* * * 
憐凪



 凛とした背中に・・・


貴方の ピンと伸びた背筋
夢に向かって 真剣な 広い大きな背中
鳥の囀りも 草の葉の揺れる音も
わたくしの視線にも 気づかないほど


貴方の複雑な 生い立ち
周りで支えてくれる人たちに応える 姿勢
友の誘いも断り 暇なく精進
わたくしが 新調した着物にも 気づかぬほど




無愛想で 世渡り下手な 男気な貴方.....
一つの道を 只管真っ直ぐに 進んでいくのですね…





最近 身辺が賑わってきた
幼馴染の アノ方との 結婚の話が 進んでいるらしい
誠実で 有能で 社交的な
貴方と正反対な アノ方


わたくしには 不釣合いなほどの お方




それでも わたくしは 夢見てしまいます



貴方の胸に抱きしめられる日のこと
貴方の瞳いっぱいに わたくしを映すこと
貴方との 甘い接吻を
貴方との 甘い あまい夜を・・・



叶わないと 解っていても 諦められないのです




そんな優しい瞳で わたくしを見つめてくださるから
口数少ない その口が
          わたくしには優しい言葉を かけてくださるから
わたくしに何かあると 真っ先に駆けつけて来てくださるから




…仮令 それが 妹に対する気持ちと同等だと知っていても
 諦めきれないのです



貴方と初めて出逢った 幼い日から
わたくしは ずぅっと想ってきたから
今更 諦めるなんてことは 出来ないのです



この想い 何処へ捨ててくればいいのかしら
日毎に
幾夜 貴方を想っても 届かないこの想いを
                何処で 手放せると云うのでしょう




季節は巡り もうすぐ春なのに
わたくしの想いは 雪を割り 顔を出す雪割草とは 異なり
どんなに 雪を割って顔を出そうと もがいても
雪の下に 埋もれたまま・・・・・なの、です



 









2005年03月07日(月)
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