冒険記録日誌
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2021年09月30日(木) |
双葉ゲームブック ベスト10! |
日本で最もゲームブックを出版したレーベルは、双葉文庫のゲームブックシリーズでしょう。中心となるファミコン原作ものから、オリジナル、ルパン三世、果ては少女向けやセクシー系までと、内容も多岐にわたります。 そして、各作品の完成度は玉石混合とされ、ゲームブックファンの評価はまちまちです。古参のゲームブックファンから低い扱いをされることもあれば、一般の方からは、海外ものよりファミコンゲームブックの方をやっていた、という声を聴いたこともあります。 そしてこの冒険記録日誌では、そんな双葉ゲームブックの内、実に87作品を、感想なりリプレイなりの形で話題にしてまいりました。全作品の半分くらいですね。こんなにも、と思うべきか、まだ半分かぁ、と思うべきか難しいところです。 その中で、当然山口プリン的には、お気に入りや、これは傑作という作品があります。そこで今回は、そんな双葉ゲームブックの中でも面白かった順に、ランキング形式で紹介していきたいと思います。 なお、今回の選定には次の基準をつけました。
1.冒険記録日誌に取り上げたことのある作品から選ぶ。 当然ながら、やりこみの足りない作品を、安易に紹介するのはどうかと思います。書いてないだけで、私がやりこんでいたという作品もあまりなかったはず。もっとも、未プレイの作品に、私がまだ知らない名作がないとも限りません。あくまでも私的ランキングと思ってください。
2.2度以上クリアしている。 面白い作品は、クリアしても再挑戦して何回かクリアするのが、私のパターンなのです。まあ、推理モノや謎解き系作品、例えば「マルサの女 国税局査察部珍道中」とかは、繰り返しプレイには不向きなので不公平かもしれませんが、そこは許してください。
3.思い入れや曰くだけで高順位はつけない。 一応、客観的に、他の皆さんでも楽しめるという作品を選んだつもりです。 私の思い入れだけなら「謎の村雨城 不思議時代の旅」は上位作品ですし、物珍しさなら所ジョージ自身の執筆した「所さんのまもるもせめるも アクアク大冒険」もありなんですけどね。
では、早速紹介いたします。
ランキング10! 「スーパーマリオブラザーズ3 マリオ軍団出撃」(池田美佐著)
マリオ3といっても、原作とは無関係でマリオゲームブック第3弾という意味です。マリオ、ルイージ、ピーチ姫の3人がパーティを組んで冒険する(一方向システムの)RPGとなっています。世界観はなんだか変(でも第2弾に比べたら普通)ですが、ゲームバランスは良い作品です。回復役だけでなく銭形平次のようにコインを投げて攻撃するピーチ姫が格好良かった。
余談ですが、池田美佐作品といえば、「ポートピア連続殺人事件 密室殺人の謎」とか「ファミコン探偵クラブPARTⅡ うしろに立つ少女」のような推理ゲームブックも何作か書かれています。 もともと推理モノはゲームブックと相性が良いものですが、オリジナルな登場人物や細かな設定で、原作を補完するような形で書かれていて良い味を出していますので、オススメです。中には結末が一部違うものもありますが、それも楽しみのうちということで。
ランキング9! 「桃太郎電鉄 めざせ!大社長」(大出光貴・橋爪啓著)
原作はあの有名な桃太郎電鉄(ただし初代)で、確かに最初は、普通に物件を購入していっています。しかし、そのうちご当地名物に扮した敵キャラをライダーキックよろしく倒し始め、謎の美少女との出会いとか、火星人の襲来とか、巨大ロボット同士の戦いなど、しっちゃかめっちゃかな展開になっていきます。しかし、そのギャグが面白いので許される!たぶん、普通に原作を忠実にゲームブック化しても、ルールや処理が重い作品になったでしょうから、原作のゲームブック化としては、一つの成功例といえます。
ランキング8! 「トラブルくらぶ事件ファイル オリーブたちのアブない放課後」(沙藤いつき著)
少女向けペパーミントゲームブックレーベルの1作。学園少女漫画っぽい設定や、ベタだけど個性のある登場人物が織りなす、サスペンスドタバタ劇を、ゲームブックで楽しめるのが面白い。まるで普通の小説を読んでいるようにスルスルと読めてしまう作品です。続編も良作ですよ。
ランキング7! 「魔界横断ドラゴンラリー 栄光への戦い」(高野富士雄著)
オリジナル作品で、一発死が多くてゲーム性はイマイチ。だけど、疾走するバギーを運転する主人公と、助手席でバズーカを撃ちまくるヒロインの構図が良く、遊んでいて爽快なラリーゲームブック。 続編の2は、失走迷走ぶりが際立つ作品ですので、なかったことにしましょう。
ランキング6! 「ドラゴンクエスト 蘇る英雄伝説」(樋口明雄著)
双方向システムで、徐々に探索範囲を広げ、新しい街で武具を良いものに変えていき、各地に散らばるアイテムを集め、と、原作の再現性が高かったゲームブック。ファミコンソフトを買ってもらえず、その代用品として遊んだ方も多かったのではないでしょうか。ルールが甘い部分もあるので、慣れたら自分でルールをいじってもいいかも。気に入ったら、「ドラクエ2」や「ウルティマ」も同系統のゲームブックなのでそちらもどうぞ。
ランキング5! 「少年魔術師インディ マジカルインフェルノ」(井上尚美著)
オリジナル作品で、独特のシステムによる面白さがあります。主人公が少年だから微笑ましいだけの作品と思っていると、使い魔の猫が死んで骨になるとか暗いシーンに驚きます。 逆にファミコンゲーム化するという話しは、時代が合わず、幻となりましたが、それだけ人気があったのも確かな作品でした。 3作目で続編を匂わせたまま終わったのが残念。
ランキング4! 「ミシシッピー殺人事件 リバーボートの冒険」(樋口明雄著)
推理重視の前半とアクション重視の後半で、主人公が交代する少年コンビ(+女の子)の推理アドベンチャー。原作はクソゲーとして有名ですが、原作の人物はわき役として登場するだけで、ほぼオリジナル作品です。ミステリーというよりは、まるで「トムソーヤーの冒険」のような世界観で、そういった物語が好きな方にオススメできます。
ランキング3! 「ルパン三世19 戒厳令のトルネイド」(富沢義彦著)
ルパンゲームブックシリーズ最終作にて、最高作品。多少フラグを覚えるくらいのシンプルな分岐小説タイプですが、内容は濃いです。 次元が主人公のハードボイルドタッチの物語で、テレビスペシャルみたいな感じ。次元ファンは必見です。
ランキング2! 「終末の惑星 遥かなる西の帝国」(塩田信之著)
オリジナル作品。ゲームバランスは悪いが、双葉ゲームブックの双方向システム作品では最高です。3日間で荒廃した世界を走り回って、故郷を救え!ロボットやらモヒカンやら恐竜やら何でもありな世界観が魅力。
ランキング1! 「未来神話ジャーヴァス 救世主の章-新世紀を救え!」(成田崇幸・栗山元宏著)
原作は、これまたクソゲーとして有名なRPGですが、ゲームブック版は原作からさらに未来を舞台にしています。原作のエッセンスだけを生かした、ほぼオリジナル作品で、原作買うくらいならこっちを買っておけ、な出来栄え。 ゲームブランスと遊ぶテンポが良く、途中で出会う火竜のフロギスターの名脇役ぶりも注目な作品です。
他にも「グラディウス」は?「メトロイド」のゲームブックがないじゃないか、なんて方もいらっしゃいましょうが、そういった熱い意見がある方は是非お知らせください。 実はこれを書きながら脳内では、双葉クソゲーランキングなるものも、同時に出来上がっていましたが、まあお蔵入りにしておきます。(笑) 山口プリンも、全作品とはいいませんが、双葉ゲームブック100冊プレーまで頑張ります!
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