* * * 
憐凪



 form of love


スポーツカーで走り駆け抜ける
夜の第三京浜
火みたいな色のテールランプを まるで泳ぐようにすり抜け 追い越してゆく

夜風が心地好くなるには 未だ早いね
カーステレオのカセットの音も聴き取り辛いから
もう 窓閉めとくね

助手席が アタシの指定席
シートに身を沈めて 眺めるライトの渦
擦らんばかりに追い越す車のボンネットまで 輝いて見えたっけ


2台の自転車に彼は一人で乗り
アタシはアナタの後ろに ちょこんと横座り
景色が流れてゆかないね

「ちょっと遅過ぎなんじゃない?」
そう言われて
レンタルビデオ屋の前で 彼とアナタが漕ぐのを変わったけれど
彼は未だ幼いせいなのかな?
腰に回した手が なんだか余ってしまうよ

結局またアナタの後ろに座ったね
なんでかな?
やっぱりアナタの背中に手を回した方が安堵する

いつもいつも 口に出すか 出さないかの違いはあるけれど
アナタの行動にいちいちイラついたり
ため息ついたりしてるくせに

やっぱりアナタじゃないと ダメなんだね

そんなキモチは もう当の昔に失くなったと思っていたけど
愛は形を変えてしまって ピンとこないけど
やっぱりアナタなんだな。 って


そんなコト想いながら 横向きにのんびり過ぎてゆく景色を観てるよ










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2005年05月11日(水)
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