぁーって思ったのは、イタリア、フィリピンかな?あとは結構大変かも?イラン大使館へビザのことを聞きにいった時は門が閉まってたから外で門があくまで待ってたし、UAE(アラブ首長国連邦)の大使館はとっても分厚い扉があって、それを開けると警備員さんがいて、そこで名前を書いてからじゃないと中に入れないし。アルゼンチン大使館へ行った時はインターホンで話してから、それから中に入れてもらったんだ。シンガポール大使館も門のところで署名してからじゃないと中には入れなかったし。アメリカ大使館なんて周りはお巡りさんだらけだし、門もちょー高いし、アポがないと絶対に中に入れないって感じだよね。何でそんなに大使館へいってるのって思うかな。カナダ、ニュージーランドはワーキングホリデービザの申請書をもらいに行ったの。っていっても、ムースはワーキングホリデーでは海外へ行ったことないけど…。パキスタン、タイ、インド、イランは中国旅行の時の計画段階で。もし、あの時に北京で食中毒にあわなければ、中国からパキスタンへ行って、そこからインド経由でタイへ抜けるつもりだったから。本当は陸路でヨーロッパへ行きたかったんだけど、イランのビザを取るのが大変だったので、アジア一周計画を立てたの。これって猿岩石が香港からロンドンへ向かった何年も前の話なので。決してまねではありません。スペインは留学ビザの件っていうのはわかってもらえると思う。UAEやアルゼンチン、シンガポールはすべてお仕事。ムースねぇ、輸出に関係するお仕事してたこともあるから。書類をもらいに大使館へ行くこともあったの。 まぁ、ムースの大使館巡りはいいとして、場所やお国柄の関係で大使館に入りやすい所もあるし、警備が厳しい所もある。当然、中国にある日本大使館や領事館は警備が厳しくなるだろうね。そうじゃないと、何かある度に人が大使館の中になだれ込んできちゃうもんね。でも、これって当たり前のことだと思う。例えば、日本のスペイン大使館が誰でも入れるのは亡命を求める人がいないだろうって思えるし、外交上微妙な関係ってことがないから。だから誰でも入れる雰囲気があっても問題はないと思うの。でも、それが中国にある日本大使館・領事館となればそれは状況が全く違うと思う。誰でも入って来れるようなことじゃよくないと思う。でも、もし1歩でも日本の大使館や領事館に足を踏みに入れているのであれば、絶対に保護しなきゃいけない。だってそれってお仕事の一部でしょ。それをしなかったってことは職務怠慢ってことでしょ。人道的見地からしてみても絶対に保護しないと。彼らがこの先、どうなるか想像出来るんだから。 外務省のお仕事って大変なことばかりだと思うし、少しは楽したいって思うことがあるかもしれない。日本って国は島国で閉鎖された環境だし、長い間鎖国もしてたくらいだから、他の民族に慣れてないのも事実だと思う。だからなるべく難民とかは受け入れないようにしようとしてることも納得できる。でも、もしそう思うなら、誰でも気軽に入って来れるような領事館にしなければいい。そして日本人の保護に徹すればいい。ムースはそう思う。 今は北朝鮮の人のことで持ちきりになってるよね。でもね、ムースはそのことよりもっと心配なことがあるの。それは、もし、海外で日本人が助けを求めても似たようなことになっちゃうのかなって。そんなことはないよって笑っていえるかな?私たちは亡命を求めてるんじゃないし、自分の国の大使館に助けを求めてるんだよ、助けてくれるに決まってるよって楽観視できるのかな?亡命希望者の手助けをしてあげれば、その国からの風当たりは強くなっても西側諸国がそれでよかったっていってくれるかもしれない。でも、日本人がそこの国で何か事件に巻き込まれ、大使館に助けを求めて、大使館がその日本人を助けた時、日本はその国との関係が悪くなるだけで、味方なんていないよね。知らない振りして相手の国に引き渡してしまえば、闇から闇へと葬り去ることだってできるんだよ。そんな日本人を保護してくれるのかな?誰が来ても助けてくれるっていうところだったら、日本人が行けば助けてもらえるって思えるけど…。 外務省には杉原智畝って人が昔働いてたよね。リトアニアの日本領事館に勤めていた人。そしてそこから多くのユダヤ人に日本の通過ビザを発給した人。今でこそ美談になってるけど、当時はそんなこと語ることも出来なかったと思う。だって当時の日本はドイツと軍事同盟を結んでたし、政治的なことからすると彼の行った行為は同盟国ドイツの政策に逆らったことをしたんだから。でも、人間という視点で見た場合、彼の行なったことは血の通った人間がやったことだと思う。彼は日本から帰国命令が出ていたし、手書きでビザを発給していたあの時代、限られた時間の中で申請されたすべてのビザを発給して、ユダヤ人を助けることなんて出来ないよね。だからそれが偽善だといってしまえばそうかもしれない。でも、助けを求めて領事館の前に集まってきた人をどうにかしてあげたいって思うのは血の通った人間なら、感情を持っている人だったら普通だと思う。だってそこでどうにかしてあげなければ殺されるってわかってるんだから。 お仕事をしてるとき、感情を持ったら仕事なんて出来ないかもしれない。規則は規則って感じで感情を捨て、事実だけに目を向けなきゃいけないかもしれない。でも、今回のこの出来事はそれを考慮に入れたとしても、納得がいかないよね。だって決まりが守られてないんだから。仕事中の感情は捨てちゃったけど、決まりも守りませんじゃちょっと困っちゃうよね。決まりは破っちゃったけど、人間としての感情を持って対処した杉原智畝のようだったらよかったんだけどね。 本当、今回のこの一件はムースとしては残念に思うし、海外で日本人は日本人に裏切られるのかな?って思わせる事件だったんだ。 |