冒険記録日誌
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2016年12月18日(日) |
老いぼれクーティ亭の冒険(杉本=ヨハネ) |
ムック本「トンネルズ&トロールズでTRPGをあそんでみる本」内に収録されているミニゲームブックです。 作者の杉本=ヨハネさんは、同人ゲームブックの世界ではよく名前を見かける方で、ちょっと気になっていました。私には初めてのプレイになります。
老いぼれクーティ亭の冒険は、もちろんT&Tのソロ・アドベンチャーです。 タイトルの「老いぼれクーティ亭」は、単に最初にスタート時に主人公がいた酒場の名前であんまり特別な意味はありません。酒場の主人の紹介で、領主お抱えの魔女イズキエルダからの依頼を受けた主人公が、いくつかの冒険をするという内容です。 キャラクターメイキングは省略され、レベル1の人間戦士限定。能力値も固定で男性(力が多め)か女性(器用さが多め)かの2択から選ぶことになります。 キャラクターメイキングはTRPG最大の楽しみだろ?!とも思うのですが、この冒険はT&Tのルールがまったく知らない人でもわかるよう配慮されたT&T自体のチュートリアル的な内容なんですね。 ゲーム前にルール説明はなく、最初に練習用の小さな遺跡に入ることになります。イズキエルダに短剣を借りて、命じられたとおりに遺跡に入ると、何かアクションがくる度に、セービング・ロールの説明とか逐次入ってくる趣向です。今どきのゲームなら珍しくないですが、ゲームブックブーム当時はこんなのはなかったな。パッと思いつくのは「ウルフヘッドの誕生」(創元推理文庫)くらいだ。
最初の冒険が終わると、イズキエルダが「その貧弱な装備を、どうにかしてこい」と支度金の金貨90枚をくれるので、街へ繰り出します。 必要最小限の装備が売られている店で、武器や鎧を買うと、次の冒険へ繰り出し解決したら、また街への繰り返し。 イズキエルダの出す使命とは、オーク退治とか、物探しとか、いかにも低レベル冒険者向けらしい感じです。そんな一つパラグラフ数30程度の短い冒険を3つクリアしたら、イズキエルダの要求に全て答えたとの事でゲーム終了です。 一つの冒険が終わる度に街に戻って、増えた所持金で装備を充実させたり、仲間を雇ったりと、ミニミニキャンペーンゲームっぽい要素を備えているのは楽しいですね。武器と防具のどっちを充実すべきかとか、装備に使う金を削っても仲間は雇うべきなのかとか悩むのは楽しいところ。 文章は必要最低限の素っ気ないほど簡素なものですが、ゲーム性が面白いので最後まで気にせず遊べました。 変な煙を吸ったら主人公の腕の骨が黄金になってしまった!といったT&Tソロらしい変な遊びを何気に残しているのも、ファンにはいい感じじゃないでしょうか。
このノリで、T&Tソロのキャンペーンゲームが作られているのなら、もうちょっと遊んでみたいかもなぁ。今回は本当に肩慣らしといった冒険でしたし。 同人を避けているのは、今でも未プレイ状態の積ん読ゲームブックが多すぎて、手を出すと収拾がつかなくなる、という理由だけなので特にこだわっているわけでもないし。チト考えてみるか。
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