酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2006年05月21日(日) 『すべては海になる』 山田あかね

 夏樹は書店でアルバイトをしている。10年前17歳だった時、いつも淋しくて、いつもなにか足りなくて・・・その想いを埋めるかのように出会う人と関係を持っていた。中にはお金をくれる人もいた。27歳になった今も二股をかけている。でも心の隙間は埋まらない。そんな時、目の前で中年女性が万引き事件を引き起こし、その女性の息子と知り合う。彼は17歳の高校生・光治。彼は壊れかけている父と母の狭間で必死に自分を保つようにして生きていた。ふたりは交流していくうちに夏樹も光治もそれぞれの何かの欠片のようなものを・・・・

 この小説を読もうと思ったのは、�〔椡�しをした女性の絵�◆屬垢戮討漏い砲覆襦廚噺世Ε織ぅ肇襪量ノ廊�タイトルの文字が本に合っている・・・要するに表紙の魅力に惹かれました。内容も山田あかねさんのことも全く知識なく読んでみました。とても不思議なトーンの物語で静かなんだけど壊れていて痛くて淋しくて。でも主人公と少年が出会って色合いがどんどん変化していきました。だからと言って結論も解決も無いのですケレドモ、ふたりが光を見出したように思います。こういう物語を純愛と呼ぶのか否か私にはわからない。ただ出会えてよかったね、とそんなふうに清々しく温かく読み終えることができてなんだかトテモ嬉しかったです。

「ここにじっとしていれば、いずれ僕らは海になる」
「ここじゃなくても、たくさん時間が過ぎれば、誰だって消えるよ」

『すべては海になる』 2005.12.20. 山田あかね 小学館



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