泡のように消えていく
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2004年12月21日(火)

あたしが所有していたもの
あたしが所有されていたもの

少し寒い午後の風や
色のない空の質感や
なにもない絶望感や
根拠のない独占欲や

実は
あの頃見ていたものすべてに所有されていたあたしは
実は
今はもうなにも所有していないのです

不思議な話だけれど
あの頃の出来事は勝手に思い出になってしまって
今はもうなにも感じられないのです

たとえばどちらともなく重なった手や
何もいわなくてもわかったことが
今はもう
思い出さなければ思い出せない、
ただの思い出になってしまったのです

当たり前のことなのかもしれないけれど
あたしが
なによりも大切に思っていたことを
まさか忘れてしまう日が来るなんて

少し寒い午後の風に絡んで
色のない空を見上げて
なにもない絶望感を思い出しても
根拠のない独占欲を思い出しても

あの人のことを思い出しても

もう今さら、何も取り戻せないことだけはわかっているのです


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