酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2003年11月06日(木) 映画『IDENTITY』はワンロケーション・スリラー

 昨日観た『IDENTITY』は、重要人物たちがひとところに集められます。その場所がアメリカの車社会産物の簡易宿泊施設であるモーテル(motor+hotel)でした。さもいわくありげなモーテル。それはかの『サイコ』を彷彿とさせます。そこで『そして誰もいなくなった』のようにひとり、またひとりずつと殺されていく。ふたつの名作を下地にした『IDENTITY』は下手をすれば大失敗だったことでしょうね。集められた訳ありの重要人物たちと別にこの『モーテル』が大きなキャラクターとなっています。
 たとえば6号室に喧嘩の絶えないカップルが入り、ドアをばたんっと閉めたらドアのナンバーの6がくるりっと回転して9になってしまいます。これがものすごーく印象的なシーンなのですが、やはり深い意味を持っていました。まさにこのモーテルそのものがキャラクターとして生きているようにさえ思えてしまいます。更に連続殺人が起こり、その後に不思議な現象が発生しますが、それもまたモーテルが生きているのでは?と錯覚させます。
 たくさんの伏線がはりめぐされていて、最後に全てが明らかになる時に「あぁ、あれがこうだったのかー」と唸りました。映画を何度も観に行かない私ですが、この映画は確認作業のためにもう一度観たいくらいです。
 好奇心は猫を殺しますが、私も好奇心でうろうろしてしまいそうだわ〜。早いうちから殺されちゃうタイプ?と見せかけて実は生きていた極悪人なんてのがいいな(笑)。この映画には関係ありませんけどねv



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