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2002年07月28日(日) 妖怪たちの宴〜フジロックフェスティバル’02@苗場スキー場〜vol.2

 *長いのでごゆっくり、または保存して御覧下さいな。

 15:40 曽我部恵一@FIELD OF HEAVEN
 この時間帯からトンボが多く出始める。歌いながらトンボを気にするミュージシャンを見るのもまたフジロックの見所。大勢のメンバーと共に深めに帽子を被ったヒゲ面の曽我部登場。ミッキーマウスのTシャツが余計に怪しい。ここでも1匹確保。ビールを掲げ「呑んでる?」と一言。それと同時にギターのアルペジオで始まったサニーデイ時代の曲『あじさい』。待ってましたといわんばかりの歓声。風貌からは予想もつかないほどの透き通った声。他の楽器が一斉に入ると同時に盛り上がりは最高潮に達する。
 『道』『ブルーのこころ』と新曲が続く。まだ、誰も聴いたことが無い所為か、演奏する側も初々しい。サックスの高い音色とギターだけのアレンジが夕暮れに心地よい。奥さんと子供を連れて歩いて、ここまで来たらしい。終始笑顔で普段の生活も楽しくてたまらないといった様子。
 『浜辺』で入る個所を間違えやり直す。それでもテンポが合わず歌い辛そう。『おとなになんかならないで』。チューニングが狂っているのが惜しいが、とてもすてきな唄だった。これは多分、お子さんへの想いを歌った唄。「秘密のまま輝いて」「夢から覚めて泣かないで」と言う詞にとても暖かくやさしい。ラスト『魔法』で締める。

 全体的に完全なるリハ不足。ぎこちない感じで延ばして終わったり、なんとなく内輪受け的なムードが漂っていた。和気あいあいの雰囲気の中で、お互いに顔を見せ合いても何処か合わない。キーボードの高野勲が歌っている後ろで終始しゃべり、雰囲気を悪くしていた。曲が良いだけにもったいない気がした。

 AVALON FIELDASA-CHANG&巡礼を聴きながら早めの夕食。タブラの音が心地よい。そういえば僕も持ってたよな…。メニューはケチャップライスと照り焼きチキン。しかし、ケチャップライスはご飯ねちょねちょ、照り焼きチキンは焦げすぎチキン。しかも味も薄いときた…。お腹はいっぱいなのにどこか物足りない。

 19:10 Jane's Addiction@GREEN STAGE
 名前だけは知っていたものの、どうも僕の好みじゃない。サウンドが古い気がした。Voのペリー・ファレルには妖気を感じたが、これまですごいのを何匹か観てしまったので、それに比べたら赤子のようなもの。判断が妖怪か否かになっている。早めにWHITE STAGEのCORNELIUSへ。

 20:10 CORNELIUSWHITE STAGE
 早めに着くがすでにかなりの人で混雑している。歩くのも牛歩状態で、入り口付近の道を除けば他は人で埋め尽されている。しばらく後方で待っていると、ステージ前方の白いスクリーンに小山田の影がバックライトで映し出される。そして彼が指差す方向へ文字が現れては消えてゆく。演奏が始まると同時に次々と映像がスクリーンに映し出される。音楽と映像を同期させた見せ方で驚かされたが、野外の星空の元では条件が悪すぎ。遠くから観ても映像は分かるが、音響効果が伴わない。小さいホール、乃至はライブハウスで観たら卒倒するくらいの効果が出てくるんだろうな。終わってからの混雑を想定して、早めにGREEN STAGEへ戻る。

 21:30 RED HOT CHILI PEPPERSGREEN STAGE
 泥濘の中、雨に打たれて観ていた、フジロック元年から5年越しの積年の想い。今思えばそれも良い思い出なのか!?あの時「テッチリが終わったら〜の前で待ってます」と笑わせてくれた彼は今何処で何をしているのだろう。

 前方のコンクリートのフロアは当然の事ながら、その後ろの普段は座っている芝生の部分まで人が溢れている。体力的にはそんなに疲れていないものの、気力が持たず後方で観ることにした。3年前ケミカルブラザーズを観た時はそんなことなかったのになぁ…。
 ギターの爆音と共にメンバー登場。しばしジャムった後『BY THE WAY』で幕を開ける。先月出たアルバムの中で今までのハードな部分と歌ものがいい具合にミックスされた曲。早くもかなりの盛り上がりを見せる。このまま勢いづくと思いきや『SCARTISSUE』でペースを落とす。今回のアルバムが歌物中心なように、ライブも以前とは変わってきているのだろう。しかし次の『AROUND THE WORLD』ではディストーションの掛かったフリーのベースが炸裂する。間奏でのギターとの掛け合いは今まで聴いた事もないようなベースの音で度肝を抜かれた。終わってアンディー(Vo)の雄叫び一発。
 そして『OTHER SIDE』『THE ZEPHER SONG』『CAN'T STOP』『CALIFORNICATION』など、最新アルバム『BY THE WAY』と全作『CALIFORNICATION』からの主要なナンバーが続く。
 『FREAKY STYLEY』でP-FUNKの総帥ジョージ・クリントン登場、最高潮の盛り上がりを見せたまま次の『GIVE IT AWAY』へ傾れ込む。遠くから観てても前方でかなりのダイブや跳ねている人が分かる。ここに来て前方に行かなかった事を後悔する。

 鳴り止まない拍手や感性の中、メンバーがアンコールに答える。熱くなった身体を冷ます様に、ジョンのクリアなギターが『UNDER THE BRIDGE』のイントロを奏でる。イントロを聴くまでさっぱり忘れていたが、僕が一番聴きたかった曲。周りの歓声も一際多い。でも、それに合わせる手拍子はどうかと思う。このテンポでやると音頭か演歌になってしまうから。

Under the bridge downtown  
Is where I drew some blood  
Under the bridge downtown  
I could not get enough     
Under the bridge downtown  
Forgot about my love      
Under the bridge downtown  
I gave my life away

ダウンタウンの橋の下 僕は少し血を抜いた
ダウンタウンの橋の下 いくらあっても足りなかった
ダウンタウンの橋の下 愛する人のことを忘れた
ダウンタウンの橋の下 僕は人生を捨てた…


 ここの大合唱では泣いてしまいそうになるほど心を鷲掴みにされた。レッチリの中でも情緒溢れるメロディーラインと詞。レッチリがここまで大きくなったのは、ただ暴れるだけの変態バンドではなく、メロディーに哀愁が漂っているからだと改めて感じた。そしてラストの『ME AND MY FRIENDS』で暴れ締め。1時間半のステージで本人達も積年の想いを晴らしたと思う。

 本編も終わりフジロック全体の締めとしてイタリアのバンドBANDA BASSOTTIが大トリを務める。殆どが他へ移動する中、まだ踊り足りない人もいるようで、真ん中の方で輪になったり騒いだりしていた。僕はそれを観て楽しむ。

 小腹が空いたので、RED MARQEE近くののOASISへ。異国情緒な屋台がが建ち並ぶ中、色々迷ったがケバブカレーを食べる。フジロックへ来たら一食はカレーを食べないとね!
 食後の運動にRED MARQEEで身体を揺らすが同じようなパターンのDJにすぐ厭きる。有名でも無名でもいいから、頭を空っぽにして踊らさしてくれるDJは居ないものか。
 AM2:20くらい。睡魔と戦いながらLOVE JETSを見る。忌野清志郎ら(あとは誰?)の覆面バンド。宇宙人なのだそうだが、今までの企画もののバンドの中でもかなり位置付けが分からない。清志郎風に言えば「さっぱりわかんねぇ何のため?」(サマータイムブルース)である。立って観るほどの気力もなく2、3曲聴いた辺りで眠る。『キモチE』で目が覚め、『雨上がりの夜空に』再び眠る。RCの曲に反応してしまう自分が可笑しい。始発のシャトルバスの時間まで眠る。

 AM5:00 自然と目が覚め、耳を疑うような静けさの中シャトルバスへ向かう。バス乗り場はもうすでに長蛇の列。疲れ切った寝ぼけ眼の顔が幾つも立ち並んでいる。その姿はまるで妖怪。こんな身近にも妖怪たちは居たのだった…。

 かなりの人数が今年も来たものの(3日間で9万人)、食料、飲料、ゴミ、トイレなどの問題は殆どなく、フェスとしてはかなり改善されてきたと思う。フジロックで求められるもの、それは聴いた事のない新曲ではなく、各アーティストの「ベスト・オブ〜」である。ただ、それがマンネリ化してゆく危険性も感じた。同じような英、米のミュージシャンだけでなくありとあらゆる国から、観た事も聴いた事もないような妖怪たちを望む。来年ももちろん行く予定。

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臨月 エイジ |お便り気付かない細道へ向かえ旧ぐっどないみゅうじっく

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