きまぐれ日記
せいあ



 めだか

……どうもタイトルをこう入力した回だけ反応がある気がしてならないんですが……そんなに変でしょうか。うちの感想。

ま、まあいいか。

えー。
今日で、吉住さんは繰り上げ卒業ということになっちゃいましたね。
「ごくせん」や「金八先生」と同じノリで「最後は全員無事に卒業するんだろう」と思いながら見ていたので、ちょっと驚きでした。
特に今回は椎名先生の過去のトラウマを清算するエピソードも絡めてありましたから――どっちかっていうとこっちが主題だった気もしますが――椎名先生の時とは違って、今回は無事クリア!みたいに行くのかと。

でも多分、今回の主題はきちんとクリアされていると思うんですよね。
サトルくんも、吉住さんも。
きちんと真正面からぶつかっていった先生に感謝していただろう、と。
吉住さんの方は感謝してますしね実際。
サトルくんの方も感謝とまではいかなくても憎んだり恨んだりはしていなかったと思います。多分。

人間て、立ち入っちゃいけない領域ってあると思うんですよ。
そこは絶対誰一人入ってはいけない領域。
時々、それを何を勘違いしたのか熱血ぶって、相手のためだとか言いながらずかずか踏み込んで来る人間とかがいて、そういうのは鬱陶しいし本当に腹立たしいんですが。

でも、せめてそれが「真正面」からだったなら。
本当に。本当に、相手のためを思っての行為なら。
鬱陶しくても腹立たしくても憎めはしないんじゃないかなと。
そう思うんです。

私が登校拒否(当時「不登校」という言葉はありませんでした)していた頃、担任だった先生はまだ20代前半の若い女性教諭でしたが、いかにも熱血という感じに毎日家に訪ねてきました。でも私は会いませんでした。会いたくありませんでした。
当時はその理由がわからなかったんですが、後で人づてに聞いたところによると、その学校では自分のクラスの生徒が問題を起こすと後々の出世に響いたりするらしく、その先生はそれがイヤで、私を学校へ引き戻そうと必死になっていたようです。
自分の事ながら当時の状況を未だ把握出来ていないので――多分、一生把握出来ないでしょう――推測するしかないんですが、私はその時、その先生の「踏み込み方」が「真正面」ではなかったと。それが私のことを心配した末の行動ではなかったと気づいていたのではないかと思います。
今、思い出しても薄ら寒くなるくらい気持ち悪くなるんですよね、何かこう近寄ってこないで欲しい感じがして。

でも、そんなあの時の私の担任とは違い、椎名先生も、目黒先生も「本当に」相手のためを思っていて。自分の保身のためとかじゃなくて。
世にいる「熱血教師」の半分はそうなんじゃないかと思うような「自己陶酔型」の「自分はいい先生なのよ系」でもなくて。

今回のように理事会に楯突くような真似までしてみせるなんて、相手のためと言いながら実は保身のためだったりする「自己陶酔型」には出来ないことだと思うんですよ。熱血なのは結局自分に酔っていたいだけだから、簡単に結果が出ない、もしくは結果は出せないような事柄に自ら関わっていくようなことなんて出来ないと思うんですよね。
今回だって間違いなく椎名先生も目黒先生も理事会から疎ましがられる存在になっただろうし。

でも、そういう先生だからこそ。
例え「結果」は出せなくても「経緯」は残せたと思うんです。

「何が出来たか」ではなく。
「どうやって何をしようとしたか」が。

それが、人間同士の、教師や生徒というくくりではなく、人と人というくくりでの大事な関わり方なんじゃないかと思います。

思うんですよね。
最後、石井君も言ってましたが、サトルくんが自殺したのは椎名先生のせいなんかじゃなかったって。

確かに先生は今目の前にあることに手一杯で、サトルくんの話を聞いてあげられなかった。
そういう意味で言えば、椎名先生はサトルくんの自殺に「手を貸した」ことになるんでしょう。例えて言うなら屋上の縁に立っているサトルくんの背中を押すような。

でも、それは。

あくまで結果論であって。
そこでサトルくんの話を聞いてあげたとして、自殺が止められたかと言えば、そんなことないと思うんです。

例えば椎名先生が背中を押さなくても、風が吹いて彼は落ちたかもしれない。
立っている縁が崩れて落ちたかもしれない。

その、残された「結果」があまりに大きくて、人は大事なモノを見失ってしまいそうになるんじゃないかと思うんですが。

椎名先生は確かにサトルくんの話を聞かなかった。でも、次の日には必ず時間を空けると言った。それを待たなかった、待てなかったのはサトルくん本人の事情です。そこにも「結果」はあって、そして、サトルくんの話を聞こうとした「経緯」も残っていて。

だから、そもそも椎名先生は「中途半端に関わっていた」わけではないと思うし、サトルくんの死の責任もないと思うのです。
もし椎名先生にその責があるのだとしたら、どうしても聞いて欲しいというサインを出さなかったサトルくんにも責があるのではないかと。
自殺に関しては、本当に難しくて微妙な問題なので、正直、誰かに責任があるのかどうかすらわかりませんけどね。


それにしても、今回は吉住さんの問題をダシにして椎名先生をトラウマから解放するようなプロットに仕上がっていましたが。

「借金」と「自殺」を同等に扱うのはどうなの。とは思いました。

今回のことで目黒先生はまた少し成長しました。でも、彼女が経験したのは「借金苦に夜逃げした生徒から感謝の手紙を受け取る」ことで。

「自殺した元生徒の死の罪悪感から解放された」椎名先生のそれとは、レベルがまったく違うと思うんです。

だからえっと……なんだかなー。
そう、多分、今回の主人公は目黒先生でも吉住さんでもなく、椎名先生だったんでしょうね。

閉鎖的な「学校」という切り離された異空間にいた、どこか「何か」が欠落している教師達の中に飛び込んだ目黒先生の「普通」という感覚が周囲に風を送り込んで。
矢部先生がまず変革し、そして国見先生が変革し。最後に、椎名先生が変革――いや、この場合は元に戻った、ですかね。したと。
そんな感じでしょうか。

それにしては、ちょっと扱うネタが自殺、というのは重すぎたというか、扱いが軽すぎたような気がしますが。

実際、集団自殺とか相次いでますしね。周囲の第三者は好き勝手なことを言えるし、関係者は悩み苦しんでいるだろうし、こんな風に簡単に扱っていいのかな、という気はしないではないですが。


さて、そろそろ佳境。
来週はクラス解散の危機みたいな感じですねぇ。
椎名先生が学校を去り、桜木君が職場を首になり、と。
崩壊していくこの「世界」を、目黒先生はどうするんでしょうか。
守る、のかな。
励ます、のかな。
それとも見送る、のかな。

ドラマのワンクールは大概12話。今回8話でしたから、残すところ4話?
でも、12月には特番も入りやすいですから、もしかすると10話あたりで終わっちゃう可能性もありますね。

何にも出来ない、何の取り柄もない、何の特技もない、ごくごく「普通」のOLが定時制高校の定時制部教諭になって2ヶ月。
いつの間にか、その「普通の魔力」とでも言うかのような「引力」に吸い寄せられて毎週来ちゃった「めだか」。

「普通じゃない生徒や教師」たちと「普通」の目黒たか子が、どうなっていくのか。

次週も楽しみです。


あっと、そう言えば。
ウォーターボーイズ見終わってから「えぇ出てたっけ」みたいなノリで記憶の引き出しを引っ張り出しつつ「あぁ!この人まで出てるし!」みたいな驚きを織り交ぜながら、最終的には「そう言えばあのドラマ面白かったんだよねー!」という余計なモノまで引っ張り出しちゃって、かなりDVDが欲しい「さよなら、小津先生」のスペシャルを今週の金曜日にやるようで!
よかった!「めだか」公式サイト読んでて良かった!

この画面の向こうにいるそこのあなた。
もし「さよなら、小津先生」がお好きだったなら朗報ですよー。
スペシャルが放映されますよー。

2004年11月26日 21:00〜22:52 金曜エンタテイメント
「ドラマスペシャル さよなら、小津先生」

要チェックですー。残念ながら、もう未来くんも瑛太くんも出てこないけどね。。。。(苦笑)





小心者なのでこっそり。「自殺」に関しての考察(という程のもんではないとは思うんですが)はあくまで私見であって、偏見かもしれませんし嫌悪感を抱かれる方もいらっしゃるかもしれません。難しい問題ですので。ただ、悪意があって書いているわけではありませんので、もしご不興を買ってしまいましたら先に誤っておきます。すみません。たかがネット界の片隅に棲息するちっぽけな住人の戯れ言ですので、さくっとスルーしてやってください……。

2004年11月23日(火)
初日 最新 目次 MAIL HOME


My追加