冒険記録日誌
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2022年06月02日(木) |
バカゲー・オブ・ザ・オレ 第10位 |
たけたろう「まずはバカゲーから始めましょう。さあ、最初の紹介作品はなんでしょうか。(ドラムロール)ドンドコドンドコドドコドコドコ、ドン!ジャーン!」 山口プリン「その昭和バラエティー番組のノリで、紹介するのはやめてもらえないかな。」
バカゲー第10位 【ジンカ博士の異次元空間】
ジャンル 現代を舞台にしたSF(らしき何か) 発売元 講談社 執筆者 エドワード・パッカード 発売日 1986年5月10日 パラグラフ数 116 ゲームの構造 1方向システム、シンプルな分岐小説タイプ 過去の冒険記録日誌 2021年07月25日に感想あり
ポイント 児童向けSFと見せかけて、すべてが超展開ストーリー。
物語の概要 僕はカール・ジンカ博士の異次元に関する奇妙な実験に巻き込まれてしまう。
名言 僕「本の登場人物になるのはあんまり楽しくありません。自分で自分の行動が決められないんだから!」 ビバルディ博士「あなたは主人公ですもの。すくなくとも、1、2ページごとに、行動を選ぶことができるわ。」
主な登場人物 カール・ジンカ博士:主人公の近所に引っ越してきたマッドサイエンティスト。 ニーラ・ビバルディ博士:「天才コンピュータAI32」等シリーズ他作品でもよく登場する博士。 エドワード・パッカード:「ジンカ博士の異次元空間」の作者
バカ要素 大まかなストーリー分岐に、主人公がゲームブックの中の登場人物であることを知ってしまうルートがある。そこでは「これはタダの本よ、次のチャンスがあるわ。」「そうか、本を閉じればいいんだ。」「あなたは作者なんだから元の世界に戻れる方法を教えてください。」といったメタな言動が続く。他のルートでは、僕らは夢の中の登場人物という事に気づいているのでいざとなったら目を覚まして解決END、伏線もなくいきなり自分が実は惑星ゾーグの生物だった事を思い出して繭に包まれたかと思うと猫みたいな姿に変体して出てきてEND、といったパターンもある。全体的につっこみどころが無数。
総評 手軽に遊べる短編なので作品としてはありだと思う。この手のスラップスティックコメディが好きな人なら楽しめるはず。 普通のSF的な展開もあるにはあるが、そちらに期待しないように。
ちょっとリプレイ(ネタバレ注意)
たけたろう「えーっと、始めてみます。ジンカ博士から自分の研究内容のことを書いた本と言うのを渡されました。読んでみますね。うーん、本の中身はてっきり論文だと思っていたけど、何か小説っぽい内容ですね。宇宙船に乗っている主人公が登場して、どうするか何か選択肢が出てきましたよ。どういう事ですか。」 山口プリン「つまり、ゲームブックの中の主人公がゲームブックを読んでいるわけだ。」 たけたろう「はぁ。劇中劇とか作中作みたいなものですか。ゲームブック中ゲームブックというのは、初めて聞きましたね。ちゃんと本編とはフォントを変えて区別しています。まあ、超短編なので、すぐに終わりましたが。ゲームブックが何かの伏線につながっているのは面白いですね。」 山口プリン「ゲームブック中ゲームブックは他に皆無ではないが、極めて珍しいのは間違いないよ。ただ、実は中のゲームブックで結末がどうなろうが、後の展開にはまったく関係がないんだ。」 たけたろう「えっ?じゃあ、なんでこんな仕掛けがあるのですか。」 山口プリン「知らん。まあ、本を読むのは必須ルートではないので、無理して遊ぶ必要はないけどな。」 たけたろう「博士の所に戻って、もっと話しを聞いてみましょうか。ふむふむ、博士は超空間に行く事ができる装置を完成させたという事ですね。赤いレバーと緑のレバーがあって、博士が赤いレバーを引くと博士が消えてしまいました。赤いレバーを引くか、緑のレバーを引くが、装置に触らないでおくかの3択。緑のレバーを引くと……装置が爆発して博士が戻ってきました。もう二度とあんな体験はしたくないと博士が言ってEND。あっさり終わってしまった。」 山口プリン「これはアドベンチャーブックスシリーズによくある特徴でな。パラグラフ数が少ないのに、いろんな方向に話しが発展する事が多いから、一回毎のプレイは、割とあっさり目なことが多いんだ。」 たけたろう「2回目のプレイは、博士の家からさっさと帰ってしまいましょう。しばらくすると、博士が実験に失敗したとかで、家やら車やら全てが灰になる靄がかかって、それがドンドン広がって行ってEND。ちょっとホラーチックだ。」 山口プリン「ちなみにここで実験の失敗を主人公が防ぐことが出来ると、後で博士からお礼に超空間の入ったガラスの小瓶をもらえるぞ。開けると瓶の持ち主ごと成層圏までふっとぶ力があるが、そのまま持っておけば、さらに後で研究所から100万ドルで売ってくれ、と言われるハッピーエンドになるぞ。」 たけたろう「あの〜、超空間ってガラス瓶に入れられるものなんでしょうか。」 山口プリン「知らんが、少なくともこの世界では出来るらしいな。」 たけたろう「私、超空間の定義がわからなくなってきました。」 山口プリン「巻末に用語解説があるから読むといいぞ。星と星の間にあると考えられている仮想の隙間と書いてある。SF小説ではワープなんかに利用されるらしい。」 たけたろう「巻末には、ブラックホールとか、相対性理論とかの解説もありますね。一応、ちゃんとしたSF要素もあるんですね。」 山口プリン「その2つは作中とは関係なかったけどな。」 たけたろう「もーなんなんですかこの作品は。」 山口プリン「まあ、文句があるなら作中で作者に直接言えるから、やってみろ。」 たけたろう「作者が登場するとか……やっと登場してくれました。エドワード・パッカードさんが。ちょ、作者が地面の割れ目に落ちてしまったですけど!自分の方は何故か6次元の世界に飛ばされるらしいですよ!」 山口プリン「それは作者が6次元を表現できないとかで打ち切りENDの展開だな。作者に会ってから別の選択肢で、ちゃんと元の世界に戻れるから安心しろ。それがベストエンド(最終パラグラフ)らしいからもう少しだぞ。」 たけたろう「……。異次元なのは、この本自体じゃないでしょうか。」
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