青春の思ひで。

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2002年09月01日(日) リ・スタート

少し前のこと。


鬱になったので、
「こんなあたしが誰かと付き合うなんて無理なのよ」
などと喚いてしまいました。

そうしたら、愛人さん(仮称)に苦笑された挙句に言われてしまいました。

「Jと言ってることがまるで一緒」

Jさんはバイト先の先輩にして、大学の先輩でもあり、愛人さん(仮称)の幼馴染にして、目下あたしの最大の恋敵。
男だけど。
あたしと愛人さん(仮称)の関係を知らないJさんは常にあたしの恋路を阻むかのように邪魔をしてくる。
一番さんよりも強敵。


愛人さん(仮称)は言った。
「鬱はJの面倒を見てるから慣れてる」って。


だから、首締めの告白をした。


赤い革紐や、ピンクのリボンで力の限りに自分の首を締めた話。
今年に入って3回。


これで、ひくなら遅かれ早かれだ、と思った。


「でも、俺と付き合ってからはしてないんでしょ?」

「……1回だけした」

「いつ?」

「7月の初め。引きこもってた頃」

「何で?」

「……さぁ?寂しかったからかなぁ……」

「……旅行中にやらないでね」

「わかったよ。帰ってからやるから」

「……あのさぁ、俺の存在の意味ってあるの?」

「意味?」

「俺がいても寂しくて、そんなことしちゃうの?」

「…………だって、寂しいんだもん」

「何でよ」


だって、寂しいんだもん。
どうしていいかわからないんだもん。
あたしだけがどんどん暴走していって止まらないんだもん。
怖いんだもん。
怖くて、何も聞けない。何も言えない。
機嫌を損ねたら、切り捨てられてしまうって思ったら。

「君」は確かにあたしの横にいる。
でも、いないも同然だ。

だって、卑屈になってしまう。
あたしは一番さんには勝てない。


それからあたしが何を喋ったかはよく覚えてないんだけど。
愛人さん(仮称)は言った。

「あのね、言ってなかった俺が悪かったけどね」


あのコよりも、瞳冴のことを思ってるよ。



混乱した。
あたしは「二番」だ。
ずっとずっとそう思ってきた。
「二番」がいいんだと思っていた、あたしには。
あたしには、「二番目」の立場がぴったりなんだ。
そう、あたしは「一番」になれない人間。
恋愛ごとじゃなくても、あたしは「二番」でいるほうが物事がうまくまわっていたんだ。

でも、もう一番さんはいない。
あたしは「二番」じゃない。

じゃぁ、あたしは…………。


「ひょっとして、ひとりで妄想して、ひとりで落ち込んで、鬱になって……自滅してた?」

「いや、俺が言わなきゃわからないんだから仕方ないでしょ。ごめん」



愛人さん(仮称)が「愛人」じゃなくなった瞬間。

3ヶ月目にしてようやくスタートできたような気がする。


あたしは、やっとあなたを欲しがってもいいんだね。







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