酔陽亭 酩酊本処
いらっしゃいませ。酔陽亭の酔子へろりと申します。読んだ本や観た映画のことなどをナンダカンダ書いております。批判的なことマイナスなことはなるべく書かないように心掛けておりますが、なにか嫌な思いをされましたら酔子へろりの表現力の無さゆえと平に平にご容赦くださいませ。
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2002年08月29日(木) 依存 西澤保彦

 西澤保彦さんの『依存』との出会いがなければ、ホームページを作ろうと思わなかったと思います。大きな意味合いを込めて、この出会いは、私の世界を広げてくれました。大好きですv>西澤先生

 ちょうど2年前の夏、私は『依存』(幻冬舎さんより2000年7月10日刊行)にカウンターパンチを喰らいました。年間150冊、多い年は200冊の本を読む活字中毒者の私ですが、読むジャンルは決まっていません。失礼な話、ミステリーは好きでしたが、ミステリーマニアというほどではなく、あの日までのワタクシ(!)は、西澤保彦さんと言う作家さんを存じ上げませんでした。私が『依存』を読もうと思ったきっかけは確かなにかの雑誌に載った惹句に本当に惹きつけられたからでした。本の帯の“ぼくには、実の母親に殺された双子の兄がいたんだー。”を見てシリーズも時系列も無視して読んだのでした。一気に読み上げてそのままファン倶楽部サイトへお邪魔した時のことは今でもよく覚えております。たった1冊を拝読しただけで、よくぞ飛び込んだものです(汗)。今ではたくさんの本仲間ができ、仲良くさせていただき、さまざまなオフ会に参加。西澤先生にお目にかかる機会もございました。最近では岡山まで遊びに来てくれる人もちらほら。(ちなみ2002.8月現在、ひろただくん、ライオンさん、さくらが来ました。物好きな。笑)出会いから変化をくれたと言う点では、お馬鹿キャラにいち早く反応し、女王と臣下ごっこにおつきあいくださったらいしんくんあってこそのワタクシです。らいしんくんとのやりとりは大きかった。あのおかげでサイトのみなさまにも覚えていただけるようになりましたし。
いつまでもワタクシについてきておくれ。>我が忠実なる臣下ジェスターらいしん殿v おほほのほvv

 いきなり『依存』から西澤先生作品に飛び込んでしまいましたが、このお話は匠千暁シリーズ、別名高瀬千帆シリーズの5作目に当たります。あとからシリーズを時系列で読みましたが、『依存』は彼らのシリーズの中ではとりわけ重苦しい空気を孕んでいます。私は毒のある人物や毒のあるお話が好きなのでこの物語に惹かれて当然ですね。あらすじを説明するタイプではないので読んだことがない方は読んでください。是非っ。

 美也子さんと言う、タックの母親がまさに毒花。対するワタクシの(我らがなんて言わないもん)タカチvタカチの名台詞があるので、書きたいのですが、書きません。読んでください。(←しつこひ)あのタカチの名台詞は座右の銘にしたい。タカチが読んでいるだけで美しいと感じるのは、西澤先生の描写による姿かたちだけでなく、あの傲慢とも言える高潔さにある。そして私は毒花、美也子さんの再登場を待ち望んでいるのです。

 また西澤先生の作品については書きたいと思います。あ、こんなんで酩酊本処なんてつけるなーっと言うバッシングの嵐かも。でもいいんだもーん。酩酊本処ってネーミングが使いたかったんだもーん。

 西澤先生の作品で、今のところワタクシ的ナンバー3は、1位『依存』、2位『夢幻巡礼』、3位『黄金色の祈り』でございます。西澤先生の作品を読まれていて、ワタクシの嗜好をご存知の方になら、納得のいくチョイスにございましょう。『夢幻巡礼』の背表紙には、ダーティヒーロー奈倉渉の「ひとを殺すことが、こんなにも、おもしろいとは思ってもみなかった」と言う言葉が。きゃぁっ。『黄金色の祈り』の帯には、「誰が十字架を背負うのか」とあります。きゃぁきゃぁきゃぁ。そうです。ワタクシは西澤先生のお書きになる作品でもとりわけ残酷で息苦しい作品が好きでたまらないのでございます。ワタクシったらマゾー。こんなんで終わるんかい(笑)。
終わるのv

『依存』 西澤保彦 2000.7.10. 冬幻舎

 



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