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船出。たびだち。眼鏡。 ……そんな夢を見た。
さて。 時々ふらふらっと誘われるように見るんですが「百物語」。 今回は「番町皿屋敷」でした。つまりは「お菊さん」。
今までの恨めしや、なイメージとは全然違って、木村佳乃演じるお菊さんはとても健気で、吹越満演じる播磨は名君ぽくて見終わった直後はなんだか切ないけれどシアワセな気分だったんですが。
よくよく考えてみたら、このお菊さん。確かに健気だけれど、身分違いの恋に悩んで身を引く決心はしたものの、諦めきれないからいっそ思い人の手にかかって死にたい、などと相手に懇願して、殆ど無理矢理、彼を追いつめて自分を斬らせる、というのは、健気と言うよりむしろ「絶対に私の事を忘れさせない」という女の執念だったような気がしてきて、ちょっと複雑。
本当に相手の幸せだけを望むなら、相手が一日も早く自分の事を忘れられるような手段を執るものだと思うし、あなたの為に身をひくから殺してください、なんていうのは少なくとも相手の為にはなっていないよなぁ、なんて。
結局、彼女が望んだのは相手の幸せではなくて、二人の幸せだったのですかね。 ストーリーテラーである陰陽師に彼を救って欲しいと頼むのは健気だけれど、最終的に彼女のしたことが彼を死へと誘った気がします。
「この世で結ばれないなら、あの世で」
結果的に時間差心中ということになった、この恋の結末を、彼女は自覚してか無自覚だったのかはともかく、故意に皿を割った時点で望んでいたのではないか、それを心のどこかで計算していたのではないか、と思うと、女の執念って怖ェ。と思います。
……まぁ、二人とも幸せになったわけだし。主君を失った一族の末路が気にならないわけではないけれども。
ま、いっか。
2002年09月18日(水)
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