冒険記録日誌
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2016年02月11日(木) 火星の人

 かなり久しぶりに映画館にいって「オデッセイ」を見てまいりました。
 事故により火星で単身残された宇宙飛行士の生き残りをかけたサバイバル物語です。
 私は原作のSF小説「火星の人」が大好きでして、長編作品にもかかわらず、キンドル版と文庫版で2回ずつくらいは全部通読しなおしたうえ、今でも時々いろんな箇所を読み返しています。ゲームブックを除けば自分の好きな小説マイベスト5に入れてもいいくらいです。
 そんな原作の映画化なわけですから、無理矢理でも時間を作って見に行ったわけですが満足できる出来でした。
 最後の救出シーン以外はほぼ忠実に原作を再現しています。原作の後半にあった様々なトラブルの部分がばっさりカットされているのは、原作の全てを入れるのはボリューム的に無理と元々わかっていたので想定内。(アイリスからタイヤシェン絡みあたりをカットするという予想は見事に外れましたが。)
 細かな部分ではいろいろ説明を省略したり設定を変更していますが、小説と映画は文法が違うのでこれは当然です。
 あえていえば、ヘルメットに接着剤で手がくっついてしまったコミカルシーンは映画でもみたかったな。それにもし日本人監督なら、主人公のワトニーが地球を離れて以来という風呂に入り「あ゛あぁぁぁ〜」と唸っているシーンは絶対にカットしなかったと思うね。

 どうでもいいことですがゲームブック脳の私には、この小説を読んでいると、いろんな分岐点や選択肢が浮かび上がってきて仕方がありません。
 たとえば、もしルイス船長も一緒に火星に残っていたら?とか、もし補給機が無事到着していたら4年間火星で過ごすことになるわけで、次は水再生機が故障するとか違うトラブルが発生するんじゃないだろうか?とか、タイヤシェンを使ったワトニー救出方法でもう一つの選択肢を選んでいたら?あっちの方法は成功率30%くらいとあったのでサイコロ1個振って1・2なら成功扱いか?とか、火星横断中にオポチュニティを回収するルートを選んだら、通信が復旧して情報は手に入るかもいれないけど、日数ポイントは余計に消費するだろうなとか。
 ああ、今がゲームブックブームだったら。あの頃はバットトゥザフューチャーやエイリアン2のような映画原作ゲームブックも珍しくなかったので、「オデッセイ」のゲームブック版が出たかもしれない。
 ゲームブックでSFというと、スペースオペラ系統のものがほとんどですからね。「火星の人」のようなライト風ハードSFを題材にしたゲームブックというのは新鮮で良いじゃないでしょうか。需要がなさすぎて誰得な企画かもしれませんが、少なくとも俺得なので是非どこか作ってください!


山口プリン |HomePage

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